意 見 書
法制審議会第 194 回会議を所用により欠席いたします。下記のとおり書面にて意
見を申し述べます。
ア 民法(親子法制)の見直しに関する諮問第 108 号について
(意 見)
〇要綱案に盛り込まれた懲戒権規定の削除と、独立した個人として子の人格を尊重
し、監護および教育にあたっては子の年齢や発達の程度に配慮することを明確に
示すことは、子の最善の利益の観点から大きな意義があると考えます。しかし、
「子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない」とする規
定は、
「健全な発達」の解釈によって虐待が正当化されかねず、児童虐待の防止に
向けた啓発の強化が極めて重要であると考えます。
〇また、要綱案には、無戸籍者を生ずる要因の一つになっている嫡出推定制度の現
行規定の見直しや、女性のみが婚姻の制約を受ける再婚禁止期間の撤廃、嫡出否
認制度における否認権の拡大についても盛り込まれました。これは連合の考え方
にも概ね沿う内容であり、民法改正法案の国会提出および早期成立を求めるもの
です。
イ 民事訴訟法等(IT化関係)の改正に関する諮問第 111 号について
(意 見)
しろまる民事訴訟のIT化は、司法アクセスの改善につながるものと受け止めると同時に
「当事者の申出による期間が法定されている審理の手続」に関し、連合が懸念し
ていた「個別労働関係民事紛争に関する訴え」を除外した点を評価いたします。
しろまる本改正案は、司法制度のIT化に向けた第一歩であり、国会提出及び早期成立を
求めるものですが、一方で、IT技術の進展に合わせた適時・適切な見直しも不
可欠であると考えており、法案化の際にはIT技術の進展を踏まえた「見直し検
討規定」を織り込む必要があることを改めて申し添えます。
2022 年 2 月 14 日
法制審議会委員 芳野 友子

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