様式第十七(第6条関係)
認定新技術等実証計画の内容の公表
1.認定をした年月日
令和4年10月14日
2.認定新技術等実証実施者の名称
株式会社BOOSTRY 代表取締役 佐々木 俊典
3.認定新技術等実証計画の目標
申請者は、ブロックチェーン技術を取り入れたデジタル対抗要件システムが、令和
3年8月2日に施行された産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律により改正された
産業競争力強化法(以下「改正産業競争力強化法」という。)第11条の2第1項の要
件を満たした「情報システム」に該当することを実証(以下「本実証」という。)す
ることを目標とする。また、申請者は、本実証を踏まえ、同法第9条第1項における
新事業活動に関する計画の認定の申請を行うことを予定している。
4.認定新技術等実証計画の内容
(1)新技術等及び当該新技術等を用いて実施しようとする事業活動の内容
申請者が提供するデジタル対抗要件システムは、ブロックチェーン技術を利用して債権
譲渡の通知や承諾の日時及び内容を正確に記録し、出資者や営業者が当該記録を確認する
ことを可能とするシステムである。
申請者は、将来的には改正産業競争力強化法上の認定新事業活動実施者として、デジタ
ル対抗要件システムにより、権利移転の記録のみならず第三者対抗要件の具備までインタ
ーネット上で完結できるプラットフォーム提供サービスを展開することを目指している。
(2)産業競争力強化法(以下「法」という。)第2条第3項第1号に規定する実証の内容及
びその実施方法
デジタル対抗要件システムが、改正産業競争力強化法第11条の2第1項の要件を満た
し得ることを、本実証を通じて確認する。
実証の流れは以下のとおりである。
(A) 通知によって第三者対抗要件を具備する構成
ア 匿名組合契約の出資者たる匿名組合員(以下「出資者」という。)は、第三者(以下
「譲受人」という。)との間で、自己の保有する匿名組合出資持分を譲受人に対し譲渡
する旨を合意する。
イ 出資者は、申請者(出資者側)(出資者のために債務者たる匿名組合契約の営業者
(以下「営業者」という。)に対して債権譲渡の承諾を依頼する出資者トランザクショ
ン(出資者(当該出資者から委託を受けた申請者を含む。)が、出資者がトランザクシ
ョンを作成するためのシステムであるE-Walletシステム上で作成するトランザ
クションをいう。以下同じ。)を作成して、実証用ibet for Finに送付す
る者としての申請者をいう。以下同じ。)に対して、当該匿名組合出資持分を譲受人に
対して譲渡した旨を連絡する。
ウ 申請者(出資者側)は、E-Walletシステムを用いて、出資者トランザクショ
ンを作成する。具体的には、E-Walletシステムにおいて、当該匿名組合出資持
分の譲渡の内容及び申請者(出資者側)による出資者トランザクションの作成日時を記
録したトランザクションを作成し、出資者のために申請者(出資者側)の管理する秘密
鍵を用いて当該トランザクションに署名することで、署名済の出資者トランザクション
(以下「署名済出資者トランザクション」という。)を作成する。
エ 申請者は、上記ウで作成した署名済出資者トランザクションを、実証用ibet f
or Finに対して送付する。また、この署名済出資者トランザクションが実証用i
bet for Finに記録されることによって、営業者はE-Primeシステム
を利用して当該署名済出資者トランザクションの内容を認識できる。なお、この署名済
出資者トランザクションの実証用ibet for Finでの記録をもって、第三者
対抗要件に係る匿名組合出資持分に含まれる債権に関する出資者の営業者に対する通知
と評価可能である。
オ 実証用ibet for Fin上に上記エにより署名済出資者トランザクションが
記録された後、匿名組合出資持分の譲渡の効力要件である民法第539条の2に基づく
営業者の承諾を行うために、営業者は、E-Primeシステムを用いて当該署名済出
資者トランザクションの内容を確認する。
カ 営業者は、上記オにより当該署名済出資者トランザクションの内容を確認後、E-P
rimeシステム上に表示される承諾ボタンを押下することにより、当該署名済出資者
トランザクションに関する匿名組合出資持分の譲渡を承諾する。当該承諾後、営業者は、
E-Primeシステムにおいて、当該匿名組合出資持分の譲渡の承諾と承諾日時を記
録したトランザクション(以下「営業者トランザクション」という。)を作成し、秘密
鍵を用いて当該営業者トランザクションに署名することで、署名済の営業者トランザク
ション(以下「署名済営業者トランザクション」という。)を作成して、実証用ibe
t for Finに対して送付する。
キ 実証用ibet for Finは、上記カによる署名済営業者トランザクションを
受領後、当該署名済営業者トランザクションをブロックチェーン上に記録する。このと
き、ブロックチェーン上には、承諾にかかる内容(営業者アドレス、承諾ボタンの押下
時間、出資者トランザクションに記録される譲渡人及び譲受人のアドレス並びに移転数
量)及び営業者トランザクションの作成日時が記録される。
ク 本実証においては、上記キの手続き完了後、出資者は、営業者に対して、当該匿名組
合出資持分の譲渡の通知に係る内容証明郵便等による確定日付のある証書を送付する。
なお、ここでは、実務慣行に従い、匿名組合出資持分のうち債権譲渡に係る部分の譲渡
だけではなく、匿名組合出資持分全体の譲渡の通知に係る確定日付のある証書を作成す
ることを想定している。
(B) 承諾によって第三者対抗要件を具備する構成
ア 上記(A)のアと同じ。
イ 上記(A)のイと同じ。
ウ 申請者(出資者側)は、匿名組合出資持分の譲渡の効力要件である民法第539条の
2に基づく営業者の承諾及び債権譲渡における第三者対抗要件の特例の適用を受ける場
合の、第三者対抗要件としての匿名組合出資持分に含まれる債権の譲渡に係る営業者の
承諾を取得するために、E-Walletシステムを用いて、署名済出資者トランザク
ションを作成する。
エ 申請者は、上記ウで作成した署名済出資者トランザクションを、実証用ibet f
or Finに対して送付する。なお、この署名済出資者トランザクションが実証用i
bet for Finに記録されることによって、営業者はE-Primeシステム
を利用して当該署名済出資者トランザクションの内容を認識できる。
オ 実証用ibet for Fin上に上記エにより署名済出資者トランザクションが
記録された後、匿名組合出資持分の譲渡の効力要件である民法第539条の2に基づく
営業者の承諾及び債権譲渡における第三者対抗要件の特例の適用を受ける場合の、第三
者対抗要件としての匿名組合出資持分に含まれる債権の譲渡に係る営業者の承諾を行う
ために、営業者は、E-Primeシステムを用いて当該署名済出資者トランザクショ
ンの内容を確認する。
カ 営業者は、上記オにより当該署名済出資者トランザクションの内容を確認後、E-P
rimeシステム上に表示される承諾ボタンを押下することにより、当該署名済出資者
トランザクションに関する匿名組合出資持分の譲渡を承諾する。当該承諾後、営業者は、
E-Primeシステムにおいて、当該匿名組合出資持分の譲渡の承諾と承諾日時を記
録した署名済営業者トランザクションを作成して、実証用ibet for Finに
対して送付する。
キ 実証用ibet for Finは、上記カによる署名済営業者トランザクションを
受領後、当該署名済営業者トランザクションをブロックチェーン上に記録する。このと
き、ブロックチェーン上には、承諾にかかる内容(営業者アドレス、承諾ボタンの押下
時間、出資者トランザクションに記録される譲渡人及び譲受人のアドレス並びに移転数
量)及び営業者トランザクションの作成日時が記録される。この記録がなされると同時
に、申請者(出資者側)は、当該記録の内容(すなわち、営業者による当該匿名組合出
資持分の譲渡承認の内容とその日時)を認識可能となる。
ク 本実証においては、上記イからキと並行して、営業者は、出資者に対して、当該匿名
組合出資持分の譲渡の承諾に係る内容証明郵便等による確定日付のある証書を送付する。
なお、ここでは、実務慣行に従い、匿名組合出資持分に含まれる債権のだけではなく、
匿名組合出資持分全体の譲渡の承諾に係る確定日付のある証書を作成することを想定し
ている。
(3)法第2条第3項第2号に規定する分析の内容及びその実施方法
デジタル対抗要件システムが、改正産業競争力強化法第11条の2第1項の要件
を満たし得ることを確認する。
5.新技術等実証の実施期間及び実施場所
(1)実施期間
認定後、本実証の開始の準備が完了した日から2ヶ月後の日が属する月の末日まで(2)実施場所
東京又は大阪(申請者のサーバー)
6.参加者等の具体的な範囲及び当該参加者等の同意の取得方法
(1)参加者等の範囲
1営業者、出資者(匿名組合出資持分の譲渡人)及び匿名組合出資持分の譲受人
2債権者、債務者及び金銭債権の譲受人
(2)参加者等の同意の取得方法
申請者が、上記(1)の参加者に対して、事前の説明に基づき同意を取得する。
7.法第2条第3項第2号に規定する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定
しろまる民法
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務
者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することが
できない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者
に対抗することができない。
しろまる民法施行法
第五条 証書ハ左ノ場合ニ限リ確定日付アルモノトス
一 公正証書ナルトキハ其日付ヲ以テ確定日付トス
二 登記所又ハ公証人役場ニ於テ私署証書ニ日付アル印章ヲ押捺シタルトキハ其印章ノ日
付ヲ以テ確定日付トス
三 私署証書ノ署名者中ニ死亡シタル者アルトキハ其死亡ノ日ヨリ確定日付アルモノトス
四 確定日付アル証書中ニ私署証書ヲ引用シタルトキハ其証書ノ日付ヲ以テ引用シタル私
署証書ノ確定日付トス
五 官庁又ハ公署ニ於テ私署証書ニ或事項ヲ記入シ之ニ日付ヲ記載シタルトキハ其日付ヲ
以テ其証書ノ確定日付トス
六 郵便認証司(郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第五十九条第一項ニ規定スル
郵便認証司ヲ謂フ)ガ同法第五十八条第一号ニ規定スル内容証明ノ取扱ニ係ル認証ヲ為
シタルトキハ同号ノ規定ニ従ヒテ記載シタル日付ヲ以テ確定日付トス
2 指定公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第七条ノ二第一項ニ規定スル指
定公証人ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ガ其設ケタル公証人役場ニ於テ請求ニ基キ法務省令ノ定ム
ル方法ニ依リ電磁的記録(電子的方式、磁気的方式其他人ノ知覚ヲ以テ認識スルコト能ハ
ザル方式(以下電磁的方式ト称ス)ニ依リ作ラルル記録ニシテ電子計算機ニ依ル情報処理
ノ用ニ供セラルルモノヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ記録セラレタル情報ニ日付ヲ内容トスル情
報(以下日付情報ト称ス)ヲ電磁的方式ニ依リ付シタルトキハ当該電磁的記録ニ記録セラ
レタル情報ハ確定日付アル証書ト看做ス但公務員ガ職務上作成シタル電磁的記録以外ノモ
ノニ付シタルトキニ限ル
3 前項ノ場合ニ於テハ日付情報ノ日付ヲ以テ確定日付トス
しろまる産業競争力強化法
(債権譲渡の通知等に関する特例)
第十一条の二 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)の通知又は承諾(以
下この項において「債権譲渡通知等」という。)が認定新事業活動実施者が認定新事業活
動計画(次条第一項又は第三項の規定による公示に係るものに限る。)に従って提供する
情報システム(次の各号のいずれにも該当するものに限る。)を利用してされたときは、
当該債権譲渡通知等は、民法第四百六十七条第二項に規定する確定日付のある証書による
通知又は承諾とみなす。この場合においては、当該債権譲渡通知等がされた日付をもって
確定日付とする。
一 債権譲渡通知等をした者及びこれを受けた者が当該債権譲渡通知等がされた日時及び
その内容を容易に確認することができること。
二 債権譲渡通知等がされた日時及びその内容の記録を保存し、及びその改変を防止する
ために必要な措置として主務省令で定める措置が講じられていること。
2・3・4 (略)
しろまる産業競争力強化法第十一条の二第一項第二号の主務省令で定める措置等に関する省令
(債権譲渡通知等の記録保存及び改変防止のための措置)
第二条 法第十一条の二第一項第二号に規定する主務省令で定める措置は、次に掲げるもの
とする。
一 認定新事業活動実施者(法第十一条の三第一項又は第三項の規定による公示に係るも
のに限る。以下同じ。)が、次に掲げる事項(次号において「記録事項」という。)を
記録した通知等記録を債権譲渡通知等がされた日から起算して五年間保存することとし
ていること。
イ 当該債権譲渡通知等がされた日時
ロ 当該債権譲渡通知等の内容
ハ 当該債権譲渡通知等をした者の電話番号その他の当該債権譲渡通知等をした者を識
別するために用いられる事項
ニ 当該債権譲渡通知等を受けた者の電話番号その他の当該債権譲渡通知等を受けた者
を識別するために用いられる事項
二 債権譲渡通知等をした者の求めがあったときは、認定新事業活動実施者が当該債権譲
渡通知等に係る記録事項を記載した書面を交付し、又は当該債権譲渡通知等に係る記録
事項を記録した電磁的記録を提供することとしていること。
三 認定新事業活動実施者が認定新事業活動計画(法第十一条の三第一項又は第三項の規
定による公示に係るものに限る。)に従って実施する新事業活動(第七号、第四条及び
第六条において「新事業活動」という。)の廃止をしようとするとき、又は法第十条第
二項若しくは第三項の規定により認定新事業活動計画の認定が取り消されたときは、そ
の保存に係る通知等記録を、他の第一号の保存及び前号の交付又は提供を適切に行うこ
とができる者に引き継ぐこととしていること。
四 認定新事業活動実施者が法第十一条の二第一項に規定する情報システムにおいて第一
号イの日時を記録するために用いられる時刻を信頼できる機関の提供する時刻に同期さ
せていること。
五 債権譲渡通知等を受けた者が、当該債権譲渡通知等に係る第一号ハの事項が当該債権
譲渡通知等において当該債権譲渡通知等をした者として記載された者のものであるかど
うかを確認することができること。
六 次に掲げる技術的な安全管理に関する措置が講じられていること。
イ 通知等記録を取り扱う電子計算機において当該通知等記録を処理することができる
者を限定するため、適切な措置を講ずること。
ロ 通知等記録を取り扱う電子計算機が電気通信回線に接続している場合、不正アクセ
ス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第
二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)を防止するため、適切な措置を講
ずること。
ハ 通知等記録を取り扱う電子計算機が電気通信回線に接続していることに伴う通知等
記録の漏えい、滅失又は毀損を防止するため、適切な措置を講ずること。
七 認定新事業活動実施者が新事業活動について国際標準化機構及び国際電気標準会議
の規格二七〇〇一に適合している旨の認証を受けていること。
8.規制の特例措置の適用を受けようとする場合にあっては、当該規制の特例措置の内容
なし

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