成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する
関係府省庁連絡会議(第5回)
第1 日 時 令和3年7月9日(金) 自 午後4時00分
至 午後4時40分
第2 場 所 法務省(Web開催) -1-議 事
しろまる小出民事局長 それでは,定刻となりましたので,ただいまから成年年齢引下げを見据えた
環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催いたします。
本日は議長の命によりまして,私,法務省民事局長の小出が司会進行を務めさせていただ
きます。
ウェブ会議の形での開催となりますので,御発言いただく際にはマイクをオンにしていた
だいた上で発言し,発言いただいた後はハウリングを防ぐためにマイクをオフにしていた
だきますようお願いいたします。
それでは,まず初めに,本連絡会議の開催に当たりまして,議長であります上川法務大臣
より御挨拶を頂きます。
大臣,よろしくお願いいたします。
しろまる上川法務大臣 皆さん,こんにちは。本日の成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関
係府省庁連絡会議の開催に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。
成年年齢引下げに向けた環境整備の施策の推進を図るため,関係府省庁相互の密接な連携
協力を確保することを目的とする本会議も5回目を迎えました。平成30年4月に開催さ
れました第1回以降,約3年にわたり,関係府省庁におきましては各年度の工程表に基づ
き環境整備の施策に精力的に取り組んでいただいており,心から感謝申し上げます。
本日の会議におきましては,参加されている各府省庁から所管の各施策につきましてこれ
までの成果の御報告を頂き,また,今後の取組予定について御説明を頂いた上で,工程表
を改訂するということが予定されております。
今年度は成年年齢引下げの施行日であります令和4年4月に向けて,環境整備のための最
後の年度となります。若い方々に消費者被害などの不利益を生じさせないために,施行の
時点で何が達成されていなければいけないのか,イメージを具体的に持っていただきたい
と思います。そして,その上で,やり残したことはないか,これまでの3年間を振り返っ
ていただき,総点検をお願いをいたしたいというふうに思います。その上で,施行に向け
まして今年度に何をする必要があるかについては,しっかりと考えていただいた上で,全
力で取り組んでいただく必要があります。
そのような方向性に向けまして,消費者庁などの関係府省庁におきましては,「成年年齢
引下げに伴う消費者教育全力」キャンペーンが推進されているところであります。施行ま
でに1年を切ったこの時期に,若い方々を対象に働きかけを強め,社会には悪徳商法があ
るということを理解をしていただき,これに対抗することができる能力,これを育むこと
につきましては,大変大きな意義があると考えております。
さらに,このような取組によって知識を得た若い方々が,その内容について同世代の方々
に共有をするということによりまして,自らの理解を深めるとともに,知識の伝播を図っ
ていただくことができるような取組につきましても後押しをしていく,こんなことも有益
ではないかと考えております。
また,若い方々との間で取引をする事業者等に対する働きかけ,これも重要であります。
金融庁や経済産業省におきましては,事業者に対する与信審査の適正化の取組を推進して
いただいておりますが,他の府省庁の取組におきましても,このような観点を意識した取 -2-組が求められるのではないかと考えております。
令和4年4月の施行日に向けまして,今後も改訂後の新しい工程表に従いまして,関係府
省庁が連携しつつ一丸となって取り組んでいただきたいと考えておりますので,引き続き
の御協力をよろしくお願いを申し上げます。
以上です。
しろまる小出民事局長 大臣,どうもありがとうございました。
それでは,議事に入りますが,これに先立ちまして,まず,連絡会議の構成員の変更につ
いてお諮りしたいと思います。
資料1を御覧ください。内閣府の組織変更により構成員について,内閣府大臣官房総括審
議官を内閣府大臣官房総合政策推進室長に,内閣府政策統括官共生社会政策担当を内閣府
政策統括官政策調整担当と変更するとともに,金融庁内部の所掌変更により金融庁におけ
る本連絡会議の構成員が総合政策局長のみとなったとお伺いしておりますので,金融庁監
督局長を構成員から削除したいと思います。本件につき御異議はございませんでしょうか。
御異議がないようでございますので,資料1に記載のとおり申し合わせたこととさせてい
ただきます。
引き続きまして,成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議工程表
の改訂について御説明いたします。
お手元の資料2-1,2-2を御覧ください。これらはいずれも本日時点での関係府省庁
の施策の実績と今後の目標を記載する形で改訂された工程表でございまして,このうち資
料2-1は,2020年7月17日時点の工程表からどのように変更をされたかが分かる
ように見え消しとなっているもの,資料2-2は,これらの変更を反映させたものとなっ
ております。これらの改訂された工程表に関連しまして,テーマごとに関連府省庁からそ
の施策の実績と今後の目標について御説明をお願いしたいと思います。
まず,若年者の消費者教育,消費者保護について,消費者庁から御説明をお願いいたしま
す。
しろまる消費者庁 消費者庁次長の高田でございます。消費者教育の推進につきまして御説明させて
いただきます。資料2-1,2-2ではなく,資料2-3を御覧くださいませ。
若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムにつきましては,関係府省庁
におきまして,2018年度から2020年度までの集中強化期間の3年目に当たる20
20年度の施策の進捗状況を去る6月23日に申合せをいたしました。
資料の2ページ目を御覧ください。2020年度の高等学校等における消費者教育教材で
ある「社会への扉」等を活用した実践的な事業の実施につきましては,2ページの表1で
ございますが,域内の70%以上の高等学校等で授業を実施した都道府県の数は45とな
っており,(注1)に記載のとおり,全高等学校等での実績では86%となっており,上
昇しております。その下の表2でございますけれども,国公立の高等学校等に限れば,4
7全ての都道府県で域内の70%以上の高等学校等が実践的な授業を実施しており,高等
学校等の数で見ると95%となっております。
一方,私立の高等学校や特別支援学校等につきましては前年度を上回る実績となっており
ますが,これらの学校の取組を続けていくことが引き続き課題となっております。そのた
め,消費者庁では特別支援学校向けの教材を作成,公表し,積極的な活用を促すとともに, -3-今年度,私立高等学校及び特別支援学校等を対象とする出前講座授業を実施することとし
ており,文部科学省等とも連携して周知,働きかけを図ることとしております。
また,そのほか,3ページから4ページにかけてでございますが,法務省においては法教
育の担い手である教員向けの法教育セミナーの実施や,高校生向け法教育リーフレットの
作成,配布,金融庁においては金融経済教育に関するシンポジウムの開催や,大学生,高
校生,教育向けの動画の作成,消費者庁においては,消費者教育コーディネーター会議の
開催等を通じた消費者教育コーディネーターの育成や配置の促進,文部科学省においては,
教育委員会に対し,教員免許状更新講習における消費者教育を取り扱った講座の積極的な
開設,促進の働きかけなど,各省庁による取組を引き続き着実に進めております。
さらに,6ページの下でございますけれども,今年度におきましては成年年齢引下げ前の
最後の1年に当たることから,実践的な消費者教育の取組を更に広げていくため,本アク
ションプログラムの取組を取り込んで,本年3月に決定した「成年年齢引下げに伴う消費
者教育全力キャンペーン」に基づき,関係府省庁の皆様と緊密に連携しつつ消費者教育の
取組を全力で進めてまいりたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
以上でございます。
しろまる小出民事局長 どうもありがとうございました。
次に,与信審査について金融庁,経済産業省から順次御説明をお願いいたします。
しろまる金融庁 金融庁総合政策局参事官の尾﨑でございます。資料2-2の項目番号12の貸金業
における貸付・信用供与の健全性確保について説明いたします。
成年年齢の引下げにより,若年者が過大な債務を負うような事態がないよう,貸金業者に
対する当局の検査監督や日本貸金業協会の監査を通じて貸金業法の遵守を図ることに加え,
貸金業者による自主的な取組の状況を把握,推進していくことが必要だと考えています。
1点目について,若年者は一般的に収入が少なく,貸金業法上の総量規制等により,おの
ずと貸付け可能な金額も少なくなります。そのため,まずは若年者に対する返済能力の調
査が適切に行われ,貸金業法の諸規定が遵守されることが重要と考えております。そうし
た観点から,特に若年者への貸付けについて,引き続き貸金業法が遵守されているか確認
してまいります。
また,2点目ですが,貸金業者による自主的な取組の把握推進について資料を添付してお
りますので,こちらも御覧ください。資料4になります。
昨年度,日本貸金業協会が実施したアンケート調査の結果においては,18歳から19歳
の者に対する自主的な取組として,資料にも記載しているとおり,利用限度額を通常より
も低く設定するなどの取組が発表されております。これらの取組は,足下だけでなく成年
年齢引下げ後も実施されることが効果的であると考えられるため,日本貸金業協会に対し,
これらの取組が成年年齢引下げ後も実施されるよう業界への周知や横展開を要請していま
す。今年度においても継続して実態把握を行うため,日本貸金業協会において更なるアン
ケート調査が実施されております。その調査結果も踏まえ,これらの取組を更に推進して
いきたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。
しろまる経済産業省 続きまして,経済産業省商務・サービスグループの岩城でございます。私の方
からクレジット取引に関するこれまでの取組を御報告させていただきます。 -4-まず,クレジット契約に際しまして,消費者への過剰与信を防止していくことが重要です
ので,割賦販売法におきまして支払可能見込額の調査を義務付けているところでございま
す。これに加えまして,若年者に対するクレジット業界による自主的な取組といたしまし
て,パンフレットの配布による広報活動だけでなく,高校等への教材の無料配布や講師派
遣など,クレジット教育支援活動も行ってまいりました。業界の実態把握の観点では,日
本クレジット協会を通じまして各社に若年者との契約実態についてアンケート調査を実施
し,その結果を公表いたしました。業界におきましては,若年者に対する極度額の少額設
定や支払能力の徹底的な確認等の取組が進んでいることを把握しております。
今年度におきましては,引き続きクレジット事業者の取組状況を把握しまして,過剰与信
防止に向けた義務を着実に履行していただくとともに,関係4省庁で実施されております
消費者教育全力キャンペーンとも新たに連携させていただくなど,若年層への普及啓発を
より一層進めてまいりたいというふうに考えております。
私の方からは以上でございます。
しろまる小出民事局長 ありがとうございました。
続きまして,若年者自立支援について,内閣府政策統括官政策調整担当,文部科学省,法
務省大臣官房司法法制部,厚生労働省,内閣府男女共同参画局の順番に御説明をお願いい
たします。
しろまる内閣府 内閣府の青少年担当でございます。工程表6ページの項目番号18について御説明
いたします。資料はございません。
内閣府では,若年無業者やひきこもりなど社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供,
若者の自立を支援するための取組として,教育,福祉,保険,医療,矯正,更生保護,雇
用等の関係機関団体により構成される子ども・若者支援地域協議会,それから,子供,若
者に関する様々な相談を一元的に受けることができるワンストップの相談窓口である子ど
も・若者総合相談センターの体制整備や機能向上を支援しているところでございます。本
年1月1日現在,128の地域に子ども・若者支援地域協議会,96の地域に子ども・若
者総合相談センターがそれぞれ設置されているところでございます。本年4月には第3次
となる子ども・若者育成支援推進大綱を決定しておりますけれども,その中に成年年齢の
引下げ等への円滑な対応についても盛り込まれているところでございます。関係機関とも
連携しながら引き続き取組を進めてまいります。
以上です。
しろまる文部科学省 文部科学省でございます。3点御説明いたします。
まず,項目番号14でございますけれども,資料はございませんが,キャリア教育につき
ましては,昨年度は都道府県の教育委員会の担当者向けに環境整備の施策の周知を図った
ところでございます。
それから,項目番号19でございますけれども,スクールカウンセラー,スクールソーシ
ャルワーカーにつきましては引き続き配置拡充を進めまして,令和元年度以降の予算にお
きましては,スクールカウンセラーを全公立小中学校,スクールソーシャルワーカーを全
中学校区に配置するために必要な経費を計上するなど,教育相談体制の更なる充実を図っ
てございます。
それから,最後,23でございますが,主権者教育につきましては,これまでの教育に加 -5-えましてオンラインでのシンポジウムを開催いたしました。
それぞれの施策につきまして,引き続き関係府省庁と連絡を図りながら,必要な施策の充
実に今年度は努めてまいりたいと思います。
文科省では以上でございます。
しろまる法務省司法法制部 法務省司法法制部長の金子でございます。工程表でいいますと,項目番
号24になります。昨年度,法務省では成年年齢引下げに向けた法教育施策検討部会を設
置し,成年に達する時期を間近に控える高校生に契約や司法の基本的な考え方などを習得
してもらうための法教育リーフレットを作成しました。これが資料7-1,「18歳を迎
える君へ」と題するものでございます。このリーフレットを高校2・3年生,教育委員会
等に対し合計220万部を配布しました。本年度も高校2年生を対象として配布する予定
でございます。また,本年度はこのリーフレットを読んだ高校生がより理解を深めること
ができるよう,専門家による解説動画を作成する予定です。
このほか,本年度は成年年齢引下げをテーマとして,福岡で会場参加とオンライン参加の
併用,いわゆるハイブリッド方式による教員向けの法教育セミナーの開催も予定しており
ます。高校の教員向けの分科会では,現役の教員の方々にこのリーフレットを教材にした
法教育授業の実践報告を行っていく予定でございます。こうした取組を通じてこのリーフ
レットの存在や活用方法等を学校現場に積極的に周知し,生徒への配布や授業での活用を
促したいと考えております。引き続き文部科学省とも連携しつつ,更なる法教育の普及,
推進に取り組んでまいります。
法務省からは以上です。
しろまる厚生労働省 失礼しました。厚生労働省の子ども家庭局長でございます。厚生労働省関係は
私の方から一括して御説明申し上げます。
厚生労働省では,若者の自立を支援するための施策として,経済的に厳しい状況にある子
供への支援とともに若者のキャリア形成支援等を行っております。具体的な項目番号は1
5番から17番,それから21番と22番になります。
具体的には,まず,子供の貧困対策に関する大綱などに基づきまして,関係府省と連携し
ながらひとり親家庭や生活困窮世帯の子供等への支援を行っております。また,いわゆる
社会的養護につきましては,児童養護施設等を退所した児童などに対して,22歳の年度
末までの必要に応じた支援などの自立支援を進めております。さらに,ニート,フリータ
ー等の若者の社会的,経済的自立に向けた支援や,学生アルバイトの労働条件確保対策,
労働法に関する教育,周知啓発を進めているところでございます。来年4月の施行に向け
て,引き続きこれらの施策のより一層の推進を通じて,若者の自立支援に取り組んでまい
ります。
以上でございます。
しろまる内閣府 内閣府男女共同参画局長の林でございます。工程表の項目番号25のアダルトビデ
オ出演強要問題等について発言させていただきます。
アダルトビデオ出演強要問題やJKビジネス問題等については,成年年齢の引下げにより
自らの責任で18歳から契約ができるようになり,18歳,19歳には未成年取消し権が
適用されなくなることから,これらの問題が一層深刻化することを懸念しております。こ
れらの問題につきましては,平成29年5月に関係府省庁と御一緒に取りまとめました -6-「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策」
及び令和2年6月に取りまとめました「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に基づきまし
て,「若年層の性暴力被害予防月間」を4月に実施しております。
本年4月の「若年層の性暴力被害予防月間」では,AV出演強要やJKビジネス等の問題
の更なる啓発等を中心に実施をしたところでございます。来年4月の月間においては,手
口が巧妙化しているアダルトビデオ出演強要問題やJKビジネス問題につきまして,成年
年齢が引き下げられることを意識した広報啓発や相談窓口の周知につき,しっかりと広報
できますように取り組んでまいりたいと考えております。
アダルトビデオ出演強要問題やJKビジネス問題は,つい先週に公表されましたアメリカ
の国務省の人身取引報告書においても取り上げられておりまして,あるまじき問題であり
ます。性犯罪・性暴力の根絶を目指し,私ども関係省庁とも緊密に連携して,これらの問
題に取り組んでまいりたいと思います。
しろまる小出民事局長 ありがとうございました。
次に,改正民法の周知活動,それから成人式の時期や在り方について,法務省民事局の方
から御説明させていただきます。
まず,成年年齢の引下げに係る改正民法の周知活動につきまして,項目番号26番,成年
年齢引下げの国民への浸透度等の調査についてでございます。平成30年12月に内閣府
において成年年齢の引下げに関する世論調査を実施し,令和2年3月には法務省において
成年年齢引下げの認知度や環境整備の施策に対する意識等についてのフォローアップ調査
を実施してきたところですが,令和3年3月にも16歳から22歳までの若年層と40歳
から59歳までの親世代を対象として同様のフォローアップ調査を実施いたしました。結
果をまとめたものが資料10でございます。
資料10を御覧いただきますと,この調査におきましては,1ページ目のQ1-1からQ
1-3のとおり,成年年齢の引下げの影響を受ける16歳から19歳までの年齢層の成年
年齢引下げの認知度や未成年者取消し権等に関する理解度がその他の年齢層に比べて高い
という結果が得られました。これは関係府省庁の若年者に対する周知や教育の施策が効果
を上げているものと評価できると考えております。
もっとも,Q1-2を御覧いただきますと,他の年代層に比べて認知度が高いとはいえ,
未成年者取消し権等に関する理解度が45%程度にとどまるなど,なお改善の余地はある
ものと考えられますので,引き続き成年年齢引下げの意義や内容を浸透させる施策を推進
することが重要と考えられます。
また,環境整備の取組に関する意識につきましては,資料10の5ページのQ2-5のと
おり,関係府省庁において環境整備の施策を着実に推進していただいたことで,とても評
価できると感じる,それから評価できると感じると答えた方の割合が約45%であり,評
価できないと感じる,あるいは全く評価できないと感じると答えた方の割合である20%
を上回りましたが,令和4年の施行に向けまして更なる環境整備の施策の推進が必要なも
のと考えております。その他の質問及び回答につきましても資料10に掲載しております
ので,各省庁において施策に取り組むに当たりまして参考にしていただければと思います。
今年度におきましても引き続きフォローアップ調査を実施することを予定しておりまして,
その結果については共有させていただきます。 -7-次に,具体的な改正民法の周知活動の内容について御報告いたします。工程表の項目番号
の27番及び28番を御覧いただきたいと思います。
これまでの成年年齢引下げの周知活動といたしましては,成年年齢の意義や契約を締結す
るに当たって気をつけておくべきことなどを漫画やクイズなどを通じて学べる成年年齢引
下げ特設ウェブサイト「大人への道しるべ」を制作,公表するとともに,全国の教育委員
会や大学等を通じて広く周知を行いました。また,成年年齢引下げのTwitterアカ
ウントにおいて,成年年齢や契約にまつわるクイズを出題するなどして周知啓発を図って
おります。このほか,各種の映画,ドラマとタイアップしたポスターを制作し,全国の高
校等に配布しております。今年度は成年年齢引下げ施行直前の年度でございますので,こ
れまでにも増して積極的に周知活動を推進する必要があると考えております。
具体的には,工程表の項目番号28に記載がありますとおり,「大人への道しるべ」のコ
ンテンツの追加,また,「大人への道しるべ」を若者に幅広く閲覧していただくためのプ
ロモーション,学校等における活用の推進,また,成年年齢引下げをテーマとする大規模
な広報活動の展開を予定しているほか,項目番号27のとおり,成年年齢をテーマとする
国際的なシンポジウムを開催し,海外の同世代との議論などを通じて若者がより理解を深
める機会を提供,また,中学・高校等における若者と法務省職員の意見交換会,講演を全
国規模で実施することを予定しております。
このほか,先ほど議長である法務大臣から御言及いただいたとおり,若年者に対する働き
かけのほかに,若者と取引を行う事業者にも成年年齢引下げの意義を浸透させることは重
要と考えておりますので,法務省としてもこのような観点から事業者に対して成年年齢引
下げの意義や内容等を説明するとともに,必要な配慮を求めていくなどの働きかけを行っ
ていくことを検討しております。
周知活動は以上でございまして,続きまして,工程表の項目番号29の成人式の時期や在
り方についてでございます。令和元年3月に成人式分科会において収集した情報を取りま
とめて各自治体に発信したところでございますが,昨年度はそのフォローアップとして,
成人式分科会において全国の市町村を対象として,成年年齢引下げ後の成人式の対象年齢
や実施時期に関するアンケート調査を実施しております。このフォローアップ調査におい
ては,成年年齢引下げ後の対象年齢に関する方針を決定している自治体,これが約54%
であり,そのいずれもが20歳又は21歳を対象としているという結果が得られまして,
その結果につきましても全国の自治体に情報発信をしております。今年度も引き続き,成
人式の実施に関するフォローアップ調査を実施して,全国の自治体に情報発信をすること
を予定しております。
成人式の時期や在り方に関する説明は以上でございます。
これまでで,それぞれのテーマにつきまして,工程表あるいは提出していただいた資料に
基づきまして関係各府省庁から御説明を頂きました。ほかの方々から何か御意見等ござい
ますでしょうか。
よろしいでしょうか。御意見等ないようでございますので,最後に副議長であります藤井
内閣官房副長官補から御挨拶を頂きたいと思います。
藤井内閣官房副長官補,よろしくお願いいたします。
しろまる藤井内閣官房副長官補 藤井でございます。成年年齢の引下げが施行される令和4年4月1 -8-日まで1年を切りました。この間,第1回の連絡会議の開催以降,関係府省庁の御協力を
賜りつつ,環境整備のための施策が推進されてきたところでありまして,皆様の御協力に
感謝いたします。
本日の会議において工程表が改訂されたところですが,これまでの本連絡会議の取組を踏
まえ,来年4月の施行に向け,成年年齢の引下げによって社会や経済に混乱を生じさせる
ことがないよう環境整備を行っていく必要があります。そのためには,工程表で示された
施策を基に,若い方々やそういった方々と取引をする事業者等を含めた全国民に対して,
成年年齢の引下げの意義や,それに伴って生じる若年層による取引の在り方の変化等を理
解し,実感していただけるよう,周知啓発を進めていかなければなりません。各府省庁に
おかれましては引き続き,万全の準備に御協力いただけるようお願いいたします。
以上でございます。
しろまる小出民事局長 どうもありがとうございました。
それでは,これをもちまして,本日の成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府
省庁連絡会議を終了いたします。
本日はどうもありがとうございました。
─了─

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