1【日本国法務省、外務省、厚生労働省とブータン労働人材省との間の技能実習
制度に関する協力覚書】
(仮訳)
日本国法務省、外務省、厚生労働省(以下「日本の省」と総称する。
)及びブ
ータン労働人材省(以下「ブータンの省」という。
)は、技能実習制度が、技能、
技術及び知識(以下「技能等」という。
)をブータンに移転すること、ブータン
の経済の発展を担う人材育成に寄与すること、ひいては、国際協力を推進する
ことを目的とするものであることについて見解を共有した。この見解に基づき、
日本の省とブータンの省(以下「両省」と総称する。
)は、技能実習制度を適正
に推進するため、次のとおり決定した。
(目的)
1 この覚書は、日本の省及びブータンの省との間で技能実習生の送出し及び
受入れに関する約束を定めることにより、技能実習制度を通じて日本国から
ブータンへの技能等の移転を適正かつ円滑に行い、ひいては国際協力を推進
することを目的とする。
(日本の省の約束)
2 日本の省は、適当と認められる場合には在インド日本国大使館と協力しつ
つ、日本国の関係法令に従い、ブータンからの技能実習生の受入れに関して
次の約束を行う。
一 技能実習生を日本国に送り出すことを意図する送出機関(以下「送出機
関」という。
)であって、別添1に記載する送出機関の認定基準(以下「認
定基準」という。
)を満たすとしてブータンの省が認定したもの(以下「認
定送出機関」
という。)に係る情報を日本の省がブータンの省から受領した
場合は、当該情報を日本国において公表すること。
二 この覚書に基づく協力を開始した後は、ブータンの技能実習生について
は、
認定送出機関が送り出した技能実習生のみを受け入れること。
ただし、
日本の省は、認定送出機関から送り出される技能実習生であっても、当該
技能実習生に係る技能実習計画が認定されない場合等には、当該技能実習
生を受け入れないことができる。
三 この覚書に基づく協力を開始した後は、
ブータンの公的機関による送出機
関の推薦状を、
ブータンの省による送出機関の認定をもって代えることとす
ること。ただし、ブータンの省が送出機関の認定のための手続を終了し、日
本の省に認定送出機関の完全なリストを提供することを条件とする。
四 この覚書に基づく協力を開始した後は、
日本の省が別添3の証明書を受領
することを条件として、
認定送出機関の完全なリストを受領した後、
公的機 2関による技能実習生の推薦状を要求しないこと。
五 日本の省がブータンの省から認定送出機関の認定の取消しの情報を受領
した場合には、当該情報を日本国において公表すること。
六 日本の省がブータンの省から技能実習制度の運営の状況、当該制度の見
直し、又は当該制度の対象職種の追加に関する照会を受けた場合には、必
要な情報を提供すること。
(ブータンの省の約束)
3 ブータンの省は、ブータンの関係法令に従い、技能実習生の送出しに関し
て次の約束を行う。
一 技能実習生の団体監理型技能実習への申込みを適切に日本国の監理団体
に取り次ぐことができるものとして公的機関が行う送出機関の推薦(外国
人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則第
25 条第1号に規定する推薦)は、ブータンの省以外の公的機関には行わせ
ないこと。
二 送出機関について、認定基準を満たしているかどうかの審査を行い、当
該機関が認定基準を満たしていると認める場合には、その認定を与えるこ
と。
三 前項に定める認定を行ったときは、当該認定送出機関の名称その他の情
報を公表すること。また、当該認定送出機関の情報を別添2に記載する様
式により日本の省に提供すること。
さらに、ブータンの省が日本の省に対し
て認定送出機関の完全なリストを提供するまでの間、ブータンの省が日本
に技能実習生を送り出すことが適切と認める送出機関の推薦状の発行を継
続すること。
四 ブータンの省が、認定送出機関が認定基準に適合しない行為その他の適
切でない行為を行ったのではないかとの通報を日本の省から受けた場合に
は、当該認定送出機関を調査し、必要な指導及び監督を行い、その結果を
日本の省に報告すること。
五 ブータンの認定送出機関に対し、技能実習生を適切な方法で選定し、及
び送り出すために指導し、ブータンの省が認定送出機関が認定基準を満た
さなくなったと認める場合には、認定を取り消し、その結果を日本の省に
通報すること。
六 日本の省が実施する技能実習生が修得した技能等の帰国後の活用状況に
関する調査について、元技能実習生からできる限り多くの正確な回答が得
られるよう認定送出機関を指導すること等により協力すること。
七 日本の省から照会を受けた場合には、認定送出機関に対する指導及び監
督に関する実績、送出機関の認定に関する実績、ブータンへの技能移転の
需要のある職種に関する事項等について、日本の省に必要な情報を提供す 3ること。
八 技能実習制度に関する公的送出機関として雇用・人材局雇用サービス課
を指定すること。
(連絡部局の指定)
4 両省は、この覚書に基づく活動を効果的に実施するため、両国の連絡及び
調整に係る連絡窓口を次のとおりそれぞれ指定する。
一 日本については、外国人技能実習機構国際部。ただし、この覚書の修正
及び補足並びにこの覚書に基づく協力の終了の希望についての窓口は、法
務省入国管理局入国在留課及び厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成
担当参事官室。
二 ブータンについては、労働人材省雇用・人材局人材・技能開発課。
(問題の解決)
5 両省は、この覚書に基づく活動の実施又は当該実施に関連して生じる問題
(技能実習生の失踪の発生、不法残留の技能実習生の送還等を含む。
)につい
て協議し、友好的に、かつ、適当な場合には外交ルートを通じ、それぞれの
国における関係する省庁と緊密に協力し解決する。
(法令の範囲内の実施)
6 この覚書に基づく協力は、それぞれの国において効力を有する法令の範囲
内で行われる。いずれか一方の省は、他方の省の書面による同意なしに、こ
の覚書の枠組みにおける協力及び情報交換を通して他方の省から取得した秘
密の情報を公開しない。
(協議)
7 両省の代表者は、必要に応じ随時協議する。両省は、適当な場合には、外
交ルートを通じて協議を行う。
(その他)
8 この覚書は 2018 年 10 月3日に東京において署名された。この覚書に基づ
く協力は、
その署名の日から開始する。
この覚書に基づく協力の開始により、
技能実習制度に係る両省の間の協力は、この覚書の下で行うものとする。
この覚書に基づく協力は、
その署名の日から5年続くものとし、
いずれか一
方の省から、
終了する日の60日前までに延長しないことを希望する旨の書面に
よる通告がない限り、
自動的に5年間延長される。
いずれか一方の省がこの覚
書に基づく協力を上述の5年の期間が満了する前に終了することを希望する
場合には、
終了することを希望する日の90日よりも前に他方の省に対し書面に 4よりその意図を通告することにより終了する。
この覚書の内容は、
両省の書面による同意により、
必要に応じて修正又は補
足される。
この覚書は、英語により作成する。
日本国法務省のために ブータン労働人材省のために
日本国外務省のために
日本国厚生労働省のために 5<別添1>
送出機関の認定基準
送出機関は、次の全ての基準を満たしている必要がある。
一 技能実習制度の目的を理解して技能実習を行い、
帰国後にその成果を発揮
してブータンの経済の発展に寄与する意欲のある者のみを適切に選定して、
日本への送出を行うこととしていること。
二 技能実習生又は技能実習生になろうとする者(以下「技能実習生等」とい
う。
)から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて
公表し、
当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解
をさせるために説明すること。
三 技能実習を修了してブータンに帰国した者が修得した技能等を適切に活
用できるよう、就職先のあっせんその他の必要な支援を提供すること。
四 技能実習制度の適正な実施及び技能実習生の保護に関し、
日本国の法務大
臣、
厚生労働大臣又は外国人技能実習機構からの要請に応じること。
当該要
請には、
技能実習を修了して帰国した者に対するフォローアップ調査を含む。
五 送出機関又はその役員について、
日本国又はブータンにおいて拘禁刑又は
これよりも重い刑を言い渡されている場合、
その刑の執行の終了又はその刑
の執行の免除から少なくとも5年を経過していること。
六 ブータンの法令に従って事業を行うこと。
七 送出機関又はその役員が、
過去5年以内に、
次に掲げる行為を行っていな
いこと。
(a)技能実習に関連し、保証金の徴収、その他の目的など理由のいかんを問
わず、技能実習生等、その親族又はそれらの者の関係者等の金銭その他
の財産を管理する行為
(b)技能実習に係る契約の不履行について、違約金を科す契約、又は金銭そ
の他の財産の不当な移転を予定する契約を締結する行為
(c)暴行、脅迫、自由の制限等の技能実習生等の人権を侵害する行為
(d)技能実習制度上の手続及び日本における出入国管理制度上の手続に関
し、不正に許可等を受けさせる目的で、偽造された、変造された又は虚
偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為
八 技能実習の申請を日本の監理団体に取り次ぐに当たり、
技能実習生等、その親族又はその関係者等が、
七(a)及び(b)に定める行為に関与していないこ
とについて確認することとしていること。 6九 技能実習生の失踪対策の重要性を認識し、
日本の監理団体と協力して、失踪対策に努めること。
十 技能実習の申請を適切に日本の監理団体に取り次ぐために必要なその他
の能力を有すること。 7<別添2>
作成日:
認 定 送 出 機 関 の 概 要
機関名:
代表者の氏名:
所在地:
電話番号: Fax:
Email: _______________________________URL:設立年月日:
認定年月日(有効期間)
: ( まで有効)
業種及び主要業務:_____________
資本金:
売上げ(直近年度):常勤職員数(うち送出し業務従事者数):実施責任者名: (役職)
(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email)__________________
日本国内における連絡先等:
(氏名又は名称)______________________________________ _
(代表者の氏名(法人の場合))(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email) __________________ 8<別添3>
作成日:
証明書
ブータン労働人材省(以下「当省」という。
)は、認定送出機関*が日本国に派遣する技
能実習生は、技能実習を行うに適切と認める。ただし、当省が適当でないと認めて別途個
別に技能実習に関する協力覚書4一において指定された日本国の連絡窓口に通知する者を
除く。
*「認定送出機関」とは、当省により認定された送出機関のことをいう。
ブータン労働人材省

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