法務省矯少第144号
平成27年5月27日
改正 平成31年4月15日法務省矯少第46号
令和2年12月24日法務省矯総第4445号
矯 正 管 区 長 殿
刑事施設の長 殿(鹿児島、沖縄)
少年鑑別所長 殿
矯正研修所長 殿(参考送付)
法務省矯正局長 小 川 新 二
(公 印 省 略)
在所者の書籍等の閲覧に関する訓令の運用について(依命通達)
標記について、下記のとおり定め、在所者の書籍等の閲覧に関する訓令(平
成27年法務省矯少訓第12号大臣訓令。以下「訓令」という。)の施行の日
(平成27年6月1日)から実施することとしたので、遺漏のないよう配意願
います。記1 備付書籍等の登録手続について(訓令第4条関係)
(1) 学習用等の書籍等で、多数の在所者が同時期に閲覧を希望することが予
想されるものについては、相応の個数又は代替性のあるものを備え付ける
等の配慮をすること。
(2) 訓令第4条第1項第1号の帳簿(以下「少年鑑別所書籍簿」という。)
への登載等に当たっては、次の点に留意すること。
ア 少年鑑別所書籍簿は、別紙様式1を参考とし、少年鑑別所の長が適宜
定めること。この場合において、検索等の便宜を考慮してコンピュータ
等を利用して作成する取扱いとしたり、購入の際に、書店等から少年鑑
別所の長が定めた少年鑑別所書籍簿の様式と同じ様式の明細書を徴し、
これを少年鑑別所書籍簿にとじ込む取扱いとしたりして差し支えないこ
と。
イ 受け入れた書籍等1個ごとに受入登録番号を付与すること。この場合
において、例えば、同じ書籍等を複数個受け入れた場合や、一つが2個
以上に分冊されているような書籍等を受け入れた場合においても、1個
ごとの書籍等に異なる登録番号を付与すること。
ウ 受け入れた書籍等1個ごとに、購入、寄贈等の受入方法の種別を明ら
かにしておくこと。
エ 保管及び利用上の便宜等のため必要がある場合には、少年鑑別所書籍
簿を適宜の種類ごとに分冊する取扱いとして差し支えないこと。
(3) 訓令第4条第1項第2号の受入登録印は、別紙様式2を参考とし、少年
鑑別所の長が適宜定めること。
(4) 訓令第4条第1項第3号の図書ラベルには、書架に配架された際の抽出
や検索の便宜を考慮し、下記(5)による分類法に基づく記号等を記載す
ること。
(5) 訓令第4条第1項第4号による適宜の区分表は、日本図書館協会の日本
十進分類表に基づき、保管する備付書籍等の種類、冊数等に応じたものと
すること。ただし、外国語で記載された備付書籍等については、日本十進
分類表によって分類することにより、その保管及び利用に支障があると認
められるときは、少年鑑別所の長が定める別途の分類方法によることとし
て差し支えないこと。
(6) 訓令第4条第2項の規定により除籍する備付書籍等の少年鑑別所書籍簿
からの削除に当たっては、次の点に留意すること。
ア 除籍した書籍等1個ごとに除籍追番号を付与し、これを「記事」欄等
に記載すること。
イ 除籍した書籍等の該当欄を朱線で抹消し、除籍年月日及び除籍理由
(廃棄、紛失等)を「記事」欄等に記載すること。
2 備付書籍等の貸与方法について(訓令第5条関係)
(1) 訓令第5条第1項の規定により少年鑑別所の長が定める備付書籍等を貸
与する日は、1月につき4日を下回らない範囲内とすること。
(2) 訓令第5条第1項の規定により少年鑑別所の長が実情に応じて定める備
付書籍等の貸与方法は、在所者が、できる限り多くの種類の備付書籍等の
中から貸与を受ける備付書籍等を選択することが可能となるよう努めるも
のとし、例えば、次のような方法によること。
ア 在所者を図書室等に連行して開架式の書架から選択させる方法
イ 居室棟に一定の個数の備付書籍等を備え付けて選択させる方法
ウ 居室棟に備付書籍等の目録を備え付けて選択させる方法
エ 備付書籍等1個ごとにカードを作成し、一定の枚数のカードを居室棟
に送付して選択させる方法
(3) 在所者が貸与を希望する備付書籍等を選択した場合には、速やかに貸与
するよう努めること。
3 図書館から貸出しを受けて在所者の閲覧に供する書籍等について
(1) 紛失や汚損等によるトラブルが発生することのないよう適切に管理し、
在所者にも取扱いに十分留意させること。
(2) 貸出しの期間等必要な事項について先方との間で取決めを行うこと。な
お、訓令第4条第1項に定める手続は不要であること。
4 備付日刊通常新聞紙の閲覧について(訓令第6条関係)
(1) 「日刊通常新聞紙」には、特定の政治団体、宗教団体等を支持して、宣
伝又は報道する新聞紙は含まれないものであること。
(2) 訓令第6条第1項の規定による閲覧の機会の付与は、原則として居室で
の回覧によること。
(3) 日本語を解さない外国人在所者を収容している場合において、当該外国
人在所者のために外国語で記載された新聞紙を備え付けるときは、訓令第
6条第2項の規定により備え付ける日刊通常新聞紙とは別に備え付けるこ
ととなること。
5 自弁の書籍等及び新聞紙の内容の検査について(訓令第7条関係)
(1) 自弁の書籍等の性質、主題、社会的評価、著者等から判断して、閲覧禁
止部分又は閲覧不許可部分がないことが明らかな書籍等については、訓令
第7条第1項又は第2項の検査を表紙や目次部分などの必要と認められる
部分に限って実施する等、簡略な検査として差し支えないこと。
なお、差入れされた書籍等については、不正な物品の隠匿や不正な書き
込みの有無等、保安上の検査は別途行う必要があることに留意すること。
(2) 訓令第7条第4項及び第5項の書面は、別紙様式3を参考として、少年
鑑別所の長が適宜定めること。同書面には、閲覧禁止部分又は閲覧不許可
部分に該当すると判断した具体的な理由、当該部分を抹消し、又は削除し
て閲覧させることの可否についての意見等を記載すること。
(3) 複数の在所者が同一内容の自弁の書籍等又は新聞紙を閲覧したい旨の申
出をした場合において、その閲覧禁止部分又は閲覧不許可部分の存否及び
その理由が共通しているときは、訓令第7条第4項又は第5項の規定によ
る少年鑑別所の長への報告は、これを一括して行うこととして差し支えな
いこと。
(4) 訓令第7条第6項の決定内容は、上記(2)の少年鑑別所の長が適宜定
める書面に記載するものとすること。
6 自弁の書籍等及び新聞紙の抹消又は削除について(訓令第8条関係)
(1) 自弁の書籍等又は新聞紙の一部が外国語で記載されている場合において
、在所者がその翻訳費用を負担しないため、当該自弁の書籍等又は新聞紙
の閲覧を許さないときについても、訓令第8条第1項の取扱いが許される
こと。
(2) 訓令第8条第1項により、在院中在所者以外の在所者に自弁の書籍等を
閲覧させる場合には、原則として、閲覧禁止部分を抹消する方法によるも
のとすること。ただし、閲覧禁止部分が多く、抹消の方法によっては事務
量が増加し、他の在所者に係る自弁の書籍等の検査事務に遅滞が生ずるお
それがあるとき又は当該自弁の書籍等の紙質等の関係から抹消の方法によ
ることが相当でないときは、削除の方法によることとして差し支えないこ
と。
(3) 閲覧禁止部分のある自弁の書籍等が次のいずれかに該当するときは、訓
令第8条第1項により抹消又は削除して閲覧させることが相当であると認
める場合には当たらないものとして、当該書籍等の閲覧を禁止すること。
ア 閲覧禁止部分が著しく多く、抹消又は削除の方法によっては事務量が
増加し、他の在所者に係る自弁の書籍等の検査事務に遅滞が生ずるおそ
れがあるとき。
イ その在所者の所有に属さないことが明らかであるとき。
ウ 経済的価値が高いと認められ、かつ、その在所者の所有に属すること
が明らかでないとき。
エ 抹消又は削除によって、その形状又は内容を著しく損なうおそれがあ
るとき。
(4) 訓令第8条第2項の書面は、別紙様式4を参考とし、少年鑑別所の長が
適宜定めること。
(5) 訓令第8条第1項の同意には、削除部分を廃棄することを含むものであ
ること。
7 自弁の書籍等及び新聞紙の閲覧の禁止及び閲覧不許可の告知について(訓
令第9条関係)
(1) 訓令第9条に定める告知は、自弁の書籍等又は新聞紙の閲覧の禁止を決
定した日、適用条項及び当該条項の規定内容について行うものとすること。
また、上記告知をした場合、訓令第7条第4項の書面にその内容を記録
すること。
(2) 在院中在所者の自弁の書籍等又は新聞紙の閲覧を許さないこととした場
合には、その在院中在所者に対し、その決定した日、適用条項及び当該条
項の規定内容を速やかに口頭によりその旨を告知するとともに、訓令第7
条第5項の書面にその内容を記録すること。
8 自弁の新聞紙の購入手続等について(訓令第10条関係)
(1) 新聞紙の購入受付は、訓令第10条第3項に規定する購入の申請を受け
付ける日のほか、在所者が入所した都度受け付けるよう配慮すること。
(2) 代金の支払については、前金払の方法により行わせること。
(3) 新聞紙を継続して購入している在所者が退所等する場合には、速やかに
新聞販売業者に連絡し、購読を中止するとともに、あらかじめ業者と取り
決めした範囲内で、その代金の払戻しを受けることができるよう取り計ら
うこと。
9 自弁の書籍等及び新聞紙の交付について(訓令第11条関係)
(1) 訓令第11条第1項の「相応の期間内」とは、原則として閲覧の申出が
あってからおおむね1週間以内をいうこと。ただし、外国語等の翻訳に要
する期間はこれに含まず、また規則第29条第1号に規定する書類(写し
を含む。)又はこれに準ずるものについては速やかに交付するものとする
こと。
(2) 訓令第11条第2項の交付は、原則として、朝刊は発行日中、夕刊は発
行日の翌日中に行うものとすること。ただし、新聞紙の配達が遅延したこ
と、外国語の翻訳又は訓令第8条の規定による抹消若しくは削除に時間を
要したことその他のやむを得ない事由がある場合には、この限りでないこ
と。
(3) 在所者に交付する自弁の書籍等には、少年鑑別所の長が適宜定めた小票
を貼付するなど、交付した自弁の書籍等の管理を適切に行うこと。なお、
小票には不要な個人情報を記載しないなど取扱いに留意し、また、書籍以
外の文書図画については、小票の貼付を省略して差し支えないこと。
(4) 在所者に自弁の書籍等を交付するに当たっては、必要に応じ、自弁の書
籍等を交付した旨等を記載した書面に当該在所者の指印を徴するなど適宜
の方法で、その授受を明らかにしておくこと。
(5) 閲覧後の新聞紙や雑誌については適宜廃棄するよう指導することは差し
支えないこと。ただし、強制にわたることのないよう留意すること。
別紙様式1(記1の(2)関係)
少年鑑別所書籍簿
年月日 登録番号 種別 著者名 書名(巻数・版数) 刊年 発行所 分類記号 記 事
少年鑑別所書籍簿記入要領
1 1行につき1冊記入し、1冊ごとに受入登録番号を1つ割り振る。
2 受入年月日:同一日付の受入れは、最初の行に年月日を記し、2行目以下は「〃」としてよい。
3 登録番号:ナンバーリングで打った方がよいが、ペン書きする場合は、字体及び位取りをそろえる。
4 種別:購入、寄贈、管理換え等の区別を記入する。
5 著書名及び書名:複雑あるいは字数の多いものは、
適当に略記してよい。
巻数及び版数は適宜記入する。
6 刊年:昭63、平21のように簡略に記入する。
7 発行所:しろまるしろまるしろまる株式会社、しろまるしろまるしろまる刊行会等のように長いものは、適当に略記してよい。
8 分類記号、図書記号(受入順番号、巻冊番号):910(分類番号)-1(図書記号-受入順番号)、
910-2-1(巻冊番号)のように記入する。
9 記事:少年鑑別所書籍簿から払出をした場合は、
その該当欄を朱線2本で消し、
1冊ごとに払出追番号、
年月日及び払出の理由を記入する。理由は、亡失の場合は「亡」、廃棄の場合は「廃」と略記する。
10 現在冊数は、受入登録最終番号から払出追番号の最終番号を差し引くことによって算出できる。
別紙様式2(記1の(3)関係)
注 大きさは、おおむね縦3センチメートル、横4.5センチメートルとする
こと。
しろまる しろまる 少 年 鑑 別 所
蔵 書 印
(受入登録番号を記載する)
(受入年月日を記載する)
別紙様式3(記5の(2)関係)
自弁書籍等及び新聞紙検査処理票
検査の日 年 月 日
決定の日 年 月 日
告知の日 年 月 日
自弁書籍等及び新聞紙名 在 所 者 氏 名 等
氏 名
在所者の地位
決裁欄 意見・決定 閲覧禁止/不許可部分、理由等
所長
閲覧、抹消、削除、
禁止/不許可
次長
閲覧、抹消、削除、
禁止/不許可
首席
閲覧、抹消、削除、
禁止/不許可
統括
閲覧、抹消、削除、
禁止/不許可
担当者
閲覧、抹消、削除、
禁止/不許可
告知欄
「(書籍等の名称)」を閲覧することにより、少年鑑別所法
しろいしかく第66条第2項(在院中在所者以外の在所者)
しろいしかく第1号 少年鑑別所の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれが
ある
しろいしかく第2項 在院中在所者以外の在所者が[しろいしかく被観護在所者・しろいしかく未決在
所者]である場合において、その[しろいしかく保護事件・しろいしかく刑事事件]
に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがある
しろいしかく第3項 在院中在所者以外の在所者の健全な育成を著しく妨げるお
それがある
しろいしかく第4項 在院中在所者以外の在所者が鑑別対象者である場合におい
て、その鑑別の適切な実施に支障を生ずるおそれがある
と認められるため、 年 月 日に、その閲覧を禁止する措置を執
ることを決定した。
しろいしかく第67条第1項(在院中在所者)
しろいしかく第1号 少年鑑別所の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれが
ないとは認められない
しろいしかく第2号 在院中在所者の改善更生に支障を生ずるおそれがないとは
認められない
しろいしかく第3号 在院中在所者の鑑別の適切な実施に支障を生ずるおそれが
ないとは認められない
ため、 年 月 日に、その閲覧を不許可とする措置を執ることを
決定した。
上記のとおり告知した。
告知者
(備考)
注1:告知欄については、書籍等の閲覧を禁止し、又は不許可とする措置を執った場合に
記載すること。
注2:告知欄の年月日については、決定の日を記入すること。
別紙様式4(記6の(4)関係)
同意書
申出の日 年 月 日 氏 名
受領職員
下欄に記載した書籍等又は新聞紙について、
1 閲覧に支障があると認められた部分について抹消又は削除すること
2 上記1の削除部分は廃棄すること
に同意します。
書籍等名
(備考)

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