Beyond 5G機能実現型プログラムのうち基幹課題について
開発目標(数値目標等)を具体的かつ明確に定めてハイレベルな研究開発成果の創出を目標とするもので、NICTが予算規模、実施内容等について総務省と協議して研究計画書を作成し、実施者を公募するものです。今回公募する研究開発課題は次のとおりです。
(1)Beyond 5Gにおける高度RAN基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発【課題065】
・概要: Beyond 5Gにおいて必須となる多様なサービスの供給を可能とする無線アクセスネットワーク(RAN)を限られた電波資源の中で実現するため、新技術を柔軟に導入可能なOpen RAN技術に関する研究開発を実施する。「高信頼・セキュアなインテリジェント化のためのセクタあたりの周波数管理の高度化」、「マルチベンダー接続・周波数の有効利用を実現するRAN Intelligent Controller(RIC)アプリケーション」、及び「電力制御最適化による周波数利用効率向上」に関する研究開発を行うことで、電波の有効利用に資する。
・研究開発期間: 契約締結日から令和7年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和7年度まで))(予定)
・研究開発予算: 総額32億円/年(税込)(予定)
・採択件数: 個別に設定する研究開発項目毎に1件
(2)Beyond 5G次世代V2X通信向け協調型無線通信技術の研究開発【課題066】
・概要: 自動運転の普及に伴い通信需要が増大することが見込まれるV2X通信に関して、周波数ひっ迫の影響を受けずに安定的なV2X通信を実現するため、Beyond 5G技術をベースとした周波数利用効率の高いV2X向け通信技術、及び狭域通信を始め既存ITS無線やV2N通信等との高度な協調動作技術に関する研究開発を実施する。本研究開発を通じて、従来に比べ、周波数利用効率を2倍以上、遠隔操作における遅延時間を半分にするV2X通信技術を確立し、3GPPなどの国際標準化団体等への提案活動により、将来の高度な協調型自動運転の実現に寄与する。
・研究開発期間: 契約締結日から令和7年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和7年度まで))(予定)
・研究開発予算: 総額10億円/年(税込)(予定)
・採択件数: 個別に設定する研究開発項目毎に1件
(3)Beyond 5G宇宙ネットワーク向け未利用周波数帯活用型の無線通信技術の研究開発【課題067】
・概要: 近年の低軌道衛星コンステレーションの伸展に伴い、現在、宇宙ネットワーク(宇宙NW)の構築に利用されているKu帯、Ka帯といった周波数資源の枯渇が懸念されており、Ku帯、Ka帯よりも上で未利用の周波数であるQ帯、V帯、W帯の周波数の利用が世界的に検討されている。このような背景を踏まえ、Beyond 5G宇宙NW向け未利用周波数帯活用型の通信技術としてQ帯、V帯における高機能デジタルビームフォーミング(DBF)送受信技術、Q帯、V帯における高性能送受信機器技術、W帯衛星搭載機器の基盤技術の研究開発を行う。本研究開発により、Beyond 5Gネットワークのグローバルカバレージ実現に寄与するとともに、高い周波数への移行が促進されることにより、衛星通信用周波数のひっ迫を緩和することで電波の有効利用に資する。
・研究開発期間: 契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算: 総額20億円/年(税込)(予定)
・採択件数: 個別に設定する研究開発項目毎に1件