1様式第九(第4条関係)
新事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定に係る照会書
令和4年7月13日
内閣総理大臣 岸田 文雄 殿
財 務 大 臣 鈴木 俊一 殿
総 務 大 臣 金子 恭之 殿
法 務 大 臣 古川 禎久 殿
経済産業大臣 萩生田 光一 殿
川崎市幸区堀川町72番地34
東芝デジタルソリューションズ株式会社
取締役社長 岡田 俊輔
産業競争力強化法第7条第1項の規定に基づき、実施しようとする新事業活動及びこれに関連
する事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定の解釈並びに当該
新事業活動及びこれに関連する事業活動に対する当該規定の適用の有無について、確認を求めま
す。記1.新事業活動及びこれに関連する事業活動の目標
弊社では、これまで培ってきたシステムインテグレーション力をベースに、CPSテクノロ
ジーを活用した新たなサービスや価値の創造に取り組んでいます。国や地方公共団体、民間
企業向けにおいて、「やさしく、あたたかなデジタルで社会を豊かにする」とのビジョンの
もとに各種ソリューションの提供を行っています。
また、弊社では複数サーバで高信頼なシステムを実現するクラスタ技術を永らく保有してお
り、そこで培われた技術を基に、高速で可用性・信頼性に優れたブロックチェーンエンジン
の開発を行っています。
これらの活動のなかで、弊社が構築するデータを安全かつローコストに管理可能なブロック
チェーンを活用し、PDFに限らない電子契約サービスを提供することで、国や地方公共団
体における調達事務手続き全般(業者登録、入札、契約、遂行、納品に至る全般の業務)の
事務効率化、契約受託者の事務効率化、及び民間企業間における契約事務効率化に貢献する
ことを目指しています。
2.新事業活動及びこれに関連する事業活動により生産性の向上又は新たな需要の獲得が見込
まれる理由
「新たな役務の開発又は提供」に該当します。
国や地方公共団体、民間企業において、電子契約(当事者型、立会人型)が進められて
いますが、PDFに電子署名する形式になっていることから、契約事務手続で発生する各
種書面(各種電子ファイル)を対象にすることが困難であり、事務全般の効率化を求める 2ことができません。
弊社が構築するデータを安全かつローコストに管理可能なブロックチェーンのプラット
フォームと電子入札業務を実現させる 一般財団法人 日本建設情報総合センター(JAC
IC)の電子入札コアシステムを組み合わせ活用することで、契約事務手続き全般の効率
化、新型コロナ感染症対策として接触機会低減などを図ることが可能です。gBizID
等の共通認証システムや、マイナンバーカード等による個人認証と組み合わせることで、
電子入札コアシステムを利用しない場合でも、電子契約の締結が可能になります。
また、電子契約の適用範囲を工事などの大型入札案件に留めず、認証基盤発行のICカ
ードを利用しない少額の随意契約案件にも広げることで、国及び地方公共団体の契約事務
を抜本的に改善するとともに、受託した事業者の事務効率も同時に期待できます。
さらに、電子契約で利用するブロックチェーンのプラットフォームを活用することで、
社会のデジタル化を妨げていた信用確保に対するコスト(費用、時間、労力、仕組)を大
幅に抑制できることから、マイナンバーカードとの連携や、ICカードを使わないeKY
C(本人確認)とを組み合わせて、さまざまな社会問題の解決や自治体DXを推進できま
す。例えば、行政内のすべての文書を対象にした決裁記録、本人確認が可能な申請届け出
などのさまざまな分野へ容易に適用でき、社会全体のデジタル化・スマート化を加速させ
ます。
【電子契約需要獲得見込み】
3.新事業活動及びこれに関連する事業活動の内容
(1) 事業実施主体
サービス提供事業者:弊社
サービス利用者:国・地方公共団体、契約受託者
(2) 事業概要
データの改ざんが事実上困難なブロックチェーン技術を利用して、従来紙と印鑑を用い
て作成されていた契約の署名を、国又は地方公共団体(甲)と民間事業者(乙)、もしく
は複数者(JVや三者契約等)との間で電子ファイルによって行うことを可能とするサー
ビス(以下、本サービス)を提供します。
本サービスは、電子入札システムと連携した電子契約サブシステムとなります。(図1の
右側部分) 3図 1 本サービスの概要図
ブロックチェーンにおいては、ブロックと呼ばれる記録の塊にネットワーク内で発生した取
引の記録、1つ前に生成されたブロックの内容を示すブロックハッシュ値及びナンス値の3
つを格納し、この3つの値を合成して、ハッシュ関数に入力し、当該ブロックのブロックハ
ッシュ値を計算します。この生成されたブロックが時系列に沿ってチェーンのようにつなが
っていくことからブロックチェーンと呼ばれるものです。ブロックチェーンにおいては、改
ざんが生じた場合、ハッシュ値に変更が生じることから後続するすべてのブロックのハッシ
ュ値も変更しなければならず、事実上、改ざんは困難と考えられています。
ア) 契約手順
ブロックチェーンの技術を利用し、下記手順により契約締結を行います。
・国又は地方公共団体(甲)は、政府認証基盤(GPKI)又は地方公共団体における
組織認証基盤(LGPKI)から発行される電子証明書及び秘密鍵情報が含まれたIC
カード(以下、「認証基盤発行のICカード」)を取得します。ICカードが無い場合
でも、本サービスを利用して契約当事者の操作で生成される秘密鍵情報及びその対とな
る公開鍵情報を含むWalletと呼ばれるデータを利用することも可能です。
・民間事業者(乙)は、地方公共団体へ業者情報の登録を行い、登録番号の発行を受け、
電子入札コアシステム対応認証局又は商業登記認証局より公開鍵の所有者を証明する電
子入札用電子証明書及び秘密鍵情報が含まれたICカード(以下、「認証局発行のIC
カード」)を取得します。認証局発行のICカードを保有しない場合は、本サービスに
よって生成される秘密鍵情報及びその対となる公開鍵情報を含むWalletと呼ばれ
るデータを取得します。また、契約当事者(甲乙)は、本サービスを通じて、ICカー
ド又はWalletを用いて、公開鍵から作るブロックチェーン上でWalletを特
定するための識別情報としてWalletアドレスを取得します。
・ICカードや登録番号を利用しない場合でも、甲乙の本人確認を外部で認証されたg
BizIDやマイナンバーカード、各種の二要素認証やeKYCを組み合わせて、Wa
lletを取得できる仕組みの提供も予定しています。
・本サービスを利用して電子署名を行う場合、国又は地方公共団体(甲)は、まず、本
サービスにログインを行い、上記ICカード又はWalletに格納された秘密鍵を用
い、Walletアドレスと本サービスのブロックチェーンのユーザ情報との紐づけを
行い、当該情報をブロックチェーン上に記録します。民間事業者(乙)は、電子申請
(入札参加資格登録申請)時に国又は地方公共団体から付与された電子入札システムと
連携された業者番号(ID)とパスワードを用いて、本サービスにログインを行い、認 4証局発行のICカードを保有している場合、保有する認証局発行のICカード内の秘密
鍵を用いて、Walletアドレスと本サービスのブロックチェーンのユーザ情報(自
治体への業者登録を行っている登録番号及び本サービスのブロックチェーンに登録して
いるユーザ情報。以下、同じ。)との紐づけを行い、当該情報をブロックチェーン上に
記録します。認証局発行のICカードを保有していない場合、民間事業者(乙)は、上
記と同様の方法によりログイン後、本サービスによって生成されたWallet内の秘
密鍵を用いて、Walletアドレスと本サービスのブロックチェーンのユーザ情報と
の紐づけを行い、当該情報をブロックチェーン上に記録します。
・次に、契約当事者(甲乙)は、契約書の電子ファイルを、1本サービス上にアップロ
ードする、又は2メールの添付ファイルとして送るといった方法により、受け渡しを行
います。
・その後、契約当事者(甲乙)は、それぞれ、契約書の電子ファイルの最終版(契約内
容について合意をし、署名を行う前の段階のもの)を本サービス上にアップロードし、
ハッシュ関数を用いてハッシュ値化(現時点では、SHA-256の計算方法で、任意
の長さの元データを256bitに要約した値)します。
・契約当事者(甲乙)は、認証基盤発行のICカード、認証局発行のICカード又はW
alletに格納されている自らの秘密鍵を用いて、サービス事業者など第三者の介在
なしに当該ハッシュ値、自らのWalletアドレス、及び取引行為(コントラクト)
に電子署名を行います。電子署名については、現時点では、RSA2048bitの暗
号方式を用います。
・電子署名を行う手順は、以下のとおりです。まず、電子署名を行う当事者は、本サー
ビス上に契約書の電子ファイルをアップロード後、1秘密鍵の有効化を行います。認証
基盤発行のICカード、認証局発行のICカードを利用する場合には、当該ICカード
リーダによる読み取り後、PINコードを入力することにより秘密鍵の有効化を行いま
す。Walletを利用する場合には、パソコン上に保管された電子ファイルを読込後、
PINコードを入力し、秘密鍵の有効化を行います。2次に、契約書に合意したとのボ
タンを押します。これにより、契約書の電子ファイルのハッシュ値、Walletアド
レス及び取引行為の内容に対する電子署名が行われ、この電子署名データ(電子署名を
行った秘密鍵に対応する公開鍵情報を含む)は、ブロックチェーン上に記録され、1つ
前のブロックのハッシュ値及びナンス値と共に格納されます。本ブロックチェーン上に、
契約当事者の電子署名が記録されることにより、本サービスによる電子署名のプロセス
が完了します。
・電子署名は、契約当事者(甲乙)双方が行うため、ブロックチェーン上には民間事業
者(乙)の電子署名、国又は地方公共団体(甲)の電子署名と2つの合意形成があった
ことが記録されます。契約当事者が三者となる場合も同様であり、この場合は、3つの
合意形成があったことがブロックチェーン上に記録されます。
・ブロックチェーン上に取引記録としてタイムスタンプ情報の記録は行われませんが、
時刻の記録は複数の管理ノードにより行われます。一般的には標準時に同期されたもの
を使い、これと大きくずれたものは排除されることとなります。また、ブロックチェー
ンの記録については、ブロックチェーンの性質上、ブロックチェーン前後の記録で時間
が遡ることはないとされています。
・本サービスでは、最終合意をした契約書の電子ファイルを本サービス上に置き、契約
当事者(甲乙)が当該契約書の電子ファイルの確認を行うことができることも予定して
います。
イ) 検証手順
・本サービスでは、ブロックチェーン上に記録された電子署名を行った秘密鍵に対応す
る公開鍵情報、最終合意をした契約書の電子ファイル及び電子署名データをもって、ブ
ロックチェーンの仕組みを利用して検証を行うことが可能です。 51ブロックチェーン上には、契約書(原文となる電子ファイル)から求めたハッシュ値
(SHA256)と、公開鍵を示す情報(Walletアドレス)
、および取引行為
(コントラクト)とを一つにまとめた情報(トランザクション要求)に、公開鍵暗号
方式による暗号化措置(PKCS#1 RSA2048bit)による暗号文、すな
わち、トランザクション要求のハッシュ値を秘密鍵で処理した暗号文が記録されてい
ます。契約当事者(甲乙)は、この暗号文を公開鍵で復号化したハッシュ情報と、ト
ランザクション要求を再度ハッシュ関数でハッシュ値にしたものと合致するかどうか
を照合することにより、改ざんがなされていないことを確認することができます。
2契約当事者(甲乙)は、本サービスを通じて、甲が当該契約書に合意したというトラ
ンザクションは契約書の電子ファイルの作成者が甲であるか、すなわち、甲が電子署
名をしたものかということを、乙が当該契約書に合意したというトランザクションは
契約書の電子ファイルの作成者が乙であるか、すなわち、乙が電子署名をしたものか
を確認することが可能です。
3契約当事者(甲乙)は、相手方の電子署名が本人のものであるかどうかについては、
(i)ブロックチェーン上に記録された電子署名者のWalletアドレスを取得し、
当該Walletアドレスと紐づけられたユーザ情報を取得することにより、確認を
行うことが可能です。
(ii)認証局発行のICカードにより電子署名が行われている場
合、電子証明書の取得及び業者登録情報により確認を行うことが可能です。
4上記1ないし3については、ブロックチェーン上に記録された内容と照合することに
より確認を行うものです。上記のとおり、ブロックチェーン上の記録は改ざんが困難
であり、上記プロセスを経ることにより、最終合意をした契約書の電子ファイルとの
整合性、電子署名の整合性の検証が可能です。
さらに、ブロックチェーン上に記録された内容が改ざんされていないかを確認した
い場合、本サービスを通じて、ブロックハッシュを生成するブロックに含まれている
全部のトランザクションの確認をしていき、再計算してブロックハッシュが合ってい
るかを検証することにより、整合性を確認でき、改ざんがなされていないかを確認す
ることができます。現在は、検証ボタンがあり、それを押すと計算することができる
ことを予定しています。
(3) 新事業活動を実施する場所
日本国内の地方公共団体向けにスタートし、府省、民需に拡大していきます。
4.新事業活動及びこれに関連する事業活動の実施時期
準備期間 令和4年2月〜(数か月程度)
実施期間 令和4年度中 65.解釈及び適用の有無の確認を求める規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定〇電子署名及び認証業務に関する法律
第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式そ
の他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子
計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することがで
きる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであ
ること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであ
ること。
2 この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用
する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名
を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るもので
あることを証明する業務をいう。
3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人
だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行
われる認証業務をいう。
〇契約事務取扱規則
第二十八条 次の各号に掲げる書類等の作成については、次項に規定する方法による法
第四十九条の二第一項に規定する財務大臣が定める当該書類等に記載すべき事項を記
録した電磁的記録により作成することができる。
一 契約書
二 請書その他これに準ずる書面
三 検査調書
四 第二十三条第一項に規定する書面
五 見積書
2 前項各号に掲げる書類等の作成に代わる電磁的記録の作成は、各省各庁の使用に係
る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と契約の相手方の使用に係る電子計
算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用して当該書類等に記載すべ
き事項を記録する方法により作成するものとする。
3 第一項第一号の規定により契約書が電磁的記録で作成されている場合の記名押印に
代わるものであつて法第四十九条の二第二項に規定する財務大臣が定める措置は、電
子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一
項の電子署名をいう。)とする。
〇地方自治法施行規則
第十二条の四の二 地方自治法第二百三十四条第五項の総務省令で定めるものは、総務
省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(平成
十五年総務省令第四十八号)第二条第二項第一号に規定する電子署名とする。
〇総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則
第二条 この省令において使用する用語は、特段の定めがある場合を除くほか、情報通 7信技術活用法において使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによ
る。
一 電子署名 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法
律(平成十四年法律第百五十三号)第二条第一項又は電子署名及び認証業務に関する
法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。
6.具体的な確認事項並びに規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定の解釈及
び当該規定の適用の有無についての見解
(1) 具体的な確認事項並びに規制について規定する法律
ア)本サービスで採用した電子署名が電子署名法に定める「電子署名」に該当し、契約
書が電磁的記録で作成されている場合の記名押印に代わるものとして利用できるか
本サービスで利用している電子署名の仕組みが、電子署名法第2条1項の「電子署
名」に規定する技術的要件を満たしており、本サービスで採用した電子署名が電子
署名法に定める「電子署名」に該当し、これを引用する地方自治法施行規則第12
条の4の2、および契約事務取扱規則第28条3項で定める「電子署名」であって、
契約書が電磁的記録で作成されている場合の記名押印に代わるものとして利用可能
であることを確認したい。
イ)本サービスで採用している仕組みが、契約書等の作成に代わる電磁的記録の作成と
して利用可能できるか
本サービスは、電子署名法第2条1項の「電子署名」を引用する契約事務取扱規則
第28条2項に規定する「電磁的記録の作成」に該当し、契約書等の作成に代わる
電磁的記録の作成として利用可能であることを確認したい。
(2) 法律に基づく命令の規定の解釈及び当該規定の適用の有無についての見解
法律事務所に意見を求めたところ、別添のとおりの意見をいただいており、規定する法
律などの解釈については問題なく適用できると判断しています。【別添:意見書 東啓綜
合法律事務所 2021年9月16日】
ア)本サービスで採用した電子署名が電子署名法に定める「電子署名」に該当し、契約
書が電磁的記録で作成された記名押印に代わるものとして利用できるか
電子署名法第2条第1項では、1)電磁的記録に記録することができる情報について行
われる措置であること、2)措置を行った者の作成に係るものであることを示すための
ものであること、3)改変されていないことが確認できることと述べられています。
本サービスで採用した仕組みは電子署名法第2条第1項に規定される技術的基準の要件
を満たしています。
地方自治法施行規則第12条の4の2、および契約事務取扱規則第28条3項で定める
「電子署名」は電子署名法第2条第1項を引用しており、契約書が電磁的記録で作成さ
れている場合の記名押印に代わるものとして利用可能であるという要件を満たしていま
す。 81)電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であること
本サービスでは、契約書(原文となる電子ファイル)から求めた契約書のハッシュ
値(SHA256)と、公開鍵を示す情報(Walletアドレス)
、および取引行
為(コントラクト)とを一つにまとめた情報(トランザクション要求)に、ICカ
ードもしくはWalletの秘密鍵を用いて公開鍵暗号方式による1暗号化措置
(PKCS#1 RSA2048bit)をするものです。
なお、本サービスでは契約書(PDF等)そのものに暗号化措置を行った情報を記
録するのではなく、より安全に記録を保持できるブロックチェーンに2電磁的に記
録を保持する方式を採用しています。
この方式における1暗号化措置は契約書(原文となる電子ファイル)から求めた契
約書のハッシュ値(SHA256)と、公開鍵を示す情報(Walletアドレス)、および取引行為(コントラクト)とを一つにまとめた情報(トランザクション要
求)に行われる措置であることから、電子署名法第2条第1項に規定される「電磁
的記録に記録することができる情報について行われる措置」である技術的基準の要
件を満たしています。
2)措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
本サービスでは、利用者が保有する秘密鍵(ICカードまたはWallet)と、
これを利用するための本人しか知りえないPINコードを用いて、契約書(原文と
なる電子ファイル)のハッシュ値、および公開鍵を示す情報(Walletアドレス)、取引行為(コントラクト)を一つにまとめた情報に、公開鍵暗号方式による暗
号化措置(PKCS#1 RSA2048bit)をするものです。
本サービスの利用者の本人性は、国又は地方公共団体(甲)については、政府認
証基盤(GPKI)又は地方公共団体における組織認証基盤(LGPKI)から発行
される電子証明書及び秘密鍵情報が含まれたICカード(以下、
「認証基盤発行のI
Cカード」
)を取得することにより担保されております。
また、民間事業者(乙)についても、地方公共団体へ業者情報の登録を行い、登
録番号の発行を受け、電子入札コアシステム対応認証局又は商業登記認証局より公
開鍵の所有者を証明する電子入札用電子証明書及び秘密鍵情報が含まれたICカー
ド(以下、
「認証局発行のICカード」
)を取得することにより担保されております。
認証局発行のICカードを保有しない場合についても、甲乙の本人確認を外部で
認証されたgBizIDやマイナンバーカード、各種の二要素認証やeKYCを組
み合わせて、Walletを取得し、本人性を担保するようにしております。さら
に、本サービスを利用して国や地方公共団体で入札・契約を行おうとする事業者
(利用者)は、本人を証明するための書類(登記事項証明書、納税証明書、メール
アドレス等)を添えて、発注者に応札の申請をします。これらの本人確認及び受注
資格に関する書類の審査を経て、入札参加資格有りと判断した事業者について、発
注者から業者番号(ログインID)とパスワードが当該事業者に発行されます。当
該事業者は、通知された業者番号とパスワードを元に、本サービスにアクセスし後
続の各種登録処理を実施します。このため、発注者においても本人性の確認を行っ
た事業者のみが本サービスを利用することができます。
以上のように、本サービスにログインした利用者は業者情報に登録された本人であ 9り、利用者が利用する秘密鍵(ICカードもしくはWallet)が特定されてい
ます。この秘密鍵を使った電子署名は第三者の意思が介在せず、本人の意思のみで
記録されます。これらのことから登録された秘密鍵を用いて暗号化措置行えるもの
は本人であり、
「措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであ
る」要件を満たしています。
なお、上記ICカードもしくはWallet取得後に、これらに格納された秘密鍵
を用い、Walletアドレスと本サービスのブロックチェーンのユーザ情報との
紐づけを行い、当該情報をブロックチェーン上に記録します。このような仕組みに
より、電子署名を記録するブロックチェーン上のユーザ情報についても、本人との
結びつきが担保されています。
3)改変されていないことが確認できること
ブロックチェーンを利用した本サービスでは、改変を検知する機能を備えるための
技術として、公開鍵暗号方式による電子署名(PKCS#1 RSA2048bit)、および情報の電磁的記録においてブロックとよばれる情報の塊が時系列に沿っ
て暗号化されたチェーンのようにつながっていく仕組みを採用しています。
契約書(原文となる電子ファイル)から求めた1契約書のハッシュ値(SHA25
6)と、公開鍵を示す情報(2Walletアドレス)
、および取引行為(3コント
ラクト)とを一つにまとめた情報(トランザクション要求)に、公開鍵暗号方式に
よる暗号化措置(PKCS#1 RSA2048bit)による暗号文、すなわち、
4トランザクション要求のハッシュ値を秘密鍵で処理した暗号文を記録していきま
す。
この暗号文を公開鍵で復号化した4トランザクション要求のハッシュ値は、本来、
トランザクション要求を再度ハッシュ関数でハッシュ値にしたものと合致するよう
になっています。
万が一、契約書が変更されていると、トランザクション要求に含まれている1契
約書のハッシュ値が変わり、その結果トランザクション要求を再度ハッシュ関数で
ハッシュ値にしたものが変わることから、4トランザクション要求のハッシュ値と
合致しないため、改ざんが検知できる仕組みとなっています。また、ブロックチェ
ーン上に記録された1のハッシュ値のみを検証することも可能です。
さらに、情報の記録においては、該当の暗号文を含むトランザクション要求情報と、
直前のブロックのハッシュ値を含む情報とを一つにくくりブロックとし、時系列に
沿った暗号化されたチェーンのように記録します。これにより、単一の暗号化措置
にくらべて、さらに強固な改ざん防止を施して記録する仕組みになっています。
これらのことから、契約書が不正に改ざんされた場合、改変の検知が可能であるこ
とから、
「改変されていないことが確認できる」要件を満たしています。
イ)本サービスで採用している仕組みが、契約書等の作成に代わる電磁的記録の作成と
して利用可能できるか
契約事務取扱規則第28条第2項では、同条第2項各号に掲げる書類等の作成に代
わる電磁的記録の作成は、各省各庁の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。
以下同じ。
)と契約の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電
子情報処理組織を使用して当該書類等に記載すべき事項を記録する方法により作成 10するものと規定しています。
本サービスは、契約当事者がそれぞれの電子計算機からインターネット等の電気通
信回線で接続して利用するサービスです。契約当事者は、当該電気通信回線で接続
した本サービス上において、契約に必要な各種書類を確認し、同意を行うものであ
ることから、
「各省各庁の使用に係る電子計算機と契約の相手方の使用に係る電子計
算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織」に該当した「電磁的記録の作
成」であることから、契約書等の作成に代わる電磁的記録の作成として利用可能で
きる要件を満たしています。
7.その他
特になし。

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