不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース第4回資料1自治体ヒアリング結果要旨
戸籍部門とひとり親支援部門の連携など自治体における支援の強化について,
前回会議から引き続き,さらに2つの自治体の戸籍窓口担当者とひとり親支援
窓口担当者等からヒアリングを行った。
ヒアリングの結果,得られた知見の要旨は以下のとおりである。
<<離婚届用紙の配布のタイミングを活用した支援について>>
(自治体C)
しろまる 離婚届用紙と一緒に,
養育費や面会交流の重要性等について解説した市作
成のパンフレットやその他の各種資料を配付するという取組を行っている。
しろまる 法務省のパンフレットは,
率直にいえば内容がやや難しいものの,
その活
用を考えるべきで,
自治体の戸籍部門における配布の徹底や,
ひとり親支援
部門でも活用してもらうように周知等をすべきではないか。
(自治体D)
しろまる 離婚届用紙を取りに来る人には,
法務省の養育費・面会交流パンフレット
や市の各種無料相談の資料等を渡している。
また,
離婚届が提出された際に
養育費等の取決め欄にチェックがない場合でD市に住所のある方には,
無料
法律相談の案内チラシを渡し,
相談があれば,
市民生活相談課につないで対
応している。
<<戸籍部門とひとり親支援部門の連携について>>
(自治体C)
しろまる 離婚届の養育費の取決めに関するチェック欄の確認を戸籍係の確認事項
に含めており,空欄の場合は,チェックを入れるようお願いし,また,市民
からの相談に応じて,ひとり親の支援窓口につなぐ体制を整えている。
(自治体D)
しろまる 市民が窓口に届出を提出した後,
各部署の職員が,
必要な情報を直ちに共
有し,市民にとって必要な手続等の情報提供を市民の待機ブースに出向い
て行うことで,ワンストップで制度活用の漏れがないような仕組みを採用
している。
例えば,
小学校に通う子を持つ親が離婚届を市民課窓口に提出すると,職員が作成した連絡票が各部署に順に回付され,
学校教育課や保険年金課,子育て家庭支援課といった関係部署の担当者が,市民の待機ブースに出向い
て制度や手続の教示を行う。
その過程で,
養育費についての相談が市民から
不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース第4回資料2されることもあり,その場合はすぐに市民生活相談課につないで法律相談
を紹介する。養育費は,児童扶養手当に影響するので,信頼関係を築けない
となかなか相談してくれない。上記の一連の流れの中で信頼関係を醸成し
ていく。
<<別居時点などより早期の段階での把握について>>
(自治体C)
しろまる 自治体が市民にコンタクトできるタイミングについて,妊娠届を提出す
る段階,
婚姻届を提出する段階等が考えられる。
これらの段階で養育費に特
化した支援を行うことは難しいが,情報提供を行うことなどが考えられる。
また,養育費に関する相談は,離婚後が多いという印象である。
しろまる 別居するために転居届を提出する段階については,別居の理由が各家庭
で様々であり,
個別事情に踏み込みづらいことからして,
養育費に関する支
援を行うことはかなり難しい。
(自治体D)
しろまる 離婚届提出時点よりも事前事後に相談にくることが多い。
離婚する前にど
ういう制度があるのかなどを相談にきて,
この段階で養育費や児童扶養手当
の相談につなげることが増えている。
しろまる 転居届提出の段階については,
例えば,
母子家庭の人が市に転入してきた
ときは,
上記のとおり必要な情報が各部署間で共有されるので,
児童扶養手
当等のひとり親支援に関する教示を行うこととなる。
その過程で養育費につ
いて相談を受けることはある。
<<その他の取組について>>
(自治体C)
しろまる 児童扶養手当の現況届を提出してもらう際に,
図書カードを配布してアン
ケートを実施したことがある。
しろまる 一定期間,一定額の不払い養育費を市が立て替えるという養育費緊急支
援事業は,コロナ禍をきっかけに導入した事業だが,その導入に当たり,そ
の法的構成や財源,市民の理解が得られるかという点を特に検討した。
(自治体D)
しろまる 生活困窮者等を対象に就労支援と生活支援を一体的に実施するための施
設を市役所内に設置し,
就職相談を実施しているほか,
住居確保給付金や生
活資金等の支援制度を紹介するなどしている。
このような取組の中で,
何度
も相談に応じているうちに養育費の相談を受けたりすることもあり,ひと
り親の支援につなげている。

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