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短答式試験問題集[民法]
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[民法]
〔第1問〕(配点:2)
未成年者に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.1])
ア.未成年者が子を認知した場合、その未成年者の親権者は、認知を取り消すことができない。
イ.営業を許された未成年者がした法律行為は、その営業に関しないものであっても、取り消す
ことができない。
ウ.親権者の同意を得ずに契約を締結した未成年者は、成年に達するまでは、親権者の同意を得
なければ、自らその契約を取り消すことができない。
エ.親権者の同意を得ずに契約を締結した未成年者は、成年に達するまでは、親権者の同意を得
なければ、自らその契約の追認をすることができない。
オ.未成年者が、親権者の同意があると誤信させるために詐術を用いて契約を締結した場合、そ
の契約は取り消すことができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
〔第2問〕(配点:2)
成年後見に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から
5までのうちどれか。(解答欄は、[No.2])
ア.成年被後見人が土地の贈与を受けた場合、その後見人は、その贈与を取り消すことができない。
イ.成年被後見人AがBの意思表示を受けた場合、Aの後見人Cがその意思表示を知った後は、Bは、
その意思表示をもってAに対抗することができる。
ウ.成年被後見人Aが未成年者Bの法定代理人としてした行為は、Aの行為能力の制限によっては取
り消すことができない。
エ.成年被後見人Aがその財産を管理する後見人に対して権利を有するときは、Aが行為能力者とな
った時又は後任の法定代理人が就職した時から法定の期間を経過するまでの間は、その権利につい
て、時効は完成しない。
オ.成年被後見人が協議上の離婚をするときには、その後見人の同意を得なければならない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
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〔第3問〕(配点:2)
意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.3])
ア.隔地者に対する意思表示は、相手方が了知するまでは効力を生じない。
イ.未成年者Aと契約を締結したBが、Aの法定代理人Cに対してその契約を追認するかどうか
を確答すべき旨の催告をした。この場合において、CがBの定めた期間内に確答を発しないと
きは、Cは、その契約を取り消したものとみなされる。
ウ.心裡留保を理由とする意思表示の無効は、過失のある善意の第三者に対抗することができな
い。
エ.錯誤による意思表示は、その錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合において、
相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときは、取り消すことができない。
オ.相手方に対する意思表示について第三者が強迫を行った場合には、相手方がその事実を知る
ことができなかったとしても、その意思表示は取り消すことができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
〔第4問〕(配点:2)
取消しに関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1か
ら5までのうちどれか。(解答欄は、[No.4])
ア.取り消すことができる法律行為に基づく債務を保証した者は、その法律行為を取り消すこと
ができない。
イ.被保佐人Aがした法律行為を法定代理人が追認したときは、Aは、以後、その法律行為を取
り消すことができない。
ウ.Aが第三者Bの詐欺によってCに不動産を売る旨の意思表示をしたときは、その取消しは、
B及びCの双方に対する意思表示によってする。
エ.被保佐人Aがした金銭の借入れが取り消された場合、Aは、それまでに借入金を賭博で費消
していたときでも、借入金全額を貸主に返還する義務を負う。
オ.取消権は、取り消すことができる行為をした時から5年間行使しないときは、時効によって
消滅する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
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〔第5問〕(配点:2)
時効の援用に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組
み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.5])
ア.後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
イ.Aから甲土地上の建物を賃借しているBは、Aが取得時効に必要な期間、甲土地を占有して
いる場合であっても、甲土地のAの取得時効を援用することができない。
ウ.甲土地に抵当権が設定されてその旨の登記がされた後、甲土地を譲り受けた者は、その抵当
権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
エ.詐害行為取消権を行使された受益者は、取消債権者の被保全債権の消滅時効を援用すること
ができる。
オ.主たる債務者が時効の利益を放棄した場合、保証人は主たる債務の消滅時効を援用すること
ができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
〔第6問〕(配点:2)
不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組
み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.6])
ア.Aがその所有する甲建物をBに売却した場合において、甲建物の保存登記が未了であったと
きは、Bは、自己名義の登記がなくても、所有権の取得を第三者に対抗することができる。
イ.甲土地を所有するAが死亡して子B及びCが相続し、BとCの遺産分割協議により甲土地は
Bの単独所有とされた。その後、Cが、甲土地につきCの単独所有とする登記をした上で、こ
れをDに売却したときは、Bは、Dに対し、甲土地の単独所有権の取得を対抗することができ
ない。
ウ.Aがその所有する甲土地にBのために地上権を設定し、その旨の登記がされない間に甲土地
にCのために抵当権を設定してその旨の登記がされた後、Bの地上権の設定の登記がされた。
この場合において、Cの抵当権が実行され、Dが甲土地を買い受けてその旨の登記がされたと
きは、Bは、Dに対し、地上権の取得を対抗することができる。
エ.Aがその所有する甲土地にBのために抵当権を設定し、その旨の登記がされた場合において、
その登記をCがBの知らない間に不法に抹消したときは、Bは、再度登記がされない限り、抵
当権の設定を第三者に対抗することができない。
オ.Aがその所有する甲土地を相続人Bに承継させる旨の遺言をして死亡した場合には、Bは、
Bと共にAを相続したCに対し、登記がなくても、甲土地の単独所有権の取得を対抗すること
ができる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
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〔第7問〕(配点:2)
物権の混同に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、
後記1から5までのうちどれか。なお、次のアからオまでの各記述中の抵当権及び地上権は、いず
れも登記がされているものとする。(解答欄は、[No.7])
ア.Aが、その所有する甲土地に、Bのために第一順位の抵当権を、Cのために第二順位の抵当
権をそれぞれ設定していた場合において、BがAから甲土地を買い受けたときは、Bの抵当権
は消滅する。
イ.Aがその所有する甲土地にBのために地上権を設定し、Bがこの地上権にCのために抵当権
を設定していた場合において、Aが死亡し、BがAを単独相続したときは、Bの地上権は消滅
する。
ウ.Aがその所有する甲土地にB社のために地上権を設定し、B社がこの地上権にC社のために
抵当権を設定していた場合において、B社とC社が合併したときは、C社の抵当権は消滅する。
エ.Aが、その所有する甲土地に、Bのために抵当権を設定した後、Cのために地上権を設定し
ていた場合において、CがAから甲土地の所有権の譲渡を受けたときは、Cの地上権は消滅す
る。
オ.Aがその所有する甲土地にBのために地上権を設定し、Bが甲土地上に建築した乙建物をC
に賃貸していた場合において、Aが死亡し、BがAを単独相続したときは、Bの地上権は消滅
する。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
〔第8問〕(配点:2)
動産の引渡しに関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み
合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.8])
ア.Aがその所有する絵画甲をBに預けたままCに売却した場合において、AがBに対して以後
Cのために甲を占有すべきことを命じ、Bがこれを承諾したときは、Cは、甲の所有権の取得
を第三者に対抗することができる。
イ.Aはその所有する登録済みの自動車甲をBに売却して現実に引き渡したが、登録名義はAの
ままであった。その後、Aが甲をCに売却し、登録名義をCに移転した場合、Bは、甲の所有
権の取得をCに対抗することができる。
ウ.Aは、その所有する絵画甲をBに売却したが、甲の占有を継続し、以後Bのために占有する
意思を表示した。その後、AはBへの売却の事実を知っているCに甲を売却し、現実に引き渡
した。この場合、Cは、甲の所有権の取得をBに対抗することができる。
エ.Aはその所有する絵画甲をBに預けていたが、Bは、Aに無断で、Bが甲の所有者であると
過失なく信じているCに甲を売却した。Bは甲の占有を継続し、以後Cのために占有する意思
を表示した。その後AがBから甲の返還を受けた場合、CはAに対し、所有権に基づいて甲の
引渡しを請求することができない。
オ.Aからその所有する絵画甲を預かり占有していたBが、Aから甲を購入した場合において、
占有をBに移転する旨の意思表示がAB間でされたときは、Bは、甲の所有権の取得を第三者
に対抗することができる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
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〔第9問〕(配点:2)
袋地(他の土地に囲まれて公道に通じない土地)である甲土地の所有者Aが、公道に至るために
囲 繞 地(袋地を囲んでいる他の土地)であるB所有の乙土地を通行する権利(以下「囲繞地通行権」
によう
という。)を有する場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤ってい
るものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.9])
ア.Aが乙土地を通行する場所及び方法は、Aのために必要であり、かつ、乙土地にとって損害
が最も少ないものを選ばなければならない。
イ.Aが乙土地上に通路を開設するためには、Bの承諾を得なければならない。
ウ.甲土地の地上権者Cは、Bの承諾を得なくても、乙土地を通行することができる。
エ.Aが甲土地をCから買い受けてその所有者となっていた場合には、Aは、その所有権移転
登記がなくても、乙土地を通行することができる。
オ.Aが甲土地に隣接する丙土地を買い取り、丙土地を通行して公道に至ることができるように
なった場合でも、Aは乙土地について囲繞地通行権を有する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
〔第10問〕(配点:2)
A、B及びCが甲土地を各3分の1の割合で共有している場合に関する次のアからオまでの各記
述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
(解答欄は、[No.10])
ア.甲土地がDによって不法に占有されている場合には、Aは、Dに対し、甲土地の不法占有に
よりA、B及びCが被った損害の全部の賠償を請求することができる。
イ.AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合には、原状回
復ができるときであっても、Bは、甲土地の原状回復を請求することができない。
ウ.AがBに対する甲土地の管理費用の支払義務を履行しないまま1年が経過したときは、Bは、
相当の償金を支払ってAの持分を取得することができる。
エ.甲土地について現物分割の方法により共有物の分割をした場合には、Aは、その分割によっ
てA所有とされた部分につき、単独所有権を原始取得する。
オ.AがBに対して甲土地の管理費用の支払請求権を有するときは、現物分割の方法により甲土
地につき共有物の分割をするに際し、Bに帰属すべき部分をもって、その弁済に充てることが
できる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
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〔第11問〕(配点:2)
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせ
たものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.11])
ア.AがBの所有する甲建物を権原がないことを知りながら占有を開始した場合であっても、そ
の後にAが甲に関して生じた債権を取得したときは、Aは、その債権の弁済を受けるまで、甲
を留置することができる。
イ.Aは、その所有する動産甲をBに売り、Bは甲をCに転売したが、Aが甲の占有を続けてい
る。この場合において、Aは、Cからの引渡請求に対し、Bから代金が支払われるまで、甲に
ついて留置権を行使することができる。
ウ.留置権者は、留置物の滅失によって債務者が受けるべき保険金請求権に対しても、これを差
し押さえることにより留置権を行使することができる。
エ.留置権者が債務者の承諾を得ずに留置物を賃貸した場合であっても、その賃貸が終了して留
置権者が留置物の返還を受けていたときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができな
い。
オ.留置権者が留置物の占有を奪われたとしても、占有回収の訴えによってその物の占有を回復
すれば、留置権は消滅しない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
〔第12問〕(配点:2)
Aは、Bに対し、自己が所有する工作機械甲を売り、甲を引き渡した。この場合における動産の先取
特権又は所有権留保特約(代金債権を担保する目的でされた、甲の所有権は代金完済時に移転する旨の
特約)に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたもの
は、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.12])
ア.Bが弁済期到来後も代金債務を履行しない場合、Aは、先取特権に基づき、Bに対して甲の引渡
しを請求することができる。
イ.Bが甲をCに売り、占有改定による引渡しがされた場合には、Aは、Bが弁済期到来後も代金債
務を履行しないときであっても、先取特権に基づいて甲を差し押さえることはできない。
ウ.Bが甲につきCのための質権を設定し、引渡しを了した場合において、Cが質権を取得した時点
でAの先取特権があることを知らなかったときは、Cの質権は、Aの先取特権に優先する。
エ.AB間の売買契約に所有権留保特約が付されていた場合、Bが代金完済前にCから金銭を借り入
れて甲に譲渡担保権を設定し、占有改定により甲の占有をCに移転したときは、その後Bが代金の
支払を怠ったとしても、Aは、甲を処分して残代金の回収をすることはできない。
オ.AB間の売買契約に所有権留保特約が付されていた場合、Bが代金の支払を遅滞し、期限の利益
を喪失した状態で、甲をC所有の土地に無断で放置したとしても、Cは、Aに対して甲の撤去を請
求することができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
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〔第13問〕(配点:2)
AのBに対する貸金債権甲を被担保債権とし、BのCに対する貸金債権乙を目的とする質権がB
により設定され、BがCに対して口頭でその旨の通知をした。この場合に関する次のアからオまで
の各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答
欄は、[No.13])
ア.Cは、Bから質権設定の通知を受けるまでにBに対して債権乙に係る債務を弁済していた場
合であっても、これをもってAに対抗することができない。
イ.債権譲渡登記ファイルに質権の設定の登記がされたときは、Aは、C以外の第三者に対して
質権の設定を対抗することができる。
ウ.Aは、債権甲及び債権乙が共に弁済期にあるときは、債権甲の金額の範囲内でCから債権乙
を直接取り立てることができる。
エ.債権甲の弁済期より前に債権乙の弁済期が到来したときは、Aは、Cにその弁済をすべき金
額を供託させることができる。
オ.Aの債権質の効力は、債権乙に係る利息には及ばない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
〔第14問〕(配点:2)
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1か
ら5までのうちどれか。なお、次のアからオまでの各記述中の抵当権は、いずれも登記がされてい
るものとする。(解答欄は、[No.14])
ア.Aは、Bに対する債務を担保するため、Aの所有する甲土地に、抵当権を設定した。この場
合、Bが抵当権をAの一般債権者Cに譲渡したときは、これをBがAに通知し、又はAが承諾
しなければ、Cは、Aに抵当権の譲渡を対抗することができない。
イ.Aは、その所有する甲土地に、Bのために第一順位の、Cのために第二順位の各抵当権を設
定した。この場合、BがCのために抵当権の順位を放棄したときは、BとCの抵当権の順位が
入れ替わる。
ウ.Aは、その所有する甲土地に、Bのために第一順位の抵当権を、Cのために第二順位の抵当
権を、Dのために第三順位の抵当権をそれぞれ設定した。この場合、抵当権の順位をD、C、
Bの順に変更するには、Cの合意を要しない。
エ.Aは、その所有する更地である甲土地にBのために抵当権を設定し、その後、甲土地上に乙
建物を建築した。この場合、Bが抵当権を実行し、甲土地と乙建物とが一括して競売されたと
きは、Bは乙建物の売却代金からも優先弁済を受けることができる。
オ.Aは、その所有する甲土地にBのために抵当権を設定し、その後、甲土地をCに売却した。
この場合、CがBの請求に応じてBにその代価を弁済したときは、抵当権は消滅する。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.イ オ
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〔第15問〕(配点:3)
甲土地上の法定地上権の成否に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤
っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.15])
ア.甲土地及びその土地上の乙建物を所有していたAが、甲土地に抵当権を設定した後に、乙建
物を第三者に譲渡した。その後、抵当権が実行されCが甲土地を取得したときは、法定地上権
が成立する。
イ.A所有の甲土地を賃借してその土地上に乙建物を所有していたBが乙建物に抵当権を設定し
た後、Aが乙建物の所有権を取得した。その後、抵当権が実行されCが乙建物を取得したとき
は、法定地上権が成立する。
ウ.A所有の甲土地を賃借してその土地上にBが乙建物を所有していたところ、Aが甲土地に第
一順位の抵当権を設定した後、甲土地をBに譲渡し、次いでBが甲土地に第二順位の抵当権を
設定した。その後、第二順位の抵当権が実行され、Cが甲土地を取得したときは、法定地上権
が成立する。
エ.A所有の甲土地を賃借してその土地上に乙建物を所有していたBが、乙建物に第一順位の抵
当権を設定した後、甲土地をAから譲り受け、次いで乙建物に第二順位の抵当権を設定した。
その後、第一順位の抵当権が実行され、Cが乙建物を取得したときは、法定地上権が成立する。
オ.Aが甲土地及びその土地上の乙建物を所有していた。この場合において、甲土地の登記名義
が前所有者Bのままであったとしても、乙建物に抵当権が設定され、抵当権の実行によりCが
乙建物を取得したときは、法定地上権が成立する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
〔第16問〕(配点:2)
特定物の売買の売主が目的物の引渡債務について履行の提供をした場合に関する次のアからオま
での各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5まで
のうちどれか。(解答欄は、[No.16])
ア.買主が目的物の受領を拒み、その後に売主が買主に対して売買代金の支払を請求した場合、
買主は、売主が履行の提供を継続し、又は改めて履行の提供をしなければ、同時履行の抗弁権
を主張して売買代金の支払を拒むことができる。
イ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から引渡しが完
了するまで、契約及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、目的
物を保存しなければならない。
ウ.買主が目的物を受領することができない場合、売主が目的物の保管を続けるために必要とな
る費用は、買主が負担しなければならない。
エ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から、目的物の
引渡債務につき遅滞の責任を免れる。
オ.買主が目的物の受領を拒み、その後に、売主及び買主の双方の責めに帰することができない
事由により目的物が滅失した場合、買主は契約を解除することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
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〔第17問〕(配点:2)
履行の強制に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記
1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.17])
ア.債務者が不特定物の引渡債務を履行しない場合、債権者は、債務名義を得た上で、代替執行
の方法により履行の強制をすることができる。
イ.債務者が所有権移転登記義務を履行しない場合、債権者は、債務名義を得た上で、間接強制
の方法により履行の強制をすることができる。
ウ.債務者が一定以上の高さの建物を建築しない債務に反してその高さを超える建物を建築した
場合、債権者は、その高さを超える部分の除去について、債務名義を得た上で、代替執行の方
法により履行の強制をすることができる。
エ.債務者がその居住する建物の明渡債務を履行しない場合、債権者は、債務名義を得た上で、
直接強制の方法により履行の強制をすることができる。
オ.債務者が小説を執筆する債務を履行しない場合、債権者は、債務名義を得た上で、間接強制
の方法により履行の強制をすることができる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
〔第18問〕(配点:2)
AのBに対する債権を保全するための債権者代位権に関する次のアからオまでの各記述のうち、
判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄
は、[No.18])
ア.Aが債権者代位権に基づき、BのCに対する金銭債権の履行を請求した場合において、Cが
Bに対して既に当該金銭債務をその弁済期前に弁済していたときは、Cは、弁済による債権の
消滅をAに対抗することができない。
イ.BがCに対する金銭債権の支払を求めて訴えを提起しているときは、Aは、BのCに対する
金銭債権を代位行使することができない。
ウ.AがBに対し、BがCに対し、それぞれ金銭債権を有する場合には、Aは、自己の債権の額
を超えて、BのCに対する債権を代位行使することができない。
エ.借地上の建物の賃借人Aは、建物賃貸人である借地権者Bが土地賃貸人Cに対して有する建
物買取請求権を代位行使することができる。
オ.Bが土地をその所有者Cから買い受け、これをAに転売した場合において、BがCに対する
所有権移転登記手続請求権を行使しないときは、Aは、BのCに対する所有権移転登記手続請
求権を代位行使して、登記を直接Aに移転すべき旨をCに請求することができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
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〔第19問〕(配点:2)
保証に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から
5までのうちどれか。(解答欄は、[No.19])
ア.制限行為能力を理由に取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約締結時にその取
消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合にお
いてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
イ.主たる債務者の意思に反して保証がされた場合において、保証債務の弁済をした保証人は、
主たる債務者に対し、その弁済の当時に主たる債務者が利益を受けた限度において求償権を有
する。
ウ.主たる債務者の委託を受けないで保証がされた場合において、主たる債務者が債務の弁済を
したが、保証人にその事実を通知しなかった。保証人が主たる債務者による弁済の事実を知ら
ないで保証債務の弁済をしたときは、保証人は、その弁済を有効とみなすことができる。
エ.債権者から保証債務の履行請求を受けた保証人が、債権者に対して有する自己の債権をもっ
て相殺を援用したときは、主たる債務は対当額において消滅する。
オ.数人の連帯保証人の一人が債権者に対して保証債務の弁済をした場合は、その額が自己の負
担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯保証人に対して求償をすることができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
〔第20問〕(配点:2)
AのBに対する売買代金債権甲に譲渡禁止の特約がある場合に関する次のアからオまでの各記述
のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
(解答欄は、[No.20])
ア.Aが将来発生すべき債権甲をCに譲渡し、Bに対してその通知をした後、AB間で債権甲に
つき譲渡禁止の特約をし、その後債権甲が発生した。この場合には、Bは、Cに対し、Cがそ
の特約の存在を知っていたものとみなして、債務の履行を拒むことができる。
イ.Cが譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権甲を譲り受けた場合において、CがBに対して
相当の期間を定めてCへの履行の催告をしたが、その期間内に履行がないときは、Bは、Cに
対し、譲渡禁止を理由として債務の履行を拒むことができない。
ウ.Cが譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権甲を譲り受け、その後Dにこれを譲渡した場合
において、Dがその特約の存在について善意無重過失であったときは、Bは、Dに対し、譲渡
禁止を理由として債務の履行を拒むことができない。
エ.債権甲が譲渡された場合には、Bは、債権甲の全額に相当する金銭を供託することができる。
オ.Cが、譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権甲を譲り受けた場合において、Cの債権者D
が債権甲に対する強制執行をしたときは、Bは、Dに対し、譲渡禁止を理由として債務の履行
を拒むことができない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
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〔第21問〕(配点:2)
弁済の目的物の供託に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っている
ものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.21])
ア.弁済者は、口頭の提供をしても債権者が受領を拒むことが明確である場合には、弁済の目的
物を直ちに供託することができる。
イ.弁済者は、債権者を確知することができず、それについて過失がないときは、弁済の目的物
を供託することができる。
ウ.弁済者は、弁済の目的物を適法に供託した場合には、その目的物を取り戻すことができない。
エ.弁済者は、債権者のために弁済の目的物を供託したときは、遅滞なく、債権者に供託の通知
をしなければならない。
オ.弁済者が債権者のために弁済の目的物を供託した場合には、その債権は、債権者が供託物の
還付を受けた時に消滅する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
〔第22問〕(配点:2)
相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせた
ものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.22])
ア.不法行為によって傷害を受けた被害者Aは、加害者Bに対する損害賠償債権を自働債権とし、
BがAに対して有する貸金債権を受働債権とする相殺をすることができない。
イ.弁済期が到来していない債権の債務者は、その債権を受働債権とする相殺をすることができ
ない。
ウ.返還時期の定めのない金銭消費貸借契約の貸主は、返還の催告をしてから相当期間が経過し
た後でなければ、その貸金債権を自働債権とする相殺をすることができない。
エ.AがBに対して甲債権を有し、CがAに対して消滅時効が完成したがその援用がされていな
い乙債権を有している。この場合において、BがCから乙債権を譲り受け、その後Aが消滅時
効を援用したときは、Bは、乙債権を自動債権とする相殺をすることができない。
オ.差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前から有していた差押債務者に対する債権を自
働債権とする相殺をもって差押債権者に対抗することができる。
1.ア エ 2.ア ウ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
〔第23問〕(配点:2)
契約の解除等に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、
後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.23])
ア.期間の定めのない使用貸借契約が締結された場合において、使用及び収益の目的を定めなか
ったときは、貸主は、いつでも契約を解除することができる。
イ.期間の定めのない動産賃貸借契約の賃貸人は、いつでも解約の申入れをすることができる。
ウ.請負人は、仕事の完成前であれば、いつでも損害を賠償して請負契約を解除することができ
る。
エ.期間の定めのある有償の委任契約の受任者は、期間の満了前に契約を解除することができる。
オ.無償の寄託契約が書面によって締結された場合、受寄者は、寄託物を受け取るまでは契約を
解除することができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
- 13 -
〔第24問〕(配点:2)
売買契約における解約手付に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っ
ているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.24])
ア.売買契約において交付された手付は、解約手付と推定される。
イ.買主は、売主が契約の履行に着手していても、自ら履行に着手するまでは、解約手付による
解除をすることができる。
ウ.買主は、自ら契約の履行に着手していても、売主が履行に着手するまでは、解約手付による
解除をすることができる。
エ.売主は、買主に対し、手付金の倍額を償還する旨を口頭で告げて、解約手付による解除をす
ることができる。
オ.買主が解約手付による解除をした場合、売主に手付金の額を超える損害が生じたとしても、
買主は損害賠償義務を負わない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
〔第25問〕(配点:2)
民法上の消費貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたも
のは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.25])
ア.書面によらない消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還する
ことを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
イ.書面でする消費貸借は、借主が貸主から目的物を受け取るまで、各当事者が解除をすること
ができる。
ウ.貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。
エ.当事者が返還の時期を定めたときは、借主は、その時期の前に返還をすることができない。
オ.貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、
借主は、その物の価額を返還することができる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
〔第26問〕(配点:2)
AがBからその所有する甲建物を賃借してBに敷金を交付した場合に関する次のアからオまでの
各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちど
れか。(解答欄は、[No.26])
ア.Bは、Aが賃料を支払わない場合、未払賃料額が敷金額の範囲内であっても、Aが甲建物に
備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
イ.Aは、賃貸借契約の存続中、Bに対して、賃料債務の弁済に敷金を充てるよう請求すること
ができる。
ウ.Aは、賃貸借契約が終了したときは、敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。
エ.Aが賃借権をCに適法に譲渡したときは、AはBに対して敷金の返還を請求することができ
る。
オ.BがCに甲建物を譲渡し、Cが賃貸人たる地位を承継した場合において、AがBに対して賃
貸借契約上の未履行の債務を負担していたときは、敷金はその債務の弁済に充当され、残額が
あれば、その返還に係る債務がCに承継される。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
- 14 -
〔第27問〕(配点:2)
委任に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1
から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.27])
ア.当事者が委任事務の履行による成果に対して報酬の支払を約した場合において、その成果が
引渡しを要するときは、委任者は、その成果の引渡しと同時に報酬を支払わなければならない。
イ.受任者は、やむを得ない事由がなくても、委任者の許諾を得ることなく復受任者を選任する
ことができる。
ウ.委任者は、受任者に不利な時期には、委任を解除することができない。
エ.受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、
その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
オ.委任の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
〔第28問〕(配点:2)
事務管理に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み
合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.28])
ア.管理者は、事務の管理をするにつき自己に過失なく損害を受けたときでも、本人に対し、そ
の賠償を請求することができない。
イ.事務管理の開始後に、その管理が本人の意思に反することが明らかになった場合、管理者は、
本人に対し、既に支出した費用の償還を請求することができない。
ウ.管理者が本人の名でした法律行為の効果は、事務管理の効果として直接本人に帰属する。
エ.管理者は、その事務が終了した後、本人に対し、遅滞なくその経過及び結果を報告しなけれ
ばならない。
オ.管理者は、本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をした場合には、悪
意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
〔第29問〕(配点:2)
不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.29])
ア.不法行為による損害賠償債務は、加害者が被害者から請求を受けた時から遅滞に陥る。
イ.不法行為による損害賠償の請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは、時効に
よって消滅する。
ウ.名誉感情を侵害された場合、被害者は、これを理由として、名誉感情を回復するのに適当な
処分を請求することができない。
エ.胎児Aの父が不法行為により死亡した場合、Aの母は、Aが生まれる前であっても、Aの代
理人として、加害者に対し、Aの固有の慰謝料を請求することができる。
オ.Aの不法行為に対し、Bが第三者Cの権利を防衛するためAに加害行為をしたときは、それ
がやむを得ないものであったとしても、BはAに対し損害賠償責任を負う。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
- 15 -
〔第30問〕(配点:2)
婚姻の解消又は取消しに関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたも
のは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.30])
ア.婚姻によって氏を改めた者が、婚姻中に称していた氏を協議上の離婚後も称するためにする
届出は、離婚の届出と同時にする必要がある。
イ.夫婦の一方が死亡したときは、婚姻によって氏を改めた生存配偶者は、姻族関係を終了させ
なくても、婚姻前の氏に復することができる。
ウ.父母が協議上の離婚に当たって子の親権者を父と定めたときは、母は、家庭裁判所に対し、
親権者の変更を請求することができない。
エ.未成年の子の父母は、子の監護に要する費用の分担に関する協議が調わない場合であっても、
協議上の離婚をすることができる。
オ.婚姻の取消しは、婚姻時に遡ってその効力を生ずる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
〔第31問〕(配点:2)
いずれも婚姻していないA女とB男との間に子Cが生まれた場合に関する次のアからオまでの各
記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれ
か。(解答欄は、[No.31])
ア.AとCとの法律上の母子関係は、認知によって生ずる。
イ.Bは、遺言によってCを認知することができる。
ウ.Cは、Bが死亡したときは、以後BC間の父子関係についての認知の訴えを提起することが
できない。
エ.AC間及びBC間の親子関係が共に生じた場合には、CはBの氏を称する。
オ.AC間及びBC間の親子関係が共に生じ、かつ、AとBが婚姻した場合には、Cに対する親
権はAとBが共同して行う。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
〔第32問〕(配点:2)
養子に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から
5までのうちどれか。(解答欄は、[No.32])
ア.Aが、夫Bとその前妻との間の子Cの直系卑属である未成年者Dを養子とするためには、B
とともに養子縁組をすることを要しない。
イ.養子が15歳未満であるときは、協議上の離縁は、養子の離縁後にその法定代理人となるべ
き者と養親との協議によってする。
ウ.養子縁組後に生まれた養子の子と養親との親族関係は、離縁により終了する。
エ.養子は、養親と離縁しない限り、他の者の養子となることはできない。
オ.嫡出でない子が養子となる特別養子縁組を成立させるためには、その子を認知した父の同意
を要しない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
- 16 -
〔第33問〕(配点:2)
相続による権利義務の承継に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っ
ているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.33])
ア.個人根保証契約における保証人の相続人は、主債務者と債権者が相続開始後に締結した契約
に基づく主債務について履行する責任を負わない。
イ.土地の使用貸借の借主が死亡した場合、借主の相続人は、使用借権を相続して、その土地を
使用し続けることができない。
ウ.土地を権原なく占有していた被相続人が死亡して相続が開始した場合、被相続人のその土地
に対する占有は、相続人によって承継されない。
エ.無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為を追認する
権利は、相続人全員に不可分的に帰属する。
オ.遺産である賃貸不動産から相続開始後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産を
取得した者が、相続開始時に遡って取得する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
〔第34問〕(配点:2)
Aの相続財産の取得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいもの
を組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.34])
ア.甲土地の共有持分がAの相続財産に属する場合において、Aに相続人がおらず、かつAの債
権者も受遺者もいないときは、その持分は他の共有者に帰属し、特別縁故者への分与の対象と
ならない。
イ.相続開始後にAの子と認知されたBが遺産分割を請求した場合において、他の共同相続人が
既に遺産分割をしていたときは、その遺産分割は、効力を失う。
ウ.AからAの相続財産に属する乙土地の遺贈を受けたCは、Aが死亡した後いつでも遺贈の放
棄をすることができる。
エ.Aの相続財産に属する丙土地を無償で管理していた特別寄与者であるDは、その寄与に応じ、
丙土地の持分を取得することができる。
オ.Aの親族でないEは、無償でAの療養看護をしたことによりAの財産の維持に特別の寄与を
しても、特別寄与者には当たらない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
〔第35問〕(配点:2)
相続の承認及び放棄に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っている
ものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.35])
ア.相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産に属する土地を売却したと
きは、その相続人は、単純承認をしたものとみなされる。
イ.相続の放棄をしたAの子であるBが被相続人の直系卑属であるときは、Bは、Aを代襲して
相続人となる。
ウ.相続人が数人あるときは、各相続人は、単独で限定承認をすることができる。
エ.限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しな
ければならない。
オ.相続人が未成年者であるときは、相続の承認又は放棄をすべき期間は、その法定代理人が未
成年者のために相続の開始があったことを知った時から起算する。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
- 17 -
〔第36問〕(配点:2)
承諾に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.36])
ア.債務者が債権譲渡を承諾した場合は、それが譲渡人又は譲受人のいずれに対してされたとき
であっても、譲受人はその債権譲渡を債務者に対抗することができる。
イ.隔地者に対して承諾期間を定めないでした申込みは、申込者が撤回する権利を留保した場合
を除き、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができ
ない。
ウ.債務者と引受人となる者との契約でされた併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対
して承諾をした時に、その効力を生ずる。
エ.無報酬の受寄者は、寄託者の承諾がなくても、寄託物をその用法に従って使用することがで
きる。
オ.成年の子については、その承諾がなくても、これを認知することができる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
〔第37問〕(配点:2)
裁判所の許可等を要する事項に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.37])
ア.占有者が所有者に占有物を返還する際に所有者に有益費の償還を請求する場合には、その占有者
が善意であったときでも、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与す
ることができる。
イ.動産質権者は、その債権の弁済を受けない場合において、鑑定人の評価を得ないことについて正
当な事由があるときは、鑑定人の評価に代えて裁判所の許可を得ることにより、質物をもって直ち
に弁済に充てることができる。
ウ.債権者が弁済の目的物の受領を拒んだ場合において、その物の保存について過分の費用を要する
ときは、弁済者は、裁判所の許可を得て、その物を競売に付し、その代金を供託することができる。
エ.建物所有を目的としてAから土地を賃借したBが、その土地上に建築した建物を土地賃借権とと
もにCに譲渡しようとする場合において、Cがその賃借権を取得してもAに不利となるおそれがな
いにもかかわらず、Aが賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Bの申立てにより、Aの承
諾に代わる許可を与えることができる。
オ.配偶者の直系卑属である未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ

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