実験結果を図3に示します。図3(a)のようにSRF無線プラットフォームを使用していない場合、工場Bに入った直後辺りでローカル5Gの圏外になり通信が遮断し、アプリケーションの通信が途絶しました。その後、通信可能な経路をサーチして公衆網に切り替えて通信を再開しましたが、約9.75秒の間、通信が遮断しました。また、ローカル5Gの通信遮断の直前には往復遅延も大幅に悪化し、最大で約1.01秒になりました(拡大図は図3(c)左 参照)。
これに対し、図3(b)のようにSRF無線プラットフォームを使用した場合、工場Bに入る少し前からデータ送信経路を公衆網に切り替えることで、経路切替時の通信遮断時間を約0.14秒に短縮し、アプリケーションの通信が途絶することなく安定して通信を継続できることを確認しました(拡大図は図3(c)右 参照)。また、自動搬送車が工場Bを出て工場Aに近付き、ローカル5Gの受信信号強度が良くなってくると、SRF Deviceは再びローカル5Gに切り替えて通信を継続できました。
この結果により、サービスエリアの広さ等の特性が異なる公衆網とローカル5Gによるハイブリッドなネットワークを活用し、通信が途切れることのない安定化を実現できるSRF無線プラットフォームの効果を実証することに世界で初めて成功しました。