1【日本国法務省、外務省、厚生労働省とパキスタン・イスラム共和国教育・職
業訓練省との間の技能実習制度に関する協力覚書】
(仮訳)
日本国法務省、外務省、厚生労働省(以下「日本の省」と総称する。
)及びパ
キスタン・イスラム共和国教育・職業訓練省(以下
「パキスタンの省」
という。)は、技能実習制度が、技能、技術及び知識(以下「技能等」という。
)をパキス
タンに移転すること、パキスタンの経済の発展を担う人材育成に寄与すること、
ひいては、国際協力を推進することを目的とするものであることについて見解
を共有した。この見解に基づき、日本の省とパキスタンの省(以下「両省」と
総称する。
)は、技能実習制度を適正に推進するため、次のとおり決定した。
(目的)
1 この覚書は、両省の間で技能実習生の送出し及び受入れに関する約束を定
めることにより、技能実習制度を通じて日本国からパキスタンへの技能等の
移転を適正かつ円滑に行い、ひいては国際協力を推進することを目的とする。
(日本の省の約束)
2 この覚書に基づく協力を開始した後は、日本の省は、適当と認められる場
合には在パキスタン日本国大使館及び日本国総領事館と協力しつつ、日本国
の関係法令に従い、パキスタンからの技能実習生の受入れに関して次の約束
を行う。
一 技能実習生を日本国に送り出すことを意図する送出機関(以下「送出機
関」という。
)であって、別添1に記載する送出機関の認定基準(以下「認
定基準」
という。)を満たすとしてパキスタンの省が認定したもの
(以下
「認
定送出機関」
という。)に係る情報を日本の省がパキスタンの省から受領し
た場合は、当該情報を日本国において公表すること。
二 パキスタンの技能実習生については、認定送出機関が送り出した技能実
習生のみを受け入れること。ただし、日本の省は、認定送出機関から送り
出される技能実習生であっても、当該技能実習生に係る技能実習計画が認
定されない場合等には、当該技能実習生を受け入れないことができる。
三 パキスタンの公的機関による送出機関の推薦状を、
パキスタンの省による
送出機関の認定をもって代えることとすること。
ただし、
パキスタンの省が
送出機関の認定のための手続を終了し、
日本の省に認定送出機関の完全なリ
ストを提供することを条件とする。
四 日本の省が別添2の証明書を受領することを条件として、
認定送出機関の
完全なリストを受領した後、
公的機関による技能実習生の推薦状を要求しな
いこと。 2五 日本の省がパキスタンの省から認定送出機関の認定の取消しの情報を受
領した場合には、当該情報を日本国において公表すること。
六 日本の省がパキスタンの省から技能実習制度の運営の状況、当該制度の見
直し、又は当該制度の対象職種の追加に関する照会を受けた場合には、必要
な情報を提供すること。
(パキスタンの省の約束)
3 パキスタンの省は、パキスタンの関係法令に従い、技能実習生の送出しに
関して次の約束を行う。
一 技能実習生の団体監理型技能実習への申込みを適切に日本国の監理団体
に取り次ぐことができるものとして公的機関が行う送出機関の推薦(外国
人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則第
25 条第1号に規定する推薦)は、パキスタンの省以外の公的機関には行わ
せないこと。
二 送出機関について、認定基準を満たしているかどうかの審査を行い、当
該機関が認定基準を満たしていると認める場合には、その認定を与えるこ
と。
三 前項に定める認定を行ったときは、当該認定送出機関の名称その他の情
報を公表すること。また、当該認定送出機関の情報を別添3に記載する様
式により日本の省に提供すること。
さらに、パキスタンの省が日本の省に対
して認定送出機関の完全なリストを提供するまでの間、パキスタンの省が
日本に技能実習生を送り出すことが適切と認める送出機関の推薦状を継続
して発行すること。
四 パキスタンの省が、認定送出機関が認定基準に適合しない行為その他の
適切でない行為を行ったのではないかとの通報を日本の省から受けた場合
には、当該認定送出機関を調査し、必要な指導及び監督を行い、その結果
を日本の省に報告すること。
五 パキスタンの認定送出機関に対し、技能実習生を適切な方法で選定し、
及び送り出すために指導し、パキスタンの省が認定送出機関が認定基準を
満たさなくなったと認める場合には、認定を取り消し、その後、その結果
を日本の省に通報すること。
六 日本の省が実施する技能実習生が修得した技能等の帰国後の活用状況に
関する調査について、元技能実習生からできる限り多くの正確な回答が得
られるよう認定送出機関を指導すること等により協力すること。
七 日本の省から照会を受けた場合には、認定送出機関に対する指導及び監
督に関する実績、送出機関の認定に関する実績、パキスタンへの技能移転
の需要のある職種に関する事項等について、日本の省に必要な情報を提供 3すること。
(連絡部局の指定)
4 両省は、この覚書に基づく活動を効果的に実施するため、両国の連絡及び
調整に係る連絡窓口を次のとおりそれぞれ指定する。
一 日本については、外国人技能実習機構国際部。ただし、この覚書の修正
及び補足並びにこの覚書に基づく協力の終了の希望についての窓口は、法
務省入国管理局入国在留課及び厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成
担当参事官室。
二 パキスタンについては、教育・職業訓練省教育庁。同庁は、この覚書に
係る業務の一部を、在日本国パキスタン大使館に委託することができる。
(問題の解決)
5 両省は、この覚書に基づく活動の実施又は当該実施に関連して生じる問題
(技能実習生の失踪の発生、不法残留の技能実習生の送還等を含む。
)につい
て協議し、友好的に、かつ、適当な場合には外交ルートを通じ、それぞれの
国における関係する省庁と緊密に協力し解決する。
(法令の範囲内の実施)
6 この覚書に基づく協力は、それぞれの国において効力を有する法令の範囲
内で行われる。いずれか一方の省は、他方の省の書面による同意なしに、こ
の覚書の枠組みにおける協力及び情報交換を通して他方の省から取得した秘
密の情報を公開しない。
(協議)
7 両省の代表者は、必要に応じ随時協議する。両省は、適当と認める場合は、
外交ルートを通じて協議を行う。
(その他)
8 この覚書は2019年2月26日に東京において署名された。この覚書に基づく
協力は、その署名の日から開始する。この覚書に基づく協力は、その開始の
日から5年続くものとし、いずれか一方の省から、終了する日の60日前まで
に延長しないことを希望する旨の書面による通告がない限り、自動的に5年
間延長される。いずれか一方の省がこの覚書に基づく協力を上述の5年の期
間が満了する前に終了することを希望する場合には、終了することを希望す
る日の90日よりも前に他方の省に対し書面によりその意図を通告することに
より終了する。 4この覚書の内容は、
両省の書面による同意により、
必要に応じて修正又は補
足される。
この覚書は、英語により作成する。
日本国法務省のために パキスタン・イスラム共和国教育・職
業訓練省のために
日本国外務省のために
日本国厚生労働省のために 5<別添1>
送出機関の認定基準
1 送出機関は、次の全ての基準を満たしている必要がある。
一 技能実習制度の目的を理解して技能実習を行い、
帰国後にその成果を発揮
してパキスタンの経済の発展に寄与する意欲のある者のみを適切に選定し
て、日本への送出を行うこととしていること。
二 技能実習生又は技能実習生になろうとする者(以下「技能実習生等」とい
う。
)から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて
公表し、
当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解
をさせるために説明すること。
三 技能実習を修了してパキスタンに帰国した者が修得した技能等を適切に
活用できるよう、就職先のあっせんその他の必要な支援を提供すること。
四 技能実習制度の適正な実施及び技能実習生の保護に関し、
日本国の法務大
臣、
厚生労働大臣又は外国人技能実習機構からの要請に応じること。
当該要
請には、
技能実習を修了して帰国した者に対するフォローアップ調査を含む。
五 送出機関又はその役員について、
日本国又はパキスタンにおいて拘禁刑又
はこれよりも重い刑を言い渡されている場合、
その刑の執行の終了又はその
刑の執行の免除から少なくとも5年を経過していること。
六 パキスタンの法令に従って事業を行うこと。
七 送出機関又はその役員が、
過去5年以内に、
次に掲げる行為を行っていな
いこと。
(a)技能実習に関連し、保証金の徴収、その他の目的など理由のいかんを問
わず、技能実習生等、その親族又はそれらの者の関係者等の金銭その他
の財産を管理する行為
(b)技能実習に係る契約の不履行について、違約金を科す契約、又は金銭そ
の他の財産の不当な移転を予定する契約を締結する行為
(c)暴行、脅迫、自由の制限等の技能実習生等の人権を侵害する行為
(d)技能実習制度上の手続及び日本における出入国管理制度上の手続に関
し、不正に許可等を受けさせる目的で、偽造された、変造された又は虚
偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為
八 技能実習の申請を日本の監理団体に取り次ぐに当たり、
技能実習生等、その親族又はその関係者等が、
七(a)及び(b)に定める行為に関与していないこ
とについて確認することとしていること。 6九 技能実習生の失踪対策の重要性を認識し、
日本の監理団体と協力して、失踪対策に努めること。
十 技能実習の申請を適切に日本の監理団体に取り次ぐために必要なその他
の能力を有すること。
2 パキスタンの送出機関の認定については、パキスタンの省は、2019 年2月
26 日から手続を開始し、認定送出機関の完全なリストを日本の省に対して
2019 年7月1日までに提供する。日本の省は、2019 年 12 月1日以降、当該
リストに記載されているパキスタンの認定送出機関からの技能実習生のみを
受け入れる。 7<別添2>
作成日:
認 定 送 出 機 関 の 概 要
機関名:
代表者の氏名:
所在地:
電話番号: Fax:
Email: _______________________________URL:設立年月日:
認定年月日(有効期間)
: ( まで有効)
業種及び主要業務:_____________
資本金:
売上げ(直近年度):常勤職員数(うち送出し業務従事者数):実施責任者名: (役職)
(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email)__________________
日本国内における連絡先等:
(氏名又は名称)______________________________________ _
(代表者の氏名(法人の場合))(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email) __________________ 8<別添3>
作成日:
証明書
パキスタン・イスラム共和国教育・職業訓練省(以下「当省」という。
)は、認定送出機
関*が日本国に派遣する技能実習生は、技能実習を行うに適切と認める。ただし、当省が
適当でないと認めて別途個別に技能実習に関する協力覚書4一において指定された日本国
の連絡窓口に通知する者を除く。
*「認定送出機関」とは、当省により認定された送出機関のことをいう。
パキスタン・イスラム共和国教育・職業訓練省
(署名)

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