スマートメータリングシステムの設置模擬実験を仮想空間上でデジタルツインの形でワイヤレスエミュレーションを実現するため、主に下記の4点について研究開発しました。
(1) 都市空間の3Dグラフィックスデータを利用した無線機の位置制御と電波伝搬特性を計算する機能
(2) (1)で得られた位置情報と電波伝搬特性情報をWi-SUN FAN通信機能搭載の仮想無線機に入力してマルチホップ(多段中継)を利用したパケット伝送特性エミュレーションする機能
(3) (2)で得られたWi-SUN FANエミュレーション結果から伝送特性結果(無線機間の経路構築やパケット伝送の結果)を抽出する機能
(4) 都市空間の3Dグラフィックスデータと伝送特性結果を用いたビューワー機能
これらの研究開発の成果をワイヤレスエミュレータ上に搭載して各システムを連携動作させて(図1参照)、住宅密集地へのスマートメータの設置を想定したWi-SUN FAN仮想無線機500台を用いたマルチホップメッシュネットワークの構築とデータ通信実験を行い(図2参照)、ビューワー機能を用いた可視化を実施しました(図3参照)。ビューワー機能では、Wi-SUN FANの特徴であるマルチホップ伝送経路の表示を実現しており、RSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)によって経路線の色が変化します。また、パケット伝送時のスループットに応じた色の変化も実現しております。これらの機能により、視覚的な確認が可能となり、スマートメータの数や設置場所、付近の建物等の状況に応じた収集局の配置を事前に検討することができ、効率的な設置設計が可能となります。