49第5章第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
日本の教育制度
現在の日本の教育制度は、
一般に6-3-3-4制と言われ、
小学校6年間、
中学校3年間、
高等学校3年間、大学4年間の制度となっており、小学校と中学校が義務教育となっていま
す。なお、幼稚園などにおいて就学前の教育を行っています。1教育13181716151413121110987654321学年24232221201918171615141211109876543年齢
幼保連携型
認定こども園
幼 稚 園幼稚部就学前教育小学部中学部高等部初等教育中等教育高等教育*特別支援学校義務教育学校(後期課程)(前期課程)高等専門学校専修学校一般課程各種学校
小 学 校
中 学 校定時制課程通信制課程(後期課程)(前期課程)中等教育学校*大学院定時制課程通信制課程*高 等 学 校専修学校専門課程*(注)(1) 部分は義務教育
(2) *印は専攻科を示す。
(3)高等学校、中等教育学校後期課程、大学、短期大学、特別支援学校高等部には修業年限1年以上の別科を置くことができる。
(4)幼保連携型認定こども園は、学校かつ児童福祉施設であり0〜2歳児も入園することができる。
(5)専修学校の一般課程と各種学校については年齢や入学資格を一律に定めていない。** *専門職大学通信制課程*通信制課程専門職大学院短期大学
大 学
(学士課程)専門職短期大学専修学校高等課程(注) (1) 部分は義務教育を示す。
(2)
印は専攻科を示す。
(3)
高等学校、中等教育学校後期課程、大学、短期大学、特別支援学校高等部には修業年限 1 年以上の別科を置くことができる。
(4)
幼保連携型認定こども園は、学校かつ児童福祉施設であり 0 〜 2 歳児も入園することができる。
(5)
専修学校の一般課程と各種学校については年齢や入学資格を一律に定めていない。
日本の学校系統図 505 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
1-1 小学校・中学校
公立小・中学校への入学
• 日本人の6歳から 15 歳の子どもを持つ保護者には子どもを小学校及び中学校などに.
就学させる義務が課されています。
• 外国人の場合でも公立の小学校及び中学校などへの就学を希望する場合は、無償(授
業料、教科書)で受け入れています。
• 住んでいる市区町村に、子どもを日本の公立学校へ入学させたい意思を伝えてください。
• 市区町村から受け取った「外国人児童生徒入学許可書」などを持って、指定された.
学校へ行ってください。
• なお、日本には、小学校・中学校以外に9年の義務教育を一貫で行う義務教育学校や
障害のある子どもが通う特別支援学校があります。.(
「夜間中学」については、1-4 をご覧ください。)1-2 高等学校
• 高等学校は、中学校を卒業した人などが通う学校で、入学に当たっては、原則として
入学試験を受ける必要があります。
• 高等学校は、教育の形態により、全日制、定時制、通信制の課程に分かれています。
• 高等学校を卒業した人は、大学などに入学する資格が認められます。
1-3 外国人学校
• 小学校・中学校・高等学校の他、外国人児童生徒を対象とした教育施設は様々な形態
で存在しており、専ら外国人の子供の教育を目的としている施設は、外国人学校と呼ば
れています。
• それぞれ異なる文化的・民族的背景、言語、教育内容、進学・就職実績などを持って
いることから、就学に際しては、その子どもに適した学校を選択するとよいでしょう(日
本にある外国人学校を卒業した場合の大学などへの入学資格については「1-7 高等教育
機関(大学など)
」を参照)。外国人学校関係者向けウェブサイトはこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikoku/index.htm 515 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
1-4 夜間中学
• 日本には、本国又は日本において義務教育を修了していない人が通うことができる「夜
間中学」があります。
• 夜間中学は全国 17 都道府県に 44 校設置されており(2023 年4月現在)
、様々な事
情により義務教育を修了できなかった人を受け入れています。
• 夜間中学への入学を希望する場合は、まず住んでいる市区町村の教育委員会に相談し
てください。
文部科学省「夜間中学で学びたい方へ」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/index_00005.htm
文部科学省「夜間中学広報資料」では、夜間中学の様子を動画で見ることができます。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/index_00004.htm
1-5 中学校卒業程度認定試験
• 日本の中学校を卒業していない人が受けることができます。
• 試験は、年に1回行っています。
• 合格すると日本の高校の入学試験を受けることができます。 1-6 高等学校卒業程度認定試験
• 日本の高校を卒業していない人が受けることができます。
• 試験は、年に2回行っています。
• 合格すると、次のことができます。
1 日本の大学や短期大学、専門学校などの入学試験を受けることができます。
2 高校を卒業している人を対象としている就職試験や資格試験を受けることがで
きます。
概要(英語)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/mext_01319.html 525 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
1-7 高等教育機関(大学など)
大学などへの入学資格
• 日本で「高等学校」、「中等教育学校」又は指定外国人学校(http://www.
mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314/003.htm)を卒業した人などは、
次の学校への入学資格が認められます。
1 大学
2 専門職大学
3 短期大学
4 専門職短期大学
5 専門学校(専修学校専門課程)
など
• 次の資格を持っている人にも、上記の学校への入学資格が認められます。
1 国際バカロレア(International Baccalaureate)
2 アビトゥア(Abitur)
3 バカロレア(Baccalaureate)
4 GCEA レベル(General Certificate of Education, Advanced-Level)
(日本国内における国際バカロレア認定校一覧:.https://ibconsortium.mext.go.jp/ib-japan/authorization/)
• 次の団体から認定を受けた教育施設(12 年の課程)を卒業すれば、上記の学校への入
学資格が認められます。
1 WASC(The Western Association of Schools and Colleges)
2 CIS(Council of International Schools)
3 ACSI(Association of Christian Schools International)
4 NEASC(New England Association of Schools and Colleges)
その他の高等教育機関
• 他にも、次の日本の高等教育機関には、それぞれ入学資格が定められています。
1 主に大学卒業後に進学する大学院
2 主に大学卒業後に進学する専門職大学院
3 主に中学校卒業後に進学する高等専門学校 535 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
1-8 高等教育機関への入学試験
• 高等教育機関に入学するためには、各高等教育機関が実施する試験や書類審査を受け
る必要があります。
• 各機関の判断において、外国人向けに特別な入学選考を行っている場合もあります。
• 留学生に関しては、日本学生支援機構が実施する日本留学試験(EJU)が、多くの大学
などで特別な入学選考の参考として活用されています。
外国人向けのウェブサイトはこちら
https://www.jasso.go.jp/en/ryugaku/eju/index.html 545 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
教育費の経済的支援
2-1 就学援助
• 子どもが学校で勉強するために必要な学用品(制服、ランドセル、文房具)や給食な
どにかかるお金の一部を受給できます。
• 小学生・中学生の子どもがいる保護者で、低所得世帯の人が対象です。
• 住んでいる市区町村によって、受給できる条件や金額が異なります。
制度をもっと詳しく知りたい方はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm
2-2 高等学校等就学支援金
• 保護者の年収が約 910 万円未満世帯の場合、高校の授業料に充てる
お金を受給できます。
• 国公立高校に通う生徒は、授業料と同じ金額が受給できます。
• 私立高校などに通う生徒は、保護者の所得によって支給額が変わり
ます。
• 受給するためには申込みが必要です。
• 詳しくは、通っている学校から案内があります。
制度をもっと詳しく知りたい方はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm
英語で読みたい方はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20220329-mxt_kouhou02-2.pdf2 55
5 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
2-3 高校生等奨学給付金
• 高校生の保護者で、低所得世帯の人は、教科書費や学用品費など授業料以外に充てる
お金を受給することができます。
• 受給できる金額は、通っている学校の種類などによって異なります。
• 受給するためには申込みが必要です。
• 詳しくは、学校又は住んでいる都道府県に問い合わせてください。
制度をもっと詳しく知りたい方はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm
英語で読みたい方はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20230317-mxt_kouhou02-2.pdf
2-4 高等教育段階における奨学金
• 奨学金は、国、地方公共団体、民間団体が設けています。
• 国の奨学金には、2つの種類があります。
1 給付型:返す必要がない奨学金
2 貸与型:借りるもので返す必要がある奨学金
(注記) なお、
貸与型の奨学金には、
利息がつかないもの
(無利子)
と、
利息がつくもの
(有利子)
と2種類あります。
• 高等教育機関に進学する外国人で次の在留資格を持っている人は国の奨学金の対象と
なります。
1 特別永住者
2 永住者
3 日本人の配偶者等
4 永住者の配偶者等
5 定住者(永住する意思がある人)
• その他、成績要件等を満たした在留資格「留学」の人を対象とした給付型奨学金があ
ります。
外国人向けのウェブサイトはこちら
https://www.jasso.go.jp/en/ryugaku/scholarship_j/shoreihi/index.html 565 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
日本語学習
日本語ができると、皆さんの日本での生活がスムーズに
なります。知り合いや友達が増えて、日本での生活を助け
てくれることもあるでしょう。皆さんの夢をかなえること
もできるでしょう。日本で自分らしく生活できるよう、.日本語の学習を続けていきましょう。
3-1 日本語について
• 日本語で使う文字は5種類あります。ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字・アラビア
数字です。ひらがなとカタカナは、
それぞれ 46 文字と小さく書く文字
(ひらがなは4文字、
カタカナは9文字)があり、
「 ゙」
「 ゚」
「ー」も使います。
• 漢字は、難しい字もありますが、覚えると便利です。身近にある漢字から少しずつ.
楽しみながら学んでいきましょう。
• ローマ字は、メールや SNS などの文字を打つときによく使います。
• 日本で生活するとき、地域にある場所や道などの名前(発音や書き表している漢字など
の文字)を知ることはとても大切です。また、日本にはその地域で使う言葉「方言」も
たくさんあり、地域での生活にはとても大切です。そのような言葉は、地域の日本語.
教室や地域の人との交流を通じて身に付けていくといいでしょう。
• このほか、日本語には敬語があります。相手に応じて、丁寧な日本語が使えるように
なるといいでしょう。
3-2 日本語教育の参照枠
• みなさんが日本語をより学びやすくなるように、
2021 年に新たに、CEFR(Common
European Framework of Reference for Languages: Learning、teaching、
assessment:ヨーロッパ言語共通参照枠)を参考にした「日本語教育の参照枠」が作ら
れました。
• これは、
日本語の6つのレベル(A1〜C2)と日本語の能力(
「聞くこと」
「読むこと」.「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」「書くこと」
)ごとに学習内容や行動目標を
示すものです。
• 自分の日本語のレベルをチェックして、次の目標を立てて学ぶための参考にしてくだ
さい。
• このほか、参照枠活用のための手引や「生活 Can do」
、日本語能力自己評価ツール「に
ほんごチェック!」等を作成・公開しています。
「日本語教育の参照枠」
・手引・生活 Can do ほか
https://www.nihongo-ews.bunka.go.jp/infomation/framework_of_reference3 57
5 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章C2聞いたり、
読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解できる。自然に、
流ちょ
うに正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を
表現できる。C1いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解でき、含意を把握
できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流ちょうに、自然に自己表
現ができる。社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟なで効果的な言葉
遣いができる。B2自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑な
テクストの主要な内容を理解できる。お互いに緊張しないで熟達した日本語話
者とやり取りができるくらい流ちょうで自然である。B1仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、共通語であれば、
主要点を理解できる。身近で個人的に関心のある話題について、単純な方法で
結び付けられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。A2ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係が
ある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲
なら、身近で日常の事柄についての情報交換ができる。A1具体的な欲求を満足させるための、良く使われる日常的表現と基本的な言い
回しは理解し、用いることもできる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話し
て、助けてくれるなら簡単なやり取りをすることができる。
3-3 日本語学習の場
日本語教室では、日本語を勉強しながら生活の情報を知ったり、友達を作ったりできます。
近くの日本語学校や日本語教室を探してみましょう。
また、最近では、スカイプなどのSNSを活用した遠隔教育や e ラーニングなどで日本語
を学ぶ人も増えています。自分に合った学習方法を見つけましょう。
(1)日本語学校
• 進学や就職、試験対策など目的別のコースがあります。
• 入門から上級までレベル別に日本語を学ぶことができます。
• クラスやグループレッスン、個人レッスンなど授業形態を選ぶことができます。
• 授業料がかかります。 585 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(2)地域の日本語教室
• 地方自治体や国際交流協会、NPO法人が日本語教室を開いています。
• 場所は公民館や学校、教会、ボランティアセンターなどです。
• ボランティアによる指導が多いです。
• 無料の教室もあります。費用は日本語学校より安いです。
• クラスは週に1、2回で、1 回1時間〜2時間です。
各地域の日本語教育担当部署・域内の日本語教室一覧はこちら
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/nihongokyoiku_tanto/
pdf/93036701_01.pdf
(注記) 日本語教室を探すときには次のことをチェックしましょう。
1教室名 2主催者 3場所 4連絡先 5連絡方法 6対応言語 7期間 8回数.
9曜日・時間帯 10参加資格 11費用 12クラス形式(グループ/マンツーマンなど).13人数 14レベル 15教える人 16内容 17駐車場や託児サービスの有無 など
(3)通信・遠隔教育
仕事や子育てなどが忙しくて日本語教室に通えないときには、SNSを活用した通信や e
ラーニングなどで日本語を学ぶこともできます。料金やサービスの形態も様々ですから、自
分に合う方法を探してみましょう。3-4日本語学習ウェブサイト
「つながるひろがる にほんごでのくらし」
(通称:つなひろ)
日本で生活する外国人の皆さんが、日本語でコミュニケーションをとったり、生活できる
ようになったりすることを目指して、日本語を学ぶことができるウェブサイトです。
自分に合った日本語のレベルや、学習したいシーン、キーワードに応じて、動画やスクリ
プトの学習コンテンツを選択することができます。
日本語を勉強し実際に使うことを通じて、
社会とつながり、生活をひろげてみましょう。
しろまる対応言語:
日本語・英語・中国語(簡体字)
・中国語(繁体字)
・ポルトガル語・スペイン語・
ベトナム語・インドネシア語・フィリピノ語・ネパール語・クメール(カンボジア)語・韓国語・タイ語・ミャンマー語・モンゴル語・ウクライナ語・ロシア語(17 言語)
しろまる学習場面:
あいさつ、買い物、銀行、電車、役所、防災などの生活場面
「つながるひろがる にほんごでのくらし」
https://tsunagarujp.bunka.go.jp/ 595 教育第5章第3章第1章第2章第4章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章3-5「日本語教育の参照枠」に基づく日本語能力自己評価
ツール「にほんご チェック!」について
国内外の日本語学習者を対象とし、ウェブ上のシステムで表示される Can do がどの程度
できるかを答えていくことで、日本語能力を簡易に判定し、その結果を日本語学習の目標設
定に役立て、自律的な学習を促すことを目的とした自己評価ツールです。
「日本語教育の参照枠」の6レベル(A1〜C2)、5言語活動(聞く、
読む、
話す(やり取り・発表)、書く)で、
レベルごとに示される Can do について、
日本語学習者が、
「1. できない」、「2. あまりできない」、「3. 難しいがなんとかできる」、「4. できる」の四段階で回答していく
ことで日本語能力の自己評価を行うことができます。
しろまる対応言語:
日本語を含む全14言語に対応 中国語、英語、フィリピノ語、インドネシア語、クメール語、韓国語、モンゴル語、.ミャンマー語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、.日本語(ルビ付き)
こちらのページでチェックできます。
https://www.nihongo-check.bunka.go.jp/

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