法務省「家族法制に関する世論調査についての検討会議」
第1回 議事要旨
1 日時 令和3年3月29日(月)10時30分〜11時30分
2 場所 法務省民事局会議室(オンライン開催)
3 出席者
(座長) 大村 敦志 学習院大学法科大学院教授
(構成員)石綿 はる美 東北大学大学院法学研究科准教授
太田 勝造 明治大学法学部教授
落合 恵美子 京都大学大学院文学研究科教授
筒井 淳也 立命館大学産業社会学部教授
(事務局)法務省民事局
4 要旨
(1)議事の公開等の在り方について
議事は非公開とした上、非顕名の議事要旨を、世論調査の結果公表後、ホ
ームページに公開することが決定された。
(2)事務局による説明
本検討会議の趣旨及び今年度中に実施が予定されている世論調査の概要
のほか、本検討会議の議論の進め方について説明がされた。
(3)意見交換
出席した構成員から、自己紹介及び世論調査の調査事項や調査票の在り
方等について発言があった。
次回会議までに、
意見交換の結果を踏まえて、
質問事項案を検討することとなった(主な発言は5を参照)。5 構成員からの主な発言
・ 調査票案の質問は、質問の作り方を工夫しなければいけないものがある。
・ 今回の調査結果は立案のための資料にも使われることになると思うが、更問を中心に、
バイアスがかかっているといわれないようにする工夫が必要で
ある。
・ 「子育て」といっても回答者によって思い描くものが異なるため、個別の
質問において、
「子育て」の内容をもう少し具体化したほうがよいのではな
いか。
・ 作問にあたっては、法学を勉強したことのない人でもわかりやすいよう、
具体例を加えるなどして、質問の背景が分かるような形がよい。
・ 質問を具体化することにより、質問数が増えるのであれば、今回の世論調
査で特に聞きたいテーマに絞って、調査をしてはどうか。
・ 訪問調査は、居留守で回答に応じないなどにより、有効率が低くなるので
はないか。
・ 法改正を念頭においた調査の場合、
改正の方向で検討しているものと改正
せずに現状を維持する方向で検討しているものを選択肢にして、
回答分布を
予想しながら選択肢を決めた方が、
調査後の分析がしやすくなるのではない
か。
・ 一般的に、郵送調査は、回収率が3割程度になることもあり、回答者の年
齢が偏る傾向にあるため、
代表性を維持するためには、
集計の際に工夫が必
要なこともある。
ネット調査であれば、
年齢構成にあわせて調査を実施する
ことができるが、
別のバイアスが掛かる可能性があるため、
完璧な調査はな
い。
・ これまで家族に関する調査を実施してきた経験では、
回答者が質問文や選
択肢をきちんと読まずに回答しているケースがあった。
特に複雑な質問の場
合には、読まれていないことがあるので、質問文にも工夫が必要である。
・ 回答者には、家族法についての知識がほとんどない状態で、離婚や子育て
に関する漠然としたイメージを聞くのか、
家族法に関する認識を確かめなが
ら質問をするのか、両者を区別して作問する必要がある。後者の場合には、
誘導にならないよう注意する必要がある。
・ 世論調査の場合、離婚を経験したことのない回答者が圧倒的多数であり、
実際に離婚を経験した人よりも、
バイアスの掛かったイメージを持って回答
している可能性があることを前提に、検討していくことが必要である。
・ 作問にあたって、どのような法改正を行うのかを明確にし、法政策志向的
に調査をすることも考えられないか。
・ 意識調査をする際には、
現状として選択した行動の背景にある意識を聞く
ような質問を作ってみてはどうか。
・ 今回の調査では割と雑駁な意識調査を実施したいということであれば、特定のテーマに絞りすぎずに、
全般的な意識を聞いた方がよいのかもしれない。
・ 質問文の説明のために(注)を使用することはあり得るが、回答者は読ま
ないという想定で質問文を検討したほうがよいのではないか。
ある程度具体
的に聞かないと作成者の意図が伝わないが、
具体化しすぎると誘導になるお
それもあり、ケース・バイ・ケースである。作問にあたっては、完璧な調査
はあり得ないことを前提に、妥協しながら、最終的に決断することになる。
・ 作問するにあたっては、パーソナルの質問か、インパーソナルの質問なの
かといった使い分けも重要である。
以上

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