令和5年度 人権教育及び人権啓発施策(年次報告)の概要1だいやまーく 根拠 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第8条に基づき、
前年度において、各府省庁が取り組んだ人権教育・人権啓発の
施策について国会に報告するもの
だいやまーく 閣議日 令和6年6月4日(火)
令和5年度における人権教育・啓発に関する主な施策
女性の人権に関する取組(P.14〜20)
こどもの人権に関する取組(P.2〜4、8〜10、21〜36、115〜120)
DVやセクシュアルハラスメントをテーマとする
啓発動画の作成・配信、全国一斉「女性の人権ホット
ライン」強化週間による相談体制の強化
SOSミニレター
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
435 430 383
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
1,473 1,338 1,527
トピックス 性被害防止に向けた取組
令和5年7月施行の「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」等の趣旨や内
容について、こども・若者向けにまとめたリーフレットの作成・配布や法改正の
内容を踏まえた啓発動画の作成などの各種広報・啓発活動を実施
・ 「全国中学生人権作文コンテスト」や「人権教室」に
加え、いじめや児童虐待等のこどもの人権問題を
テーマとした啓発動画の作成・配信等
・ 全国一斉 「こどもの人権110番」強化週間、「こど
もの人権SOSミニレター」、「LINEじんけん相談」
等による相談体制
の充実
学校における人権教育の充実、いじめ・暴力行為等に対する取組の推進、
こどもの性被害に係る対策
地域と学校が連携・協働した人権教育に向けた取組
トピックス
「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」と「地域学校協働活動」の
一体的な取組の推進に合わせ、法務省の人権擁護機関では人権擁護委員の参画を進
め、学校における人権教育や人権課題の解決に向けた取組への積極的な関与を推進
高齢者の人権に関する取組(P.37〜39)
高齢者を含む全ての人の人権が尊重される社会の
実現を訴える啓発動画の配信、社会福祉施設におけ
る相談体制の強化
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
147 104 126
ハンセン病問題に関する取組(P.71〜74)
外国人の人権に関する取組(P.58〜65)
共生社会の実現をテーマとしたシンポジウムの開催、ヘ
イトスピーチは許されないことを訴えるポスター等の活用、
インターネット上のヘイトスピーチの解消に焦点を当てた
啓発動画の配信やSNSによる
定期的な情報発信、人権相談
の多言語(約80言語)対応
元患者やその家族との協議を踏まえ、関係省庁が
連携してシンポジウムの開催、啓発動画の配信等の
各種啓発活動を実施
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
59 47 83
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
1 0 1
感染症に関連する人権問題に関する取組(P.66〜70)
感染症に関連する偏見や差別の解消に向けた啓発冊
子の配布、啓発動画の配信
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
68 49 24
部落差別(同和問題)に関する取組(P.51〜54)
部落差別の解消を呼び掛ける講演会等の実施、啓発動画の配信、冊子の配布、差
別を助長するインターネット上の書き込み等に
対する削除要請の実施
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
308 433 448
啓発動画
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
0 1 6
アイヌの人々に関する取組(P.55〜57)
アイヌの人々の人権に関する啓発動画の配信、人権教育啓発推進センターが実施
する「アイヌの方々のための相談事業」と人権相談
との連携を実施2特別支援教育・障害のある人に対する支援の充実
障害のある人の人権に関する取組(P.40〜50)
障害のある人を含む全ての人の人権が尊重される社会の実現を訴える啓発動画の
配信、冊子の配布、シンポジウムの実施等、
社会福祉施設における相談体制の強化 人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
134 134 180
トピックス 障害者関係の法改正の動向
・ 事業者による合理的配慮の提供義務化等を含む改正障害者差別解消法の施行に
向け、事業分野ごとの相談窓口の明確化、適切な相談窓口に「つなぐ窓口」の
設置等の取組を推進
・ 改正精神保健福祉法の施行に向け、精神科病院における虐待防止等に係る地方
公共団体向けの説明会や外部との面会交流の機会確保のための入院者訪問支援事
業に係る研修の実施、患者向けの周知用ポスターの作成 3トピックス 「ビジネスと人権」に関する我が国の取組
トピックス 職場におけるハラスメント防止対策の推進
厚生労働省において、職場におけるハラスメント防止に向けた周知啓発、事業主
への助言指導等を実施するとともに、カスタマーハラスメントに関する企業向け対
策マニュアルやポスターを活用した周知啓発を実施
性的マイノリティの人権に関する取組(P.90〜93)
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
9 9 26
特設サイト「Myじんけん宣言・
性的マイノリティ編」
インターネット上の人権侵害に関する取組(P.80〜84)
・ SNS・掲示板等のインターネット上の誹謗中傷等の根絶を呼び掛ける啓発動画
の配信、インターネット広告の実施
・ 中高生及び保護者向け啓発冊子の配布
・ 中学生等を対象に携帯電話会社と連携・協力したスマートフォン等の安全な利
用に関する人権教室の実施
人権侵犯
事件数
令和3年 令和4年 令和5年
1,736 1,721 1,824
啓発動画
・ 有識者検討会の取りまとめ(インターネット上の書き込み等のうち削除される
べきものの基準等について法的に整理)を踏まえた削除要請の実施、プロバイダ
事業者等との意見交換
啓発冊子
理解増進法に基づき、関係府省庁が横断的に連携し、性的指向及びジェンダーア
イデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策を総合的かつ効果
的に推進
・ 性的マイノリティをめぐる人権問題について解説し
た啓発冊子の配布、動画の配信
・ 各企業・団体が進める取組事例を公表する投稿型の
特設サイトの本格的運用
・ 公共調達における人権配慮に関する政府方針について決定
・ 経済産業省において、「サプライチェーンにおける人権尊重のための実務参照
資料」を作成・公表、中小企業向けのセミナーを実施
・ 法務省の人権擁護機関において、企業研修等への講師派遣、特設サイトの周知
等、企業活動における人権尊重の取組を促進するための啓発活動を実施 4特集 こども・若者の人権をめぐる取組(P.115〜120)
いじめの重大事態の件数や児童虐待の相談対応件数が高水準で推移するなど、こども
を取り巻く環境が依然として厳しい状況にあることを受け、常にこども・若者の視点に
立ち、こどもの利益を第一に考える「こどもまんなか社会」の実現に向けた枠組みを設
けるとともに、こども家庭庁を司令塔に政府一体となって取組を推進
【枠組み】
しろまるこども基本法(令和5年4月1日施行)
全てのこどもの権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができ
る社会の実現を目指し、こども施策を総合的に推進することを目的
しろまるこども大綱(令和5年12月22日策定)
こども基本法の目的を踏まえ、今後5年程度の基本的な方針及び重要事項を一元的
に策定
→ こども・若者が権利の主体であることを社会全体で共有するため、こども基本
法の趣旨や内容について理解を深めるための情報発信や啓発等に取り組む。
【各種取組の例】
しろまるいじめ防止対策
・ 「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」の策定、いじめ重大事態の未然防止に向け
た地方公共団体への個別サポートチームの派遣等(文部科学省)
・ 「学校外からのアプローチによるいじめ解消の仕組みづくりに向けた手法の開発・
実証」事業、「いじめ調査アドバイザー」を委嘱(こども家庭庁)
しろまる児童虐待防止対策
・ 改正児童福祉法に基づき「こども家庭センター」の整備、こどもの意見表明等支援
事業の創設、「一時保護施設の設備及び運営に関する基準」の策定、「一時保護ガイ
ドライン」の改正(こども家庭庁)
・ 各都道府県教育長等に児童虐待の未然防止・早期発見等のための留意点等を周知
(文部科学省)
しろまるこどもが様々な権利の享有主体であることの認識を促す取組
児童の権利条約を分かりやすく解説した啓発冊子を作成し、人権教室において活用
(法務省)
しろまる保護者の信仰に起因した被害者等に対する支援の取組
宗教2世・3世と呼ばれるこどもや若者が抱える様々な悩みについて、「『旧統一
教会』問題に係る被害者等への支援に関する関係閣僚会議」において取りまとめられ
たこども・若者向け相談・支援体制の強化等の取組を、関係府省庁が連携して推進
(関係府省庁)
【今後の人権教育・啓発の方向性】
こども・若者が様々な権利の享有主体であることの気付きを促すとともに、理解を深
めてもらうためのきめ細やかな人権教育・啓発を推進
• 令和6年3月に、学校における人権教育の手引きである「人権教育の指導方
法等の在り方について」[第3次とりまとめ]の補足資料を令和5年度1年
間の動向等を踏まえて更新し、「こども大綱」(令和5年12月22日閣議決
定)などこどもの人権に係る動向、ハンセン病問題に係る動向、「性的指向
及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関す
る法律」の制定に係る内容等を追記。
• 問題を抱える児童生徒への適切な相談等の支援のためスクールカウンセラー
やスクールソーシャルワーカーの配置等の教育相談体制の整備への支援や、
「24時間子供SOSダイヤル」の整備、地方公共団体へのSNS等を活用した相
談体制の整備への支援等、総合的な取組を推進。
• 令和5年2月の通知において、犯罪に相当するいじめ事案については直ちに
警察に相談・通報を行い、適切な援助を求めなければならないことや、児童
生徒への指導支援の充実等、取組の徹底を求める事項について周知。
地域と学校が連携・協働した人権教育に向けた取組(P.3〜4)
• 文部科学省では、保護者や地域住民等が学校運営に参画する「コミュニ
ティ・スクール(学校運営協議会制度)」と、地域住民等の多様な主体の
参画を得て様々な活動を行う「地域学校協働活動」を一体的に推進。
• コミュニティ・スクールの更なる導入の加速とともに、地域学校協働活動
との一体的な取組をはじめ導入後の取組の質的向上を図り、地域と学校の
連携・協働を一層推進するため、全国フォーラム等の開催や、コミュニ
ティ・スクールと多様な地域関係者とをつなぐ地域学校協働活動推進員等
の配置促進等の取組を行っている。
• こうしたコミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを活用し、
学校や地域の実情に応じた様々な取組が行われており、法務省の人権擁護
機関では、人権擁護委員の参画を進め、学校と地域が連携・協働した人権
教育や人権課題の解決に向けた取組への積極的な関与を推進している。
令和5年度における人権教育に関する施策【文部科学省関係】
学校における人権教育の充実(P.2)
いじめ・暴力行為等に対する取組の推進(P.23〜26)
トピックス5 • 生命(いのち)を大切にし、こどもたちを性暴力の加害者・被害者・傍観者
にさせないための「生命(いのち)の安全教育」の教材・指導の手引き等を
作成し、令和3年4月に公表。令和4年度は動画教材や教員向け研修動画の
公表を行い、令和4年12月には生徒指導提要の改訂において、性犯罪・性暴
力に関する対応について生徒指導の観点から整理し、課題未然防止教育とし
て、「生命(いのち)の安全教育」を実施する旨が明記された。令和5年度
は学校現場での実践をより後押しするため、実践事例集の公表や全国フォー
ラムの開催を行い、「生命(いのち)の安全教育」の全国展開を図った。
【「生命(いのち)の安全教育」教材、啓発資料】
• 令和3年5月に成立した「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関
する法律」に定められた施策を総合的かつ効果的に推進するため、基本的な
指針を令和4年3月に策定。また、同法が定める特定免許状失効者等に関す
るデータベースに係る規定の施行に合わせ、令和5年3月に通知を発出し、
運用に係る注意事項や、児童生徒性暴力等の防止等のために学校及びその設
置者が行うべき主な対応を改めて周知。また、教育委員会や学校における教
員に対する研修や意識啓発の取組がより効果的なものとなるよう、令和4年
度には、啓発動画や研修用動画、好事例集等を作成・公表。
こどもの性被害に係る対策(P.29〜31)6 • 障害のあるこどもと障害のないこどもが可能な限り共に教育を受けられるよ
うに条件整備を行うとともに、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える
指導を受けられるよう、 「障害のある子供の教育支援の手引」 の改訂・周知
等の取組を実施。
• 障害者の生涯学習の支援推進のため、調査研究による現状分析・課題整理に
基づき、市町村や民間団体、大学等の多様な主体による障害児者の生涯学習
プログラムの開発や、都道府県が主体となる持続可能な体制整備等に関する
実践研究を実施。これらの研究事業成果の普及や生涯に関する理解の促進等
を目指した「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を開催。
• 関係省庁間の連携の下で一体的な施策を進めるため、令和5年度も、各学校
設置者に対して、厚生労働省作成の中学生向けパンフレット「ハンセン病の
向こう側」や法務省作成の人権啓発動画・冊子、国立ハンセン病資料館の講
師派遣などハンセン病に関する教育に有用な資料等の活用を法務省、厚生労
働省との連名通知により要請。
• 独立行政法人教職員支援機構が実施する人権教育推進研修等において、専門
的知見を活用して組織的な取組等を推進する人材の育成を行っているほか、
同機構が提供する校内研修用の動画コンテンツの一環としてのハンセン病問
題に係る講義動画について周知を図るなど、各学校設置者に対するハンセン
病問題に係る情報提供や、指導者の育成及び資質向上の支援等を実施。
• 性的マイノリティの児童生徒等へのきめ細やかな対応に資するよう、関連通
知や教員向けパンフレット等により学校における適切な教育相談の実施等を
促したほか、各都道府県教育委員会等の人権教育担当者を対象とした会議や
独立行政法人教職員支援機構が実施する人権教育推進研修、大学等の教職員
が出席する会議等での周知等の取組を推進。また、令和4年12月に公表した
改訂版生徒指導提要において、性的マイノリティに関する項目を新設。
• 令和5年6月に、理解増進法の成立・施行を踏まえ、本法律の趣旨や、文部
科学省における性的マイノリティの児童生徒等への対応に関する取組につい
て、教育委員会や大学等に周知を行った。
特別支援教育・障害のある人に対する支援の充実(P.43〜44)
ハンセン病問題に関する教育・啓発活動(P.71〜74)
性的マイノリティに関する人権(P.90〜93)7

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