持続可能な社会の実現に向けた産業廃棄物再利用による新建材の開発(株式会社越前セラミカ)
最終更新日 2022年7月1日 | ページID 049936
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数種類の産業廃棄物を陶建材の原料として配合し、新たな物性を探ると共に、越前瓦の既存原料の置き換えや新たな物性を活かした新商品の開発を行いました。
令和3年度
成長産業チャレンジ支援事業補助金
「持続可能な社会の実現に向けた産業廃棄物再利用による新建材の開発」
事業実施の経緯
越前瓦の原料となる粘土が枯渇してきており、代替原料の研究が急務となっています。火力発電所から排出されるフライアッシュ(石炭灰)を瓦の原料に配合する取り組みは以前から行っていましたが、その他の産業廃棄物を原料として配合する研究を進めることで、粘土の採掘量のさらなる削減を図り、新建材を開発するために本事業を始めました。
事業の内容
石炭灰、グラスウール、珪石排泥を原料として、焼結体を作成し物性を評価しました。配合比率を変えることにより、物性が変わるため、新たな機能性についても評価を行いました。
事業の成果
炭灰、グラスウール、珪石排泥が代替原料として利用可能である検証ができました。配合比率により、物性の変化が起こる為、用途に合わせて配合を変える必要があるが、越前瓦製造を持続させる解決策の一つと言える研究成果となりました。今回検証した代替原料を越前瓦製造、タイル製造に利用することにより、以下のことが期待されます。
(1)既存原料である粘土採掘量の減産による越前瓦製造の継続
(2)3種類の産業廃棄物の活用による持続可能な社会への貢献
(3)瓦、タイルの高品質化
製品のPR
資源の循環と伝統技術の継承を実現し、新たな商品開発に繋げることができる技術です。
経営者の声
石山 享史 氏
福井の風景を彩る越前瓦は、過酷な自然環境から建物を守ってきた屋根材です。その製造技術を活かし、タイルなどの陶建材の開発に取り組んでいます。持続可能な社会の実現、地域の風景を守るためにさらなる技術開発に取り組んでいきます。
開発者の声
原料の枯渇という課題解決と、資源の循環、新たな機能性陶建材の開発を目標に研究を進めました。軽量化や遮音性、遮熱性の向上にも繋がる可能性を秘めています。継続的に研究を進めたいです。