更生支援企画課だより
KOUSEI SHIEN KIKAKUKA DAYORI
法務省近畿エリアの再犯防止・更生支援情報が満載の広報誌
法務省大阪矯正管区
☎06-6941-5781
06-6910-2428
Vol.13
R2.12
奈良県が出所者の就労と住居を確保!!
kouseishien-osaka
@cccs.moj.go.jp
奈良県の先進的な取組を紹介させていただきます。
「奈良県更生支援の推進に関する条例」に基づき,令和2年7月,
一般財団法人「かがやきホーム」(愛称:スプリンデント・ファ
ミーリア・ナラ)が設立されました(事務所は橿原市所在の奈良県
社会福祉総合センター内)。
9月には,刑務所から出所した2名が採用されています。
2名は,現在,協力企業でもある奈良県五條市森林組合で林業に
従事しています。
また,彼らには仕事だけでなく,地域や自立した生活への定着を
目指し,林業に携わる時間の合間に,かがやきホームによる社会適
応力向上のための社会教育が行われています。この社会教育には,
奈良県地域生活定着支援センター,龍谷大学,矯正施設,更生保護
官署など,実に様々な関係機関が協力しています。
当課においても,こうした自治体の更生支援の取組が一層活発に
なるよう,尽力していきます。
今回,元大阪刑務所長で,現在,かがやきホーム相談員をされて
いる岡西正克さんに,事業について伺いました。
<奈良県更生支援の推進に関する条例>
罪に問われた者等が必要とする更生支援に関し,
県の責務等を明らかにするとともにその施策等
を推進することにより,罪に問われた者等の円
滑な社会復帰の促進及び共生のまちづくりの推
進を図り,県民が安全で安心して暮らせる社会
の実現に寄与することを目的とする。
(第1条の要約)
〇経緯
県が財団を設立して,直接雇用,住居確保,職業訓練・社会教育を実施
平成28年12月 再犯の防止に関する法律施行
平成30年12月 第1回奈良県更生支援のあり方検討会
(〜令和2年12月まで5回実施)
令和 2年 4月 奈良県更生支援の推進に関する条例施行 1奈良県が出所者の就労と住居を確保!!
KOUSEI SHIEN KIKAKUKA DAYORI
WORKERS
VOICE
岡 西 正 克 さん
相談員
Q かがやきホームの相談員となるきっかけは
なんだったのですか?
Q どんなお仕事をされていますか?
Q このお仕事のやりがいは?
第5回奈良県更生支援のあり方検討会での一場面
✨✨ 昭和53年,
京都刑務所にて刑務官を
拝命。平成26年3月ま
で勤務。現在,かがやき
ホームの相談員として出
所者(ホームでの呼称は,
「研修員」)のカウンセ
リングや就労研修先との
調整等のコーディネート
業務に当たっている。
✨✨
思いがけない今回のオファーがあり,矯正の経験が認めら
れたこと,奈良県内在住のご縁及び当該事業の立ち上げに
魅力を感じたことなど種々の出会いがあったからです。
次の業務に当たっていますが,事務局員は私を含めて
3人と小所帯なので,雑用を兼ねていますよ(笑)
1 勤務先のジョブコーチ
2 カウンセリングの実施
3 協力企業・職業訓練等の教育実施先の開拓
4 就労相談等
毎日研修員の自立更生に向ける真摯な姿勢(特
に表情の変化(笑顔))に刺激を受け,相談員と
して日々プレッシャー(毎朝「やる気」「元気」「根気」
「勇気」のスイッチON)を感じられていることですね。 1奈良県が出所者の就労と住居を確保!!
KOUSEI SHIEN KIKAKUKA DAYORI
Q お仕事において大切にしていることは何ですか?
Q 最後に今後の展望をお聞かせください
かがやきホームの理念が,全国に波及し,
再犯防止・更生支援の機運が一層高まることを
期待します!
伴走者の如く寄り添いを基本にして,最終的には研修員が自発的に決断・
実行(自立)していくことが重要と考えています。
モットーは「あせらず」「あきらめず」「くさらず」です。
林業の就労研修(林業の技術や資格の取得には3年程度必要)は毎年
度2名ずつ雇用の予定ですが,将来的には農業研修にも拡充できればと考えて
います。

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