1ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験実施要領
令和元年8月
令和2年4月一部改正
令和3年10月一部改正
厚生労働省医薬・生活衛生局
「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」(平成30年12月25日
閣議決定)の3(1)オ及び(2)ウに基づき定められた「「特定技能」に係る試
験の方針について」(令和2年1月30日出入国在留管理庁)(以下「試験方針」と
いう。)に従い、ビルクリーニング分野特定技能1号に係る評価試験(以下「ビル
クリーニング分野特定技能1号評価試験」
という。)の適正な実施を確保するため、
以下のとおりビルクリーニング分野特定技能1号評価試験実施要領を定める。
1 試験概要
(1)試験言語
日本語とする。ただし、
専門用語等については注釈として英語や試験実施国の
現地語等、他の言語を記載することもできるものとする。
(2)実施主体
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会(以下「試験実施機関」という。)が
実施する。
(3)実施方法
実技試験により行う。実技試験では、予め用意された状況設定において写真・
イラストを用いた判断試験、ビルクリーニング作業を行う作業試験により、業務
上必要となる技能水準に達しているか否かを判断する。なお、判断試験において
ビルクリーニング分野における相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要
する業務に従事する者が通常有すべき知識の程度が測れることから、
学科試験は
実施しない。
(4)事業年度における実施回数及び実施時期
日本国内・国外を問わず、試験実施機関が準備した試験会場及び資機材等を利
用する試験方式(以下「集団試験方式」という。)によるビルクリーニング分野
特定技能1号評価試験の実施回数、実施時期については、厚生労働省と試験実施
機関が協議の上決定する。また、一定数の受験者(集団試験方式では受験が困難 2な者に限る。)を確保し、かつ、試験会場及び資機材等を自ら準備できる者(以
下「出張試験申請者」という。)の申請により実施する試験方式(以下「出張試
験方式」という。)によるビルクリーニング分野特定技能1号評価試験は、国内
で随時実施する。なお、いずれの場合も判断試験と作業試験は、同一会場で同一
日に実施する。
(5)実施場所
1 日本国内において実施する集団試験方式によるビルクリーニング分野特定
技能1号評価試験は、
受験者の応募状況に応じ、厚生労働省と試験実施機関が
協議の上決定する。
2 日本国外において実施するビルクリーニング分野特定技能1号評価試験(以下「国外試験」という。)は、試験実施環境が整った国から、厚生労働省と試
験実施機関が協議の上、順次実施する。
3 出張試験方式によるビルクリーニング分野特定技能1号評価試験は、
原則と
して、出張試験申請者が準備した試験会場で実施する。
(6)受験資格者
試験日において、17歳以上の者とする。ただし、日本国内で試験を受験する者
にあっては、在留資格を有する者を対象とし、退去強制令書の円滑な執行に協力
するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域の権限ある機関の発行し
た旅券を所持していない者を除く。
なお、試験方針によれば、試験に合格することができたとしても、そのことを
もって「特定技能」の在留資格が付与されることを保証したものではなく、試験
合格者に係る在留資格認定証明書交付申請又は在留資格変更申請については、別途出入国在留管理庁による審査が行われ、
必ずしも在留資格認定証明書の交付や
在留資格変更の許可を受けられるものではなく、さらに、在留資格認定証明書の
交付を受けたとしても、査証申請については、別途外務省による審査が行われ、
必ずしも査証の発給を受けられるものではない。これらについては、
受験案内に
おいて周知することとする。
(7)試験実施時の注意事項
国外試験の実施に当たっては、現地の関連法令及び規則を遵守し、
実施するも
のとする。
(8)受験者の募集
試験実施機関は、
日本国内及び試験実施国において試験実施の周知を図るとと 3もに、
自らのウェブサイト等を通じて受験者及び出張試験申請者を募集すること
とする。
(9)受験の申請等
1集団試験方式の場合
試験実施機関は、(8)に基づき行う募集の期間内に行われた受験申請に限
り受け付け、次に掲げる事項について審査し、要件を満たしていると認めた場
合に、試験日時、試験場所、受験番号、受験者名等を記載した受験票を交付す
る。
 受験資格(受験申請時点で確認できない場合は、受験日当日に、パスポ
ート等により確認する。)
 必要記入事項
 本人を識別できる写真(写真データを含む)
 受験料を納付したことを証明する資料
 その他、試験実施機関が定める添付資料
なお、試験会場の収容人数を超えた受験申請があった等の場合には、原則、
抽選で受験者を決定する。
2出張試験方式の場合
試験実施機関は出張試験申請者及び受験申請者について、次に掲げる事項に
ついて審査し、厚生労働省と協議の上、要件を満たしていると認めた場合に、
出張試験の実施を決定する。また、試験日時、試験場所、受験番号、受験者名
等を記載した受験票を発行し、出張試験申請者を通じて、受験申請者に交付す
る。
ア 出張試験申請者に係る事項
 判断試験及び作業試験の実施が可能な試験会場を準備できること
 作業試験に必要な資機材等を準備できること
 受験申請者(集団試験方式では受験が困難な者に限る。)を原則20名以上
確保していること
イ 受験申請者に係る事項
1に掲げる事項と同じ。
(10)受験料
試験実施機関は厚生労働省と協議の上、試験実施に係る費用、試験実施国の所
得・物価水準、他国が行う類似の試験の受験料、国内で行う類似の試験の受験料
等を勘案して受験料を決定し、
試験実施に当たり作成する受験案内において示す
こととする。 4(11)合否の通知方法
試験実施機関は、試験実施後、1ヶ月程度で自らのウェブサイトで試験合格者
の受験番号を公表するとともに、
受験者全員に合否通知書を電子媒体で送付する。
また、試験合格者と受入れ機関で雇用契約が結ばれることが決定した後、試験
合格者や受入れ機関による合格証明書の申請及び合格証明書発行手数料納付の
手続きを経て、受入れ機関に合格証明書を交付する。
2 試験実施体制
(1)試験問題作成体制
試験問題の作成に当たっては、試験実施機関は厚生労働省と協議の上、公衆衛
生、
建築物清掃、
作業安全、
職業訓練等に係る有識者等からなる有識者委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
委員会は、
本要領3から5で定める内容に基づき試験実施機関が作成した出題
範囲案、配点基準案及び試験問題案を確認し、試験実施機関及び厚生労働省に必
要な助言を行う。
試験実施機関と厚生労働省は、委員会の助言を受け、ビルクリーニング分野特
定技能1号評価試験の出題範囲、配点基準及び試験問題を策定する。なお、試験
問題は、専門用語等については注釈として英語や試験実施国の現地語等、他の言
語を記載することもできるものとし、作業試験課題については事前に公表する。
(2)試験実施体制
試験実施機関は、受験申請受付、試験会場・試験官の手配、採点等、試験に関
する事務を実施する。なお、出張試験方式の場合、試験会場の手配及び試験の実
施に必要な資機材の準備は出張試験申請者が行うものとする。
また、試験の実施に当たっては、厚生労働省の承認を得た上で、都道府県ビル
メンテナンス協会及び他の民間事業者等に業務の一部を委託することは妨げな
い。
(3)試験の適切な運用をフォローする体制
厚生労働省は、試験実施機関に対し、本試験に関して必要な報告を求め、又は
指示を行うことができる。
3 試験水準
ビルクリーニング分野における初級の技能者が通常有すべき技能を有すること
を確認する観点から、試験の水準は、ビルクリーニング職種・ビルクリーニング 5作業の第2号技能実習修了相当の水準(注)とする。
(注)場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、
方法、洗剤および用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベル。
なお、試験実施機関は、2(1)の試験問題案の作成に当たり可能な限り試行
的な試験を行い、その結果、当該試験が求められる技能を適切に測定するものと
なっていないと判明した場合は、試験問題の修正等の必要な対応を行う。
4 試験科目
試験科目は、ビルクリーニングに関する「作業の段取り」、「器具の使用」、
「資材の使用」、「機械の使用」、「各部位の清掃」、「各場所の清掃」、「廃
棄物処理作業」、「資機材の整備」の各業務が適切に遂行できることを確認する
ものとする。
5 合否の基準
判断試験の点数が満点の60%以上、かつ作業試験の点数が満点の60%以上を合
格基準とした上で、委員会で合否を判定する。
6 試験の不正防止策
(1)試験実施機関は、受験者規模に応じた適正な人数の試験官を配置するととも
に、遅刻者の扱いや途中退出等に係るルールを定め適正な試験の実施に努めるこ
ととする。
試験官は、
常に不正行為を監視し、
不正行為があったことを確認した場合には、
試験官の判断に基づき、当該不正行為に係る受験者の試験を中止し、退場させる
こととする。
なお、試験の実施に当たっては、受験申請書とともに提出された写真により本
人確認を行うとともに、受験資格の有無をパスポート等により確認する。これら
の確認ができない場合には、当該受験者の受験は認めないこととする。
(2)試験実施機関は、不正の手段によってビルクリーニング分野特定技能1号評
価試験を受け、又は受けようとする者に対しては、その試験を受けることを禁止
し、合格の決定を取り消し、又は5年以内の期限を定めてビルクリーニング分野
特定技能1号評価試験を受けることができないものとすることができる。
7 試験結果の公表方法
厚生労働省は、
試験結果について、
厚生労働省ホームページにおいて公表する。
また、厚生労働省は、各事業年度終了後、法務省に対し、遅滞なく試験実施状
況報告書(実施した試験の内容及び結果概要を含む。)を提出し法務省の確認を 6受け、当該報告書を公表する。
8 その他必要事項
(1)書類の保存
試験実施機関は、
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験を実施したとき
は、受験者の受験番号、氏名、生年月日、住所及び試験の点数、合否等を記載し
た帳簿(以下「受験者台帳」という)を作成し、保存する。
書類の保存期間は、原則として、試験実施の翌年度の始期から起算して、合格
証明書申請書及び合格証明書再交付申請書は5年、受験者台帳は10年とする。
(2)合格の取り消し
以下の不正行為が合格通知又は合格証明書交付後に判明した時は、
試験実施機
関は、
当該不正行為を行った者に対して文書をもってその試験の合格を取り消す
とともに、既に交付した合格証明書を返還させる。
1 判断試験問題、採点基準等の秘密事項について試験関係者に情報を求め、
かつ、これを受けたとき
2 受験申請書の記載内容に偽りがあったとき
3 その他受験に関して不正行為があったとき
(3)合格証明書の有効期限
合格証明書の有効期限は、合格証明書の発行日から10年間とする。
(4)合格証明書の再交付
1 合格証明書の再交付は、
試験合格者や受入れ機関からの申請により1回に限
り行うことができる。ただし、合格証明書の発行日から10年に満たない時点
で申請のあった場合に限る。
再交付に当たっては、
受入れ機関は試験実施機関
に対し、再交付に係る発行手数料を納付するものとする。
2 合格証明書の再交付の申請は、
試験実施機関が定める合格証明書再交付申請
書を試験実施機関に提出して行うものとする。
3 試験実施機関は、
合格証明書再交付申請書の提出及び再発行手数料納付の手
続きがあった場合、審査の上、再度合格証明書を作成し、受入れ機関に対し交
付する。この場合の合格証明書には「再交付」である旨の表示をするものとす
る。
(5)秘密保持義務等
試験実施機関の関係者は、
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験及び試 7行的な試験の実施に当たり知り得た秘密を漏らし、又は、盗用してはならない。
(6)個人情報の保護
試験実施機関の関係者は、
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験及び試
行的な試験の実施に当たり取得した個人情報について、
関係法令に基づき適切に
取り扱うこととする。
(7)その他
国外試験を実施する場合は、試験実施国政府との調整により、本要領の記載事
項から一部変更はあり得るものとする。
附 則
この改正は令和3年10月1日から施行し、施行後に受験申請を開始する試験につ
いて適用する。 8(別紙1)ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 課題・配点方法
しかく実技試験
課題名 配点 基準点 合否基準
判断試験(ペーパー試験) 40 24 判断試験の点数
が満点の 60%
以上、かつ
作業試験(作業
1・2・3)の
点数が満点の
60%以上
作業試験
作業1:床面の定期清掃作業
作業2:ガラス面の定期洗浄作業
作業3:洋式大便器の日常清掃作業
60 36
合計 100 60 9(別紙2)ビルクリーニング特定技能1号評価試験の出題範囲
しかく実技試験(ビルクリーニング)
(1)作業の段取り
1 資機材の準備及び片付けが迅速にできること
2 什器及び備品等の移動及び原状復帰が迅速にできること
(2)器具の使用
次に掲げる器具について、安全かつ適切に手際よく使用できること
1)ほうき(自在、シダ等)
、2)文化ちり取り
3)モップ(乾式、湿式、T字型、フラット型、ダストクロス型等)
4)静電気ほこり取り、5)タオル、6)ダストクロス、
7)超極細繊維クロス、8)ハンドパッド、9)フロアパッド、
10)デッキブラシ、11)ウインドスクイジー、12)シャンパー、
13)フロアースクイジー、14)汚水取り、15)スクレーパー、16)毛かき、
17)プランジャー、18)廃棄物コレクター、19)作業カート、
20)保護手袋及び保護マスク、21)作業標示板、
22)漏電・過電流防止装置、23)計量カップ
(3)資材の使用
次に掲げる資材について、安全かつ適切に手際よく使用できること
1)洗剤、2)水石けん、3)衛生消耗品、4)床維持剤
(4)機械の使用
次に掲げる機械について、安全かつ適切に使用できること
1)真空掃除機、2)吸水バキューム、3)ポリッシャー、
4)自動床洗浄機、5)エクストラクター、6)高圧洗浄機、7)送風機
(5)各部位の清掃
次に掲げる各部位について、日常清掃作業が手際よくでき、及び定期清掃
作業ができること
1)床面(弾性、硬性、繊維系、木質系等)、2)壁面(壁、窓、窓枠等)、3)立体面(扉、柱、便器、洗面台、ブラインド等) 104)什器及び備品(机、椅子、ロッカー等)
5)天井面(換気扇、空調吸排口、照明器具等)
(6)各場所の清掃
次に掲げる各場所について、日常清掃作業が手際よくでき、及び定期清掃
作業ができること
1)玄関ホール、2)事務室、3)会議室、役員室及び応接室、
4)客室、病室等、5)通路及びエレベータホール
6)湯沸室及び給湯室、7)昇降装置、8)階段、9)食堂、
10)更衣室、浴室及びシャワールーム、11)喫煙スペース、
12)ごみ集積所、13)駐車場、14)屋上及びベランダ、
15)外周及び犬走り、16)トイレ(日常清掃に限る。
)及び洗面所
(7)廃棄物処理作業
廃棄物の収集運搬作業について、手際よく作業ができること
(8)資機材の整備
1 器具及び資材について、手入れ及び後始末が手際よくできること
2 機械について、点検及び補修ができること

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