AV出演被害防止・救済法 概要
AV出演被害により、出演者の心身や私生活に将来にわたり取り返しの付かない重大な被害が、現に生じている
⇒全ての年齢・性別の者について被害の防止・被害者の救済が必要
⇒出演者の個人としての人格を尊重し、あわせてその心身の健康及び私生活の平穏その他の利益を保護し、性行為の強制の禁止・出演契約の特則等により、出演者
の性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資する
1 目的(1条)
〇出演契約は、AVごとに締結しなければならないこと 〇書面主義
〇AV契約書等の交付義務 〇AV契約の説明義務 → 罰則で担保
4 締結に関する特則(4〜6条)
AV撮影ついて、
〇契約書面の交付から1か月間の撮影の禁止 〇意に反する性行為は拒絶できる
〇出演者の安全等に配慮する義務 〇事前確認の機会の付与
〇全ての撮影の終了から4か月間の公表の禁止
5 履行に関する特則(7〜9条)
「性行為映像制作物(この資料において便宜上「AV」)」とは、性行為(性交若しくは性交類似行為又は他人が人の露出された性器等(性器又は肛門をいう。以下
この項において同じ。)を触る行為若しくは人が自己
若しくは他人の露出された性器等を触る行為)に係る人の姿態を撮影した映像並びにこれに関連する映像及び音声によって構成され、社会通念上一体の内容を有す
るものとして制作された電磁的記録又はこれに係る記
録媒体であって、その全体として専ら性欲を興奮させ又は刺激するもの
〇AV事業者等は、AV出演被害の重大性を自覚し、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられるようすること
〇AV撮影における性交等の強要は禁止 〇公序良俗に反する契約は無効 〇売春等は許容されない
3 実施及び解釈の基本原則(3条)
2 定義(2条)1資料8
AV出演者は、出演契約に基づくことなくAVが制作された、又は出演契約を取り消し、若しくは解除したときは、
その制作公表の停止・予防及びこれに必要な行為を請求できる
7 差止請求権(15条)
〇AVを特定しないで出演義務を課す契約条項⇒無効
〇書面交付及び説明義務違反があった場合⇒出演者はAV契約を取り消せる
〇5履行に関する特則に違反する場合⇒出演者は無催告で契約を解除できる
〇全てのAV出演契約⇒公表後1年間(施行後2年間は経過措置として「2年間」)無条件で解除可能
〇AV出演者は、AV出演契約の解除によって損害賠償義務を負わない
〇各当事者は、解除により原状回復義務を負う
〇任意解除を妨げるための不実告知・威迫・困惑の禁止 → 罰則で担保
6 無効、取消し及び解除等に関する特則(10〜14条)
AVに係る情報の流通により自己の権利を侵害されたとする出演者からプロバイダ等に情報削除の申出があった場合の、
プロバイダ等から情報発信者に対する削除同意照会期間について、通常の「7日」から「2日」に短縮
8 プロバイダ責任制限法の特例(16条)
〇AV出演契約の勧誘・締結・履行等及びAVの公表等の各段階における、出演者等からの相談体制の整備
〇被害の発生を未然に防止するために必要な教育活動及び啓発活動の充実
9 相談体制の整備等(17~19条)
〇施行期日...交付の日の翌日から施行(罰則関連規定のみ公布から20日)
〇経過措置...施行後2年間は、公表後2年間は全てのAV出演契約を無条件で解除可能
〇見直し条項...下記の項目等について2年以内に見直し
・公表期間の制限(忘れられる権利)・無効とする出演契約等の範囲
11 附則
〇解除妨害のための不実告知又は威迫・困惑行為→3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
〇契約書等交付義務違反・説明義務違反→6月以下の懲役又は100万円以下の罰金
10 罰則(20〜22条)2 違反
取消権行使について期間制限なし
(消滅時効期間は5年)公表がされている場合の差止請求権映像がネット上に拡散することを防止するためのプロバイダ責任制限法の特例撮影の拒否
(性行為は拒否可能)
取消・解除後の対応
取消可能
1か月
[時期の規制]
4か月
[時期の規制]
(注記)事実行為も含まれる
公表
撮影
契約締結
勧誘・声かけ・説得
書面交付義務
〇出演する作品がAVであること
〇撮影の日時場所
〇性行為に係る姿態の具体的内容
〇相手方を特定できる情報
〇作品の公表の具体的方法・期間
〇公表を行う者を特定できる情報
〇内閣府令で定める事項
説明義務
〇上記の各項目
〇AVの撮影・公表、出演契約の
解消に関するルールの内容
〇顔の映像等により、出演者が
特定される可能性があること
〇相談窓口の名称、連絡先等
〇内閣府令で定める事項
解除可能
解除権行使について期間制限なし
(消滅時効期間は5年)
公表まで
無条件に
解除可能
映像の確認
相 談 体 制
契約締結過程に
瑕疵あり
契約締結過程に
瑕疵なし
制作公表者等による
債務不履行・
法定義務違反
関 連 罰 則
不実告知又は威迫・困惑行為をした場合:3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
契約書等交付義務違反・説明義務違反の場合:6月以下の懲役又は100万円以下の罰金
公表後、1年
無条件に
解除可能
検討条項:2年以内に見直し
公表後、2年
無条件に解除可能
経過措置
(2年間)3

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