資 料2 山元構成員
資料
持続可能な保護司検討委員会意見
山元俊一
更生保護と保護司会の関係について
1.保護対象者の処遇について保護司だけでない社会全体で包摂する体制の構築
今後の持続可能な保護司制度を考えるにあたって、保護観察対象者の更生自立支援を推進し
ていくためには、保護司だけの問題としてではなく、社会全体で保護観察対象者を包摂していくと
いう仕組みが重要であると考えます。もちろん、保護観察所や保護司を含む更生保護を担当する
関係者が今後も更生保護の最前線を担っていくことには変わりないと思います。でも、持続可能な
保護司制度を築いていくためには、社会全体の理解を得ていかなければいけないと思います。そ
れは、簡単なことでないということは重々承知いたしています。
だけれども、罪を犯した人の中に、心から真に更生したいと願う対象者が一人でもいたとしたら、
その者が立ち直れるような社会を構築していくことが肝要であるかと思われます。
社会全体の理解を得るには、どうしたらいいか、一つは更生保護に理解を得るための情報発信と
それによる社会意識の変化状況の把握です。つまり情報発信をするだけでなく、どのように情報発
信すれば社会に受け入れられるかを絶えず検証して、単なる情報発信だけでなく効果的な情報発
信が必要であると考えます。
2.社会を明るくする運動の強調月間の変更と通年開催
社会を明るくする運動の強調月間は例年7月ですが、近年の天候状況の変化により、7月は酷暑
や豪雨により、屋外での開催が難しくなりつつあります。そこで、社会を明るくする運動の強調月間
をずらして、別の季節にすることも検討する必要があると思われます。
あるいは、社会を明るくする運動について年間を通して運動ができるように、保護区ごとだけで
はなく、ブロック別や都道府県単位での、大きな地域単位の開催も視野に入れることが考えられま
す。
3.作文コンテストの全国レベルでの展開
小中学生を対象とした作文コンテストで「命」や「社会を明るくするには」あるいは「犯罪のない社
会にするには」などをテーマにして、例えば小学5年生や中学2年生など、義務教育中に全国レベ
ルで特定の学年の全員が作文を書くようなカリキュラムができるといいと思います。
表彰式には、現在でも開催されていますが、法務大臣賞や総理大臣賞などにより、法務大臣な
いし総理大臣が出席して表彰式を行うなどして、受賞作文を読んでもらうことも視野に入れて考え
るといいと思います。その模様を NHK で放送していただくということも効果的かと思います。併せて、
社会を明るくする運動の模様を放送いただくことも効果的かと思われます。
4.民間法人・団体による面接場所の確保
保護観察対象者との面接場所として、地方公共団体の協力を得て、公民館などを借用するという
ことも重要であるし推進していただきたいと思います。しかし、地元から反対運動も起きる可能性が
あり、そのような協力を得られない場合に、民間法人・団体等のセキュリティレベルが確保された会
議室を借りるということも視野に入れるべきではないかと考えます。
5.予備登録制度の導入
現在は、仕事などや家庭の事情により、保護司活動はできないが、将来、保護司活動をしてみた
いという方に対して、期間を区切った予備登録制度を導入してはいかがなものでしょうか。インター
ンシップ制度よりもさらに緩やかな関与であると考えます。これは、BBS の OB の方にも有効である
と考えられます。
予備登録された方には、定期的な情報発信や研修制度を導入して、いつでも保護司として活動
できるようにしておくことも一つの方法かと考えられます。
宮川構成員
資料
第12回検討会用
宮川
事前意見
【現場の声とは何か】 別の組織や団体でも同様ですが、
同じ人たちが限られたグループ内
で活動を続けることは、内部のコミュニティを高めて円滑な活動を行う事にはつながりま
すが、
一方で排他的な性格を有するようにもなり、
対外との価値観のずれが次第に大きくな
ります。その中で、経験が長く高位役職や、意見を発する事が出来る人からは、偏重した意
見が出がちです。
例えば各保護司会の意見を集めたとされる総意でも声の小さい・またはあ
まり発していない人の意見をもっととらえることが必要かなと思います。
その方々は、
まだ
保護司になってない候補の方に、より近い立場であると思うからです。
聞こえる範囲での意見集約は見た目の統一感や達成感はあるかもしれませんが、結局は
現実とのギャップが存在し、
解決への方向性がそれると思われます。
より現場に即したもの
になっていくことを望みます。現在と未来の保護司両方の満足度が必要と思います。
【更生保護運動のエリア拡大】 ここまで、更生保護に関する様々な事案を体験するに、ど
うしても他のカテゴリとの協働が少ないように感じます。前述したように、
「更生保護」と
いうグループからなかなか抜け出せてないところが多い気がします(都市部は違うかもで
すけど)
。もちろん長年築き上げてきた関係は大切でしょうが、もっと様々なところと関係
性を高めていくことは重要だと思います。なぜなら、対象者が戻っていくところは、その
様々なところである「社会」だからです。戻るべき社会に対して、更生保護がもっと関わり
を持っていないと、限定された「社会」に戻ることになるのではないでしょうか。人材確保
の候補先も公務員や警察官などもちろん良いですが、制度の始まり時には地域社会に深く
かかわってきた人たちが担ってきたと思われるので、多様な人材を候補としたいものです。
【未来の保護司会】 保護司会の在り方は、もっと明文化されるかもしれない中で、これま
で培ってきた自治は尊重していく必要があると考えます。
地域差はかなりあると思われ、それぞれの独自の方策を行っているはずなので、そこに対してきめ細やかな援助が必要です。
順調に運営できてるところはいいですが、そうでないところの負担の軽減を主軸にできれ
ばいいと思われます。また、保護司会へのビロンギングが高まることは重要ですが、一方で
所属せざるを得ない会(その住居地で入るしかない)に対して「合わない」人への配慮も必
要になってくると思います。
従前から提示しているように、
エリアとしての保護司会を超越
する保護司会(若しくはそれに近いもの)があればよいと思っています。web上にだけ存在
するものでもいいと思います(直接対面の面接の重要性は理解したうえで言っています)
より広い人材の確保の段階として、
保護司と観察所をサポートする集団を、
多方面にもっと
求めたいです。各種専門家集団や、元保護司なども様々なグループが想像できますが、その
うちの一つとして、全国どこの保護司からも相談にのってくれる機構があれば嬉しいです。
さらに、
すでに意見として出てましたように、
法人による保護司活動のような機能でもいい
し、
場所だけや設備だけの協力でもいいと思います。
親密性や関係性が段階的にあるいくつ
ものグループがあることで、
地域社会とのなだらかな関係性を構築することができ、
対象者
の社会復帰へのソフトランディングも成り立つのではないでしょうか。
サポートセンターについては、
その面接での稼働率は低いですが、
重要な拠点であること
は間違いありません。ですが、公共施設での面接場所確保と同様に、場所次第では土日祝・
夜間の使用が難しいという問題は残り続けています。どうしても声をかける相手が公共機
関になることはわかりますが、
民間でも広く考慮すべきです。
と言っても特には場所を思い
つかず、葬儀屋とかどうかなぁと思いました。各地域に必ずあり、コロナ前なら夜でも開け
ており、
そんなに人が寄り付く場所でもないので好条件ですが、
想像の範囲の案レベルです。
様々な案があると思いますが、
自宅での面接が難しい中で、
これは全国的に対応可能なアイ
ディアが出てくると嬉しいです。

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