1関係者ヒアリング結果概要
1 日時
令和5年11月8日(水)13時30分〜14時37分
2 場所
オンライン
3 対象者
東京都江戸川区
介護保険課 課長 山野辺 健 氏
係長 本城 智也 氏
主査 髙津 舞 氏
係員 儀保 由奈 氏
4 対応者
出入国在留管理庁政策課外国人施策推進室 平林室長 ほか
5 内容
(地域包括支援センターの概要)
○しろまる 江戸川区の地域包括支援センターは、本室18ヶ所、分室9ヶ所で区内に合
計27ヶ所あり、それぞれを江戸川区から社会福祉法人等に委託している。
○しろまる 業務は法律で定められた介護予防事業のマネジメントや高齢者とその家族
への支援、権利擁護、ケアマネージャーへの支援のほか、それら4つの法定
事業の関連事業を実施しており、地域における介護の窓口としての役割を果
たしている。
○しろまる 地域包括支援センターのほかに、地域共生社会の拠点として「なごみの家」
を区内9ヶ所に設置し、高齢者に限らず様々な方からの相談を受け付けてい
る。今後は重層的支援事業に移行する予定もあり。
○しろまる 地域包括支援センターは介護保険事業として運営されているため、費用は
介護保険特別会計から支出されている。
○しろまる 普段から必要に応じて様々な関係機関と連携しているが、出入国在留管理
庁との連携実績は恐らく無い。外国人が相談に来ることはあるが、出入国に
関する相談が無いと考えられる。
(職員体制)
○しろまる 地域包括支援センターには保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーの
3職種をそれぞれ最低1人ずつ置くことが決まっている。これに加えて、江
戸川区では認知症地域支援推進員と、相談補助やケアマネジメントを行うた
め保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャー・ケアマネージャーなどを22人、事務職員1名の合計7名を1つの地域包括支援センターに配置すること
を可能としている。
○しろまる 地域包括支援センターの職員は原則常勤だが、保健師、社会福祉士、主任
ケアマネージャーの3職種以外の職員の中には非常勤職員もいる。非常勤の
場合は週5日以外の勤務形態もある。
○しろまる 職員の勤務年数については、地域包括支援センターが始まった平成18年か
ら勤務されている方から今月入職した方まで様々である。
○しろまる 10月1日現在、区全体で、保健師14人、看護師12人、社会福祉士37人、主
任ケアマネージャー26人、ケアマネージャー26人、介護福祉士1人、社会福
祉主事2人が在籍している。専門職は資格を保有していることが入職の条件
であるため、資格取得のためのインセンティブ制度は設けていない。ただし、
勤務年数が長い方には一定の加算を付ける仕組みを設けている。
○しろまる 職員の雇用・待遇に関する課題としては介護人材不足があり、求人への応
募が無い状況である。また、採用後の定着・育成面での課題も残っている。
○しろまる やりがいはあるものの近年相談件数が増加し、非常に多忙なため辞めてし
まうということもある。
(相談対応の現状)
○しろまる 地域包括支援センターでの外国人からの相談はあまり多くない。ある地域
包括支援センターに聞くと、月平均で2、3件程度とのことである。その中
では中国人からの相談が多い。
○しろまる 外国人が相談に来る時には、日本語が分かる家族や知人が付き添ってくる
ことが多く、言葉が通じずに困るというケースは少ない。また、各地域包括
支援センターには通訳アプリが入ったタブレット端末が配布されているため、
日本語ができない方の相談に対応する仕組みは整えている。加えて、区の取
組として、タブレット端末を使った多言語によるオンライン通訳システムを
導入しており、外国人の来庁が多い一部の窓口に配置している。各言語に精
通している通訳にオンラインで画面をつなぎ、通訳付きの相談を可能とする
仕組みを整備している。
○しろまる 相談内容も介護保険やサービス等に関するものが多く、その後の対応とし
ては、内容に応じて区や介護事業所などの適切な機関に繋いでいる。
○しろまる 現場で感じた課題を関係機関に共有する仕組みについては、区が毎月、地
域包括支援センターとの意見交換の場を設けており、その意見交換の場で課
題を拾っている。3(育成体制)
○しろまる 一般に地域包括支援センターの職員を対象とした研修は東京都が実施して
おり、区では虐待対応や介護予防に関する会議を設けることで職員の質を
図っているが、東京都でも区でも外国人に特化した研修は特に実施していな
い。
○しろまる 地域包括支援センターの育成に関する課題としては、相談内容が複雑化し
ているため、複雑化した事例に対応できる職員を多く育成しなければならな
いという点である。
(外国人支援コーディネーター養成研修への参加意向)
○しろまる 仮に地域包括支援センターの職員が外国人支援コーディネーター養成研修
の受講対象となった場合、各職員の研修については自発的なものとして考え
ているため、職員本人が必要だと考える場合には受講するだろう。ただ、現
状のカリキュラムは外国人の一元的相談窓口の職員が受講するための内容に
なっていると思われるため、地域包括支援センターという「介護」に特化し
た場所における外国人からの相談への対応方法が身に着く研修になれば職員
も受講の必要性を感じるだろう。
○しろまる 国が外国人との共生施策を推進するものとして、受講が必要だという方針
を示す場合には、研修費用の助成を求めることも考えられる。また、実際に
受講することになった場合の課題としては、地域包括支援センターの業務が
かなり逼迫しているので、参加した際のサポートや柔軟なカリキュラム設定
をお願いしたい。例えば、受講科目を絞る、より長い期間での受講を認める
などが考えられる。
○しろまる 行政側が受講の必要性を認定して受講させる方針であれば、勤務時間内に
業務として受講してもらうことになると考えている。