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特別展「奈良のモダン 〜美術をめぐる人々」

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特別展「奈良のモダン 〜美術をめぐる人々」

特別展「奈良のモダン 〜美術をめぐる人々」

令和8(2026)年117日(土)〜315日(日)

主催・会場 奈良県立美術館

浜田葆光 《水辺の鹿》 1932年 奈良県立美術館蔵

(展覧会の趣旨)

豊かな自然に恵まれた風光明媚な土地柄と、神社仏閣をはじめ歴史的な景観が点在する奈良は、古くから詩歌や文学、芸術の題材とされ、文人たちをも魅了する憧憬の地として知られてきました。明治時代に入ると、信仰と結びついた奈良の文化が改めて評価される中で、美術や行政に携わる人たちが盛んに訪れるようになり、古都・奈良の地にも徐々に新時代の息吹が芽生え始めます。大正時代から昭和戦前期にかけては、奈良の歴史や文化財に関する調査・研究も進展し、その魅力が広く浸透するとともに多くの文化人が集い、往来するようになりました。また、こうした動向は奈良の人々をも刺激して、両者は互いに交流を重ねながら時にはコミュニティーを形成し、地域文化の興隆を促しました。

本展では、美術家をはじめ研究者や文学者から美術行政家まで、奈良に足跡を残した人々を、「第1.章 近代の息吹〜たいざんろうに宿る人々」、「第2.章 華開くモダン〜高畑界隈の人々」の2章により紹介します。美術を通じて展開された、これら文化人たちの活動を概観することで、奈良と美術との関わりを検証すると同時に、独自の文化が華開いた近代奈良の一面に目を向ける機会となれば幸いです。

(本展の見どころ)

第1.章の見どころ 近代美術と古都・奈良

「對山楼」は、江戸末期に開業した奈良の高級旅館です。旧街道沿いに面した同宿には、明治から大正期にかけて、伊藤博文から正岡子規まで時代を彩る要人たちが宿泊し、奈良での活動拠点となりました。中でも注目されるのが、岡倉天心やフェノロサといった美術関係者たちの存在です。二人は西洋に学んだ新たな視点で奈良の文化を捉えなおし、芸術として高く評価しました。第1.章では、對山楼の宿帖を紐解きながら、これらの人々が近代の美術行政や美術教育に携わる中で、奈良の芸術文化がいかなる役割を果たしたのかを再確認します。またそれと同時に、こうした動向によって、歴史文化都市という今日の古都・奈良のイメージが定着し、和辻哲郎や會津八一の著作が知られるように学際的な創作・研究活動の場が形成されていった様相も概観します。

第2.章の見どころ コミュニティーの形成と奈良の近代美術

大正期に入り、歴史文化の魅力にひかれ奈良には多くの文化人が往来するようになりました。とりわけ自然豊かで古の佇まいが残る奈良市郊外の高畑周辺には、欧州帰りの洋画家をはじめ様々な芸術家たちが移り住み、近代の新風を送り込みました。第2.章では、特に大正14 (1925) 年に奈良に住まいを構えた文豪・志賀直哉の周辺に集った芸術家たちと、その後を引き継ぐかのように形成された東大寺・観音院の住職・上司海雲を中心とした芸術家サークルに焦点を当て、洋画や白樺派といった同時代の美術や文芸に刺激を受けて展開された多彩な文化活動や、互いに影響を与え、時には共同作業によって生み出された優れた作品を紹介します。地域特有の文化的風土の下で育まれ、美術や文学、宗教といったジャンルを横断する独自の深化を見せた古都・奈良の近代美術をご覧下さい。

関連展示とコラム

本展では主に県外から奈良に足を運んだ美術関係者の足跡を中心に紹介していますが、こうした人々の中には、奈良に根を下ろし、あるいは奈良の美術家たちと交流し、地域文化の振興に貢献した人々もいます。関連展示で取り上げる水木要太郎(号・十五堂)もその一人です。水木は、「大和の水木か、水木の大和か」といわれた奈良の郷土史研究の草分け的存在です。このコーナーでは、水木の絵画コレクションの展示を通じて、水木が発見した知られざる奈良の美術の魅力を紹介します。またコラム展示では、彫刻家・竹内久一と竹林高行、洋画家・浜田葆光と熊谷守一の二組の美術家に光を当て、奈良が育んだ美の交流を紹介します。これらの展示により、奈良で形成された芸術のネットワークが、新たな創造の源となり、そして近代奈良の文化史に独自の深みを与えてきた様相をご覧いただくことができるでしょう。

(展示構成)

第 1. 章 近代の息吹 〜對山楼に宿る人々

奈良の旅宿・對山楼の宿帖を手がかりに、奈良を訪れた文化人たちの足跡を紹介します。

1.-1 奈良の旅宿 對山楼

1.―2 近代を形作った人々〜九鬼隆一、フェノロサ、岡倉天心、新納忠之介・・・

コラム 知られざる美の交流1〜竹内久一と竹林高行

1.―3 美術を形作った人々〜狩野芳崖、横山大観、竹内栖鳳、寺崎廣業・・・

1.-4 奈良を形作った人々〜和辻哲郎、會津八一・・・

第 2. 章 華開くモダン 〜高畑界隈の人々

大正期から昭和前期にかけて奈良市郊外の高畑周辺で展開された文化活動の一端を紹介します。

2.-1 欧州の風〜足立源一郎と洋画家たち

2.-2 白樺の薫〜武者小路実篤の足跡

コラム 知られざる美の交流2〜浜田葆光と熊谷守一

2.-3 美の交遊〜志賀直哉を巡る美術家たち

2.-4 信仰の輪〜観音院に集う人々

関連展示 大和の碩学 水木要太郎

(展覧会の基本情報と来館案内)

・主催・会場 奈良県立美術館

・会期 令和8(2026)年1月17日(土)〜3月15日(日)

・開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)

・観覧料 一般=1,200(1,000)円、大学生=1,000(800)円 (注記)( )内は団体料金(20名以上)

(注記) 小・中・高生及び18歳未満は無料

(注記) 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳(アプリを含む)をお持ちの方

と介助の方 1名は無料

・休館日 月曜日(ただし2月23日、3月2日、3月9日は開館)、2月24日(火)

後 援 NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、奈良新聞社、西日本旅客鉄道株式会社、

近畿日本鉄道株式会社、奈良交通株式会社、公益社団法人奈良市観光協会、

奈良県教育委員会、奈良市、奈良市教育委員会


(関連イベント)

しかく講演会「近代文学からみる奈良の風景―奈良大学蔵北村信昭コレクションを中心に」

日時 2月8日(日)14:00〜15:30(13:30開場)

講師 光石亜由美(奈良大学文学部国文学科・教授)

定員 60名(当日先着順)

会場 レクチャールーム

しかく美術講座「近代美術と奈良」

日時 2月21日(土)14:00〜15:00(13:30開場)

講師 松川綾子(当館学芸係長)

定員 60名(当日先着順)

会場 レクチャールーム

しかく担当学芸員によるギャラリートーク

日時 1月24日(土)・3月7日(土)14:00〜15:00

会場 展示室

くろまるナイトミュージアム

日時 1月31日(土)18:30〜20:30(17:30開場)

内容 ギャラリートークとコンサート

*事前申込制(先着順)。

申し込み方法などの詳細は奈良県奈良公園室(TEL:0742-27-8677)まで

(ギャラリー企画)

しかく奈良ゆかりの現代作家展

03 佐竹龍蔵 :1月17日(土)〜2月15日(日)

04 野田ジャスミン:2月17日(火)〜3月15日(日)

会場:ギャラリー、入場無料

お問い合わせ

県立美術館
〒 630-8213奈良市登大路町10-6

お問い合わせフォームはこちら


県立美術館TEL : 0742-23-3968

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