北海道の少年院と少年鑑別所のニュースレター
[特集]
2023.8
Vol. 103
ら ぽ ー と
Rapport
Rapport
地域との共生
きょうちゃん せいちゃん
この絵は在院者の作品です。
ナビゲータ(本号のキャラクター)
地域との共生
千歳市では、平成12年に
開始され、道内では現在、半
数ほどの自治体で、同様の取
組が行われているそうだよ。
当院も含め、多くの方が利用され
ているんだね。
受講料が基本無料なので、気軽に
利用しやすいよねっ!
紫明女子学院は、地域社会の一員として、地域に根ざした組織運営を
実現するため、様々な取組みを行い、地域との共生を進めてきました。
その取組みの一つが、これから紹介する「千歳学出前講座」です。
千歳市では300を超
える講座があって、年間
平均延べ436件の申し
込みがあるんだって!
すごい!
特集
千歳市が、市民と市民、市民と学校、企業、市民と市職員が顔を合わ
せて、互いに学び合い、情報の共有や人のネットワークづくりを図り、
市民と行政が協働で生涯学習のまちづくりを進めることを目的に実施
している市民のための講座です。
千歳学出前講座とは、
開始当初に作成したチラシ
平成30年度から、他機関等との交流や連携のきっかけ作りとして、
また、広報の一環として、紫明女子学院における在院生への指導内容を
一般の方を対象に、名称を「出前授業」として開始し、その後、千歳学
出前講座の存在を知り、令和元年に登録することとしました。
コロナ禍にもかかわらず昨年度は5件の御依頼にお答えし、今年度
(6月時点)は、すでに 件のお申込みをいただいています。
当院が登録した経緯や
その内容について、紹介
します。
当院が実施している講座について5次 の ペ ー ジ で は、
担 当 し た 当 院 職 員 の
声をお伝えします。
昨年度までの間、通算22件の御
依頼にお答えしています
中学生に向けた講座では、学生と在院生との認知
の相違を知り、その比較から矯正教育に関わる上で
有益なヒントを得ることができました。他者に自分
の意見を伝えることを苦手とする点は、共通の悩み
としてあり、良好な親子・交友関係の作り方につい
て、受講者と一緒に考えたことは指導技術の向上に
つながったと思います。(教官歴7年目)
出前講座を行う時には、何を伝えたいのかを明確に
決め、短い時間の中でも分かりやすい説明ができるよ
うに、例示や言葉を考えています。少年院での教育内
容が、日常生活において必要なスキルであることを再
認識する機会となっているとも感じています。
(教官歴4年目)
達成感
大きな頷き、納得の表情
→自分のしてきたことは役に立って
いる!
問題解決力
「同じミスを繰り返す部下にどう
伝 え た ら よ い?」と 質 問 さ れ た
ら・・・
広がる世界
様々な立場の方の生の声で初めて
知ったことがたくさん!
度胸
ときには100人を超える受講者
を前に・・・
少年院の応援団
少年院の教官や在院生が改善に
向け努力していることを知って
もらうことで変わる認識、
増やせ応援団!!
語彙力アップ
コンプレックスの意味をどう説明
しよう?
次のページからは、当院が
依頼した講座の様子をお伝え
します。
担当職員の声
共生型ケアホームやさしい介護ちとせ(住宅型有料老人ホーム)
介護が必要な高齢者と障がい者が共に暮らしを営む共同住宅
オリエンテーション
レク補助体験
千歳市内の介護施設で当
院の在院生が実習体験をさ
せてもらったよ。
2時間ほど滞在しました。
色々なことを教
えていただいたん
だね。
本当に感謝です!【講座名】介護福祉施設見学・介護の仕事には夢があると言って
いましたが、本当にそうだなと感じ
ました。
・ずっと笑顔で過ごしたので、施設
を出た時の顔の筋肉が少し痛かった
です。
・自分が一番すごいなと思ったこと
は、介護施設の職員の方が利用者さ
んへの声掛けやバイタルチェックな
どをさりげなく行っていたことで
す。
・より一層、介護の現場で働きたい
なと思いました。
当院が依頼した講座の様子
在院者の感想
在院者の感想
-少年院での講座と知ったとき、何か不安など
ありましたか?
少年院だからという不安はありませんでしたが、
若い女の子に興味を持ってもらえるか心配でした
-生徒たちの反応はどうでしたか?
リズム感がいいし、だんだん笑顔が増えていくのを
見て、こちらも楽しくなりました
-カホンの魅力を教えてください
ドラムセットと比べても引けを取らないほど、表現豊かな
楽器だと感じてます
なにより持ち運びが楽ですね(笑)
〜在院者の感想〜
・すごく楽しくてニコニコが止まらなかった
・アドリブで叩いたり、意思疎通のような
ゲームをして楽しすぎました!
・叩く場所によって音が変わることにびっく
りしました
・2パートに分かれて合奏しましたが、うま
くいきうれしかったです
講師の自作だそうだよ!
好きな果物や動物を音で表
現して、それを当てるゲーム
をしたんだよね。【講座名】カホンの仕組み
くろまる楽器の歴史くろまる 1500年頃に、ペルーで
は、アフリカから労働力として奴隷が連れて
こられました。奴隷は反乱の恐れからコミュニケーションに使わ
れていた楽器の演奏を禁じられていました。そのため、手近に
あった木の箱(スペイン語でカホン)を叩き始めたのが発祥とさ
れています。
調味料の工場見学
見慣れた商品がベルトコンベ
ヤーに乗って箱詰めされていきま
した・・・
講話「マナー美人になるために」
講師:千歳市内CA養成学校講師(元CA)
笑顔の練習:ウイスキーゲーム!?
立ち姿がすばらしく、さりげな
い所作がさすがプロ!「CAさん
あるある」の話も楽しかったね!
正 面 入 口 を く ぐ っ た 瞬
間、醤 油 の 香 り に 包 ま れ
て、食欲をそそったよね〜
Mr.おーとも さん
〜在院者の感想〜
・タネを見つけようとしましたが、びっくりすぎて
ずっと口が開いたままでした
・初めて間近で見ることができてうれしかったです
〜在院者の感想〜
・ハンカチが棒に早変わりしたところが一番
びっくりしました
・「なんで??」という感覚をたくさん味わ
いました
・マジックは巧妙にできていると思いました
デッキー石垣 さん【講座名】一緒に手品を楽しみましょう、他2件
その他の講座
施 設 だ よ り
北海道の少年院と少年鑑別所のニュースレター
RAPPORT(らぽーと)103号 法務省:http://www/moj.go.jp/
編集・発行
札幌矯正管区第三部
発行責任者:第三部長 小松 洋輔
発 行 日:2023年8月
札幌市東区東苗穂1-2-5-5
電 話 011(783)5063 FAX 011(780)2207
旭川少年鑑別所 0166-31-5468
函館少年鑑別支所 0138-51-5652
札幌少年鑑別所 011-784-7441
北海少年院 0123-23-3147 紫明女子学院 0123-22-5141
在所者の健全育成支援の一環として、市内科学館の学芸員である多
胡孝一氏に宇宙に関する講話を行っていただいています。この講話は
当支所において15年間続いており、昨年度、多胡氏には法務大臣感
謝状が贈られています。これまで延べ100名を超える少年が受講
し、今年も6月5日に実施しています。2時間の講話はあっという間
釧路少年鑑別支所 0154-41-5808
で、あたかも壮大な宇宙空間にいるか
のような気持ちになる貴重な時間と
なっています。宇宙の成り立ちからす
れば、人の一生は一瞬の出来事ですの
で、講話を受講し、自分の人生を大切
にしてもらいたいものです。
なお、当日は、施設概況の
説明や所内見学を行うなど、
広報を含めて、当所への理解
を深めていただく機会としま
した。今後とも、地域の皆様
との関係構築を推進していき
ます。
本年5月末に、旭川地区の更生保護女性会及び保護司会会員の
皆様計13名の来所があり、当所中庭でプランター6つに花植え
を実施していただきました。中庭は、少年たちが運動を行う場所
でもあり、運動時には、花々に心の潤いを感じるとともに、社会
復帰を応援してくださる方々の存在を感じるものと思います。
花と緑があふれるまちづくりの推進と
緑化意識の高揚を図る目的に賛同して、
「ちとせ環境と緑の財団」が主催してい
る花いっぱいコンクールに毎年参加して
います。苫小牧市内でガーデナーとして
勤務されている講師を招へいし、
植物に関する知識や植える際の留
意点、多くの花を咲かせるコツを
伝授いただいています。
土いじりの経験がない生徒が多
く、慣れない手つきで奮闘してい
る姿がとても微笑ましく、また、
頼もしくもありました。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
マリーゴールド、ブルーサルビア、インパチェンス、日々草な
ど、花の名前をひとつひとつ確認しながら、にこにこと楽しそう
に参加していました。どのように配置すればきれいに映えるかを
熱心に悩みながら移植しており、少年の素直で優しい一面が垣間
見えました。
今年も函館更生保護女性会の皆
様から、色とりどりの花の苗をた
くさん寄贈していただいたことか
ら、本年6月15日、グラウンド
花壇において少年と一緒にガーデ
ニングを実施しました。
6月に院内バレーボール大会が実施され、白熱した試合が見られま
した。試合中、自分のミスを素直に謝り、仲間のミスを責めずに励ま
し、相手チームの好プレーを拍手でたたえるなど、スポーツマンシッ
プが多々見られ、温かい気持ちになりました。大会で見られたような
思いやりや優しさが、日常生活でも見られることを願います。
また、試合中は息苦しいのでマスク
オフ。新型コロナの影響で長い間在院
者のマスク顔ばかり見ていましたが、
笑顔や悔しがる表情が見られ新鮮でし
た(もちろん換気等の対策も忘れず
行っております。)。
昨年度、育児を担う職員をサポートする取組の一環として、青少年
相談センター(外来相談棟)の中に札幌矯正管区・札幌刑務所職員も
使用できるサテライト執務環境を整備しました。これは、一時的に子
供を帯同して勤務することができる執務環境であり、事務用の設備と
して、パソコン、インターネット回線、プリンター、パーティション
等を、子ども用品として、各種遊具や絵本、クッションコーナー、テ
レビ、DVDレコーダー、DVDソフトなどを整備しました。
仕事と育児の両立を求める
職員のニーズに応えるべく、
今後の活用が期待されます。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /