1【日本国法務省・外務省・厚生労働省とインド技能開発・起業促進省との間の
技能実習制度に関する協力覚書】仮訳
日本国法務省,外務省及び厚生労働省(以下「日本の省」と総称する。
)及び
インド共和国技能開発・起業促進省(以下「MSDE」という。
)は、技能開発
におけるパートナーシップを促進するため、技能実習制度が、技能、技術及び
知識(以下「技能」という。
)を移転すること、インド共和国(以下「インド」
という。
)の人材育成に寄与すること、及び日本国とインドとの間の協力を通じ
て相互の利益を強化することを目的とするものであることについての見解を共
有する。この見解に基づき、日本の省とMSDE(以下「両省」と総称する。)は、
技能実習制度を適正に推進するため、
次のとおり協力することを決定した。
1 目的
この協力覚書(以下「この覚書」という。
)は、日本の省とMSDEとの間
で技能実習生の送出し及び受入れに関する約束を定め、技能実習制度を推進
することにより、日本国からインドへの技能の移転を適正かつ円滑に行い、
ひいては国際協力を強化することを目的とする。
2 日本の省の約束
日本の省は、適当と認められる場合には在インド日本国大使館及び日本国
総領事館と協力しつつ、日本国の関係法令に従い、インドからの技能実習生
の受入れに関して次の約束を行う。
一 技能実習生を日本国に送り出すことを意図する機関(以下「送出機関」
という。
)であって、別添 1 に記載する送出機関の認定基準(以下「認定基
準」という。
)を満たすとしてMSDE(訓練総局(DGT)
)が認定した
もの(以下「認定送出機関」という。
)に係る情報を日本の省がMSDEか
ら受領した場合は、当該情報を日本国において公表すること。
二 この覚書に基づく協力を開始した後は、
インドの技能実習生については、
認定送出機関が送り出した技能実習生のみを受け入れること。ただし、日
本の省は、認定送出機関から送り出される技能実習生であっても、実習実
施者により作成された当該技能実習生に係る技能実習計画が、日本国の外
国人技能実習機構に認定されない場合等には、当該技能実習生を受け入れ
ないことができる。
三 MSDEがインドの送出機関の認定手続を完了した場合は、インドの認
定送出機関の完全なリストを受領すること、及びMSDEがインドの認定
送出機関の推薦状を提供する場合は、当該推薦状を受領すること。
四 この覚書に基づく協力を開始した後は、日本の省が別添3の証明書を受
領することを条件として、認定送出機関の完全なリストを受領後、MSD
Eによる技能実習生の推薦状を不要とすること。 2五 日本の省が、MSDEから認定送出機関の認定の取消しの情報を受領し
た場合には、当該情報を日本国において公表すること。
六 日本の省がMSDEから技能実習制度の運営の状況、当該制度の見直し、
又は当該制度の対象職種の追加に関する照会を受けた場合には、必要な情
報を提供すること。
七 許可を受けた日本の監理団体のリストをMSDEに提供すること。
八 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以
下「法」という。
)第46条から第49条までに違反した場合を含め、日本
の省が、法第15条、第16条、第36条又は第37条に従い、監理団体
に対して、許可の取消し、業務停止命令若しくは改善命令による行政措置
をとった場合、又は、実習実施者に対して、認定計画の取消し若しくは改善
命令による行政措置をとった場合は、
MSDEにその結果を通知すること。
九 英語で技能実習生を支援する制度を定めること。
十 監理団体の許可の取消し、実習実施者による事業の中断又は監理団体若
しくは実習実施者による人権侵害があった場合に、技能実習生を他の実習
実施者に転籍させる体制を定めること。
十一 日本の省がインドの認定送出機関が法に反する行為を行ったと認める
場合は、当該行為に対して適切な措置を講じることができるようMSDE
と協力するため、当該行為をMSDEに通報すること。
3 MSDEの約束
MSDEは、インドの関係法令に従い、技能実習生の送出しに関して次の
約束を行う。
一 技能実習生の団体監理型技能実習への申込みを適切に日本の監理団体に
取り次ぐことができるものとしてMSDEが行う送出機関の推薦(法施行
規則第25条第 1 号に規定する推薦。)は、
MSDE以外の公的機関には行
わせないこと。
二 送出機関について、認定基準を満たしているかどうかの審査を行い、当
該機関が認定基準を満たしていると認める場合には、その認定を与えるこ
と。
三 前項に定める認定を行ったときは、当該認定送出機関の名称その他の情
報をインドにおいて公表すること。また、当該認定送出機関の情報を別添
2に記載する様式により日本の省に提供すること。
さらに、MSDEが日本
の省に対して認定送出機関の完全なリストを提供するまでの間、MSDE
が、日本に技能実習生を送り出すことが適切と認める送出機関の推薦状の
発行を継続すること。
四 MSDEが、認定送出機関が認定基準に適合しない行為その他の適切で
ない行為を行ったのではないかとの通報を日本の省から受けた場合には、
当該認定送出機関を調査し、必要な指導及び監督を行い、その結果を日本 3の省に報告すること。
五 インドの認定送出機関に対し、技能実習生を適切に選定し、及び送り出
すために指導し、MSDEが認定送出機関が認定基準を満たさなくなった
と認める場合には、
認定を取り消し、
その結果を日本の省に通報すること。
六 日本の省が実施する技能実習生が修得した技能等の帰国後の活用状況に
関する調査について、元技能実習生からできる限り多くの正確な回答が得
られるよう認定送出機関を指導すること等により協力すること。
七 日本の省から、認定送出機関に対する指導及び監督に関する実績、送出
機関の認定に関する実績、インドへの技能移転の需要のある職種に関する
事項等について照会を受けたときは、日本の省に必要な情報を提供するこ
と。
4 連絡部局の指定
両省は、この覚書に基づく活動を効果的に実施するため、両国の連絡及び
調整に係る連絡窓口を次のとおりそれぞれ指定する。
一 日本については、外国人技能実習機構国際部。ただし、この覚書の修正
及び補足並びにこの覚書に基づく協力の終了の希望についての窓口は、法
務省入国管理局入国在留課及び厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成
担当参事官室。
二 インドについては、MSDE訓練総局長/局長。当該連絡窓口は、この
覚書に係る業務の一部を、在日本インド大使館に委託することができる。
5 問題の解決
両省は、この覚書に基づく活動の実施又は当該実施に関連して生じる問題
(技能実習生の失踪の発生、不法残留の技能実習生の送還等を含む。
)につい
て協議し、適当な場合には外交ルートを通じ、友好的に、かつ、それぞれの
国における関係する省庁と緊密に協力し解決する。
6 法令の範囲内の実施
この覚書に基づく協力は、それぞれの国において効力を有する法令の範囲
内で行われる。いずれか一方の省は、他方の省の書面による同意なしに、こ
の覚書の枠組みにおける協力及び情報交換を通して他方の省から取得した秘
密の情報を公開しない。
7 協議
両省の代表者は、適当な場合には、外交ルートを通じて、必要に応じ随時
協議する。
8 その他 4一 開始
この覚書は、2017年10月17日に日本国東京において英語により
2通が署名された。この覚書に基づく協力は、両省がこの覚書に基づく協
力を開始する意図を表明する通知のうち、いずれか遅い方の通知が受領さ
れた日の後30日目の日に開始する。
二 有効期間
この覚書に基づく協力は、遅い方の通知が受領された日の後30日目の
日から5年続くものとし、いずれか一方の省から、終了する日の60日前
までに延長しないことを希望する旨を示す書面による通告がない限り、自
動的に5年間延長される。
三 終了
(1)いずれか一方の省がこの覚書に基づく協力を上述の5年の期間が満了
する前に終了することを希望する場合には、終了することを希望する日
の90日よりも前に他方の省に対し書面によりその意図を通告すること
により終了する。
(2)この覚書に基づく協力を終了する場合には、
両省は、
技能実習生の利益
が考慮されることを確保する。
四 修正及び補足
この覚書の内容は、両省の書面による同意により、必要に応じて修正又は
補足される。
この覚書は、英語により作成する。
日本国法務省のために
上川 陽子
インド共和国政府技能開発・起業促進省のためにダルメンドラ・プラダーン
日本国外務省のために
佐藤 正久
日本国厚生労働省のために
加藤 勝信 5〈別添1〉
送出機関の認定基準
1 送出機関は,次に掲げる基準を満たしている必要がある。
(1)技能実習制度の目的を理解して技能実習を行い、帰国後にその成果を発揮し
てインドの経済発展に寄与する意欲のある者のみを適切に選定して、日本へ
の送出を行うこととしていること。
(2)技能実習生又は技能実習生になろうとする者
(以下
「技能実習生等」
という。)から徴収する手数料その他の費用について、
算出基準を明確に定めて公表し、
当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解をさせる
ために説明すること。
(3)技能実習を修了して帰国した者が修得した技能等を適切に活用できるよう、
就職先のあっせんその他の必要な支援を提供すること。
(4)技能実習制度の適正な実施及び技能実習生の保護に関し、日本国の法務大臣、
厚生労働大臣又は外国人技能実習機構からの要請に応じること。当該要請に
は、技能実習を修了して帰国した者に対するフォローアップ調査を含む。
(5)送出機関又はその役員について、日本国,インド又はその他いかなる国にお
いて拘禁刑又はこれよりも重い刑を言い渡されている場合、その刑の執行の
終了又はその刑の執行の免除から少なくとも5年を経過していること。
(6)インドの法令に従って事業を行うこと。
(7)送出機関又はその役員が、過去5年以内に、次に掲げる行為を行っていない
こと。
(a)技能実習に関連し、保証金の徴収その他の名目の理由のいかんによらず、
技能実習生等、その親族又はそれらの者の関係者等の金銭その他の財産を
管理する行為
(b)技能実習に係る契約の不履行について、違約金を科す契約、又は金銭その
他の財産の不当な移転を予定する契約を締結する行為
(c)暴行、脅迫、自由の制限等の技能実習生等の人権を侵害する行為
(d)技能実習制度上の手続及び日本における出入国管理制度上の手続に関し、
不正に許可等を受けさせる目的で、偽造された、変造された又は虚偽の文
書若しくは図画を行使し、又は提供する行為
(8)技能実習の申請を日本の監理団体に取り次ぐに当たり、技能実習生等、その
親族又はその関係者等が、
(7)(a)及び(b)に定める行為に関与していないこと
について確認すること。
(9)技能実習生の失踪対策の重要性を認識し、日本の監理団体と協力して、失踪 6対策に努めること。
(10)技能実習の申請を適切に日本の監理団体に取り次ぐために必要なその他の
能力を有すること。
2 インドの送出機関の認定については、MSDEは、2017年11月1日
から手続を開始し、認定送出機関の完全なリストを日本の省に対して201
8年1月1日までに提供する。日本の省は、2018年5月1日以降、当該
リストに記載されているインドの認定送出機関からの技能実習生のみを受け
入れる。 7〈別添2〉
作成日:
認 定 送 出 機 関 の 概 要
機関名:
代表者の氏名:
所在地:
電話番号: Fax:
Email: _______________________________
URL: _______________________________
設立年月日:
認定年月日(有効期間)
: ( まで有効)
業種及び主要業務:
資本金:
売上げ(直近年度):常勤職員数(うち送出し業務従事者数):実施責任者名: (役職)
(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email)__________________
日本国内における連絡先等:
(氏名又は名称)______________________________________ _
(代表者の氏名(法人の場合))(住所)
(電話番号) (Fax)
(Email) __________________ 8<別添3>
証明書
インド共和国能力開発・起業促進省(以下、
「当省」という。
)は、認定送出機関*が日
本国に派遣する技能実習生は、技能実習を行うに適切と認める。ただし,当省が適当でな
いと認めて別途個別に技能実習に関する協力覚書4において指定された日本国の連絡窓口
に通知する者を除く。
*「認定送出機関」とは、当省により認定された送出機関のことをいう。
インド共和国技能開発・起業促進省
(署名)

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