- -1
第1-1 暴行・脅迫要件、心神喪失・抗拒不能要件の改正
1 強制わいせつ罪及び準強制わいせつ罪の要件の改正
(1) 次のアに掲げる行為その他これらに類する行為により 人を拒絶困、難(拒絶の意思を形成し、表明し又は実現することが困難な状態をい
同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うする
う。以下同じ )。にさせ、又は次のイに掲げる事由その他これらに類
ことが困難な状態
する事由により 人が拒絶困難で あることに乗じて、わい
、 当該状態に
せつな行為をした者は、6月以上10年以下の拘禁刑に処するものと
すること。
ア 次に掲げる行為
(ア) 暴行又は脅迫を用いること。
(イ) 心身に障害を生じさせること。
(ウ) アルコール又は薬物を摂取させること。
(エ) 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にすること。
(オ) 拒絶するいとまを与えないこと。
、 。
(カ) 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ 又は驚愕させること
(キ) 虐待に起因する心理的反応を生じさせること。
(ク) 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける
不利益を憂慮させること。
イ 次に掲げる事由
(ア) 暴行又は脅迫を受けたこと。
(イ) 心身に障害があること。
(ウ) アルコール又は薬物の影響があること。
(エ) 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にあること。
(オ) 拒絶するいとまがないこと。
(カ) 予想と異なる事態に直面して恐怖し、又は驚愕していること。
(キ) 虐待に起因する心理的反応があること。
(ク) 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける
不利益を憂慮していること。
(2) 行為がわいせつなものではないと誤信させ 若しくは行為の相手方、について人違いをさせて、又は行為がわいせつなものではないと誤信
していること若しくは行為の相手方について人違いをしていることに
乗じて、わいせつな行為をした者も、(1)と同様とするものとするこ
と。
2 強制性交等罪及び準強制性交等罪の要件の改正
試案(改訂版) - -2
(1) 1(1)アに掲げる行為その他これらに類する行為により 人を拒絶、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な
困難
にさせ、又は1(1)イに掲げる事由その他これらに類する事由に
状態
より 人が拒絶困難で あることに乗じて、性交、肛門性交
、 当該状態に
又は口腔性交(以下「性交等」という )をした者は、5年以上の有。期拘禁刑に処するものとすること。
(2) 行為がわいせつなものではないと誤信させ 若しくは行為の相手方、について人違いをさせて、又は行為がわいせつなものではないと誤信
していること若しくは行為の相手方について人違いをしていることに
乗じて、性交等をした者も、(1)と同様とするものとすること。 - -3
第1-2 刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢の引上げ
1 13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者は、6月以上10年
以下の拘禁刑に処するものとし、13歳以上16歳未満の者に対し、当
該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、当該13歳以上
16歳未満の者の対処能力(性的な行為に関して自律的に判断して対処
することができる能力をいう。2において同じ )が不十分であること。に乗じてわいせつな行為をしたときも、同様とするものとすること。
2 13歳未満の者に対し、性交等をした者は、5年以上の有期拘禁刑に
処するものとし、13歳以上16歳未満の者に対し、当該者が生まれた
日より5年以上前の日に生まれた者が、当該13歳以上16歳未満の者
の対処能力が不十分であることに乗じて性交等をしたときも、同様とす
るものとすること。 - -4
第1-4 刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱い
の見直し
1 試案第1-1の1(1)アに掲げる行為その他これらに類する行為によ
り 人を拒絶困難(拒絶の意思を形成し、表明し又は実現することが困、同意しない意思を形成し、表明し若しく
難な状態をいう。以下同じ )。にさせ、又は試案第1-1の1(1)イに掲
は全うすることが困難な状態
、 当該状態に
げる事由その他これらに類する事由により 人が拒絶困難で
あることに乗じて、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。2において
同じ )又は物を挿入する行為であってわいせつなものをした者は、5。年以上の有期拘禁刑に処するものとすること。
2 行為がわいせつなものではないと誤信させ 若しくは行為の相手方に、ついて人違いをさせて、又は行為がわいせつなものではないと誤信して
いること若しくは行為の相手方について人違いをしていることに乗じ
て、膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入する行為であってわいせつな
ものをした者も、1と同様とするものとすること。
(注)このほか、 第1-2の2、刑法第179条第2項(監護者性交等 、同法
試案 )
第181条第2項(強制性交等致死傷 、同法第241条第1項及び第3項(強盗)・強制性交等及び同致死)並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律第4条(刑法
第241条第1項の罪に係る部分に限る。常習強盗・強制性交等)においても、同
様の挿入行為を処罰対象とする。 - -5
第1-5 配偶者間において強制性交等罪などが成立することの明確化
1 試案第1-1の1(1)の行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわら
ず、6月以上10年以下の拘禁刑に処するものとすること。
2 試案第1-1の2(1)及び第1-4の1の行為をした者は、婚姻関係
の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処するものとすること。 - -6
第1-6 性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為 い(わゆるグルーミング行為)に係る罪の新設
1(1) わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次のアからウまでのい
ずれかに掲げる行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上で
ある場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生
まれた者に限る )は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に。処するものとすること。
ア 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求する行為
イ 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求する行為
ウ 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をし
て面会を要求する行為
(2) (1)の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面
会をしたときは、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処
するものとすること。
2 16歳未満の者に対し、次の(1)又は(2)のいずれかに掲げる姿態をと
ってその映像を送信する行為を要求した者((2)に掲げる姿態をとって
その映像を送信する行為を要求した場合については、その要求した行為
をさせることがわいせつなものであるときに限り、当該16歳未満の者
が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上
前の日に生まれた者に限る )は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下。の罰金に処するものとすること。
(1) 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態
(2) (1)に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入し
又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれら
の周辺部、臀部又は胸部をいう )を触り又は触られる姿態、性的な。部位を露出した姿態その他の姿態 - -7
第2-1 公訴時効の見直し
1 時効は、次の(1)から(3)までに掲げる罪については、刑事訴訟法第2
50条第2項の規定にかかわらず、当該(1)から(3)までに定める期間を
経過することによって完成するものとすること。
(1) 刑法第181条の罪(人を負傷させたときに限る )若しくは同法。第241条第1項の罪又は盗犯等の防止及び処分に関する法律第4条
の罪(同項の罪に係る部分に限る ) 20年。(2) 試案第1-1の2、第1-2の2若しくは第1-4の罪若しくは刑
法第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪 15年
(3) 試案第1-1の1若しくは第1-2の1の罪若しくは刑法第179
条第1項の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は児童福祉法第60条第
( 。)1項の罪 自己を相手方として淫行をさせる行為に係るものに限る
12年
2 時効は、1(1)から(3)までに掲げる罪については、被害者が犯罪行為
が終った時に18歳未満である場合には、刑事訴訟法第250条第2項
及び1の規定にかかわらず、1(1)から(3)までに定める期間に当該犯罪
行為が終った時から当該被害者が18歳に達する日までの期間に相当す
る期間を加算した期間を経過することによって完成するものとするこ
と。
3 1及び2は、その施行の際既にその公訴の時効が完成している罪につ
いては、適用しないものとすること。
(注)なお、1(1)から(3)までに掲げる罪(試案第1-1、第1-2及び第1-4の
罪並びにこれらの罪の未遂罪を除く )又は刑法第176条から第178条までの。罪若しくはこれらの罪の未遂罪を施行前に犯した場合でも、施行の際、公訴時効が
完成していないときは、1及び2を適用する旨の規定の整備を行う。 - -8
第2-2 被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能
力の特則の新設
1 (1) に掲げる者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法
により記録した記録媒体(その供述がなされた聴取の開始から終了に至
るまでの間における供述及びその状況を記録したものに限る )は、そ。の供述が(2)に掲げる措置が特に採られた情況の下にされたものである
と認める場合であって、聴取に至るまでの情況その他の事情を考慮し相
当と認めるときは、刑事訴訟法第321条第1項の規定にかかわらず、
、 、 、
これを証拠とすることができるものとし この場合において 裁判所は
その記録媒体を取り調べた後、訴訟関係人に対し、その供述者を証人と
して尋問する機会を与えなければならないものとすること。
(1) 次に掲げる者
ア 試案第1-1、第1-2、第1-4若しくは第1-6の罪、刑法
第179条若しくは第181条の罪、同法第225条若しくは第2
( 。
26条の2第3項の罪 わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る
以下このアにおいて同じ 、同法第227条第1項(同法第225。)
条又は第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る。) ( 。)部分に限る 若しくは第3項 わいせつの目的に係る部分に限る
の罪若しくは第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪
の未遂罪の被害者
イ 試案第3-1の罪、児童福祉法第60条第1項の罪若しくは同法、第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪又は児童買春
児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関す
る法律第4条から第8条までの罪の被害者
ウ ア及びイに掲げる者のほか、犯罪の性質、供述者の年齢、心身の
状態、被告人との関係その他の事情により、公判準備又は公判期日
において更に供述することで精神の平穏を著しく害されるおそれが
あると認められる者
(2) 次に掲げる措置
ア 供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、供述者の不安又
は緊張を緩和することその他の供述者が十分な供述をするために必
要な措置
イ 供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、誘導をできる限
り避けることその他の供述の内容に不当な影響を与えないようにす
るために必要な措置 - -9
2 1の規定により取り調べられた記録媒体に記録された供述者の供述
は、刑事訴訟法第295条第1項前段の適用については、被告事件の公
判期日においてされたものとみなすものとすること。 - -10
第3-1 性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為等に係る罪の新設
1 撮影罪
(1) 次のアからエまでのいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の
拘禁刑又は300万円以下の罰金に処するものとすること。
ア 正当な理由がないのに、ひそかに、次の(ア)又は(イ)に掲げる姿態
等(エ及び4(1)エにおいて「性的姿態等」という )のうち、人が。通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れ
ることを認識しながら自ら露出しているものを除いたもの 以下 対
( 「
象性的姿態等」という )を撮影する行為。(ア) 人の性的な部位等(性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこ
れらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下同じ )又は人が身に。着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を
覆うのに用いられるものに限る )のうち現に性的な部位を直接。若しくは間接に覆っている部分をいう )。(イ) (ア)に掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等がされてい
る間における人の姿態
イ 試案第1-1の1(1)アに掲げる行為その他これらに類する行為
により 人を拒絶困難(拒絶の意思を形成し、表明し又は実現する、同意しない意思を形成し、表
ことが困難な状態をいう。以下同じ )。にさせ、又は試案第1-1
明し若しくは全うすることが困難な状態
の1(1)イに掲げる事由その他これらに類する事由により 人が拒絶、困難で あることに乗じて、そ の対象性的姿態等を撮影
当該状態に 人
する行為
ウ 人に行為がわいせつなものではないと誤信させ 若しくは特定の、者以外の者が閲覧しないと誤信させて、又は人が行為がわいせつな
ものではないと誤信していること若しくは特定の者以外の者が閲覧
しないと誤信していることに乗じて、その対象性的姿態等を撮影す
る行為
エ 正当な理由がないのに、13歳未満の者に対し、その性的姿態等
を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者に対し、当該者が生まれ
た日より5年以上前の日に生まれた者が、当該13歳以上16歳未
満の者の対処能力(性的姿態等の撮影に関して自律的に判断して対
処することができる能力をいう )が不十分であることに乗じて、当。該者の性的姿態等を撮影する行為
(2) (1)の罪の未遂は、罰するものとすること。 - -11
2 提供罪・公然陳列罪
(1) 性的影像記録(1(1)アからエまでに掲げる行為若しくは5(1)の行
為により生成された電磁的記録その他の記録又は当該記録の全部若し
くは一部(1(1)アからエまでに定める姿態等が記録された部分に限
る )を複写したものをいう。(2)及び3において同じ )を提供した
。 。
者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処するものとす
ること。
(2) 性的影像記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列
した者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、
又はこれを併科するものとすること。
3 保管罪
2の行為をする目的で、性的影像記録を保管した者は、2年以下の拘
禁刑又は200万円以下の罰金に処するものとすること。
4 影像送信罪
(1) 不特定又は多数の者に対し、次のアからエまでのいずれかに掲げる
行為をした者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に
処し、又はこれを併科するものとすること。
ア 正当な理由がないのに、送信されることの情を知らない者の対象
性的姿態等の影像送信(電気通信回線を通じて、影像を送ることを
いい、性的影像記録に係るものを除く。以下同じ )をする行為。イ 試案第1-1の1(1)アに掲げる行為その他これらに類する行為
、 同意しない意思を形成し、表明し若しくは全
により 人を拒絶困難
にさせ、又は試案第1-1の1(1)イに掲げ
うすることが困難な状態
、 当該状態
る事由その他これらに類する事由により 人が拒絶困難で
あることに乗じて、そ の対象性的姿態等の影像送信をする行為
に 人
ウ 人に行為がわいせつなものではないと誤信させ 若しくは不特定、若しくは多数の者に送信されないと誤信させて、又は人が行為がわ
いせつなものではないと誤信していること若しくは不特定若しくは
多数の者に送信されないと誤信していることに乗じて、その対象性
的姿態等の影像送信をする行為
エ 正当な理由がないのに、13歳未満の者の性的姿態等の影像送信
をし、又は13歳以上16歳未満の者が生まれた日より5年以上前
の日に生まれた者が 当該13歳以上16歳未満の者の対処能力 性
、 (
的姿態等の影像送信に関して自律的に判断して対処することができ
る能力をいう )が不十分であることに乗じて、当該者の性的姿態等。の影像送信をする行為 - -12
(2) 情を知って、不特定又は多数の者に対し、(1)アからエまでのいず
れかに掲げる行為により送信された影像の影像送信をした者も、(1)
と同様とするものとすること。
5 記録罪
(1) 情を知って、4(1)アからエまでのいずれかに掲げる行為により送
信された影像を記録した者は、1(1)と同様とするものとすること。
(2) (1)の罪の未遂は、罰するものとすること。 - -13
第3-2 性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みの導入
(1) 複写物の没収
1 試案第3-1の1(1)又は5(1)の罪の犯罪行為により生じた物を複写
した 物は、これを没収することができるものと
次の(1)又は(2)に掲げる
すること。
(1) 試案第3-1の1(1)又は5(1)の罪の犯罪行為により生じた物を複
写した物
(2) 私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律第3条第
1項から第3項までの罪の犯罪行為を組成し、若しくは当該犯罪行為
の用に供した私事性的画像記録が記録されている物若しくはこれを複
写した物又は当該犯罪行為を組成し、若しくは当該犯罪行為の用に供
した私事性的画像記録物を複写した物
2 1による没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすること
ができるものとし、ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪
の後にその者が情を知って保有するに至ったものであるときは、これを
没収することができるものとすること。 - -14
第3-2 性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みの導入
(2) 検察官が保管している押収物に係る性的姿態の画像等の廃棄・消去を
することができる仕組みの導入
1 検察官による措置
(1) 検察官は、その保管している押収物が次のア若しくはイに掲げる行
為により生じた物若しくはこれを複写した物又は児童ポルノ(児童買
春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関
からウまでに
する法律第2条第3項に規定する児童ポルノをいう )。である場合において、当該押収物が(2)に規定するものでな
掲げる物
いときは、廃棄することができるものとすること。
により生じた物若しくは試案第3-
ア 試案第3-1の1(1)の行為
1の4(1)アからエまでの行為により送信された影像を記録する行為
により生じた物又はこれらを複写した物
イ 試案第3-1の4(1)アからエまでの行為により送信された影像
を記録する行為
イ 私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律第3条
第1項から第3項までに規定する行為を組成し、若しくは当該行為
の用に供した私事性的画像記録が記録されている物若しくは当該行
為を組成し、若しくは当該行為の用に供した私事性的画像記録物又
はこれらを複写した物
ウ 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の
保護等に関する法律第2条第3項に規定する児童ポルノ
その保管している であって(1)アからウまで
(2) 検察官は、(1)の 押収物
が性的姿態等(試案第3-1の1(1)アに定める性的姿
に掲げるもの
態等をいう )の電磁的記録又は児童買春、児童ポルノに係る行為等。の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第3条の2に規定す
る電磁的記録 (以下「対象電磁的記録」と
次のアに掲げる電磁的記録
いう イ
総称する )を記録したものであるときは、次のアからウまで。に掲げる措置をとることができるものとすること。
ア 次に掲げる電磁的記録
(ア) 性的姿態等(試案第3-1の1(1)アに定める性的姿態等をい
う )の電磁的記録。(イ) 私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律第2
条第1項に規定する画像に係る電磁的記録
(ウ) 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童 - -15
の保護等に関する法律第3条の2に規定する電磁的記録
イ 次に掲げる措置
ア 当該押収物に記録されている対象電磁的記録を全て消去する
(ア)
こと。
イ 当該押収物に記録されている電磁的記録が大量であることそ
(イ)
の他の事由により当該押収物に記録されている全ての電磁的記録
の内容を確認することができないため、ア に掲げる措置をと
(ア)
ることが困難であると認めるときは、当該押収物に記録されてい
る電磁的記録を全て消去すること。
ウ 技術的理由その他の事由により、ア 及びイ に掲げる措
(ウ) (ア) (イ)
置をとることが困難であると認めるときは、当該押収物を廃棄す
ること。
(3) 検察官は、(2)に規定する場合において、当該対象電磁的記録が刑
事訴訟法第218条第2項の規定により複写されたものであって、同
項に規定する電気通信回線で接続している記録媒体に当該複写の対象
とされた対象電磁的記録が記録されているときは、同項の電子計算機当で消去をすることができることとされている当該対象電磁的記録を
消去する権限を有する者に対し、その削除を命ずるこ
該電子計算機で
とができるものとすること。
2 廃棄等処分及び削除命令の手続
、 ( 「 」 。)(1) 検察官は 1(1)又は(2)による処分 以下 廃棄等処分 という
をしようとするときは、あらかじめ、押収物を廃棄しようとする場合
にあっては当該押収物の所有者その他の権利者について、電磁的記録
を消去しようとする場合にあっては当該電磁的記録が帰属する者につ
いて、聴聞を行わなければならないものとすること。
(2) 検察官は、1(3)による命令(以下「削除命令」という )をしよう。、 、 、
とするときは あらかじめ 削除命令の名宛人となるべき者について
聴聞を行わなければならないものとすること。
(3) 検察官は、(1)又は(2)による聴聞を行った場合において、廃棄等処
分をする旨の決定(以下「廃棄等決定」という )又は削除命令をす。ることが必要であると認めるときは、遅滞なく、廃棄等決定又は削除
命令をするものとすること。
(4) 検察官は、1(2)イ 又はウ に掲げる措置に係る廃棄等決定を
(イ) (ウ)
行う場合において、(1)に定める者から押収物に記録されている電磁
的記録を特定してこれを複写した他の記録媒体の交付を受けたい旨の
申出があり、当該電磁的記録が対象電磁的記録ではないと認められる - -16
ときは、あらかじめ、当該電磁的記録を複写した他の記録媒体を交付
するものとすること。
(5) 検察官は、廃棄等処分をしようとするときは、刑事訴訟法の規定に
よる押収を解いた上、これを領置するものとすること。
3 検察庁の長に対する審査の申立て
(1) 廃棄等決定若しくは削除命令又は2(5)による領置に不服がある者
は、当該廃棄等決定若しくは削除命令又は2(5)による領置をした検
察官が所属する検察庁の長(当該検察官が区検察庁の検察官である場
合については、その庁の対応する裁判所の所在地を管轄する地方裁判
所に対応する地方検察庁の検事正。以下同じ )に対し、審査の申立。てをすることができるものとすること。
(2) 検察庁の長は、(1)による審査の申立てについては、次のアからエ
までに掲げる区分に従い、当該アからエまでに定める裁決をしなけれ
ばならないものとすること。
ア 当該審査の申立てが申立て期間が経過した後にされたものである
場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決
イ 当該審査の申立てに理由がない場合 当該審査の申立てを棄却す
る裁決
ウ 当該審査の申立てが廃棄等決定又は削除命令に係るものである場
合において、当該審査の申立てに理由があるとき 当該審査の申立
てに係る廃棄等決定又は削除命令を取り消し、又は変更する裁決
エ 当該審査の申立てが2(5)による領置に係るものである場合にお
いて、当該審査の申立てに理由があるとき 当該領置が違法である
旨を宣言するとともに、当該領置をした検察官に対し、当該領置の
撤廃を命ずる裁決
(3) 廃棄等決定若しくは削除命令又は2(5)による領置の取消しの訴え
は、当該廃棄等決定若しくは削除命令又は2(5)による領置について
の審査の申立てに対する裁決を経た後でなければ、提起することがで
きないものとすること。
4 調査の権限
(1) 検察官は、廃棄等処分又は削除命令をするため必要があると認める
ときは、2(1)に定める者、削除命令の名宛人となるべき者その他の
、 、 、
関係人に対して 報告 文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ
又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求め
ることができるものとすること。
(2) 検察官は、廃棄等処分又は削除命令をするため必要があると認める - -17
ときは、押収物の錠をはずし、封を開き、対象電磁的記録を確認する
ことその他必要な処分をすることができるものとすること。
(3) (1)又は(2)による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈
してはならないものとすること。
5 罰則
(1) 削除命令に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の
罰金に処するものとすること。
(2) 4(1)による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書その
他の物件を提出せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした文書そ
の他の物件を提出したときは、その違反行為をした者は、50万円以
下の罰金に処するものとすること。
(3) 2(4)の申出をするに当たり、虚偽の陳述をした者は、50万円以
下の罰金に処するものとすること。
6 その他
その他所要の規定の整備を行うものとすること。

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