法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会10第5回会議配布資料
代表者聴取の取組の実情
代表者聴取の取組の実情
法務省1 1. 児童を対象とする代表者聴取の取組の概要2 代表者聴取の取組の概要
代表者聴取とは
警察及び児童相談所の担当者と検察官とが児童の聴取方法などについて
協議を行った上で、その代表者が聴取をする取組
検察における取組
平成27年10月28日
平成30年7月24日
最高検刑事部長通知
「警察及び児童相談所との更なる連携強化について」
しかく 相談窓口の設置
しかく 早期の情報共有及びこれを踏まえた代表者聴取の
実施の検討
最高検刑事部長・公判部長通知
「警察及び児童相談所との情報共有の強化について」
しかく 代表者聴取後の情報共有(再被害防止の観点)
・・・児童が被害者又は参考人である事件3 従前の児童からの事情聴取の懸念点
被害/
目撃
身近な
大人へ
の開示
1児童相談所
2警察
3検察官
公判での
証人尋問
記憶の変容のおそれ
暗示・誘導的質問のおそれ
児童の精神的負担
事情聴取
従前の事情聴取4 児童の供述特性を踏まえた聴取の必要性
暗示・誘導を排除した
聴取技法の必要性
しかく 認知、記憶、表現の能力が未発達で暗示・誘導の影響を受けや
すい児童の供述特性
このような児童の供述特性を理解し、適切な質問をすれば、
児童は、自分の知っていることを正しく話すことができる
初期供述の重要性
しかく 時間の経過による記憶の減退や、事後情報による記憶の汚染を
受けやすい児童の供述特性
できる限り早期の供述を得ることが重要
聴取の繰り返しを
避ける必要性
しかく 被害を受けたことや犯罪を目撃したことを思い出すこと自体が
精神的負担。聴取が繰り返されると被害を繰り返し再体験し負
担増大
しかく 同じことを繰り返し聞かれることが暗示となる
児童の精神的負担や供述特性から、聴取の繰り返しを避ける
必要性
録音録画による
記録の必要性
しかく 従前、供述調書による記録方法においても、問答形式により、
質問と答えをできる限りそのまま記録する工夫
暗示・誘導を排除した方法で聴取したこと及び非言語的表現や
児童が用いた生の言葉をより正確かつ客観的に記録する必要性5 代表者聴取の意義・目的
児童の
負担軽減
真実解明
児童の供述特性を踏まえながら、
児童の負担が少なく正確な供述を証拠化
児童の負担・被暗示性・被誘導性への配慮
 児童虐待・性犯罪は密行性の高い犯罪
 合理的な疑いを容れない程度の立証要
証拠価値の高い正確な供述を得る必要あり6 暗示・誘導を排除した聴取方法
 被害から近い時期
 多機関連携による、できる限り少ない聴取回数
 供述を録音録画
代表者聴取の手段としての
司法面接的手法の活用
日本で普及している司法面接的手法のプロトコル
しかく NICHDプロトコル
⬛ ChildFirstプロトコル
共通点
しかく 誘導質問原則禁止
⇒何が誘導的かという心理学的理論面・構造の基本は共通
⬛ 多機関連携、録音録画、早期・短時間の面接(×ばつ約5分)
⬛ ラポールの重要性、児童に合わせること
⬛ ピア・レビュー(相互評価)と継続訓練の重要性
相違点
しかく グラウンドルールの説明時期(一括説明か流れの中で個別に説明するか)
⬛ 補助物の使用の可否
など7 検察における聴取技術の習得に向けた取組
研修による技術の習得
しかく 民間団体による研修(NICHD、ChildFirst)受講
⬛ 検事一般研修及び検事専門研修
⬛ 各庁における勉強会の開催 など
事情聴取への活用状況
しかく 各プロトコルの考え方を理解した上で、事案や児童の特性に応じて
検察官の聴取技術の一つとして活用
しかく 各地検においては、前記のような研修を受講するなどして、司法面接的
手法に基づく聴取技術を習得した者を中心に事件を配点
研修への参加状況
⬛ 大学教授等による児童の事情聴取方法に関する講義・演習
R2年度 ... 31名
R3年度 ...206名 の検察官が受講
(注記)R2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で一部の研修が実施できなかったもの。
⬛ 多機関連携による司法面接の手法を含めた民間団体主催の研修
検察官の経験年数等に応じた
各種研修の一環として、
児童から適切に事情を聴取
するのに必要な知識・能力
の向上を図ることが目的8 32. 児童を対象とする代表者聴取の実施状況9 代表者聴取の実施件数1(総数)
(注1)集計は年度単位。ただし、「H27」年度については、平成27年10月28日〜平成28年3月31日。
(注2)「H29」年度以前は、警察・児童相談所の二者による実施件数を含んでいない。
(注3)聴取した児童ごとに1件と計上。ただし、1人の児童について複数の事件がある場
合、事件ごとに1件と計上。
(注4)資料作成時点までに法務省に報告があったものについて集計。
(注5)注1〜注4については以下の表についても同様。表110393067671529
2076 212405001000150020002500
H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件)
代表者聴取実施件数
代表者聴取の実施件数2
(多機関連携の状況)表2114948 32
3 19 7
13 11 11983249401
630 74727204511106613871334030060090012001500180021002400H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件) 代表者聴取における多機関連携の状況
三者(検察・警察・児童相談所)
検察・警察
検察・児童相談所
警察・児童相談所
年度
連携した機関
27件 204件 511件 1066件 1387件 1334件
(69.23%) (66.67%) (66.62%) (69.72%) (66.81%) (62.81%)
9件 83件 249件 401件 630件 747件
(23.08%) (27.12%) (32.46%) (26.23%) (30.35%) (35.17%)
3件 19件 7件 13件 11件 11件
(7.69%) (6.21%) (0.91%) (0.85%) (0.53%) (0.52%)
49件 48件 32件
(3.20%) (2.31%) (1.51%)
H30 H31・R1
検察・警察
検察・児童相談所
警察・児童相談所
三者
(検察・警察・児童相談所)
H27 H28 H29ーー ーR2 代表者聴取の実施件数3(聴取者別)
表3-112(注)代表者聴取を複数回実施した場合、各回において別々の関係機関が代表者を務めることがある
ため、合計件数は表1の実施件数を超える場合がある。
H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
検察 27 221 594 1068 1557 1566
警察 5 38 107 317 364 405
児童相談所 9 53 72 174 169 168030060090012001500180021002400(件)
代表者聴取における代表者(聴取者)
代表者聴取の実施件数3(聴取者別)
表3-213(注)代表者聴取を複数回実施した場合、各回において別々の関係機関が代表者を務めることがある
ため、合計件数は表1の実施件数を超える場合がある。
年度
聴取者
27件 221件 594件 1068件 1557件 1566件
(65.85%) (70.83%) (76.84%) (68.51%) (74.50%) (73.21%)
5件 38件 107件 317件 364件 405件
(12.20%) (12.18%) (13.84%) (20.33%) (17.42%) (18.93%)
9件 53件 72件 174件 169件 168件
(21.95%) (16.99%) (9.31%) (11.16%) (8.09%) (7.85%)R2H29 H30 H31・R1
検察
警察
児童相談所
H27 H28
代表者聴取の実施件数4(犯罪別)表4(注)「性犯罪」は、聴取時に疑われた犯罪の罪名に強制性交等罪、強姦罪、強制わいせつ罪、監護者性交等罪、
監護者わいせつ罪、児童福祉法違反、都道府県条例違反等を含むもの(未遂処罰規定があるものは未遂を含む)。
「傷害等」は、聴取時に疑われた犯罪の罪名に殺人、傷害、暴行等を含むもので(未遂処罰規定があるものは未遂を含
む)、「性犯罪」以外のもの。
「その他」は、「性犯罪」、「傷害等」以外のもの。141 2 14 9 16 271073197456
767 741
26 199459872
1018 10620200400600800100012001400160018002000H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件) 聴取対象者が被害者である場合の被害に遭った犯罪の種別
性犯罪
傷害等
その他
年度
犯罪の種別
26件 199件 459件 872件 1018件 1062件
(70.27%) (72.63%) (68.51%) (65.22%) (56.52%) (58.03%)
10件 73件 197件 456件 767件 741件
(27.03%) (26.64%) (29.40%) (34.11%) (42.59%) (40.49%)
1件 2件 14件 9件 16件 27件
(2.70%) (0.73%) (2.09%) (0.67%) (0.89%) (1.48%)R2H29 H30 H31・R1
H27 H28
性犯罪
傷害等
その他
代表者聴取の実施件数5
(聴取対象者属性別)表5(注)1人の児童について被害者及び参考人の両方の立場で聴取することがあるため、合計件数は表1
の実施件数を超える場合がある。153
41 109 200 289 327372746701337
1801 1830030060090012001500180021002400H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件) 聴取対象者の属性1(被害者・参考人の別)
被害者
参考人
年度
被害者・
参考人の別
37件 274件 670件 1337件 1801件 1830件
(92.50%) (86.98%) (86.01%) (86.99%) (86.17%) (84.84%)
3件 41件 109件 200件 289件 327件
(7.50%) (13.02%) (13.99%) (13.01%) (13.83%) (15.16%)R2参考人
H27 H28 H29 H30 H31・R1
被害者
代表者聴取の実施件数6(性別)表616
30 2455671114
1431 14749 61200415645 650030060090012001500180021002400H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件) 聴取対象者の属性2(性別)男女
年度
性別
9件 61件 200件 415件 645件 650件
(23.08%) (19.93%) (26.08%) (27.14%) (31.07%) (30.60%)
30件 245件 567件 1114件 1431件 1474件
(76.92%) (80.07%) (73.92%) (72.86%) (68.93%) (69.40%)R2男
H28 H29
H27 H31・R1女H30
代表者聴取の実施件数7(年齢別)
表7-1
(注)「H29」年度以前の報告対象は聴取対象者が20歳未満の者。
「H30」年度以降の報告対象は聴取対象者が18歳未満の者。172020838344852960063661363456554050244533223115101002003004005006007002歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳
(件)
聴取対象者(18歳未満)の年齢分布(H27〜R2)H27H28H29H30
H31・R1R2 代表者聴取の実施件数7(年齢別)
表7-2
(注)「H29」年度以前の報告対象は聴取対象者が20歳未満の者。
「H30」年度以降の報告対象は聴取対象者が18歳未満の者。18年齢
年度
0件 2件 1件 2件 3件 3件 2件 3件 3件 3件 3件 1件 5件 3件 4件 1件
(0.00%) (5.13%) (2.56%) (5.13%) (7.69%) (7.69%) (5.13%) (7.69%) (7.69%) (7.69%) (7.69%) (2.56%) (12.82%) (7.69%) (10.26%) (2.56%)
1件 7件 18件 20件 19件 29件 17件 24件 23件 23件 18件 29件 30件 17件 17件 10件
(0.33%) (2.32%) (5.96%) (6.62%) (6.29%) (9.60%) (5.63%) (7.95%) (7.62%) (7.62%) (5.96%) (9.60%) (9.93%) (5.63%) (5.63%) (3.31%)
1件 23件 39件 36件 55件 62件 62件 64件 76件 59件 67件 72件 53件 44件 27件 27件
(0.13%) (3.00%) (5.08%) (4.69%) (7.17%) (8.08%) (8.08%) (8.34%) (9.91%) (7.69%) (8.74%) (9.39%) (6.91%) (5.74%) (3.52%) (3.52%)
5件 53件 68件 113件 100件 139件 138件 127件 145件 115件 111件 115件 105件 99件 61件 35件
(0.33%) (3.47%) (4.45%) (7.39%) (6.54%) (9.09%) (9.03%) (8.31%) (9.48%) (7.52%) (7.26%) (7.52%) (6.87%) (6.47%) (3.99%) (2.29%)
7件 66件 130件 121件 176件 180件 208件 184件 194件 176件 170件 137件 133件 91件 58件 45件
(0.34%) (3.18%) (6.26%) (5.83%) (8.48%) (8.67%) (10.02%) (8.86%) (9.34%) (8.48%) (8.19%) (6.60%) (6.41%) (4.38%) (2.79%) (2.17%)
6件 57件 127件 156件 176件 187件 209件 211件 193件 189件 171件 148件 119件 78件 64件 33件
(0.28%) (2.68%) (5.98%) (7.34%) (8.29%) (8.80%) (9.84%) (9.93%) (9.09%) (8.90%) (8.05%) (6.97%) (5.60%) (3.67%) (3.01%) (1.55%)R2H30
H31・R1
17歳
2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳H27H28H29 代表者聴取の実施状況8(聴取回数別)
表8ー119H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
1回 32 246 643 1340 1880 1928
2回 6 45 97 159 165 172
3回 1 12 15 23 27 22
4回 0 3 7 5 4 2
5回 0 0 2 2 0 0
6回以上 0 0 3 0 0 0030060090012001500180021002400(件)
同一事件における同一聴取対象者に対する代表者聴取の実施回数
表8-2
代表者聴取の実施状況8(聴取回数別)20年度
回数
32件 246件 643件 1340件 1880件 1928件
(82.05%) (80.39%) (83.83%) (87.64%) (90.56%) (90.77%)
6件 45件 97件 159件 165件 172件
(15.38%) (14.71%) (12.65%) (10.40%) (7.95%) (8.10%)
1件 12件 15件 23件 27件 22件
(2.56%) (3.92%) (1.96%) (1.50%) (1.30%) (1.04%)
0件 3件 7件 5件 4件 2件
(0.00%) (0.98%) (0.91%) (0.33%) (0.19%) (0.09%)
0件 0件 2件 2件 0件 0件
(0.00%) (0.00%) (0.26%) (0.13%) (0.00%) (0.00%)
0件 0件 3件 0件 0件 0件
(0.00%) (0.00%) (0.39%) (0.00%) (0.00%) (0.00%)R23回
H27 H28 H29 H30 H31・R14回5回
6回以上1回2回
33. 代表者聴取の具体的流れ21 代表者聴取の一般的な流れ
事案の認知(学校/児童相談所/警察)
事前準備(関係機関での情報共有・事前協議等)
代表者聴取(司法面接的手法)
捜査/検察官による事件処分
公判 証人尋問22 事前準備
⬛ 代表者聴取を行う上で必要な情報の収集・関係機関での共有
⬛ 聴取の手順・内容等に関する関係機関との連絡・調整
⬛ 代表者聴取の場所・機材の設営・準備等
一般的な事前準備の例(骨子)
⬛ 事案を認知した児童相談所・警察は、各検察庁の担当窓口に連絡
⬛ 検察官は、警察又は児童相談所から情報提供を受け次第、協議し、
関係機関が代表者聴取を要すると判断した場合には、必要な事前準備
を行い、できる限り早期に実施
その際、汚染防止のため、保護者等の周囲の大人に対し、児童と事件に
関する会話をしないよう求めておくことが重要23 事前準備(必要な情報共有)
⬛ 代表者聴取を行う上での必要な情報の収集・関係機関での共有
一般的な例
⬛ 事案の概要
⬛ 児童及び被疑者の属性情報
⬛ 負傷状況等の医療情報24 事前準備(聴取に関する事前協議)
⬛ 聴取の手順・内容等に関する関係機関との連絡・調整
⬛ 警察・児童相談所と連絡を取り合い、児童の現状(学校にいるのか、 自宅
にいるのか、児童相談所において保護しているのか)、児童の精神状況を
把握し、代表者聴取の実施時期を決定
事案の内容や各地域の児童相談所、警察との連携状況等に応じ、
事案を覚知してから、可能な限り早期に代表者聴取を行うのが一般的
事前協議事項の例
聴取の段取り ⬛ 児童を連れてくる時間的見込み、開始時間、代表者の選定
質問の目安時間を
踏まえた質問事項
の検討
⬛ 聴取目的(供述による立証を要する事項とそうでない事項の
区別、聴取の優先事項は何か?)
⬛ 年齢、発達の程度、被疑者との関係、事案の内容を踏まえた
発問順序等25 事前準備(代表者聴取の場所・機材設営)
⬛ 代表者聴取の場所・機材の設営・準備等
しろまる 聴取を行う部屋は、ソファや低い机を置き、録音録画機材を設置
しろまる 代表者が、各機関が聴取したい事項をまとめて聴取
しろまる 代表者以外の者は、別室でモニターで聴取状況を見ながら、必要に応じて
電話等で、補充して質問すべき事項を伝えるなどする26聴取状況を確認する部屋
カメラ
聴取担当者と児童で実施
他機関の職員が別の部屋で
聴取状況をモニターで確認
聴取の一例 代表者による聴取が行われる部屋
代表者と児童で実施 代表者以外の者が別の部屋で
聴取状況をモニターで確認
代表者聴取の場所
東京地検の例 大阪地検の例27 モニター室(別室)の状況
東京地検の例 大阪地検の例28 代表者聴取の手順
(NICHDプロトコルに準拠した例)
導入(自己紹介)
グラウンドルールの説明
ラポール形成
出来事を思い出す練習
開示の促し
自由報告(本題移行)
オープン質問
WH質問(5W1H)
ブレイク(休憩)
補充質問
クロージング(終結)
・・・ 例えば「しろまるしろまるさんは何をするのが好きですか」などと誘いかけ、児童に好きな
ことを話してもらいながら、リラックスした話しやすい関係性を築く
・・・「前にあったことを思い出す練習をしましょう。今日朝起きてここに来るまで
にあったことを最初から最後まで全部話してくれるかな」などと児童が出来事を思
い出して話す練習をした上で、「今日は何を話しにきましたか」などのオープン質
問を用いて本題に入る(開示の促し)
・・・「そういうことがあったのは1回だけですか。それとも1回よりも多いです
か」などと出来事を分割し、「それでは一番最後にあったときのことを、最初から
最後まで全部話してください」などと個別具体的な出来事につき、主にオープン質
問を用いて自由報告を求める(5W1H質問は、できるだけ最後の手段)
・・・話してくれたことに謝意を示し、「他に面接者が知っておいた方がよいことはな
いか」「他に話しておきたいことはないか」「質問はないか」を確認した上で終結する
・・・検察官が退室し、モニター室で他機関の職員らと聴取漏れがないか確認
・・・ 面接の約束事(「本当にあったことを話す」「分からないと言ってもよい」「知ら
ないと言ってもよい」「間違いを訂正する」「面接者は知識を持っていない」)の説明
・・・補充の質問や確認の質問などを実施。必要に応じてクローズド質問・誘導質問
等も用い情報を得た場合は、再びオープン質問に戻り、自由報告を求める
・・・「私の仕事は子どもからお話を聞くことです」などと自分の役割や面接の目的を
説明する。また、機材やバックスタッフについても説明する29 34. 代表者聴取の証拠化・証拠利用状況30 代表者聴取の証拠化の方法
しかく 代表者聴取の状況は原則、録音録画を実施
しかく 基本的には、供述調書は作成しない
⇒その代わりに、代表者聴取の結果を取りまとめた捜査報告書を作成している
例もあり
証拠化の方法31 代表者聴取の録音録画実施状況表932953 66 632940
30 2537011466
2047 2084030060090012001500180021002400H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件) 代表者聴取実施時の録音録画実施の有無有無
年度
録音録画の有無
30件 253件 701件 1466件 2047件 2084件
(76.92%) (82.68%) (91.40%) (95.88%) (98.60%) (98.12%)
9件 53件 66件 63件 29件 40件
(23.08%) (17.32%) (8.60%) (4.12%) (1.40%) (1.88%)R2H27 H28 H29 H30 H31・R1有無
代表者聴取の際の検察官調書の作成状況
表103318 151469890137614859 7012517818181020040060080010001200140016001800H27 H28 H29 H30 H31・R1 R2
(件)
検察官による代表者聴取実施時の検察官調書作成の有無有無
年度
検察官調書
作成の有無
9件 70件 125件 178件 181件 81件
(33.33%) (31.67%) (21.04%) (16.67%) (11.62%) (5.17%)
18件 151件 469件 890件 1376件 1485件
(66.67%) (68.33%) (78.96%) (83.33%) (88.38%) (94.83%)R2H30 H31・R1有無
H27 H28 H29
録音録画記録媒体の公判での採用状況
(注1)平成30年4月1日〜R3.3.31に判決が言い渡された刑事裁判における件数であり、一つの事件において
複数の録音録画記録媒体の証拠調請求をした場合も1件と計上。
(注2)ここにいう「実質証拠」とは、検察官が、公訴事実や情状等要証事実の存否を立証する証拠と
して録音録画記録媒体の証拠調請求をしたものを指す。
「補助証拠」とは、検察官が、児童の供述の信用性を立証する証拠として録音録画記録媒体の
証拠調請求をしたものを指す。
(注3)「刑事訴訟法上の根拠条文」欄の「321条1項2号前段又は後段」とは、検察官が刑事訴訟法321条
1項2号前段及び後段により証拠調請求をし、裁判所がいずれにより証拠の採用決定をしたのか
記録上不明なものを指す。
表1134326条
321条1項
2号前段
321条1項
2号後段
321条1項
2号前段
又は後段
補助証拠
刑事訴訟法上の根拠条文
27件8件23件 1件 2件 1件-採用件数
実質証拠
5. 障害がある性犯罪被害者を対象とする代表
者聴取の試行35 試行概要
試行対象事件
以下の1及び2に該当する事件のうち、試行に適した事件について、検察・警
察のうちの代表者が被害者から聴取する。361 知的障害、精神障害、発達障害等、精神に障害を有する被害者に係る性犯罪事件
2 事件の内容、証拠関係、被害者の障害の程度等を考慮し、その負担軽減及び供述の信
用性確保の観点から、代表者聴取を行うことが相当であると認められる事件
試行庁
部が置かれている地方検察庁
(注記) 東京、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松
試行開始時期
令和3年4月1日
(注記) 被害者については、18歳未満の者と18歳以上の者の双方を含む。
試行に至る経緯
(「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」)
決定機関37性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議(R2.6.11決定)
概要(抜粋)
「...児童を被害者とする事案において従来から行っている代表者聴取(協同面
接、いわゆる司法面接的手法を用いた事情聴取)の取組について、その対象を
障害がある被害者にも拡大するなど、被害者に対する事情聴取の在り方をその
供述の特性や心情等に配慮したものとすること...」
工程
被害者の事情聴取の在り方等について、参考となる事例の把握・情報提供な
ど、より一層適切なものとなるような取組を検討
引き続き参考となる事例の把握・情報提供などを続けるとともに、検討結果
を踏まえ、適切に対処
R2〜3年度
R3〜4年度
59件
(66.29%)
30件
(33.71%)
総数、被害者の年齢
18歳未満 18歳以上
代表者聴取の実施件数1(総数、被害者の年齢)表138
(注1)対象となる期間はR3.4.1〜R3.9.30。
(注2)聴取した被害者ごとに1件と計上。ただし、1人の被害者について複数の事件がある
場合、事件ごとに1件と計上。
(注3)資料作成時点までに法務省に報告があったものについて集計。
(注4)注1〜注3については以下の表についても同様。
総数 89件
28件
(31.46%)
61件
(68.54%)
代表者聴取における多機関連携の状況
検察・警察・児童相談所 検察・警察
代表者聴取の実施件数2
(多機関連携の状況)表239
77件
(84.62%)9件(9.89%)5件(5.49%)
代表者聴取における代表者(聴取者)
検察 警察 児童相談所
代表者聴取の実施件数3(聴取者別)表340
(注)代表者聴取を複数回実施した場合、各回において別々の関係機関が代表者を務めることがある
ため、合計件数は表1の実施件数を超える場合がある。
14件
(15.73%)
75件
(84.27%)
被害者の属性1(性別)
男 女
代表者聴取の実施件数4(性別)表441
代表者聴取の実施件数5(障害種別)表542
63件
(63.64%)
23件
(23.23%)
13件
(13.13%)
被害者の属性2(障害種別)
知的障害 発達障害 精神障害
(注)被害者が複数の障害を有することがあるため、合計件数は実施件数を超え
る場合がある。
78件
(87.64%)9件(10.11%)
1件(1.12%)
1件(1.12%)
同一事件における同一被害者に対する代表者聴取の実施回数
1回 2回 3回 4回
代表者聴取の実施件数6(聴取回数別)表643
89件
(100.00%)
代表者聴取実施時の録音録画実施の有無有代表者聴取の録音録画実施状況表744
(注)資料作成時点において、代表者聴取の録音録画記録媒体が証拠採用
された旨の報告はなかった。
4件
(5.19%)
73件
(94.81%)
検察官による代表者聴取実施時の検察官調書作成の有無
作成 未作成
代表者聴取の際の検察官調書の作成状況表845

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