様式第九(第4条関係)
新事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定に係る照会書
令和5年 3月 29日
内閣総理大臣 岸田 文雄 殿
法務大臣 齋藤 健 殿
財務大臣 鈴木 俊一 殿
経済産業大臣 西村 康稔 殿
東京都港区六本木三丁目2番1号
六本木グランドタワー
ウイングアーク1st株式会社
代表取締役 社長執行役員 CEO 田中 潤
産業競争力強化法第7条第1項の規定に基づき、実施しようとする新事業活動及びこれに関連
する事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定の解釈並びに当該
新事業活動及びこれに関連する事業活動に対する当該規定の適用の有無について、確認を求めま
す。記1.新事業活動及びこれに関連する事業活動の目標
弊社では既に、invoiceAgent TransPrint(別名:invoiceAgent 電子取引) という請求
書を中心とした見積書や納品書などの商取引を電子で行うサービスを展開しています。
2021年8月18日に invoiceAgent WingSign(別名:invoiceAgent 電子契約) という電子
契約サービスを加え、法人間の見積、契約から請求まで電子での一連の業務を
invoiceAgent ブランドの中で、一元管理ができるサービスを目指しています。
2.新事業活動及びこれに関連する事業活動により生産性の向上又は新たな需要の獲得が見込
まれる理由
「新たな役務の開発又は提供」に該当します。
invoiceAgent WingSign(以下「本サービス」という。
)が電子署名法上の「電子署名」
の要件を満たすことにより、国の契約書への押印を代替することが可能となり、業務効
率化の効果を見込むことができます。これにより、以下の需要を見込んでいます。
【需要獲得見込み】
invoiceAgent TransPrint(invoiceAgent 電子取引) の現顧客数:
invocieAgent WingSign(invoiceAgent電子契約) の見込み客数:
3.新事業活動及びこれに関連する事業活動の内容
(1) 事業実施主体
サービス提供事業者:ウイングアーク1st株式会社(本社 東京都港区六本木三丁
目2番1号 六本木グランドタワー)
サービス利用者:弊社顧客
(2) 事業概要
<事業の概要>
契約を交わす両者の承認者が本サービスにログインし、承認した後に、弊社が立
会人として電子署名とタイムスタンプを付与し「誰」が「いつ」契約を締結した
かを証明します。
[事業概要イメージ図]
<事業のフロー>
1 本サービスの利用を希望する法人(以下「導入企業」といいます。)は、本
サービス利用規約に同意の上、弊社に対して本サービス利用申込書を提出しま
す。
2 導入企業の管理者(以下「契約管理者」といいます。)は、導入企業の従業
員(以下「契約作成者」といいます。)を本サービスに登録します。
3 契約作成者は、契約書のPDFファイルを作成します。
4 契約作成者は、契約書のPDFファイルを本サービスにアップロードします。
5 契約管理者は、契約の相手方の企業等(以下「契約受信者」といいます。)
のユーザーID、名前、メールアドレス、会社名などを本サービスに登録します。
その際、契約受信者に自動でログインID、パスワードが電子メールで通知されま
す(パスワードは、ワンタイムパスワードを用いた多要素認証を用いることもで
きます)。電子メールを用いた認証を契約管理者が選択した場合、ログインID、
パスワードは通知しません。
6 契約作成者は、導入企業側の契約承認者(署名者を指し、契約管理者及び契
約作成者は、契約承認者となることもできます。契約管理者及び契約作成者以外
に署名者がいる場合は新たに登録が可能。)と相手先となる契約受信者を指定
し、それぞれの署名の順序を契約作成者が設定します。設定が完了した後、契約
の送信操作を行います。これにより、契約承認者、契約受信者に通知メールが自動
で送付されます。
7 契約承認者、契約受信者は、上記5の通知メールを確認し、本文に記載されて
いるURLをクリックし、IDとパスワードを入力すると、本サービスにログイン
され、契約対象のPDFファイルが表示されます。電子メールを用いた認証の場合、
電子メールに認証用の専用URLが記載され、それをクリックすることで認証し、本
サービスにログインされ、契約対象のPDFファイルが表示されます。
8 契約承認者、契約受信者は、本サービス上で署名を実施します。署名の実施は
表示されたPDFで内容に問題がないことを確認し、画面上の署名ボタンを押下する
ことで当社名義による電子署名が施されます。署名を実施すると、通知メールが
契約作成者、契約承認者、契約受信者に自動で送付されます。なお、署名をしない
場合は辞退ボタンを押下すると、契約締結プロセスは否決の記録を残して終了し
ます。
9 8の関係者全てが署名を付与すると契約締結プロセスが完了します。7、8
でのプロセスも含め契約締結プロセスが完了に至るまでに契約書の確認、更新な
どによる合意の意思を示す都度、電子署名を付与します。
10 契約締結プロセスが完了すると、契約書にタイムスタンプと当社名義の電
子証明書(電子署名)が機械的に付与され、invoiceAgentのタイムスタンプ検証機
能、Adobe Acrobat Readerの署名パネルにて契約承認者、契約受信者の情報や署
名時刻等が確認できるようになります。また、各フローの履歴として誰がいつ署
名したかをレポート化した完了証明書も同時に作成され、こちらにもタイムスタ
ンプと電子証明書が付与されます。
[事業のフロー概要]
4.新事業活動及びこれに関連する事業活動の実施時期
本照会に対する回答があり次第、速やかに実施
5.解釈及び適用の有無の確認を求める規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)
第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式そ
の他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子
計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することがで
きる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをい
う。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのもので
あること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるもので
あること。
会計法(昭和二十二年法律第三十五号)
第四十九条の二 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により作成することとされ
ている書類等(書類、計算書その他文字、図形その他の人の知覚によつて認識するこ
とができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び次条において同じ。)
については、当該書類等に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気
的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつ
て、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして財務大臣が定めるものをい
う。同項及び同条第一項において同じ。)の作成をもつて、当該書類等の作成に代え
ることができる。この場合において、当該電磁的記録は、当該書類等とみなす。
2 前項の規定により書類等が電磁的記録で作成されている場合の記名押印については、
記名押印に代えて氏名又は名称を明らかにする措置であつて財務大臣が定める措置を
とらなければならない。
契約事務取扱規則(昭和三十七年大蔵省令第五十二号)
第二十八条 次の各号に掲げる書類等の作成については、次項に規定する方法による法
第四十九条の二第一項に規定する財務大臣が定める当該書類等に記載すべき事項を記
録した電磁的記録により作成することができる。
一 契約書
二 請書その他これに準ずる書面
三 検査調書
四 第二十三条第一項に規定する書面
五 見積書
2 前項各号に掲げる書類等の作成に代わる電磁的記録の作成は、各省各庁の使用に係る
電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。
)と契約の相手方の使用に係る電子計算機
とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用して当該書類等に記載すべき事項
を記録する方法により作成するものとする。
3 第一項第一号の規定により契約書が電磁的記録で作成されている場合の記名押印に代
わるものであつて法第四十九条の二第二項に規定する財務大臣が定める措置は、電子署
名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項の電
子署名をいう。
)とする。
6.具体的な確認事項並びに規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定の解釈及
び当該規定の適用の有無についての見解
<確認事項>
1 本照会書3(2)記載の本サービスにおいて、PDF形式の契約書等をアップロード
し、それぞれの契約当事者がログインして双方の契約締結業務を実施する仕組みが、
契約事務取扱規則第28条第2項に規定する方法による「電磁的記録の作成」に該当
し、契約書、請書その他これに準ずる書面、検査調書、見積書等の作成に代わる電磁
的記録の作成として利用可能であることを確認したい。
2 本照会書3(2)記載の本サービス「invoiceAgent WingSign(invoiceAgent電子契
約)」を用いた電子署名が、電子署名及び認証業務に関する法律第2条第1項に定め
る電子署名に該当し、これを引用する契約事務取扱規則第28条第3項に基づき、国
の契約書にも利用が可能であることを確認したい。
<確認事項> 1について
契約事務取扱規則第28条第2項は、同条第1項各号に掲げる書類等の作成に代わる電
磁的記録の作成について、「各省各庁の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下
同じ。)と契約の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処
理組織を使用して当該書類等に記載すべき事項を記録する方法により作成する」と規定し
ています。本サービスは、本照会書3(2)の通り、PDF形式の契約書等を本サービス上
にアップロードし、それぞれの締結承認者が本サービスにログインし双方の契約締結を実
施するものです。したがって、本サービスによる電磁的記録の作成は、「各省各庁の使用
に係る電子計算機と契約の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電
子情報処理組織を使用して当該書類等に記載すべき事項を記録する方法」といえ、契約事
務取扱規則第28条第2項の要件を充足します。
<確認事項> 2について
電子署名及び認証業務に関する法律第2条第1項は、
「電子署名」の要件として、
(あ)
電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であること(柱書き)、(い)当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること(第
1号)、(う)改変されていないことが確認できること(第2号)を要求しています。
本サービスは、以下(あ)
(い)
(う)に記載する仕様に基づき、<事業のフロー>8及び
9にいう契約承認者、契約受信者の「署名」行為を行うことによって、電子署名及び認証
業務に関する法律第2条第1項の「電子署名」の要件を充足します。
(あ)「電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であること(柱書
き)」
本サービスは、契約締結に必要な契約受信者、契約承認者による承認が完了すると、承認
されたPDF形式ファイルに対しタイムスタンプおよび欧州電気通信標準化機構(ETSI)標
準技術仕様(ETSI TS 102 778 Part1)に定めるPDF長期署名(PAdES)に準拠した長期署
名が付与されます。
本サービスの署名が付与されるまでのプロセスは、契約書等のPDF形式ファイルに対し
行われるため、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であること
(柱書き)の要件を充足します。
(い)「当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
(第1号)」
事業者署名型による措置については、総務省・法務省・経済産業省「利用者の指示に基
づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ
&A」
(令和2年7月17日)において、一定の場合には、電子署名法第2条第1項の電
子署名にあたることが示されている。
l 電子署名法第2条第1項第1号の「当該措置を行った者」に該当するためには、必ず
しも物理的に当該措置を自ら行うことが必要となるわけではなく、例えば、物理的に
はAが当該措置を行った場合であっても、Bの意思のみに基づき、Aの意思が介在す
ることなく当該措置が行われたものと認められる場合であれば、
「当該措置を行った
者」はBであると評価することができるものと考えられる。
l このため、利用者が作成した電子文書について、サービス提供事業者自身の署名鍵に
より暗号化を行うこと等によって当該文書の成立の真正性及びその後の非改変性を担
保しようとするサービスであっても、技術的・機能的に見て、サービス提供事業者の
意思が介在する余地がなく、利用者の意思のみに基づいて機械的に暗号化されたもの
であることが担保されていると認められる場合であれば、
「当該措置を行った者」は
サービス提供事業者ではなく、その利用者であると評価し得るものと考えられる。
l そして、上記サービスにおいて、例えば、サービス提供事業者に対して電子文書の送
信を行った利用者やその日時等の情報を付随情報として確認することができるものに
なっているなど、当該電子文書に付された当該情報を含めての全体を1つの措置と捉
え直すことよって、電子文書について行われた当該措置が利用者の意思に基づいてい
ることが明らかになる場合には,これらを全体として1つの措置と捉え直すことによ
り、
「当該措置を行った者(=当該利用者)の作成に係るものであることを示すため
のものであること」という要件(電子署名法第2条第1項第1号)を満たすことにな
るものと考えられる。
[利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約
サービスに関するQ&A(電子署名法2条1項に関するQ&A)]本Q&Aによれば、「電磁的記録に作成者を表示する記録をするもの」は、以下の2つの
要件を満たす事を要求しています。
(i)技術的・機能的に見て、サービス提供事業者の意思が介在する余地がなく、利用者
の意思のみに基づいて機械的に暗号化されたものであることが担保されている
(ii)電子文書の送信を行った利用者やその日時等の情報を付随情報として確認すること
ができるものになっているなど、当該電子文書について行われた暗号化措置が利用者の意
思に基づいて行われていることが明らかな場合
(i)本サービスは、契約送信側の契約管理者により契約当事者(契約承認者、契約受信
者)のユーザー登録が行われます。契約当事者へは、ユーザー登録用のログインURLおよ
びユーザーIDとユニークなパスワードが発行されメールで通知されます。
それぞれの契約当事者が署名実行する際には、設定に応じて発行されたユーザーIDと設定
したパスワード(任意でワンタイムパスワードを用いた多要素認証に変更可能)の入力に
より第三者によるなりすましを防止しています。電子メールを用いた認証の場合、電子メ
ールに認証用の専用URLが記載され、それをクリックすることで認証します。
また、電子署名を施す処理は、セイコーソリューションズ株式会社が提供する長期署名ク
ラウドサービス「eviDaemon」を利用し、契約承認者の指図によりクラウド上で機械的に
行われ、サービス提供事業者である弊社の意思が介在する余地がなく、署名者の意思のみ
に基づいて電子署名を行います。
本サービスが利用する長期署名クラウドサービス「eviDaemon」は、電子署名の付与が、
弊社サーバーとセイコーソリューションズ社のサーバー間の通信のみで実施されるため、
弊社や契約当事者の端末からは隔離された状態で行われます。また、契約当事者の端末か
ら弊社サーバー間を含む全ての通信は、TLS通信の強制により通信の暗号化が図られるこ
とから、第三者による通信途上のなりすまし、盗聴、改ざんが発生することはありませ
ん。
さらに、本サービスで利用する全ての証明書は「eviDaemon」で提供するクラウドHSMサー
ビスを利用しており、弊社では保持しえないことから、弊社の運用管理者や開発者が証明
書に対して改ざんを行う事は不可能です。よって、本サービスにおいて暗号化措置は、締
結担当者の指図に基づきクラウド上で機械的に行われ、サービス提供者である弊社の意思
が介在する余地がなく、当該措置は、ユーザー企業及び国により行われているといえま
す。
(ii)承認済み契約書の電子データに付与された電子署名のデータは、Adobe Acrobat等
のPDFリーダーの「署名パネル」で確認でき、電子証明書の内容と、署名者の会社名・氏
名・メールアドレス・署名時刻が記録されています。
上記により、当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであるこ
との要件を充足します。
(う)「改変されていないことが確認できること(第2号)」本サービスは、契約締結に必要な契約受信者、契約承認者による承認が完了すると、承認
されたPDF形式ファイルに対しタイムスタンプおよび欧州電気通信標準化機構(ETSI)標
準技術仕様(ETSI TS 102 778 Part1)に定めるPDF長期署名(PAdES)に準拠した長期署
名が付与されます。
また、電子署名を施す処理は、セイコーソリューションズ株式会社が提供する長期署名ク
ラウドサービス「eviDaemon」を利用し、契約承認者の指図によりクラウド上で機械的に
行われ、サービス提供事業者である弊社の意思が介在する余地がなく、署名者の意思のみ
に基づいて電子署名を行います。
公開鍵暗号方式の電子署名にあっては、電子署名の対象である情報のハッシュ値と、電子
署名済みの文書を復号して得られた情報のハッシュ値とを照合することによって当該確認
をすることが可能です。
あわせてinvoiceAgent、Adobe Acrobat Readerではタイムスタンプ、電子署名を確認でき
ます。
上記により、電子署名の対象となった電子文書が改変されていないかどうかの確認が可能
であり、電子署名法第2条第1項第2号にいう改変が行われていないかどうかの確認ができ
ることの要件を充足します。
7.その他
特になし

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