2024Vol85《本号の注目記事》
くろまる7月は「再犯防止啓発月間」です!
くろまる邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ「世界の刑事司法」を発刊しました
くろまる外国人との共生社会の実現へ〜外国人支援コーディネーター養成研修が始まりま
す〜
くろまる記者が行く!〜学んでみよう!やさしい日本語(やさしい日本語研修教材例)〜
もくじ あかれんが 第 85号
《特 集 記 事 》
7月 は「再 犯 防 止 啓 発 月 間 」です!
邦 訳 版 リソース・マテリアル・シリーズ
「世 界 の刑 事 司 法 」を発 刊 しました
外 国 人 との共 生 社 会 の実 現 へ
〜外 国 人 支 援 コーディネーター養 成 研 修 が始 まります〜010407《常 設 記 事 》
お答 えします〜法 務 省 の予 算 について〜
記 者 が行 く!
〜学 んでみよう!やさしい日 本 語 (やさしい日 本 語 研 修 教 材 例 ) 〜0911
《連 載 記 事 》141517そんなとき法 テラスがお役 に立 ちます! Vol.64
〜ひとり親 支 援 の拡 充 について〜
法 制 度 整 備 支 援 の現 場 から
法 務 省 で働 くひと・しごと紹 介 Vol.21
〜検 察 事 務 官 〜 1あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
7月は「再犯防止啓発月間」です!
★ そもそも再犯防止とは、どういう意味ですか?
犯罪や非行をした人が、
再び罪を犯すことなく立ち直り、
社会の一員として暮らしてい
けるようにすることを「再犯防止」と呼んでいます。
法務省は、再犯を防止することを通じ、誰もが犯罪による被害を受けることなく、加害
者になることもなく、安全で安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
★ 具体的には、どのような取組がありますか?
犯罪や非行をした人が、
刑期等を終えた後に社会に戻るにあたっては、
様々な困難に直
面する場面があります。そのため、例えば、仕事や住まいを確保できず、社会復帰が困難
となっている人には、
就労支援を行ったり、
更生保護施設などで一時的に受け入れたりし
ています。また、必要な福祉の支援が受けられない人には、適切な保健医療・福祉のサー
ビスが受けられるよう調整を行うなどしています。
★ 再犯防止啓発月間とは、どういうことですか?
法務省では、広く再犯の防止等についての関心と理解を深めて
もらうため、再犯の防止等の推進に関する法律に基づき、毎年7
月を、
「再犯防止啓発月間」として定めています。
「再犯防止啓発
月間」には、重点的に再犯の防止等に関する様々な広報・啓発活
動を展開することとしています。
令和5年度再犯防止
啓発月間ポスター
★ YouTube を活用した広報啓発
令和5年12月には、
YouTube 法務省チャンネルにおいて、
「陣内智則がレポート
「再
犯防止の現場」〜農園での立ち直り支援〜」というタイトルの広報・啓発動画を公開しま
した。現在も公開中です。
再犯防止について、教えてください!
7 月は「再犯防止啓発月間」です!
再犯防止に関する啓発活動について、教えてください! 2あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
(注記)法務省だよりあかれんが vol.84 の常設記事で詳しく紹介しています。
さんかく 広報啓発動画のサムネイル
「陣内智則がレポート「再犯防止の現場」〜農園での立ち直り支援〜」
(YouTube 法務省チャンネルのページに遷移します。)★ note を活用した広報啓発
note を活用し、
再犯防止啓発月間の取組をより詳しく紹介していますので、
ぜひ、ご覧ください。
「note 法務省再犯防止公式アカウント」さんかく
★ 広報啓発動画を作成します!!
著名なタレントと法務省職員が過去に犯罪等をした当事者とインタビュー形式で犯
罪等から立ち直った経緯についてトークを行うなどして、広く国民の皆さんに再犯防止
についてわかりやすく伝える内容の広報啓発動画を作成する予定です。
作成した広報啓発動画は7月の再犯防止啓発月間に合わせて、YouTube 法務省チャ
今年度の再犯防止啓発月間では、どのような取組をするのか教えてください! 3あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
ンネルで公開予定です。
詳細については、
「再犯防止対策」のページをご覧ください。
「再犯防止対策」ページさんかく
再犯防止について、もっと知りたいです! 4あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ
「世界の刑事司法」を発刊しました
「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI、アジ研)
」は、昭和37年に国連と日
本国政府の協定に基づいて設立された機関で、
法務省法務総合研究所が運営しています。アジ研では、
主な業務として、
世界の刑事司法の実務家を対象とした国際研修やセミナーを実
施しています。
リソース・マテリアル・シリーズは、アジ研が実施する国際研修やセミナーで取り上げた
研修テーマに関する国際的動向や専門的知見、
各国の制度・実務について客員専門家や研修
参加者が作成した論文等を掲載した資料集です。
昭和46年の第1号の刊行以来、
アジ研の
国際研修で得られた知見の国際的発信において重要な役割を果たし続けてきた歴史ある出
版物で、令和6年3月には第117号を発刊しました。
リソース・マテリアル・シリーズ第117号
アジ研が国際研修の成果物としてリソース・マテリアル・シリーズに掲載してきた資料は、
世界中の専門家や実務家が刑事司法をめぐる国際的な動向や課題状況について理解を深め
る上で多くの有用な情報を含んでいます。しかし、掲載論文が全て英語であることから、日
本の読者が簡便に参照できる資料とは言い難い面もありました。
リソース・マテリアル・シリーズとは?
なぜ邦訳版? 5あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
そこで、日本国内の刑事司法に携わる政策立案・実務関係者や研究者、さらには学生など
幅広い読者を対象として、多くの方々が世界の刑事司法制度に関する豊富な情報に触れら
れるよう、
令和5年3月に邦訳版の刊行をするに至り、
翌令和6年3月には第2巻を刊行し
ました。
日本国内で参照いただけるよう、リソース・マテリアル・シリーズ邦訳版のタイトルにつ
いては、
「世界の刑事司法」としました。
邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ「世界の刑事司法」第2巻
邦訳版第1巻は、リソース・マテリアル・シリーズ第113号及び第114号の掲載論文
の中から論文11本を選定して日本語に翻訳しました。
さらに、
令和4年9月にアジ研と協
力覚書を交換した欧州保護観察連合(CEP)がその発刊に関わった「保護観察-なぜ?ど
うやって?」
(原題"Probation. Why and How")について、その著者の許可を経て、翻
訳・掲載しました。
邦訳版第2巻は、リソース・マテリアル・シリーズ第115号及び第116号の掲載論文
の中から論文7本を選定して日本語に翻訳しました。
さらに、
令和5年6月にアジ研と協力
覚書を交換した国際司法・法の支配研究所(IIJ)がその発刊に関わった「テロ事件の被
害者及び証人の保護のためにどのような法的・組織的枠組みがあるか-ブルキナファソ、ニジェール及びセネガルの実例」
(原題‟What legal and institutional frameworks exist
for the protection victims and witnesses in terrorism cases: Examples from
Burkina Faso, Niger and Senegal")について、その著者の許可を経て、翻訳・掲載し
ました。
どんな内容? 6あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
これらの出版物は、
各種イベント時の展示ブースで配布しているほか、
アジ研ウェブサイ
トにおいて公開しています。ぜひ手に取ってお読みください。
イベント展示ブースでのリソース・マテリアル・シリーズ配布の様子
ウェブサイトはこちら ▶ 7あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
外国人との共生社会の実現へ
〜外国人支援コーディネーター養成研修が始まります〜
外国人との共生社会の実現に当たっては、生活上の困りごと(日常生活上、社会生
活上及び職業生活上の困りごと)に直面した外国人が、安定的・継続的に在留して能
力を発揮することができるように支援することが必要です。出入国在留管理庁では、
外国人との共生社会の実現に向けたロードマップに基づいて、生活上の困りごとを抱
える外国人を適切な支援につなげることができる人材(外国人支援コーディネーター)
の育成・認証を行います。
これまでの検討経緯等については、
出入国在留管理庁のホームページをご
覧ください。
令和6年8月から、外国人支援コーディネーター養成研修を実施します。
これに合わせて、令和6年度の養成研修の受講申込みを本年4月から受け付けてい
ます。
〇養成研修の対象者
令和6年度は、
「現に、国、地方公共団体又はそのいずれかの委託等を受けた機関が
運営する外国人向けの相談窓口において、自らが相談対応者として又は相談対応者に
対して助言・指導する立場の者として外国人からの相談対応業務に従事している者で
あって、
相談対応業務に一定期間従事した実務経験を有する方」
を対象としています。
〇養成研修の流れ
養成研修では、外国人支援コーディネーターに必要な専門的知識・技術等を効果的
に学習するため、
「養成課程1」
(オンライン研修)、「実践」、「養成課程2」
(集合研修)
の3段階で実施します。
それぞれの課程の内容は、以下のようになっています。
養成課程1:
「外国人の在留状況を正確に把握するために必要な知識」、「異なる文化や
価値観を理解するために必要な知識」、「外国人の複雑・複合的な相談内
容に対して適切な解決策まで導くために必要な知識及び技術」など、外
国人支援コーディネーターに必要な専門的知識・技術について学びます。
外国人支援コーディネーターの概要
令和6年度外国人支援コーディネーター養成研修 8あかれんが 2024年 第85 号 《特集記事》
実 践:受講生が所属する職場等において、職場等の理解と協力の下で業務を通
じた「実践」を行います。
養成課程2:外国人支援コーディネーターとして相談対応支援・予防的支援を行うこ
とができるようになることを目的として、他の受講生とのグル ープ討議
や事例検討を行います。
研修期間は約6か月間であり、養成研修の修了者については、令和7年3月頃に「外
国人支援コーディネーター」として認証する予定です。
養成研修の内容等については、
出入国在留管理庁のホームページに掲載し
ています。
【養成研修チラシ】 【養成研修の流れ】 9あかれんが 2024年 第85 号 《常設記事》
お答えします
〜法務省の予算について〜
Q1 法務省の予算は、どのくらいの額になるのですか?
令和6年度の法務省の当初予算額(一般会計)は、約8,133億円です。
Q2 法務省の予算は、どのようなことに使われるのですか?
法務省は、検察庁における捜査・公判、刑務所における被収容者の処遇、保護観察所にお
ける保護観察、出入国在留管理庁における出入国審査や共生社会の実現に向けた外国人の
受入れ環境整備、法務局における登記手続・人権擁護活動など、幅広い分野の多様な業務を
担っており、法務省の予算はこれらの活動に使われています。
また、法務省は、
「人」による業務を主とする省庁であり、これらの幅広い多様な業務を
遂行するため、全国に約5万5千人の職員が勤務しているほか、刑務所、法務局、検察庁な
ど約770もの多数の施設を抱えていることから、職員の給与や庁舎の維持費などにも多
くの予算が使われています。
なお、令和6年度予算の主なポイントは次のとおりです。 10あかれんが 2024年 第85 号 《常設記事》
(注記)令和6年度予算の詳細はこちら。
https://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00127.html 11あかれんが 2024年 第85 号 《常設記事》
記者が行く!
〜学んでみよう!やさしい日本語(やさしい日本語研修教材例)〜
記 者
皆さま、こんにちは!今回は、やさしい日本語について、担当者へ話を伺いました。
早速ですが、やさしい日本語とは何ですか?
担 当 者
やさしい日本語とは、相手に合わせて分かりやすく伝える日本語のことです。
日本語を母語としない外国人の方や高齢者や障がいがある方など、様々な方に用いられ
ています。
記 者
なるほど!色んな人たちへ使える日本語のことなのですね。
最近は、日本に住む外国人も増えていますよね。
担 当 者
はい。日本に住んでいる在留外国人は 30 年間で約 3 倍となっており、その国籍、使用
言語も多様化しています。
在留外国人数の多い国籍・地域の上位10位をみても、その公用語が9言語に及んでい
出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト内 「やさしい日本語研修教材例」P7 12あかれんが 2024年 第85 号 《常設記事》
ます。
在留外国人が日本で安心して生活するには、国・地方公共団体や職場などからのお知ら
せを正しく理解する必要がありますが、すべての言語に対応した情報発信を行うことはな
かなか難しいため、在留外国人にも分かりやすい日本語である「やさしい日本語」の活用
が期待されています。
記 者
なるほど、外国人だからといって皆、英語が通じるわけではないのですね。
担 当 者
そうです。英語を母語としない在留外国人も数多くいらっしゃいます。
出入国在留管理庁が令和4年度に行った「在留外国人に対する基礎調査」では、
「情報
を入手する時に、情報提供される言語として、母語以外ではどの言語を希望しますか。」との問いに対し、
「やさしい日本語」が上位3番目になっていることからも、
「やさしい日
本語」の要望が高いことが分かっています。
記 者
それならば、積極的にやさしい日本語を使っていきたいですね。
やさしい日本語を学ぶにはどうしたら良いですか?
担 当 者
出入国在留管理庁のホームページ内にある「外国人生活支援ポータルサイト」で、やさ
しい日本語のガイドラインや言い換え例を公開しています。やさしい日本語に広く慣れ親
出入国在留管理庁 「令和4年度 在留外国人に対する基礎調査報告書」 抜粋 13あかれんが 2024年 第85 号 《常設記事》
しんでもらうため、ぜひ一度、やさしい日本語ガイドラインをご覧になってください。
また、出入国在留管理庁では、各地の地方出入国在留管理局でやさしい日本語研修を実
施していますが、どなたでもやさしい日本語研修が実施できるよう、
「やさしい日本語研
修教材例」を同ポータルサイトで公表しています。
この研修教材例には、ポイントをまとめたテキストのほか、日常に即した例文を取り入
れた別冊ワーク集(書き言葉編と話し言葉編)も収録しており、この研修教材例だけでや
さしい日本語の研修が行えます。
記 者
なるほど!ガイドラインでやさしい日本語を学ぶことができ、さらにはやさしい日本語
研修教材例を使って講師となったりすることもできるということですね。
でも、やさしい日本語を勉強するのは大変そうですよね。
担 当 者
いいえ、そんなことはありません。
やさしい日本語に決まった正解はありません。
まずは、お互いに歩み寄り、理解しようとする気持ちを持つことが大切なのです。
難しそうだと構えることなく、やさしい日本語を使うハードルが低いことを体感してい
ただきたいと考えています。
記 者
やさしい日本語が活用される機会が増えると良いですね!
今回は、ありがとうございました!
さんかく出入国在留管理庁
「外国人生活支援ポータルサイト」
しかく法テラスって?
私たち法テラス(日本司法支援センター)は、国によって設立された法的トラブル解決のため
の「総合案内所」です。
法テラスでは、法的トラブルを抱えた方に、解決に役立
つ法制度や相談窓口を紹介する情報提供や、経済的
に余裕のない方を対象とした無料の法律相談などを行っ
ています。
しかく法テラスについて知りたい
くろまる法テラス公式X(旧:Twitter) くろまる広報誌「ほうてらす」 くろまる法テラス公式YouTubeチャンネル
法テラス公式X(旧:Twitter)では、
制度情報・イベント情報・法律豆知識
など役立つ情報を配信しています!
フォロワー随時募集中♪
「法テラス公式X(旧:Twitter)」
【第58号】
特集:「学生生活と法律」
表紙・インタビュー
:貴島明日香さん
広報誌には、法的トラブル解決に
役立つ情報が満載です♪
ホームページからも読むことができます。
広報誌「ほうてらす」
Vol.64 〜ひとり親支援の拡充について〜
1未払養育費等の支払を受けた場合
における弁護士費用等の返済
「3分で解説!法テラスの使い方」など、法テラス
の業務内容や利用方法に関する動画をアップし
ています。ぜひご覧ください!
「法テラス公式YouTubeチャンネル」
令和6年4月1日より、ひとり親支援の一環で、民事法律扶助における運用が変更されました!
2将来における月々の養育費に関
する成功報酬の支払
3償還免除対象への追加
旧 変更後
支払を受けたら
養育費等から
原則、一括返済
支払を受けた養育費等が
一定額以下の場合は、
一括返済不要
(毎月分割払い可)+旧
養育費の支払を
受ける都度、その10%
を利用者から受任者へ
直接支払
一定額までは
法テラスによる立替えとし、
法テラスへ毎月分割払い
(受任者への直接支払不要)
変更後
資力回復困難な方
(高齢者、中度以上の障がい者
(扶養者含む)、長期療養者)
義務養育対象年齢
までの子と同居し、
扶養しているひとり親
(注記)養育費請求事件とその関連事件の立替金が
償還免除要件の緩和対象になります。
収入・資産が一定額以下
お な や み な し
TEL:0570-078374
追加!
今まで
月〜金:9時〜21時
土 :9時〜17時
法テラス・サポートダイヤル
まずはこちらへ 15あかれんが 2024年 第85 号 《連載記事》
法制度整備支援の現場から
ベトナム長期派遣専門家 大西 宏道
令和6年4月26日、
ベトナムのハノイにおいて、
独立行政法人国際協力機構
(JICA)
が実施するベトナム
「法整備・執行の質及び効率性向上プロジェクト」
の活動の一環として、
ハイレベルフォーラムが開催されました。
当日は、会場に、日本から、中野英幸法務大臣政務官、法務総合研究所長をはじめとする
法務省職員、JICA理事ほかの関係者が、ベトナムから、レー・タイン・ロン司法大臣、
首相府、最高人民裁判所、最高人民検察院の各副長官、共産党中央内政委員会の副委員長、
ベトナム弁護士連合会の副会長ほかの関係者が参加しました(肩書は当時)。このプロジェクトは、
ベトナムの法・司法改革の促進と国家の国際競争力の強化に寄与す
るため、法令に当たる法規範文書制度の質及びその効果的な執行が国際標準に照らして向
上することを目標として、
日本政府がベトナム司法関係機関を支援しているものです。
プロ
ジェクトには、日本の法務省から、検事1名、行政官1名が派遣されているほか、弁護士1
名、
業務調整員1名の長期派遣専門家がいます。
プロジェクトは、
日頃、
ベトナムにおいて、
各カウンターパート機関と、調査、セミナー、ワークショップ等を実施し、ベトナムの課題
を研究、討議し、具体的な解決策を検討しています。
今回のハイレベルフォーラムは、日頃、研究、討議される課題のうち、容易に解決できな
い課題についてハイレベルで協議することを目的として開催したものであり、日本とベト
ナムの関係者が、
これまでの活動の成果、
残されている課題等について議論を行いました。
日本のベトナムに対する法制度整備支援は、約30年の歴史があり、これまで、ベトナム
において、民法、民事訴訟法等の法令が制定されたほか、行政実務担当者、法曹実務家等の
人材育成が図られてきました。
日本とベトナムは法制度に異なる点もありますが、法制度整備支援が国際社会の平和と
安定に貢献することにつながることを期待して、日々、活動を行っています。 16あかれんが 2024年 第85 号 《連載記事》
ハイレベルフォーラムの様子 17あかれんが 2024年 第85 号 《連載記事》
法務省で働くひと・しごと紹介 Vol.21
〜検察事務官〜
職 名:法務事務官(補佐官)
氏 名:��田 愛
採用年:平成7年
所 属:法務省刑事局 刑事法制管理官室
Q1 検察事務官ってどんな仕事?
Q2 最近のトピックスは?
現在所属している刑事法制管理官室は、刑事法に関する課題などを検討し、現行法の改
正や新しい法律の制定などを行っている部署です。検察庁の業務で法律を確認する際、理
解するのが難しいといつも思っていましたが、ここでの仕事は、法律について、その制定
に至る背景や過程などから知ることができ、大変勉強になります。
Q3 検察事務官のやりがいって何?
「捜査・公判部門」において、検察官とペアになり、二人三脚で仕事を行う検察事務官
を「立会(たちあい)事務官」といいます。立会事務官は、取調べに立ち会ったり、とき
には、事件現場に直接赴いたり、検察官の指揮を受けて逮捕状の執行や捜索差押などを行
います。事件の真相解明に深く関わることができ、社会正義の実現に携わっているという
使命感や充実感を感じることのできる仕事です。
私はこの4月に法務省に異動となり、
現在は法務事務官として働いて
いますが、元々は検察庁に採用され、検察事務官として長く勤務してき
ましたので、今回は、検察事務官のお仕事について紹介させていただき
ます。
検察事務官は、検察庁における「捜査・公判部門」、「検務部門」、「事
務局部門」の3つの部門に主に配置され、検察官が行う刑事事件の捜
査・公判活動や刑の執行指揮などの仕事をサポートしています。 18あかれんが 2024年 第85 号 《連載記事》
また、
「検務部門」や「事務局部門」の仕事は、検察事務官が主体となって行う業務が多
く、例えば検務部門では事件の証拠品の保管や処分をする仕事や、罰金の徴収に関する仕
事など、捜査・公判部門とは違ったやりがいや達成感を感じることのできる仕事です。
Q4 心に残っているエピソードがあれば教えてください。
印象深い出来事が多かったのは、
「捜査・公判部門」での仕事です。なかなか事実を認め
なかった犯人が、検察官の取調べが進むにつれ真実を語り出したときや、捜索差押や裏付
け捜査を行う中、真相解明の糸口となる証拠を発見できたときには、大きなやりがいを感
じました。
答えてくださった��田補佐官 19あかれんが 2024年 第85 号 《連載記事》
執務の様子(自席にて)
検察庁ホームページはこちら
https://www.kensatsu.go.jp/kouhou/book.htm

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