【新制度の概要】
★金融機関から,1預貯金債権や2上場株式,国債等に関する情報を取得
(銀行,信金,労金,信組,農協,証券会社等) 【新民執法207条】
★登記所から,3土地・建物に関する情報を取得 【新民執法205条】
★市町村,日本年金機構等から,4給与債権(勤務先)に関する情報を取得
【新民執法206条】
民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律
の一部を改正する法律の概要
H28.9 法務大臣から法制審議会へ諮問
H28.11〜 法制審部会での調査審議開始
H29.9 中間試案の取りまとめ
検討の経過
現行制度では,手続の申立権者が,確定判決等
を有する債権者に限定
申立権者の範囲を拡大して,仮執行宣言付判決
を得た者や,公正証書により金銭(例えば養育費
など)の支払を取り決めた者等も利用可能にする
【新民執法197条】
現行制度では,債務者の不出頭や虚偽陳述に
対する罰則(30万円以下の過料)が弱い
不出頭等には刑事罰(6か月以下の懲役又は5
0万円以下の罰金)による制裁を科して,手続の実効
性を向上させる【新民執法213条】
債務者以外の第三者からの情報取得手続を新設裁判所情報提供
を命令
回答
債権者が
情報取得
財産開示期日(非公開)
【見直しの概要】
★現行の財産開示手続をより利用しやすく実効的なものにする
現行の財産開示手続の見直し
見直し1 見直し2裁判所申立て債務者・裁判所に出頭
・自己の財産に関する陳述
手続の実施を決定
くろまる 強制執行の申立てには,執行の対象となる債務者の財産を特定することが必要
くろまる 平成15年に,債務者の財産に関する情報を債務者自身の陳述により取得する手続として,
「財産開示手続」を創設
⇒ しかし, 「財産開示手続」の利用実績は年間1000件前後と低調
債務者財産の開示制度の実効性を向上させる必要があるとの指摘
債務者財産の開示制度の実効性の向上 【民事執行法の改正】
現行制度の課題と見直しの方向
背景債権
者 申立て裁判所債権者
法務省民事局
H30.6 追加試案(ハーグ条約実施法)の取りまとめ
平成30年10月4日 要綱の取りまとめ・答申
平成31年2月19日 閣議決定・国会提出
R1.5.10 成立 (R1.5.17公布)1/4(注記) 給与債権に関する情報取得手続は,養育費等の債権や生命・身体の
侵害による損害賠償請求権を有する債権者のみが申立て可能
銀行等の
金融機関
登記所
市町村
年金機構等第1第1-1
第1-2
新旧p21
新旧p18
新旧p16
新旧p20
新旧p25
くろまる 公共事業や企業活動等からの暴力団排除の取組が官民を挙げて行われており,
民間の不動産取引でも暴力団排除の取組が進展
くろまる 現行の民事執行法において暴力団員等の買受け自体を制限する規定なし
⇒約200の暴力団事務所の物件が不動産競売の経歴を有していることが判明(全
国の暴力団事務所は約1700箇所)【警察庁調べ】
くろまる 「世界一安全な日本」創造戦略(H25.12閣議決定)
⇒「不動産競売・公売への暴力団の参加防止等の方策について検討する」
くろまる 不動産競売事件は年約2万3000件(平成28年)
背景
不動産競売における暴力団員の買受け防止の方策
【民事執行法の改正】
裁判所における不動産競売の一般的な流れ
【新制度の概要】
★裁判所の判断により暴力団員,元暴力団員,法人で役員のうちに暴力団員等
がいるもの等が買受人となることを制限
((注記))「元暴力団員」 : 暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
★暴力団員等でない者が,暴力団員等の指示に基づき買受けの申出をすることも
制限
→ 例えば,買受人自身は暴力団員ではなかったとしても,暴力団員が買受人に資金を
渡すなどして買受けをさせていた場合も,買受けを制限
現行制度の課題と見直しの方向申立て入札期間
開札期日
(最高価買受
申出人の決定)
売却許可・
不許可決定
売却へ
虚偽の陳述には刑事罰
(6か月以下の懲役又は
50万円以下の罰金)に
よる制裁
【新民執法213条】
裁判所における不動産競売の手続
暴力団員等に該当しない
こと等を陳述
【新民執法65条の2】
買受申出人
最高価買受申出人が
暴力団員等に該当するか
否かを警察へ照会
【新民執法68条の4】
裁判所
暴力団員等に該当する
こと等が認められれば
売却不許可決定
【新民執法71条】
裁判所2/4第2
新旧p1
新旧p25
新旧p2 新旧p3
申立て
【新制度の概要】
★執行裁判所が執行機関となり,執行官に子の引渡しの実施を命ずる旨を決定
★執行官が執行場所に赴き,債務者による子の監護を解いて債権者に引渡し
くろまる 国内の子の引渡しの強制執行:現行法において明文なく,動産に関する規定を類推適用
⇒ 裁判の実効性を確保しつつ,子の利益に配慮する等の観点から,規律を明確化する必要あり
くろまる 国際的な子の返還の強制執行:国内と同様の観点から規律を整備する必要あり
(注記) ハーグ条約上,利用可能な手続のうち最も迅速な手続を用いるとの規定あり
くろまる 国内の子の引渡しの強制執行は年間100件程度(国際的な子の返還の代替執行は年間1,2件程度)
国内の子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化
【民事執行法の改正】債権者執行官子債務者
引渡しを実現債権者ハーグ条約実施法にも 同様の規律を採用
国際的な子の返還の強制執行に関する規律の見直し
【ハーグ条約実施法の改正】
間接強制前置を不要としつつ,
子の利益に配慮し,申立てに一定の要件を付加
・ 間接強制では返還の見込みがあるとは認められない
・ 子の急迫の危険を防止するために必要がある 等
【新ハーグ条約実施法136条】
同時存在の要件を不要としつつ,
子の利益に配慮し,債権者の出頭を原則化
【新ハーグ条約実施法140条(新民執法の準用)】
執行
裁判所
申立て
執行官に子の
返還の実施を
命ずる旨を決定執行官間接強制手続子債務者返還を実現債権者間接強制前置
が常に必要
【現行制度】
子と債務者が共にいる
こと(同時存在)が必要
見直し1
見直し2返還実施者返還実施者
(債権者に限
られない)の
出頭が必要
子と債務者が共にいること(同時存在)は不要としつつ,
子の利益に配慮し,債権者の出頭を原則化
子と債務者が共にいること(同時存在)は不要としつつ,
子の利益に配慮し,債権者の出頭を原則化
【新民執法175条】
申立てに一定の要件を付加
・ 間接強制では引渡しの見
込みがあるとは認められない
・ 子の急迫の危険を防止
するために必要がある 等
【新民執法174条2項】
国内の子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化
国際的な子の返還の強制執行に関する規律の見直し
現行制度の課題と見直しの方向
背景3/4((注記))間接強制: 執行裁判所が,債務者に対して金銭の支払を命ずることによって,
心理的な強制を与え,債務者に履行を強いる強制執行の方法
第3-1
第3-2
国際的な子の返還の強制執行に関する規律の見直し第3執行
裁判所
執行官に子の引
渡しの実施を命
ずる旨を決定
【新民執法174条4項】
新旧p12 新旧p14
新旧p27 新旧p28
差押禁止債権をめぐる規律の見直し
【背景】
くろまる 債権の差押えにより債務者の生活が困窮することを防止するため,現行法には,
債務者が,差押命令の取消しを求める制度(差押禁止債権の範囲変更の制度)がある。
くろまる しかし,現状では,1債務者がこの制度の存在を十分に認識していない,2債務者
が申立ての準備をしている間に差押債権者によって差押債権が取り立てられてしまう,
などの理由により,この制度があまり活用されていない。
【見直しの概要】
★ 差押禁止債権の範囲変更の制度の存在を,裁判所書記官が債務者に対して教示
【新民執法145条4項】
★ 給与等が差し押さえられた場面において,債務者が差押禁止債権の範囲変更の
申立てのための準備期間を1週間から4週間に伸長 (この準備期間中は取立てができない)
【新民執法155条2項】
★ 令和2年4月1日から施行
=公布の日(令和元年5月17日)から1年を超えない範囲内において政令で定める日
【附則1条】
★ のうち,登記所から債務者の不動産に関する情報を
取得する手続は,令和3年5月1日から運用開始
=公布の日(令和元年5月17日)から2年を超えない範囲内において政令で定める日
【附則5条】4/4民事執行法のその他の見直し 【民事執行法の改正】
施行日 【第1〜第4全体】
債権執行事件の終了をめぐる規律の見直し
【見直しの概要】
★ 債権執行事件において,債権者が取立ての届出等をせずに長期間(2年以上)にわ
たって漫然と事件を放置し続けている場面において,執行裁判所の決定により事件を終
了させるための仕組みを導入【新民執法155条5項〜8項】第4第4-1
第4-2第5第1-1
新旧p4
新旧p5
新旧p5
法律p28
法律p31

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