発熱塗料を活用した省電力形ヒーターの開発(株式会社ワカヤマ)
最終更新日 2024年9月17日 | ページID 058141
印刷事業実施の経緯
数年前に薄型ヒーターを利用されている分野から、さらに昇温スピードが速いヒーターデバイスの開発について相談を受けました。発熱塗料を用いることで、現行品が利用される環境に対応しつつ、現行品の弱点でもある300度以上の高温にも対応できるヒーターの可能性を見出しました。
事業の内容
発熱塗料を活用したヒーターデバイス基材の開発及び、各分野に特化した製品へのカスタマイズ品への展開にむけての研究開発を行いました。発熱塗料の塗布手法に関しては、パターンの再現性を重視した手法を研究しました。また、塗布素材との組み合わせにより、あらゆる形状に対応した薄型ヒーターの開発を目指しました。
事業の成果
布やフィルムなどと組み合わせることでどのような場所もムラなく温めることができるようになりました。対応素材によっては理論上800度まで昇温が可能。
製品のPR
塗布するだけで加熱面が作成できるため、既存の電熱線型のヒーターと比較すると生産コストが削減でき、様々な分野への応用が期待できます。また、フレキシブルな発熱部分も作成可能なため、服全体が温まる衣服などへの応用も期待できます。
経営者の声
若山 健太郎 氏
当社は、眼鏡のメッキと塗装技術をベースとして、今までも医療機器などへの応用をしてきました。今回の発熱塗料を用いたヒーターデバイスの開発は、機能性塗料の用途開発の一環として行っており、必要な個所に必要なだけの熱を発生させることができるデバイスとして、省エネルギーや省スペース化に貢献できると感じています。
開発者の声
開発当初、特殊塗装の膜厚により発熱時間や温度にバラつきが生じ、ユーザーの要件を満たす事ができず失敗の連続でした。幾度となく試行錯誤を繰り返す中、安定して発熱するヒーターを開発することができました。しかし、次に「省エネ化」という課題に直面し、素材や断熱材の変更を検討する中で、有識者の先生方やメーカー様のご協力を頂き、最終的にこの課題を克服し、製品を完成させることができました。