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毎年,この時期には花粉症に悩まされる方が多いようだ。‘ようだ’と書いたのは,筆者がこれまでのところ花粉症になっておらず,その辛さが身にしみていないためである。そもそも,花粉症がなぜこれほどまでに蔓延してきたのか?近年,超清潔社会となったため,寄生虫などの外来異物に本来反応するはずであった免疫系がその活躍の場を失い,花粉などの従来「敵」ではなかったものに過敏に反応するようになったと聞いたことがある。真の原因は不明であろうが,その分野の専門家ではない筆者などにはそうかもしれないと思えてしまう。

私たちの身の回りには実に多くの化学品が溢れている。それは,確かに私たちの暮らしを便利にしてきたものだが,悪しき影響は本当にないのだろうか?これまでの研究によれば,化学品から生じる種々のごく低濃度の化学物質と知能や免疫・生殖機能の低下との間には確かな関連性は認められないそうだ。しかし,そのことは化学品による悪影響がまったく存在しないことを意味しない。われわれの現在の知的水準や技術レベルではそれを検出できないだけかもしれない。この疑問に,早く答えなければならない。

(T.H.)

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