1関係者ヒアリング結果概要
1 日時
令和6年2月22日(木)10時00分〜11時31分
2 場所
オンライン
3 対象者
三重県
ダイバーシティ社会推進課 副課長兼班長 藤枝 和佳子 氏
主事 若林 香奈 氏
公益財団法人 三重県国際交流財団
主査 上原 ジャンカルロ 氏
4 対応者
出入国在留管理庁政策課外国人施策推進室 平林室長 ほか
5 内容
(災害時外国人住民支援事業について)
しろまる 三重県では、外国人住民の方に、要支援者ではなく、外国人コミュニティ
と行政の間に立って橋渡しができるような人材となっていただきたいという
考えに基づき、災害時外国人住民支援事業を実施している。
しろまる 災害時外国人住民支援事業は3つの柱に基づいて取組をしている。
しろまる 1つ目の柱は外国人防災リーダー(以下「防災リーダー」という)の育成
である。災害時にキーパーソンとして橋渡しができるような人材を育成する
取組であり、県内市町管内のキーパーソンを育成し、災害が起こった際には
彼らを橋渡し役として、災害情報などを速やかに周知したり、逆に彼らを通
じて現場の声を拾ってもらったりということを想定して事業を進めている。
キーパーソンとしての育成は令和3年度からであり、令和3年度は桑名市、
4年度は四日市市、今年度は名張市との共催で取組を行った。
しろまる 2つ目は外国人避難者の受入れ訓練である。こちらも県と連携した特定の
市町の中での避難所を想定し、そこで実際に外国人の方にどう対応していく
のかを身に付ける訓練をしている。
しろまる 3つ目は多言語図上訓練である。災害発生時には県と国際交流財団で、多
言語で情報を伝達する相談センターの立ち上げを想定しており、その際にい
かに情報を現場に下ろしていくか、現場からいかに情報を吸い上げるかとい
うやりとりを図上で訓練している。この取組については参加する市町を限ら
ず、県内に広く声をかけ、様々な市町参加の上で訓練を行っている。
しろまる 今年度は、多言語図上訓練を2月6日に開催したところ、11市町の参加が
あった。情報を周知する際にはGmail等を使用しているが、市町によって 2メールの仕様が異なり、そもそも情報がすぐには届かないというようなこと
もあった。そのため今年度はまずは市町に情報を届けること、そして市町か
らコミュニティへ発信してもらうための情報を選別すること、市町からどう
いった相手に情報を流すかという連絡先を整理することを重点的に取り組ん
だ。
しろまる これらの事業については、少なくともあと2、3年は継続する予定であ
る。県内の主な集住都市には事業を通じてノウハウを身に付けてもらった上
で、翌年からはその市町の自主事業として継続して取り組んでもらうことを
想定しており、いずれ県内全域に取組を広げていきたいと考えている。
しろまる 今後の課題としては、防災リーダーの育成は他県を含めても事例が少な
く、有事の際に実際どう動いてもらえるのかが見えないということがある。
育成後、防災リーダーたちにどのように動いてもらうのか、今後どのように
連携していくのかはまだ試行錯誤の段階ではあるが、いざというときに防災
リーダーが機能するように、まずは各市町で日頃から連携がとれるような関
係性を築いてもらうようお願いしているところである。
しろまる 避難所の訓練は特に関心が高く、今年度は能登の震災もあった影響か、参
加希望者が多く、しっかりとした訓練ができたという手応えがある。関心が
高まっている今だからこそ、引き続きこれらの事業を県内全域で広げて実施
していきたいと考えている。
しろまる 三重県国際交流財団では、平成18年度から三重県の災害関連事業を受託し
ており、当初は外国人住民向けの防災セミナー等を行っていた。
しろまる 10年以上外国人市民向けの防災セミナーや避難所で支援をするサポーター
の育成、多言語支援センターの設置を想定した図上訓練をしていく中で、多
言語支援センターで実際に翻訳や相談対応に協力していただける人がいな
い、県や国際交流財団の職員では対応できる言語の数も人員も足りないとい
う問題が明らかになってきた。そのため、平成30年度から令和2年度の3年
間、多言語支援センターを手伝ってくれるボランティアを育成する事業を集
中的に行った。
しろまる 令和3年度からは方向性を戻し、市町との共催で事業をするという形で、
防災リーダーの育成、避難所における外国人避難者の受入れ訓練、図上訓練
を行ってきている。
しろまる 市町との共催自体は以前から実施していたが、令和3年度からは、翌年度
以降から市町が何らかの形で独自の外国人向けの防災事業を実施していくこ
とを大きな目標として事業を実施している。
しろまる その結果、令和3年度に県と共催して防災リーダーの育成を行った桑名市
は、令和4年度に単独で事業を実施し、令和3年度に育成した防災リーダー
が各事業に積極的に関わるという独自の取組を行った。具体的には、防災 3リーダーが外国人市民向け防災セミナー資料の翻訳やイベント当日の通訳を
行ったり、リーダーたち自身が一つのブースを設けて外国人市民に防災を教
えたりといった取組である。
〇 また、令和4年度に県と共催して事業を行った四日市市では、今年度から
避難所の受入れ訓練において、防災リーダーと避難所の運営に関わる自主防
災組織や消防団の方、自治会関係者の方等でチームを組んで、日本語の分か
らない外国人避難者の困りごとの聞き取りや情報提供を行う訓練をしてい
る。
しろまる 避難所に係る訓練を通じて、実用的なツールが必要であるという声が上
がったことを受けて、平成25年には三重県独自で「つ・た・わ・るキット」
という避難所情報伝達キットを作成した。ピクトグラム、避難所の案内、多
言語化した避難所生活ルールの説明、アレルギーに関するピクトグラム、避
難者名簿の一覧や個票を作成し、CLAIR(自治体国際化協会)が作成し
た多言語表示シートなどを加えたものである。
しろまる 「つ・た・わ・るキット」のピクトグラムは好評をいただいており、3年
前にはCLAIRから同じようなものを作成したいという話があった。今は
CLAIRでも同じピクトグラムを使用している。
しろまる 災害時多言語支援センターのホームページを今年度立ち上げたところだ
が、県下の市町とは多言語支援センター設置訓練を行い、実際にホームペー
ジを見てもらって、情報のダウンロードの仕方などを確認してもらった。
しろまる 防災リーダーの役割は、災害時の情報の翻訳と発信をメインとして、避難
所での避難者の受入れの協力、日頃からの防災活動である。育成研修ではま
ず基礎講座として災害に関する知識の習得をした後、既に防災リーダーの活
動実績がある他の地域の方からお話を伺って、活動事例を紹介してもらって
いる。更に、市町との連携も必要なので、市の災害ボランティアや社会福祉
協議会の災害ボランティアセンターの機能と役割について理解してもらった
上で、災害ボランティアセンターが設置された際には防災リーダーがそこで
も活躍できるというような紹介も行っている。
しろまる 防災リーダーの実践としては、防災倉庫の視察等を通じて、市の防災対
策、機能を理解してもらっている。また、将来的には災害情報を翻訳して発
信していただきたいと思っているため、実際の災害情報の翻訳や、発信方法
の検討というカリキュラムも考えている。
しろまる この事業の大きな課題としては、今後外国人が活躍するための受皿が必要
だということである。とりまとめとなる部署が不可欠だが、それが市の多文
化共生担当になるのか、関わってきた社会福祉協議会になるのか、市にある
国際交流協会になるのか、それぞれ自治体ごとに事情は異なるとは思うが、
事前に担当となるところを決めておかないと、防災リーダーを育成、養成は 4したが、バラバラになってしまって何も活用できないということになりかね
ない。過去に失敗例もあり、今では事業を始める前にあらかじめ受皿につい
て1年間かけて話合いをしていくようにしている。
しろまる 防災リーダーの掘り起こしとしては、まずボランティアがある。三重県国
際交流財団が持っているMIEFパートナーという翻訳・通訳ボランティア
制度では全県に300人近くのボランティアがいる。そのため、各市町にい
るMIEFパートナーのボランティアの方が掘り起こしの対象となるほか、
各市町の国際交流協会等に関わりがあるボランティア、教育委員会で通訳し
ている方、技能実習生を預かっている企業の通訳の方などが掘り起こしの対
象となっている。ただし、全員が防災に関心があるわけではないため、特に
関心を持っている方に参加してもらい、コアメンバーとなってもらってい
る。また、そのほかに、防災リーダーに係る研修等の事業内容を検討するた
めの企画会議の委員の方々が、事業開催地で防災活動や外国人住民の支援活
動に携わっていらっしゃるので、委員から候補者を紹介されることもある。
しろまる 特に市では防災リーダーとなってくれるような人材との接点がないことも
多いので、三重県国際交流財団としては、このような取組を通じて接点を作
り、日頃から情報交換をしたり、連携をしたりする役割を担っている。
しろまる 令和3年度は桑名市で防災リーダーを育成していたため、コロナ禍の中で
市から防災リーダーに、新型コロナウイルス感染症に関する支援情報等の拡
散を依頼することがあった。防災リーダーの中には地域のキーパーソンもい
たため、情報の発信が特に期待できた。
しろまる 費用に関していうと、情報の拡散については完全にボランティアとして
やってもらうが、それ以外の通訳、翻訳の際にはボランティアの受皿となっ
た市で対価を決めて取り組んでいくのが理想であり、今後検討を進めていく
必要があると感じている。
しろまる CLAIRでは大きな災害が起きた際、100万円の補助金を交付する制度
があるが、市単独では申請できず、自治体の国際協会を通さなくてはならな
い。そのため、市から見ると、市自身の予算のみで取り組まざるをえず、こ
の点は課題だと思っている。
しろまる 実際に災害が起こったときには、一元的相談窓口の電話番号を利用して、
みえ災害多言語支援センターの電話番号とすることとしている。現状の三重
県と三重県国際交流財団との契約は9時から5時までの対応となっている
が、実際に災害が起こったときには24時間対応を求められるため、課題と
なっている。
(本年1月21日に名張市で行った外国人避難者受入訓練について)
しろまる 今年度参加された方は避難所の運営に関わる方がメインである。参加者は 5自主防災組織の方、防災リーダー、自治会の方、消防団、行政職員、社会福
祉協議会の方などである。
しろまる 外国人の参加者でいうと、避難所の受入側として参加する防災リーダーの
ほか、支援される側として4か国14名の方が避難者の役で参加した。
しろまる 訓練ではまず講義の後、災害時における外国人被災者の対応について佐賀
県国際交流協会の方にお話をいただいた。避難所設置の訓練は「つ・た・
わ・るキット」等、実際の避難所で使うものを使用し、それらを一旦やさし
い日本語に書き換えた後、避難者役の外国人が会場に入ってくるという流れ
で行った。その後、避難所での受付や、避難所のルールの説明、あらかじめ
用意された困りごとについて対応、相談に乗るという実践を行った。
しろまる 外国人の方が避難所とは何か、どのような機能があるのかがよく分かって
いないことが課題とされてきた。そのため、今回の訓練では、外国人向けの
避難ルールや避難所の機能について説明する動画を作ったらどうかという意
見が出た。
しろまる 避難所について、訓練を通じての周知だけでは限界があるため、周知のた
めの動画などを国において作っていただけると効果があるのではないかと
思っている。
しろまる そもそも論であるが、避難所の設置訓練自体がなされていないところも多
く、さらにそれを外国人対応の避難所にするとなると、ますますどうしたら
よいか分からないという事情がある。そのため、外国人避難者受入訓練で
は、自分たちが、やるべきことをより丁寧に説明する必要があると感じてい
る。
(令和6年能登半島地震における外国人支援について)
しろまる 外国人の方に情報が届いていないという声や、様々な困りごとをどこに相
談したらよいのかが分からないのではないかという意見があったため、依頼
を受けて、三重県職員の派遣先である輪島市の避難所に、石川県や周辺の市
町にある無料相談窓口の案内チラシを掲示した。
しろまる 三重県国際交流財団では、1月3日に石川県及び富山県を含めた東海、北
陸県の国際交流協会の連絡協議会で、LINEチャットを使用して情報共有
を行ったほか、Zoom会議も3回行い、協議会としての支援方法について
検討を行った。
しろまる 石川県の多言語支援センターページに載っている「災害被害にあったみな
さまへ」という資料のスペイン語翻訳を行った。片付ける前に写真を撮る、
ブレーカーや水道を確認する等、地震に遭った直後に行うべきことを周知す
る資料である。 6しろまる 国際交流協会の連絡協議会として、石川県に来た相談のうち、石川県では
対応しきれないものがあれば、遠隔で相談対応し、支援するという事業も
行っている。1月19日から各国際交流協会がそれぞれの担当言語で対応して
おり、三重県国際交流財団ではベトナム語、ポルトガル語及びスペイン語を
担当している。現時点で実績はないが、石川県の国際交流協会で対応できて
いるという面もあるだろう。
(外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ及び外国人材の受入れ・共
生のための総合的対応策)
しろまる 新型コロナウイルス感染症の流行や能登半島地震などで見られたように、
有事の際には外国人住民の方への速やかな情報発信が大変重要である。その
ためには多言語化ややさしい日本語化が重要だが、平時から取り組んでいな
いと、いざ何かが起こったときにはどこに多言語化を頼んだらよいのか、ど
うするべきなのか分からないという事態になってしまう。
しろまる 多文化共生部局として、特に命に関わる情報を扱う部局に対して、多言語
ややさしい日本語による情報発信を働きかけてはいるものの、普段から各部
局において多言語での情報発信を行うことは、予算等の都合もあってなかな
か難しいのが実情である。
しろまる そのため、各省庁で、地震や感染症の流行など、有事の際によく使うよう
なフレーズをあらかじめ多言語で準備しておいていただければ、何かあった
ときに各都道府県や市町村が情報発信に活用できるため有り難い。
しろまる 内閣府が用意している「災害時に便利なアプリとウェブサイト」という
リーフレットには気象庁の多言語ホームページや防災アプリ「Safety
Tips」などの情報が載っており、我々も研修、訓練の際には外国人住民
に紹介している。しかし、これらはダウンロードしてすぐ使えるというもの
ではなく、地域や言語の設定をしたり、何ができるのかを把握したりする必
要がある。防災リーダーが紹介する際には実際に使用できるようになるまで
設定等をサポートするが、このようなサポートなしではなかなか使ってもら
えないだろうという実感がある。そのため、使い方や機能を説明する資料や
動画などを作成していただくと効果があると思う。
しろまる 外国人支援コーディネーター(以下「コーディネーター」という)につい
て、数年のうちに各都道府県には1人か2人は配置されるという形で育成を
すると承知しているところ、今後何年にもわたって外国人の支援に従事して
いく見込みがある人が、コーディネーター研修を受けることになると思われ
る。各都道府県の相談員は、非常勤、会計年度任用職員であることが多い
が、コーディネーター研修を受け、スキルアップした人の継続的な雇用のた
めのサポートを国からいただけるとありがたい。 7しろまる コーディネーターが相談窓口にいることで、予算要求をする際に体制の充
実や活動の有用性について説得力をつけることができるため、今後活用して
いきたいと思っている。
しろまる 総合的対応策の施策番号38、ロードマップの施策番号24における外国人患者
に対する電話通訳と多言語翻訳システムの利用促進についての話になるが、以
前、厚生労働省の事業に三重県と三重県国際交流財団で申請して採用された。
しかし、そのほかで利用されている例があまりにも少なく、もったいなく思っ
ている。病院で電話通訳を使った事例がもっと紹介されれば、利用が促進され
るのではないか。
しろまる 医療従事者から話を聞くと、電話通訳に対して抵抗感が大変強い。対面で通
訳をしてもらうなら分かるが、電話では不可能だと思う、そもそも三者通話が
何なのか分からないというのが医療従事者の本音である。しかし、こちらから
丁寧に使い方をレクチャーして利用してもらうと、利便性が高く、人を雇うよ
りもコストを抑えられる上に、対応できる言語も多く、24時間対応可能という
メリットを実感してもらえる。そのため、利用の促進には、最初の抵抗感をど
う下げていくかが大きな課題であると感じている。
しろまる 生活・就労ガイドブックについて、ホームページに載っているだけで手元
にないと周知が難しいため、様々なところから紙媒体で配ってほしいという
御意見をいただくところである。そのため生活・就労ガイドブックの内容を
動画にしたものがあれば、外国人の皆様に手元のスマートフォンで見ていた
だくこともできるので有り難い。
(地方公共団体に対する外国人に関係した情報提供について)
しろまる 県において、在留外国人統計はかなり活用している。例えば、総務省が公
表している住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数の統計と併せて考察を
行い、在留資格別の増加を見て次年度の新たな事業を考えたり、多文化共生
施策の計画や施策を検討したりといった活用を行っている。
しろまる RESASについては、今回のヒアリングで質問されたことで初めて知っ
た。内容を見てみたが、ここに在留外国人統計が入るのであれば、データを
使用した考察にかなり有用なのではないかと思う。
しろまる RESASに日本人の年齢別を含めた人口の情報と外国人の年齢別を含め
た人口の情報が載っているとよいと思う。例えば人口が減少している自治体
で、日本人人口は減少傾向にあるが、外国人人口が増えているということが
分かれば、外国人の受入環境整備を地域で進めていかなければならないとい
うことが分かる。三重県国際交流財団ではあちこちからデータを集めて、そ
の結果を発表することがあるが、先に述べたようなデータが簡単に入手でき 8ると有り難い。
しろまる 産業別の外国人労働者統計のようなもの作れるのであれば、新たに公表し
ていただけるとありがたい。例えば、技能実習生でも仕事の内容が水産系な
のか工場系なのかが分かれば、施策の検討のための考察が深まるであろう。
(外国人の孤独・孤立の状況)
しろまる 一元的相談窓口には今まで孤独・孤立に関する相談はあまりなかったが、
つい最近、インドネシアやタイの方から、一人暮らしで周りに知り合いがい
ない、インドネシア人、タイ人が集まるコミュニティはないかという相談を
何件かいただいた。
しろまる これは宗教的な理由もあると考えており、ハラール食などがどこで買える
のか等の情報を何も知らないまま、受入団体から地域に派遣されていること
がある。ハラール食などを買えるところを周囲に見つけられず、市役所に相
談に行き、市役所から一元的相談窓口に案内されるという流れで相談に来る
が、インドネシア人が集まる地域やハラール食を買える場所を案内しても、
実際にはその人が住んでいる地域から遠く、通うことが難しいという問題が
生じている。
(その他、国への意見・要望等)
しろまる 市町から話を聞くと、多文化共生担当課の職員は災害が起きたときに避難
所の運営に関わることになっていることが多いが、そうなるとみえ災害時多
言語支援センターから情報を発信しても、自治体側で情報を受け取れる窓口
がないという状況になる可能性があり、結果として外国人住民に情報の周知
ができない事態になるのではないかと危惧している。
しろまる 防災計画は各自治体で策定されており、ほとんどの防災計画では外国人へ
の分かりやすい情報発信が必要であるということは書かれている。しかし、
どの部署が情報を発信するかは書かれていない。多文化共生担当は防災担当
がやることだと考え、防災担当は日本語による発信までが役割であると思っ
ていることも珍しくないため、例えば災害情報に関するホームページでも、
多言語対応は自動翻訳頼りになってしまっていることは多い。
しろまる 多文化共生マネージャーが国際交流協会の理事になっているような自治体
では、防災計画の中に多文化共生担当課が災害時の外国人への情報発信に従
事すると明確に記載されている例もある。しかし、三重県下では多文化共生
課が情報発信をすると明確に定められている自治体は僅か数件しかない。
しろまる そのため国から自治体に対して、防災計画を検討する際には、外国人への
情報発信対応はどの部署が行うのかを明確にしておく必要があるという周知 9をしていただけるとよいと思う。
しろまる 情報発信の担当となる部署は自治体の内部で検討するべきことではあるの
だが、国においても基準のようなものを明確にしていただけると有り難い。
しろまる 災害時外国人支援情報コーディネーターを令和元年に受講したが、受講後
に特段の情報提供がなされていない。継続的に受講者に対してフォローアッ
プを行っていくことも有意義ではないかと思っている。

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