1外国人支援コーディネーターの養成の在り方等に関する検討会(第4回)
議事要旨
日時:令和5年12月14日(木) 9:31〜11:51
場所:オンライン開催
出席者:
【出入国在留管理庁】
在留管理支援部長
在留管理支援部在留支援課長
参事官
政策課外国人施策推進室長
【有識者】
青 山 亨 東京外国語大学理事
アンジェロ イシ 武蔵大学社会学部教授
石 河 久美子 日本福祉大学名誉教授
窪 田 浩 治 北九州市企画調整局国際部長
小 山 健 太 東京経済大学コミュニケーション学部准教授
東京経済大学グローバルDEI研究所所長
田 村 太 郎 一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事
結 城 恵 群馬大学大学教育・学生支援機構教授
(兼担)情報学部・社会情報学研究科教授
群馬大学キャリアサポート室長
【オブザーバー】
総務省自治行政局国際室長
文部科学省大臣官房国際課国際協力企画室外国人教育政策企画係長(代理出席)
厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課海外人材受入就労対策室長
厚生労働省人材開発統括官付参事官(若年者・キャリア形成支援担当)付キャリア形成支援室長
(敬称略) 2(1)修了者の呼称について
しろまる 事務局の説明で納得できたと思う。「『在留』外国人」とすることで非
正規の滞在者が支援対象から外れるように受け取られるのであれば、それ
は避けた方がよい。
しろまる 「支援」という言葉には色々な捉え方があることは理解するが、誰し
も支援を受ける必要がある状況は多々あるので、「支援」の言葉を修了者
の呼称に使うことも十分認められるだろう。
しろまる 修了者の補足説明で、困りごとの中身を具体化して「職業生活上、日
常生活上、社会生活上の困りごと」であることが分かるよう詳しく書いた
方がよい。
しろまる 修了者の補足説明について、修了者の役割として、相談者の困りごと
を解決まで導く、という要素を加える事務局の案には賛成である。
しろまる 「支援」や「コーディネーター」については納得できているが、「外国人」
という言葉に関してはなお違和感を覚えている。外国人という言葉は外国
人対日本人という二分法を前提とし、かつそれを助長する問題が懸念され
る。また、呼称の英訳がSupport Coordinator for Foreign "Residents"
となっており、外国人の3文字だけでは"Residents"の要素を出せていないの
ではないか。また、在留外国人という言葉が、非正規の在留者に対する懸
念があるという話があったが、果たして本当にそうなのだろうかという疑
問がある。補足説明に記載をしておけば良く、「在留外国人」という言葉
を使うことを避ける決定的な理由にはなっていないのではないか。
しろまる 外国人支援コーディネーターという名称として異論がないと考えてい
る。普段、外国人について文章等で説明する際は外国人の中に外国にルー
ツを持つ方を含むと注釈をつけることができるが、修了者の名称としては
「外国人」という表現することになると思っている。
しろまる 「支援」という言葉は社会福祉やソーシャルワークの世界でも使われ
ており、違和感はない。
しろまる 補足説明の文章の中に出てくる「在留外国人」は「外国人」とした方
がよい。在留の2文字がついていると、非正規の滞在者の問題のほか、旅
行等である程度長期滞在する方々が支援の対象にならないのか、と疑問に
思われるだろう。
しろまる 日本にはまだ適切な支援をしてくれる支援機関は少ない。修了者の役
割として、問題を解決に導くという要素は必要だろう。
しろまる 現時点で決めることであれば、外国人支援コーディネーターという名
称に賛成である。日頃の業務でも「外国人」という言葉を使っており、
「外国人」という言葉が使われている施設や施策も多数あるため、現状と 3しては「外国人」の言葉を使うのは致し方ないのではと考えている。
しろまる 結論としては「外国人支援コーディネーター」という名称に賛成。そ
のうえで、「外国人」という言葉に違和感を持つ方がいるのはよくわかる。
外国人という言葉が共生社会の実現とは逆方向のイメージを連想させてし
まう可能性がある。あらぬ誤解が生じないように、補足説明において「共
生社会の実現に向けた」といった要素を入れて、インクルーシブな社会を
作っていくという理念が伝わりやすくするとよい。
しろまる 補足説明中の「在留外国人」は、どうしても在留資格という政策との
結びつきを連想させやすく、その後の「外国にルーツを持つものを含むと
いう」括弧書きと整合性が取れないように感じる。
しろまる 今回は外国人支援コーディネーターという名称にするが、今後の変化
によっては名称の変更もありえることは記録に残しておいた方がよい。
しろまる 外国人支援コーディネーターという呼称でいくのが結果的に良いので
はないかと思う。外国人対日本人という二分化の懸念はあるが、現在の日
本において「外国人」に代わる適切な言葉が思いつかない。支援対象を分
かりやすく示すという意味では、外国人支援コーディネーターとするのが
結果的にはよいだろう。ただ、今回このような議論をしていることはきち
んと記録に残し、公開していくことが大変重要である。今後、ロードマッ
プの見直しなどがあり新しいコンセプト等が提示された際には、人材の名
称も改めて見直すことが適切ではないかと考える。
しろまる 現時点では外国人支援コーディネーターという呼称が妥当だと思う。
外国人支援というのは、生活の困りごとを解決すること、その予防的支援
を行うことだが、外国人が支援を受けることによって、常に支援を受ける
立場ではなく、支援の経験を通して、自らが主体的に日本での生活課題に
対応できるようになる自立支援の要素を補足説明に入れてはどうか。
(2)修了者の情報共有のための支援等の検討(修了者ポータルサイト)
しろまる 修了者自身が対応した事例を自らポータルサイトにアップする仕様は非
常にリスクが高い。個人情報を適切に除き、自分の対応をまとめて共有す
ることはかなり高度なスキル。それをスクリーニングせずに出すのは危険。
問題が起こる可能性が高いので慎重に検討した方がよい。
しろまる 仮に事例を匿名化したとしても、その事例を共有するために文章化する
のには非常に高い能力が求められる。倫理的に問題のある事例が文書とし
て共有されてしまう懸念がある。ポータルサイトの機能として「参考とな
る相談対応事例」と「地域における課題への対応事例」は、無くてもよい
のではないか。やるならニュースレターのような、入管庁が取材してまと 4めた記事を共有する方が無難だろう。
しろまる 誰が修了者なのかを公開することは外国人支援コーディネーターの社会
的信頼を高める意味で重要。希望した人をWEBページで一覧化して公開
していくことも大切だと思っている。
しろまる ポータルサイトに関しては事例に関するプライバシーの配慮と修了者の
プライバシーの配慮の双方が必要。それらのプライバシーのチェックを少
人数が一か所で対応することは困難なので、地域ごとの研究会の開催、地
域ごとのポータイルサイトの運営も一案ではないか。
しろまる 外国人支援コーディネーターの情報の中でも一般に公開して知ってもら
うべき情報などはある程度公開していくべきだろう。外に出せるエッセン
スをしっかり出していくことが重要。
しろまる ポータルサイトで一番重要なのは継続性。使い勝手がよく、便利だとい
うことが分かるものでなければいけない。作って終わりということがあっ
てはならない。
しろまる 具体的な相談対応事例は修了者が知りたいことなので、何とか共有でき
ればと思う。しかし、修了者各自が軽々に共有することが危険なのは理解
しているため、ポータルサイトで出すよりも、修了者の再研修やエキス
パート研修に向けて準備を少しずつ進めていくということになるのではな
いか。
(3)修了者の情報共有のための支援等の検討(事例研究会)
しろまる 知識のアップデートための研修から交流への流れはよいが、問題は扱う
事例。生の事例を扱うならかなり手間になるため、あまり現実的ではない
のではないか。様々な国家資格でも架空事例を使っているため、事例研究
をするなら架空事例を使う方がよいだろう。それでも講師が付いて事例研
究をするべき。修了者各自が勝手に事例研究をやってくださいというのは
やってはいけないと言わざるをえない。
しろまる 事例研究会へは自己負担での参加が現実的になるだろう。それを考える
と人によっては簡単に参加できないので、知識をアップデートする講義の
部分に限ってはオンラインでも受講できるようにし、個人情報に配慮が必
要な事例研究については対面で実施することが考えられる。
しろまる 外国人支援コーディネーターの知識はほとんどがオンデマンド研修で身
に付けられるが、「わかる」と「できる」には大きなギャップがあり、そ
の意味で、事例研究会の価値は高いと思っている。しかし、事例研究会で
有意義な発表をすること自体に高度なスキルが求められるので、最初は講
義中心であったり、修了者同士のネットワーキングであったり、架空事例 5を用いた学習効果が明確になっているものから始めたりと、基礎的なとこ
ろかは開始してはどうか。
しろまる 事例研究会の主催について、理想は国が主催すべきではないと考えてい
る。中には行政機関の対応が不適切だったという事例があり得ると思って
いるが、国が主催の研究会でそういった事例が扱われるのか、適切に議論
されるかは難しい。他方で、来年度からすぐに独立性の高い組織が主催す
ることも難しいので、講義中心の内容とするなどで最初は入管庁が音頭を
取って行うところから始めてもよい。その先に理想形を目指してどういう
体制が良いかを継続的に検討していくことが重要。
しろまる ポータルサイトは入管庁が主体になって運営していくと思うが、事例研
究会については実施主体が別に必要。こういった会議を主催するためには
高度な専門的知識が必要であり、それは入管庁とは別の主体になるのだろ
う。高度に経験や能力、知識を持った組織に運営いただくことが必要に
なってくる。
しろまる 最初は修了者同士が自発的に事例研究会を実施するのは難しいだろう。
最初のうちは指導をいただき、いずれは修了者が増え活動が活発化してき
たら、自発的な活動に繋いでいくようなやり方がいいのではないか。
しろまる 知識をアップデートするような講義はぜひやってもらいたいし、修了者
同士の横のつながりを強化するためにも事例紹介、グループ討議の機会が
あると良いと思う。
しろまる 事例研究会の参加費用を個人で負担するということは難しいと思う。自
治体の相談窓口に所属している方に関しては、その参加費用が交付金の対
象であれば参加しやすくなるのではないか。
しろまる 事例研究会を実施するなら頻度や会場も検討しなければいけないと理解
している。修了者も仕事をしているので、なるべく早期に予定を示し、見
通しを立てていただくことが必要だと考える。
(4)外国人の受入れ環境改善に向けた方策の検討
しろまる 各地域にコンソーシアムのような会議体ができれば理想的だが、まずは
資料に記載されているような取組から進めていくというのはよいだろう。
ただ、より規模の大きな取組を目指し、どうすれば実現するかも引き続き
議論していく必要がある。
しろまる より広い範囲での活動も必要になるだろう。例えば地域の学校にも働き
かけていくことで、日本に多くの外国人が住み、多文化共生に向かって社
会が変わっていくということを認識してもらう機会を作ることができれば
と思っている。 6しろまる 新しい試みとして来年1月に啓発月間が始まると承知している。今後は
外国人支援コーディネーターの何かを盛り込む余地があると期待している。
また、最近は開催されていないようだが、以前は「『国民の声』を聴く会」
を開催していたと思う。その枠組みが生きているならその場も活用して、
外国人支援コーディネーターたちが感じた課題を共有する機会として活用
できるのではないか。
(5)外国人支援コーディネーター養成研修のスケジュール
しろまる 養成課程1(オンデマンド研修)の実施期間を延長することについて意
見なし。

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