特 定 技 能 の 在 留 資 格 に 係 る 制 度 の 運 用 に 関 す る 方 針 の
一 部 変 更 に つ い て
令 和 4 年 4 月 2 6 日
閣 議 決 定
特 定 技 能 の 在 留 資 格 に 係 る 制 度 の 運 用 に 関 す る 方 針 ( 平 成
3 0 年 1 2 月 2 5 日 閣 議 決 定 ) 別 紙 3 を 別 添 に 改 め 、 別 紙 4 及
び 別 紙 5 を 削 る 。
な お 、 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 ( 昭 和 2 6 年 政 令 第 3 1 9
号 ) 別 表 第 1 の 2 の 表 の 特 定 技 能 の 項 の 下 欄 に 規 定 す る 法 務 省
令 で 定 め る 産 業 上 の 分 野 と し て 「 素 形 材 ・ 産 業 機 械 ・ 電 気 電 子
情 報 関 連 製 造 業 分 野 」 が 定 め ら れ る ま で の 間 は 、 従 前 の 例 に よ
る 。
別紙3
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素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野における特定技能の在留資格に係る制
度の運用に関する方針
法 務 大 臣
国家公安委員会
外 務 大 臣
厚 生 労 働 大 臣
経 済 産 業 大 臣
「経済財政運営と改革の基本方針 2018」(平成 30 年6月 15 日閣議決定)を踏まえ、
出入国管理及び難民認定法(昭和 26 年政令第 319 号。以下「法」という。)第2条の4
第1項の規定に基づき、法第2条の3第1項の規定に基づき定められた「特定技能の在
留資格に係る制度の運用に関する基本方針」(以下「基本方針」という。)にのっとっ
て、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野における特定技能の在留資格に係
る制度の運用に関する方針(以下「運用方針」という。)を定める。
1 人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図
るべき産業上の分野(特定産業分野)
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野(以下「製造業分野」という。)
2 特定産業分野における人材の不足の状況(当該産業上の分野において人材が不足し
ている地域の状況を含む。)に関する事項
(1)特定技能外国人受入れの趣旨・目的
製造業分野において深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かし
た業務に即戦力として従事する外国人を受け入れることで、本分野の存続・発展を
図り、もって我が国の経済・社会基盤の持続可能性を維持する。
(2)生産性向上や国内人材確保のための取組等
(生産性向上のための取組)
各企業及び業界では、1生産プロセスの見える化等の工場のデジタル化、IoT
・AI等の活用による生産プロセスの刷新等の生産現場の改善の徹底や、2研修・
セミナー等の人材育成等の生産性向上のための取組を実施している。
また、経済産業省としても、企業による設備投資やIT導入を支援する施策によ
り、企業による生産性向上の取組を支援している。
製造業の生産性は、
平成 24 年から平成 28 年まで、
年平均約2%向上している(推計値)。
(国内人材確保のための取組)
各企業及び業界では、1女性や高齢者も働きやすい職場環境及び人事制度の整備
や、2適正取引の推進等による適正な賃金水準の確保等に取り組んでいる。
また、経済産業省としても、1中小企業が女性、高齢者等多様な人材を活用する
好事例をまとめた「人手不足ガイドライン」の普及、2賃上げに積極的な企業への
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税制支援、3下請等中小企業の取引改善に向けた取組等を行い、企業による国内人
材確保の取組を促進している。
製造業分野の就業者に占める女性及び 60 歳以上の者の比率は、平成 24 年には約
30%だったが、平成 29 年には約 33%に上昇している(推計値)。
(3)受入れの必要性(人手不足の状況を判断するための客観的指標を含む。)
素形材部品・産業機械・電子部品に対する需要が高まる中、平成 29 年度の人手不
足数は、製造業分野に関連する有効求人数と有効求職者数の差や未充足人数から 4
万 9,000 人であり、5年後には、年2%程度と予測される製造業分野の需要拡大と
これに伴う労働需要の拡大が続くと、
19 万 9,000 人の人手不足が生じるものと推計
している(平成 30 年度時点)。
製造業分野に関連する職業分類における有効求人倍率(平成 29 年度)は 2.80 倍
となっており、当該分野に係る職種における有効求人倍率(平成 29 年度)は、例
えば、鋳物製造工 3.82 倍、鍛造工 4.32 倍、金属プレス工 2.97 倍、金属溶接・溶
断工 2.50 倍、プラスチック製品製造工 3.70 倍、製品包装作業員 3.60 倍となって
いる等、深刻な人手不足の状況にある。
今後も製造業分野で必要となる労働力は増加するものと見込まれ、これら要因に
よる人手不足が早急に改善できる見通しは立っていない。
また、製造業分野は、地域における雇用創出に貢献しているが、地域ごとに人手
不足の状況が異なる点に留意することは必要である。
製造業分野は、我が国の国民生活に不可欠な分野であるところ、製造業分野の持
続的な発展を図るためには、製造業分野について基本的な知識・技能を有し、現場
の状況に応じて作業手順を自ら考え作業を実施することができる即戦力の外国人
を受け入れることが、当該分野の基盤を維持し、今後も発展させていくために必要
不可欠である。
(4)受入れ見込数
製造業分野における令和5年度末までの5年間の受入れ見込数は、
最大 3 万 1,450
人であり、これを令和5年度末までの5年間の受入れの上限として運用する。
令和5年度末までの5年間で 19 万 9,000 人程度の人手不足が見込まれる中、
今般
の受入れは、毎年1%程度の労働効率化(5年間で 14 万 6,000 人程度)による生
産性向上及び追加的な国内人材の確保(5年間で 2 万 500 人〜2 万 7,500 人程度)
を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大
な受入れ数とはなっていない。
3 特定産業分野において求められる人材の基準に関する事項
製造業分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、以下に定める
試験に合格した者又は製造業分野の第2号技能実習を修了した者とする。
(1)技能水準(試験区分)
別表a.試験区分(3(1)関係)の欄に掲げる試験
(2)日本語能力水準
「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」
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4 法第7条の2第3項及び第4項(これらの規定を同条第5項において準用する場合
を含む。)の規定による同条第1項に規定する在留資格認定証明書の交付の停止の措
置又は交付の再開の措置に関する事項
(1)経済産業大臣は、有効求人倍率等の公的統計等の客観的指標等を踏まえ、人手不
足の状況の変化に応じて運用方針の見直しの検討・発議等の所要の対応を行うとと
もに、上記2(4)に掲げた令和5年度末までの5年間の受入れ見込数を超えるこ
とが見込まれる場合には、法務大臣に対し、一時的な在留資格認定証明書の交付の
停止の措置を求める。
(2)一時的な在留資格認定証明書の交付の停止の措置を講じた場合において、当該受
入れ分野において再び人材の確保を図る必要性が生じた場合には、経済産業大臣
は、法務大臣に対し、在留資格認定証明書の交付の再開の措置を求める。
5 その他特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項
(1)1号特定技能外国人が従事する業務
1号特定技能外国人が従事する業務区分は、上記3(1)に定める試験区分に対
応し、別表b.業務区分(5(1)関係)の欄に掲げる業務とする。
(2)特定技能所属機関に対して特に課す条件
ア 特定技能所属機関は、「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」(以下
「協議会」という。)の構成員になること。
イ 特定技能所属機関は、協議会が行う一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、
意見の報告又は現地調査等その他に対し、必要な協力を行うこと。
(3)特定技能外国人の雇用形態
直接雇用に限る。
(4)治安への影響を踏まえて講じる措置
経済産業省は、基本方針を踏まえつつ、所掌事務を通じて治安上の問題となり得
る事項を把握するために必要な措置を講じるとともに、把握した事項について制度
関係機関と適切に共有する。
また、深刻な治安上の影響が生じるおそれがあると認める場合には、基本方針を
踏まえつつ、経済産業省及び制度関係機関において、共同して所要の検討を行い、
運用方針の変更を含め、必要な措置を講じる。
(5)特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することと
ならないようにするために必要な措置
経済産業省は、協議会等と連携し、取組に地域差が生じないよう、本制度の趣旨
や情報、優良事例を全国的に周知する。また、公式統計等を踏まえ、地方における
人手不足の状況を把握し、必要な関連施策を講じる等的確に対応する。
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別表
項番 a.試験区分(3(1)関係) b.業務区分(5(1)関係)
1 製造分野特定技能1号評価試験
(鋳造)
鋳造(指導者の指示を理解し、又は、自らの
判断により、溶かした金属を型に流し込み製
品を製造する作業に従事)
2 製造分野特定技能1号評価試験
(鍛造)
鍛造(指導者の指示を理解し、又は、自らの
判断により、金属を打撃・加圧することで強
度を高めたり、目的の形状にする作業に従事)
3 製造分野特定技能1号評価試験
(ダイカスト)
ダイカスト(指導者の指示を理解し、又は、
自らの判断により、溶融金属を金型に圧入し
て高い精度の鋳物を短時間で大量に生産する
作業に従事)
4 製造分野特定技能1号評価試験
(機械加工)
機械加工(指導者の指示を理解し、又は、自
らの判断により、旋盤、フライス盤、ボール
盤等の各種工作機械や切削工具を用いて金属
材料等を加工する作業に従事)
5 製造分野特定技能1号評価試験
(金属プレス加工)
金属プレス加工(指導者の指示を理解し、又
は、自らの判断により、金型を用いて金属材
料にプレス機械で荷重を加えて、曲げ、成形、
絞り等を行い成形する作業に従事)
6 製造分野特定技能1号評価試験
(鉄工)
鉄工(指導者の指示を理解し、又は、自らの
判断により、鉄鋼材の加工、取付け、組立て
を行う作業に従事)
7 製造分野特定技能1号評価試験
(工場板金)
工場板金(指導者の指示を理解し、又は、自
らの判断により、各種工業製品に使われる金
属薄板の加工・組立てを行う作業に従事)
8 製造分野特定技能1号評価試験
(めっき)
めっき(指導者の指示を理解し、又は、自ら
の判断により、腐食防止等のため金属等の材
料表面に薄い金属を被覆する作業に従事)
9 製造分野特定技能1号評価試験
(アルミニウム陽極酸化処理)
アルミニウム陽極酸化処理(指導者の指示を
理解し、又は、自らの判断により、アルミニ
ウムの表面を酸化させ、酸化アルミニウムの
皮膜を生成させる作業に従事)
10 製造分野特定技能1号評価試験
(仕上げ)
仕上げ(指導者の指示を理解し、又は、自ら
の判断により、手工具や工作機械により部品
を加工・調整し、精度を高め、部品の仕上げ
及び組立てを行う作業に従事)
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11 製造分野特定技能1号評価試験
(機械検査)
機械検査(指導者の指示を理解し、又は、自
らの判断により、各種測定機器等を用いて機
械部品の検査を行う作業に従事)
12 製造分野特定技能1号評価試験
(機械保全)
機械保全(指導者の指示を理解し、又は、自
らの判断により、工場の設備機械の故障や劣
化を予防し、機械の正常な運転を維持し保全
する作業に従事)
13 製造分野特定技能1号評価試験
(電子機器組立て)
電子機器組立て(指導者の指示を理解し、又
は、自らの判断により、電子機器の組立て及
びこれに伴う修理を行う作業に従事)
14 製造分野特定技能1号評価試験
(電気機器組立て)
電気機器組立て(指導者の指示を理解し、又
は、自らの判断により、電気機器の組立てや、
それに伴う電気系やメカニズム系の調整や検
査を行う作業に従事)
15 製造分野特定技能1号評価試験
(プリント配線板製造)
プリント配線板製造(指導者の指示を理解し、
又は、自らの判断により、半導体等の電子部
品を配列・接続するためのプリント配線板を
製造する作業に従事)
16 製造分野特定技能1号評価試験
(プラスチック成形)
プラスチック成形(指導者の指示を理解し、
又は、自らの判断により、プラスチックへ熱
と圧力を加える又は冷却することにより所定
の形に成形する作業に従事)
17 製造分野特定技能1号評価試験
(塗装)
塗装(指導者の指示を理解し、又は、自らの
判断により、塗料を用いて被塗装物を塗膜で
覆う作業に従事)
18 製造分野特定技能1号評価試験
(溶接)
溶接(指導者の指示を理解し、又は、自らの
判断により、熱又は圧力若しくはその両方を
加え部材を接合する作業に従事)
19 製造分野特定技能1号評価試験
(工業包装)
工業包装(指導者の指示を理解し、又は、自
らの判断により、工業製品を輸送用に包装す
る作業に従事)

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