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<コラム> 生物多様性

最終更新日 2010年10月28日 | ページID 013102

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1.生物多様性とは何か?

生物多様性条約と生物多様性について

1992年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで地球サミットの開催に合わせて、「生物多様性条約」が採択されました。
この条約では、生物多様性の定義を「すべての生き物の間に違いがあること」としており、「遺伝子」「種」「生態系」の3つのレベルでの多様性があるとしています。

しろまる 生態系の多様性 (=さまざまな環境があること)ブナ林
海洋・沿岸(藻場、砂浜、磯浜など)、島、大小河川・湖沼・湿地、水田・畑・草原・里山林、自然林・人口林などの森林、高山などの生態系があること。

しろまる 種の多様性 (=いろいろな生き物がいること)
地球上には、科学的に明らかにされている生物種が約175万種、未知のものも含めると3,000万種もの生き物が生息しているといわれているように、いろいろな種がいること。

しろまる 遺伝子の多様性 ( =それぞれの種の中でも個体の違いがあること)
同じ種であっても、乾燥に強い、暑さに強い、病気に強い、体の形や色が異なるなどの違いがあること。

数え切れないほどの生物種が、多様な生態系を形成し、地球環境と私たちの暮らしを支えています。
地球がとてつもなく長い年月を経て創り出したこの多様な生き物の世界が、「生物多様性」です。
私たちが日頃使っている言葉で言い換えるとしたら、「生き物のにぎわい」です。

いのちとくらしを支える生物多様性

しろまる すべての生命が生きるための基盤を整える
生命が生きる基となる酸素は植物が作り出したもの、水や気温・湿度の調節も、森林や湿原の働きが関係しています。
植物も動物との相互作用によって、命をつないでいます。

しろまる 人間にとって有用な価値を持つ
私たちの食料や身の回りの生活必需品のほとんどが、生物多様性が作り出したものです。

しろまる 豊かな文化の源になる
地域固有の文化は、地域固有の生物多様性があったからこそ、育まれたものです。

しろまる 将来にわたるくらしの安全性を保証する
豊かな森林は、災害や土砂流出を防ぎます。健全で豊かな生物多様性は、我々の子孫の命をつなぎます。

2.生物多様性の危機 ―進行する3つの危機と地球温暖化―コンクリート池

第一の危機 (人間活動の拡大による生態系の破壊)

しろまる 開発による生き物の生息・生育環境の減少や環境悪化
しろまる 珍しい生き物の乱獲や盗堀


コンクリートで固められたため池

第二の危機(自然に対する人間の働きかけの減少による環境変化)かや田

しろまる 薪や炭、屋根葺き材料を得る場であった草原や里山の管理の減少による環境変化
しろまる 水辺の生き物を育んできた水田の放棄による水辺の消失




放棄された水田が広がる中山のかや田

第三の危機 (外来種や化学物質などを人が持ち込むことによる生態系の攪乱(かくらん))

しろまる 外来種による在来種の捕食
しろまる 近縁種との交雑が進むことによる遺伝的な攪乱(かくらん)
しろまる 化学物質による体内代謝の異常

アメリカザリガニ アメリカザリガニ侵入前 アメリカザリガニ侵入後
絶滅危惧1.類の水草を食べる アメリカザリガニ進入前の小川 アメリカザリガニ進入後の小川
アメリカザリガニ (1992年) (2008年)

地球温暖化による危機

しろまる 急激な温暖化による環境変化

3.福井県の生物多様性の現状

福井県の絶滅のおそれのある野生動物・野生植物

しろまる レッドデータブックに選定されている割合の高い分類群
(レッドデータブックに選定された種の数/福井県内で確認されている種の数)

<動物> <植物>RDB
爬虫類 38.1% (8/21) 水草 55.4% (56/101)
淡水産貝類 37.5% (15/40) シダ類 28.2% (64/227)
淡水魚類 33.7% (33/98)
陸産貝類 28.2% (29/103)
鳥類 28.1% (89/317)

しろまる 絶滅の危険性が高い(絶滅危惧2.類以上)ランクに選定された種の数の割合の高い分類群
(絶滅危惧2.類以上のランクに選定された種の数/レッドデータブックに選定された種の数)

<動物> <植物>
陸産貝類 79.3% (23/29) 水草 38.6% (39/56)
淡水魚類 75.8% (25/33)
淡水産貝類 73.3% (11/15)

4.身近な水辺の生物多様性の現状カエル合唱

いつの間にか消えていった身近なカエル・・・


県内の田んぼには、6〜7種のカエルが確認されています。しかし現在、6〜7種のカエルが確認されているのは、県内の一部の里山内の谷津田に限られています。さらに、かつて平野部の田んぼでも普通にいたトノサマガエルやツチガエルが消えている現状が明らかになりました。

その理由は、田んぼと水路の連続性が、排水路のコンクリート壁によって寸断されたこと、田んぼの乾田化によって、田んぼから水が消える期間が長くなったことにあります。大気中の水蒸気から水分を吸収し、垂直の壁も吸盤で上り下りできるアマガエルしか生き残れない田んぼが増えています。








しかく消えていくカエル・・・しかく

消えてゆくカエル・・・


みんなで力をあわせて、生き物のにぎわい 〜生物多様性〜 を呼び戻しましょう!

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