令和5年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)
〜法務省の人権擁護機関の取組〜
令和6年3月22日
法 務 省 人 権 擁 護 局
法 務 省 の 人 権 擁 護 機 関 は 、 人 権 侵 犯 事 件 調 査 処 理 規 程 ( 平 成 16年
法 務 省 訓 令 第 2 号 ) に 基 づ き 、 人 権 を 侵 害 さ れ た と い う 方 か ら の 申
告 等 を 端 緒 に 、 そ の 被 害 の 救 済 及 び 予 防 に 努 め て い る 。
令 和 5 年 ( 暦 年 ) に お け る 取 組 状 況 は 、 以 下 の と お り で あ る 。
【 令 和 5 年 の 主 な 特 徴 】
1 令 和 5 年 に お い て 、 新 規 に 救 済 手 続 を 開 始 し た 人 権 侵 犯 事 件 の
数 は 、 8 , 9 6 2 件 、 処 理 し た 人 権 侵 犯 事 件 の 数 は 、 8 , 6 2 9 件 で
あ っ た 。
2 学 校 に お け る い じ め に つ い て 、 新 規 に 救 済 手 続 を 開 始 し た 人 権
侵 犯 事 件 の 数 は 、 1 , 1 8 5 件 で あ り 、 全 体 に 占 め る 割 合 は 、
1 3 . 2 % で あ っ た 。
3 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 人 権 侵 害 情 報 に つ い て 、 新 規 に 救 済 手 続 を
開 始 し た 人 権 侵 犯 事 件 の 数 は 、 1 , 8 2 4 件 で あ り 、 高 水 準 で 推 移
し て い る 。1 1 人 権 侵 犯 事 件 数 の 動 向
( 1 ) 新 規 救 済 手 続 開 始 件 数
21,718
20,999
19,443 19,533
19,063
15,420
9,589
8,581
7,859
8,96205,000
10,000
15,000
20,000
25,000
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
令和元年
令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
(件)
人権侵犯事件の新規救済手続開始件数の推移2 1 人 権 侵 犯 事 件 数 の 動 向
( 2 ) 処 理 件 数
21,718
21,044
19,553 19,722
18,936
15,404
10,002
8,462
7,627
8,62905,000
10,000
15,000
20,000
25,000
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
令和元年
令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
(件)
人権侵犯事件の処理件数の推移3 1 人 権 侵 犯 事 件 数 の 動 向
( 3 ) 新 規 救 済 手 続 開 始 件 数 の 動 向 ・ 分 析
人 権 侵 犯 事 件 の 新 規 救 済 手 続 開 始 件 数 は 減 少 傾 向 が 続 い て い た と
こ ろ 、 令 和 5 年 は 増 加 に 転 じ た 。 増 加 の 要 因 を 一 概 に 判 断 す る こ と
は 困 難 で あ る が 、 令 和 5 年 5 月 の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の い わ
ゆ る 感 染 症 法 上 の 位 置 付 け の 変 更 な ど に よ り 、 人 と 人 と の 接 触 の 機
会 が 増 え て い る こ と な ど の 影 響 が 考 え ら れ る 。
学 校 に お け る い じ め に 関 す る 人 権 侵 犯 事 件 数 は 前 年 よ り 増 加 し た
が 、 新 規 救 済 手 続 開 始 件 数 の 全 体 に 占 め る 割 合 は 、 前 年 と 同 水 準 と
な っ て い る 。
ま た 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 人 権 侵 害 情 報 に つ い て が 依 然 と し て 高
水 準 で あ る こ と は 前 年 と 同 様 に 特 徴 的 で あ る 。4 2 人 権 侵 犯 事 件 の 種 類 別 構 成 比 の 比 較 ( 新 規 救 済 手 続 開 始 件 数 )
プライバシー
関係
1,554
17.3%
労働権関係
1,487
16.6%
学校における
いじめ
1,185
13.2%
暴行・虐待
1,115
12.4%
強制・強要94810.6%
住居・生活の
安全関係6947.8%
その他
1,979
22.1%
令和5年
令和5年
新規開始件数
8,962件
プライバシー
関係
1,462
18.6%
労働権関係
1,138
14.5%
学校における
いじめ
1,047
13.3%
暴行・虐待
1,003
12.8%
強制・強要80310.2%
住居・生活の
安全関係6067.7%
その他
1,800
22.9%
令和4年
令和4年
新規開始件数
7,859件5 ( 参 考 ) 人 権 相 談 件 数 及 び 主 な 類 型6類型 相談件数 全体に占める割合
住居・生活の安全関係 16,879 9.6%
プライバシー侵害 9,922 5.6%
労働権関係 9,855 5.6%
強制・強要 8,141 4.6%
暴行・虐待 6,928 3.9%
学校におけるいじめ 6,878 3.9%
令 和 5 年 の 人 権 相 談 件 数 1 7 6 , 0 5 3 件
人 権 相 談 に お け る 件 数 上 位 の 類 型 は 次 の と お り 。
3 添付資料
資料1 インターネット上の人権侵害情報に関する人権 侵犯
事件 について
資料2 令和5年中に法務省の人権擁護機関が救済措置を講
じた具体 的事例
資料3 「人権侵犯事件」統計資料(令和5年)
資料4 【特集】こどもの人権をめぐる取組状況について7 資料1
インターネット上の人権侵害情報
に関する人権侵犯事件について 1インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件について
1 法務省の人権擁護機関の取組について
法務省の人権擁護機関(以下「人権擁護機関」という。
)では、全国の法
務局において人権相談に応じており、人権相談等を通じて人権侵害の疑い
のある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、事案に
応じた適切な措置を講じている。
インターネット上の誹謗中傷等の被害を受けた方等からの相談を受けた
場合には、相談者の意向に応じて、当該誹謗中傷等の書き込みの削除依頼
の方法等を助言したり、あるいは、人権擁護機関において違法性を判断し
た上で、プロバイダ事業者等に対して書き込みの削除要請をするなどして
いる。
人権擁護機関に被害の相談があった場合の具体的な対応については、下
図のとおりである。
インターネットの書き込みによる人権侵害について
まず、最寄りの法務局へ人権相談を
名誉毀損罪等により犯人の処罰を希望される場合
最寄りの警察署、各都道府県警本部の
サイバー犯罪相談窓口等をご案内します
書き込みの削除を希望される場合
法務局職員又は人権擁護委員が
詳しくお話をおうかがいします
プロバイダ等への削除依頼等の
具体的方法を助言します
相談者ご自身で削除依頼をすることが困難である場合 又は 相談者ご自身で削除依頼をしたが応じてもらえなかった場合
法務局において、当該書き込みの違法性を判断した上で、プロバイダ等へ削除要請をします
(ただし、強制力を伴わない任意の措置にとどまります)
相談者ご自身で削除依頼をされる場合
法務局の削除要請にも応じてもらえなかった場合
裁判所に削除の仮処分命令の申立てをする方法をご案内します
(法務局が申立てを代行することはできません。相談者ご自身で申立てをするのが困難であれば、弁護士等に相談していた
だくことが考えられます。資力の乏しい方は、日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助(弁護士等による無料法律
相談や弁護士費用等の立替え)をご利用いただくことができます。)
インターネットの書き込みにより、人権侵害の被害にあわれた場合 22 令和5年における人権侵犯事件の動向について
(1) 新規救済手続開始件数
令和5年において、新規に救済手続を開始したインターネット上の人
権侵害情報に関する人権侵犯事件の数は、1,824 件で、前年から 103 件
増加した。
このうち、
プライバシー侵害事案が 542 件、
識別情報の摘示事案が 430
件、名誉毀損事案が 415 件となっており、これらの事案で全体の 76%を
占めている。
なお、人権侵犯事件数はプロバイダ事業者等への削除要請件数ベース
で集計しており、人権侵害情報の書き込み数ではない(例えば、1つの
プロバイダ事業者等に対し、100 の書き込みの削除を1回で要請した場
合、1件として計上している。)。
(2) 処理件数
令和5年において、処理したインターネット上の人権侵害情報に関す
る人権侵犯事件の数は、
1,654 件となっており、
前年から 54 件増加した。
当該事件の処理は、被害者に対しインターネット上の人権侵害情報を
被害者自らが削除依頼する方法を教示するなどの「援助」が半数近くを
占めるが、人権擁護機関が違法性を判断した上で、プロバイダ等に対し
1,429
1,736
1,909
2,217
1,910
1,985
1,693 1,736 1,721
1,8247391,041
1,189 1,1418491,045900725665542345485 501746667517430 483
346 415
39 26 26 42 44198211296414 4300500
1,000
1,500
2,000
2,500
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
令和元年
令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
(件)
インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件(新規開始)
インターネット上の人権侵犯事件
うちプライバシー侵害
うち名誉棄損
うち識別情報の摘示 3人権侵害情報の削除を求める「要請」を行った件数は、449 件であった。
(3) プロバイダ等に対する削除要請件数と削除対応率
令和3年1月から令和5年 12 月までの3年間に、
人権擁護機関がプロ
バイダ等に対して人権侵害情報の削除を求める「要請」をした人権侵犯
事件(1,381 件)のうち、因果関係は定かではないものの、当該情報の全
部又は一部が削除された件数は 954 件で、
その割合は 69.08%であった。
法務省の人権擁護機関による削除要請件数と削除対応率(令和3年〜令和5年)
(注記) 対象期間は令和3年1月から令和5年 12 月まで。
(注記) 人権侵犯事件の処理については、要請のほか、援助、侵犯事実不明確又は打切り
(調査中に対象情報が削除され、申告が取り下げられる)等により終了する場合が
ある。
(注記) 法務省の人権擁護機関による削除要請と削除との条件関係は、厳密に特定できる
ものではない。
1,224
1,604
1,789
2,285
1,805 1,877
1,917
1,588 1,600
1,654
167 214326568
419 3955783995334490500
1,000
1,500
2,000
2,500
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
令和元年
令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
(件)
インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件(処理)
インターネット上の人権侵犯事件
措置「要請」
全部削除
しろまる(件)
一部削除
しろさんかく(件)
1,381 954 884 70 427 64.01% 69.08%
要請件数
しろまる+しろさんかく×ばつ
=しろいしかく(件)
削除合計 しろまる+しろさんかく(件)×ばつ(件)
全部削除率
しろまる/しろいしかく
(率)
削除対応率
(しろまる+しろさんかく)
/しろいしかく(率) 4(4) 令和5年中に人権擁護機関が救済措置を講じた人権侵犯事件の例
・インターネット上の名誉毀損
被害者から、インターネット上に、被害者が氏名や顔写真ととも
に、詐欺を働いており前科があるなどの投稿がされているとして、相
談があった事案である。
法務局が調査した結果、投稿されたいずれの事実も真実ではなく、
当該投稿は、名誉毀損に当たると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったと
ころ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)・インターネット上の名誉感情侵害
電子掲示板上で、特定の地域に住む外国人住民に対して、当該地域
社会からの排斥を扇動する投稿がされたとして、法務局が調査を開始
した事案である。
法務局が調査した結果、当該地域に住む外国人住民は日本から出て
行けなどとする投稿が複数回にわたってなされていたことから、当該
投稿は、当該外国人住民の名誉感情を侵害するものであると認められ
た。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったと
ころ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)・インターネット上のプライバシー侵害
被害者から、インターネット上に、当該被害者になりすました投稿
がされており、被害者の氏名や顔写真などが掲載されるとともに、被
害者が性的マイノリティであると記載されているとして、相談があっ
た事案である。
法務局が調査した結果、当該投稿は、プライバシー権を侵害するも
のであると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったと
ころ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)・インターネット上における同和地区の摘示
インターネット上に、特定の地域を散策しながら、当該地域が同和 5地区であると指摘する動画が掲載されているとして、法務局に情報が
提供された事案である。
法務局が調査した結果、当該動画は、学術・研究等の正当な目的で
公開しているとは認められず、人権擁護上問題があると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該動画の削除要請を行ったと
ころ、当該動画が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)3 その他
インターネット上の人権侵害情報に関する相談や被害申告等に対応する
ため、法務局での面談による相談窓口のほか、電話(みんなの人権 110 番
:0570-003-110)
、インターネット(インターネット人権相談受付窓口:
https://www.jinken.go.jp/)
、LINEなどでも相談に応じている。
また、インターネット上の人権侵害による被害を未然に防ぐため、
「イ
ンターネット上の人権侵害をなくそう」を強調事項の一つとして掲げ、各
種人権啓発活動を実施しており、啓発動画「インターネットはヒトを傷つ
けるモノじゃない。
」や、啓発冊子「あなたは、大丈夫?考えよう!イン
ターネットと人権」等の啓発資料を法務省ホームページ(https://www.mo
j.go.jp/JINKEN/jinken88.html)等で公開している。
さらに、青少年を中心に深刻化するインターネット上の人権侵害への取
組として、中学生などを対象に携帯電話会社と連携・協力し、スマートフ
ォン等の安全な利用について学ぶための人権教室を実施するなどの人権啓
発活動に取り組んでいる。
(注記)上記機関以外に、
一般的な情報セキュリティ
(主にウイルスや不正アクセス)
に関する技術的な相談に対して
アドバイスを提供する窓口としてIPA
「情報セキュリティ安心相談窓口」
があります。
(注記)上記のほか、
学校や地方公共団体にある相談窓口も活用してください。
インターネッ
ト上の書き込みなどに関する相談・通報窓口のご案内
インターネッ
ト上の書き込みなどに関する相談・通報窓口のご案内
インターネッ
ト上の誹謗中傷やプライバシー侵害等のトラブルにあった
解決策について相談したい
どうしたらよいか
分からない
ネッ
ト上の
書き込み・画像を
削除したい
書き込んだ相手に
損害賠償を
求めたい
身の危険を感じている/
脅迫されている・犯人の捜査、
処罰を求めたい
www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro
悩みや不安について話をしたい 違法薬物の販売情報、
違法なわいせつ画像、
児童ポルノ、
爆発物・銃砲等の製造、
殺人や強盗等の犯罪行為の
請負・仲介・誘引、
自殺の誘引・勧誘などを
通報したい
インターネッ
ト上の違法・有害情報を見つけた
まもろうよこころ
(厚生労働省)
まもろうよこころ
(厚生労働省)
生きるのがつらいほどの悩みや不安を抱えている方に
対して、
気軽に相談できる窓口を紹介しています。
心のSOS
www.npa.go.jp/cyber/
soudan.html
警察または居住地の
サイバー犯罪相談窓口
警察または居住地の
サイバー犯罪相談窓口
弁護士
弁護士
サイバー犯罪の情報提供、
相談窓口
www.houterasu.or.jp
0570-078374
法テラス
法テラス
法的トラブル解決のための
「総合案内所」
問合せ内容に応じて解決に役立つ法制度や相談窓
口に関する情報を案内します。
経済的に余裕のな
い方を対象に無料の法律相
談や弁護士費用等を立て替
える制度があります
(要件確認あり)。
www.ihaho.jp
違法・有害情報
相談センター
(総務省)
違法・有害情報
相談センター
(総務省)
迅速な助言
相談者自身で行う削除依頼
の方法などを迅速にアドバイ
スします。
インターネッ
トに関
する技術や制度等の専門知
識や経験を有する相談員が、
人権侵害に限らず、
様々な事
案に対して幅広にアドバイス
します。
または
または
www.jinken.go.jp
0570-003-110
人権相談
(法務省)
人権相談
(法務省)
削除要請・助言
相談者自身で行う削除依頼の
方法などの助言に加え、
法務局
が事案に応じてプロバイダ等に
対する削除要請((注記))
を行います。
(注記)削除要請は専門的な知見を有する
法務局が違法性を
判断した上で行う
ものでありこの判
断には時間を要す
る場合があります。
www.saferinternet.or.jp/
bullying/
誹謗中傷
ホッ
トライン
誹謗中傷
ホッ
トライン
プロバイダへの連絡
インターネット上の誹謗中傷
について連絡を受け付け、一定の基準に該当すると判断し
たものについては、
国内外の
プロバイダに各社の利用規約
等に沿った対応を促す連絡を
行います。
www.safe-line.jp
セーフライン
セーフライン
迅速な削除の要請
インターネッ
ト上の違法情報や
有害情報の通報を受け付け、
国内外のサイトへの削除の要
請や、
警察等への通報を行い
ます。
リベンジポルノの被害に
遭われた方、
いじめの動画像
の通報も受け付けています。
www.internethotline.jp
インターネット・
ホッ
トライン
センター(警察庁)
インターネット・
ホッ
トライン
センター(警察庁)
サイ
トへの削除依頼
インターネッ
ト上の違法情報
及び重要犯罪密接関連情報、
自殺誘引等情報の通報を受
け付け、
ガイドラインに基づ
いて該当性の判断を行い、警察への情報提供とサイ
トへの
削除依頼をします。
人権イメージキャラクター
人KENまもる君
セーファー
インターネット協会
ネットトラブルの
専門家に
相談したい
人権問題の専門機関に
相談したい
プロバイダ等に削除を
促してほしい
(民間機関)
有害情報も
通報したい
(民間機関)
左記マーク以外は各機関のWebフォームから相談
対面 電話 メール チャット SNS
資料2
令和5年中に法務省の人権擁護機関が
救済措置を講じた具体的事例
【目次】
こども関係
強制・強要関係
差別待遇関係
インターネット上の人権侵害情報関係
(いじめ)
事例1 小学校におけるいじめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
事例2 中学校におけるいじめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
(虐待)
事例3 中学生に対する虐待・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
事例4 中学生に対する虐待・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(体罰)
事例5 中学生に対する体罰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(セクシュアル・ハラスメント)
事例6 雇用主から従業員に対するセクシュアル・ハラスメント
・・・・・ 2
(高齢者)
事例7 子から高齢の親に対する暴力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
事例8 外国人に対する差別的対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
事例9 障害者に関する差別的発言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
事例 10 同和問題に関する差別的発言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
事例 11 インターネット上の名誉毀損・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
事例 12 インターネット上の名誉感情侵害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
事例 13 インターネット上のプライバシー侵害・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
事例 14 インターネット上における同和地区の摘示・・・・・・・・・・・・・ 5 1【こども関係】
(いじめ)
事例1 小学校におけるいじめ
小学生の児童が、同級生から、殴られるなどのいじめを受けているにも
かかわらず、学校が十分な対応を行っていないとして、
「こどもの人権S
OSミニレター」による相談があった事案である。
法務局が調査した結果、担任教諭は、当該いじめを認識していたにもか
かわらず、学校長に速やかに報告をしなかったため、学校における対応が
適切に行われていなかったことを確認した。
法務局は、学校長に対し、早期に学校長までの連絡・報告をし、組織的
に対応するなど、学校全体でいじめ行為の発生の防止と解消に向けた取組
を一層強化するよう要請した。
(措置:
「要請」)事例2 中学校におけるいじめ
中学生の生徒が、同級生から、
「死ね」といわれるなどのいじめを受け
ており、死んでしまいたいとして、
「こどもの人権SOSミニレター」に
よる相談があった事案である。
法務局が調査した結果、当該生徒は被害についてこれまで誰にも相談し
ておらず、その悩みを担任教諭が把握できていなかったことが判明したこ
とから、当該生徒が通う学校が必要な対応を実施できるよう情報提供を行
った。また、法務局は、
「こどもの人権SOSミニレター」を通じて数度
にわたり当該生徒とのやり取りを継続して信頼関係を構築し、スクールカ
ウンセラーに相談することなどを勧めた。
その結果、家庭及び当該学校との間で当該生徒の見守り体制を構築する
ことができた。
(措置:
「援助」)(虐待)
事例3 中学生に対する虐待
中学生の生徒が、親から、暴言を吐かれるなどの虐待を受けているとし
て、
「こどもの人権SOSミニレター」による相談があった事案である。
法務局は、当該児童が通う学校へ情報提供を行うとともに、自治体から
の情報提供依頼を受け、必要な情報提供を行った。
その結果、当該生徒について要保護児童対策地域協議会の個別ケース会
議が開催され、対応策が協議され、関係機関による当該生徒の支援体制を
確立することができた。
(措置:
「援助」) 2
事例4 中学生に対する虐待
中学生の生徒が、親から、殴る、蹴るなどの虐待を受けており、保護し
て欲しいとして、
「LINEじんけん相談」
による相談があった事案である。
法務局は、直ちに当該生徒がいる場所の最寄り警察署に連絡し、当該生
徒は警察により速やかに保護された。
さらに、警察からの連携により、相談翌日には児童相談所が当該生徒を
保護するに至っており、当該生徒の身体の安全が速やかに図られた。
(措置:
「援助」)(体罰)
事例5 中学校における体罰
中学校の生徒らが、中学校教諭から、腹部を殴打されるなどしたとし
て、当該生徒の親から相談があった事案である。
法務局による調査の結果、当該生徒らと学校側の体罰に関する認識には
差異が認められたものの、法務局の仲介によって学校と保護者らの話合い
を重ねた結果、校長から生徒らに対して謝罪したい旨の意向が示され、保
護者らもそれを了承し、話合いの場が設けられた。校長から生徒らに対す
る直接の謝罪が行われ生徒らもこれを受け入れて、当事者間の関係改善が
図られた。
(措置:
「調整」)【強制・強要関係】
(セクシュアル・ハラスメント)
事例6 雇用主から従業員に対するセクシュアル・ハラスメント
女性従業員が、雇用主から、業務中に性的な発言を受けたとして、相談
があった事案である。
法務局が調査した結果、業務中に、雇用主が当該従業員に対し、性的な
発言を行ったことが認められた。
法務局は、雇用主に対し、当該発言が従業員の意に反する性的な言動で
あって、セクシュアル・ハラスメントとして、社会的に許されない行為で
あるとともに、従業員の人権を侵害する行為であって、人権擁護上看過で
きないとして、その行為の不当性を認識し、今後、同様の行為を行うこと
のないよう説示した。
(措置:
「説示」)(高齢者)
事例7 子から高齢の親に対する暴力
高齢の親から、日常的に子から暴力を受けているとして、相談があった 3事案である。
法務局は、直ちに、被害者の居住する自治体に情報提供を行い、必要な
措置を求めるとともに、被害者と面談した。
その結果、被害者は、ショートステイ等の支援が行われ、被害者と子の
分離を進めること等によって安全が確保されるとともに、子からの暴力や
生活の困窮等といった被害者の状況に関する情報が関係機関の間で共有さ
れ、被害者に対する包括的な支援体制を構築することができた。
(措置:
「援助」)【差別待遇関係】
事例8 外国人に対する差別的対応
外国人が、不動産会社から、外国人であることを理由に物件の内見を拒
否されたとして、相談があった事案である。
法務局が調査した結果、当該物件のオーナーは、不動産会社を通じて外
国人に一律に貸出しを拒否する運用を行っていたことが認められた。
法務局は、当該オーナーに対し、当該物件への賃貸を希望している外国
人に対し、外国人であることを理由に内見を拒否した行為は人権擁護上看
過できないとして、その行為の不当性を認識し、今後、同様の行為を行う
ことのないよう説示した。
(措置:
「説示」)事例9 障害者に関する差別的発言
障害者が、会合において知人から障害者に関する差別的な発言を受けた
として、相談があった事案である。
法務局が調査した結果、当該知人が他の参加者に向けて当該障害者を差
別する趣旨の発言を行ったことが認められた。
法務局は、当該知人に対し、当該発言は当該障害者を中傷するものであ
って、その名誉感情を傷つけるものであり、人権擁護上看過できないとし
て、その行為の不当性を認識し、今後、同様の行為を行うことのないよう
説示した。
(措置:
「説示」)事例 10 同和問題に関する差別的発言
近隣住民から、自身を同和地区出身者であると指摘するなどの同和問題
に関する差別的な発言を受けたとして、相談があった事案である。
法務局が調査した結果、当該近隣住民が当該発言を行ったことが認めら
れた。
法務局は、当該近隣住民に対し、当該発言は他人の人権や尊厳を傷つけ
るものであり、
同和問題に対する正しい理解と認識を欠いたものであって、 4人権擁護上看過できないものであるとして、基本的人権尊重の理念及び同
和問題について正しい理解と認識を深め、今後、同様の行為を行うことの
ないよう説示した。
(措置:
「説示」)【インターネット上の人権侵害情報関係】
事例 11 インターネット上の名誉毀損
被害者から、インターネット上に、被害者が氏名や顔写真とともに、詐
欺を働いており前科があるなどの投稿がされているとして、相談があった
事案である。
法務局が調査した結果、投稿されたいずれの事実も真実ではなく、当該
投稿は、名誉毀損に当たると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったとこ
ろ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)事例 12 インターネット上の名誉感情侵害
電子掲示板上で、特定の地域に住む外国人住民に対して、当該地域社会
からの排斥を扇動する投稿がされたとして、法務局が調査を開始した事案
である。
法務局が調査した結果、当該地域に住む外国人住民は日本から出て行け
などとする投稿が複数回にわたってなされていたことから、当該投稿は、
当該外国人住民の名誉感情を侵害するものであると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったとこ
ろ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」)事例 13 インターネット上のプライバシー侵害
被害者から、インターネット上に、当該被害者になりすました投稿がさ
れており、被害者の氏名や顔写真などが掲載されるとともに、被害者が性
的マイノリティであると記載されているとして、相談があった事案であ
る。
法務局が調査した結果、当該投稿は、プライバシー権を侵害するもので
あると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該投稿の削除要請を行ったとこ
ろ、当該投稿が削除されるに至った。
(措置:
「要請」) 5
事例 14 インターネット上における同和地区の摘示
インターネット上に、特定の地域を散策しながら、歴史などに触れつ
つ、当該地域が同和地区であると指摘する動画が掲載されているとして、
法務局に情報が提供された事案である。
法務局が調査した結果、当該動画は、学術・研究等の正当な目的で公開
しているとは認められず、人権擁護上問題があると認められた。
法務局から、サイト管理者に対し、当該動画の削除要請を行ったとこ
ろ、当該動画が削除されるに至った。
(措置:
「要請」) 資料3
「人権侵犯事件」統計資料
(令和5年)
「人権侵犯事件」統計資料(令和5年)
中止 移送 啓発
総 合 計 9,979 1,017 8,962 5,515 2,975 1 370 60 41 8,629 7,319 21 456 49 - - - 14 14 595 104 6 41 68 1,350
公 務 員 等 の 職 務 執 行 に 伴 う 侵 犯 事 件
2,134 135 1,999 1,161 827 - - 6 5 1,960 1,773 12 5 3 - - - 4 5 127 23 3 5 17 174
特別公務員に関するもの
警察官に関するもの 66 4 62 47 15 - - - - 50 43 - - - - - - - - 7 - - - - 16
その他の特別公務員に関するもの 2 - 2 2 - - - - - 1 1 - - - - - - - - - - - - - 1
教育職員関係
体罰 82 8 74 47 22 - - 5 - 73 62 4 1 1 - - - 1 - 4 1 - - 6 9
その他 467 23 444 287 156 - - 1 - 441 402 7 1 1 - - - 2 1 19 7 - - 5 26
学校におけるいじめ 1,203 18 1,185 593 592 - - - - 1,177 1,157 1 3 - - - - - - 11 2 3 - 1 26
刑務職員関係 105 53 52 48 4 - - - - 69 6 - - - - - - - - 53 10 - - - 36
その他の公務員に関するもの
国家公務員に関するもの 32 2 30 22 4 - - - 4 23 15 - - - - - - 1 2 1 - - 4 1 9
地方公務員に関するもの 159 21 138 109 28 - - - 1 110 77 - - 1 - - - - 1 28 2 - 1 3 49
その他 18 6 12 6 6 - - - - 16 10 - - - - - - - 1 4 1 - - 1 2
私 人 間 の 侵 犯 事 件
7,845 882 6,963 4,354 2,148 1 370 54 36 6,669 5,546 9 451 46 - - - 10 9 468 81 3 36 51 1,176
人身売買 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
売春関係 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
児童ポルノ 5 - 5 2 3 - - - - 5 5 - - - - - - - - - - - - - -
暴行・虐待
家族間におけるもの
夫の妻に対するもの 374 - 374 179 195 - - - - 373 373 - - - - - - - - - - - - - 1
妻の夫に対するもの 20 - 20 8 12 - - - - 20 20 - - - - - - - - - - - - - -
親の子に対するもの 379 4 375 263 111 - - 1 - 366 365 - - - - - - - - - 1 - - - 13
子の親に対するもの 68 1 67 27 40 - - - - 68 68 - - - - - - - - - - - - - -
その他 93 - 93 53 40 - - - - 92 92 - - - - - - - - - - - - - 1
家族間以外のもの 192 6 186 107 77 1 - 1 - 185 178 1 1 1 - - - - - 5 - - - 1 7
私的制裁 2 1 1 1 - - - - - 2 1 - - - - - - - - 1 - - - - -
医療関係 88 4 84 64 18 - - - 2 76 69 - 1 1 - - - - - 4 - - 2 - 12
人身の自由関係
43 3 40 31 9 - - - - 35 28 - - - - - - - - 5 2 - - - 8
その他 6 - 6 3 3 - - - - 6 6 - - - - - - - - - - - - - -
社会福祉施設関係
施設職員によるもの 73 16 57 34 22 - - 1 - 64 49 - - 2 - - - - - 12 1 - - - 9
その他 23 2 21 11 10 - - - - 22 20 - - - - - - - - 2 - - - - 1
村八分 10 2 8 4 4 - - - - 7 6 - - - - - - - - - 1 - - - 3
差別待遇
女性 6 1 5 4 1 - - - - 6 5 - - - - - - 1 - - - - - 1 -
高齢者 22 3 19 10 9 - - - - 21 18 - - - - - - - 1 2 - - - - 1
障害者 167 18 149 114 34 - 1 - - 121 99 1 - 2 - - - - - 18 1 - - 5 46
同和問題 754 306 448 27 1 - 345 41 34 390 11 - 220 34 - - - - - 88 - - 34 7 364
アイヌの人々 6 - 6 6 - - - - - 6 - - 1 - - - - 3 - 2 - - - 3 -
外国人 87 4 83 43 16 - 17 7 - 70 42 2 3 2 - - - 3 - 10 - - - 16 17
疾病患者 28 3 25 19 6 - - - - 23 19 1 - - - - - - - 3 - - - 1 5
刑を終えた人々 2 - 2 2 - - - - - 2 1 - - - - - - 1 - - - - - 1 -
ホームレス - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
性的指向 11 - 11 4 1 - 5 1 - 3 2 - - - - - - - - - - - - 1 8
性自認 11 - 11 8 3 - - - - 6 5 - - - - - - - - 1 - - - - 5
その他 80 14 66 56 10 - - - - 68 48 3 - - - - - - - 17 - - - - 12
参政権関係 1 - 1 - 1 - - - - 1 1 - - - - - - - - - - - - - -
プライバシー関係
報道機関 5 - 5 5 - - - - - 4 4 - - - - - - - - - - - - - 1
インターネット 1,380 317 1,063 907 154 - 2 - - 1,058 688 1 178 - - - - - - 134 55 3 - 7 322
私事性的画像記録 382 128 254 240 14 - - - - 162 42 - 47 - - - - - - 72 1 - - - 220
相隣間 58 2 56 30 26 - - - - 53 49 - - - - - - - 1 2 1 - - - 5
その他 186 10 176 127 49 - - - - 152 119 - - 1 - - - 1 - 25 6 - - 3 34
集会,結社及び表現の自由関係 2 - 2 1 1 - - - - 2 2 - - - - - - - - - - - - - -
信教の自由関係 7 - 7 4 3 - - - - 6 6 - - - - - - - - - - - - - 1
教育を受ける権利関係 6 - 6 4 2 - - - - 6 6 - - - - - - - - - - - - - -
労働権関係
不当労働行為 7 - 7 3 4 - - - - 7 7 - - - - - - - - - - - - - -
労働基準法違反 42 - 42 27 15 - - - - 41 41 - - - - - - - - - - - - - 1
その他 1,459 21 1,438 974 463 - - 1 - 1,419 1,375 - - 1 - - - - 3 33 7 - - 2 40
住居・生活の安全関係
自力執行 4 - 4 4 - - - - - 4 4 - - - - - - - - - - - - - -
相隣間
小公害 103 - 103 39 64 - - - - 100 100 - - - - - - - - - - - - - 3
その他 307 3 304 134 170 - - - - 301 293 - - 1 - - - - 1 4 2 - - - 6
公害 5 1 4 3 1 - - - - 5 4 - - - - - - - - 1 - - - - -
不動産 77 - 77 39 38 - - - - 77 77 - - - - - - - - - - - - - -
その他 205 3 202 100 101 - - 1 - 199 188 - - - - - - - - 10 - - - 2 6
強制・強要
家族間におけるもの
夫の妻に対するもの 140 - 140 64 76 - - - - 140 140 - - - - - - - - - - - - - -
妻の夫に対するもの 29 - 29 14 15 - - - - 29 29 - - - - - - - - - - - - - -
親の子に対するもの 53 1 52 32 20 - - - - 53 52 - - - - - - - - 1 - - - - -
子の親に対するもの 25 - 25 12 13 - - - - 25 25 - - - - - - - - - - - - - -
その他 79 - 79 41 38 - - - - 77 76 - - - - - - - - 1 - - - - 2
セクシュアル・ハラスメント 300 2 298 193 105 - - - - 293 291 - - 1 - - - - - 1 - - - - 7
ストーカー 124 - 124 69 55 - - - - 124 124 - - - - - - - - - - - - - -
ホームレスに対するもの
性的指向に対するもの
性自認に対するもの 4 - 4 2 2 - - - - 4 4 - - - - - - - - - - - - - -
その他 203 6 197 140 57 - - - - 194 177 - - - - - - 1 1 12 3 - - 1 9
組織又は多衆の威力関係 2 - 2 - 2 - - - - 2 2 - - - - - - - - - - - - - -
交通事故 2 - 2 2 - - - - - 2 2 - - - - - - - - - - - - - -
犯罪被害者 1 - 1 1 - - - - - 1 1 - - - - - - - - - - - - - -
その他 97 - 97 63 34 - - - - 91 87 - - - - - - - 2 2 - - - - 6
打切り侵犯
事実
不存在要請
人権擁
護委員
の通報
処 理
総 計
未済
関係行
政機関
の通報
情報 移送
措置
猶予計措 置
新 受
説示
援助
侵犯
事実
不明確勧告
委員受 調整 通告
件 名
告発計北朝鮮当局によって拉致された被害者等
に対するもの
精神保健及び精神障害者福祉に関する法
律関係
総数 旧受
申 告
職員受
総 計
資料4
【特集】
こどもの人権をめぐる
取組状況について 1(特集)こどもの人権をめぐる取組状況について
1 令和5年の動向
こどもは一人の人間として最大限に尊重され、守られなければならない
ところ、いじめや児童虐待など、こどもが被害者となる事案は後を絶た
ず、法務省の人権擁護機関(以下「人権擁護機関」という。
)が調査救済
活動を行う人権侵犯事件においても、令和5年に新規に救済手続を開始し
た事件数は、学校におけるいじめ事案が 1,185 件、教育職員による体罰に
関する事案が 74 件、児童に対する暴行・虐待事案が 268 件であった。
2 法務省の人権擁護機関の取組
(1) 啓発・広報
人権擁護機関においては、
「こどもの人権を守ろう」を強調事項の一
つとして掲げ、各種の人権啓発活動を実施している(https://www.moj.
go.jp/JINKEN/jinken04_00107.html)。(2) 人権相談
人権擁護機関においては、幅広く人権相談を受け付けているところ、
こどもたちの助けを求める声を聞き漏らすことなく救済につなげていく
ため、こどもたちが相談をしやすいよう以下の各種の方法により、全国
の法務局等においてこどもたちの相談対応を行っている。
・こどもの人権SOSミニレター(手紙による相談、切手不要)
・こどもの人権110番(電話による相談、フリーダイヤル)
・こどもの人権SOS-eメール(インターネットメールによる相談)
・LINEじんけん相談(チャット形式による相談)
啓 発動 画
「 『誰 か』の こと じゃ ない。 」い じめ編
啓 発動 画
「 『誰 か』の こと じゃ ない。 」児 童虐待 編 2(3) 調査救済
人権相談等を通じて、人権侵害の疑いのある事案を認知した場合に
は、人権侵犯事件として調査救済手続を開始し、被害の救済に取り組ん
でいる。
なお、緊急性の高い事案の場合には、学校や関係機関とも連携し、直
ちに児童・生徒の保護を図るなどしているところ、令和5年中に人権擁
護機関が救済措置を講じた人権侵犯事件のうち、チャット形式による相
談対応を行っている「LINEじんけん相談」を端緒とし、被害の救済
に取り組んだ事例は次のようなものがあった。
・中学生に対する虐待
中学生の生徒が、親から、殴る、蹴るなどの虐待を受けており、保
護して欲しいとして、
「LINEじんけん相談」による相談があった事
案である。
法務局は、直ちに当該生徒がいる場所の最寄り警察署に連絡し、当
該生徒は警察により速やかに保護された。
さらに、警察からの連携により、相談翌日には児童相談所が当該生
徒を保護するに至っており、当該生徒の身体の安全が速やかに図られ
た。
(措置:
「援助」)

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