6検察庁法改正案策定経緯文書


検察庁法改正案策定経緯文書
令和2年7月22日 法務省刑事局
第1 本法律案のうち検察庁法改正部分の概要
国家公務員法等の一部を改正する法律案(以下「本法律案」という。)(注)は,平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ,高齢期の職員
の知識,技術,経験等を最大限活用するため,一般職の国家公務員の定
年年齢を65歳まで段階的に引き上げることを内容とするところ,同じ
く一般職の国家公務員である検察官についても,これに合わせて定年年
齢を65歳まで段階的に引き上げるものである。
その他,本法律案のうち国家公務員法改正部分において,組織の新陳
代謝を確保するとの趣旨から,管理監督職を占める職員について,一定
年齢に達した後,管理監督職ではない官職等へ異動させる,管理監督職
勤務上限年齢制が導入されることに合わせ,検察庁法においても,次長
検事・検事長・検事正・上席検察官を対象とした同制度の趣旨を踏まえ
た検察官独自の制度(以下「検察官役降り制度」という。
)を導入するこ
となどを内容とするものである。
(注)本法律案は,第201回国会(常会)において廃案となっている。
第2 本法律案のうち検察庁法改正部分策定の経緯
1 国家公務員の定年に関しては,平成30年8月,人事院から国会及び内
閣に対し,
「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の
改正についての意見の申出」がなされた。1:「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改
正についての意見の申出」と題する文書
2 同年11月中旬頃,国家公務員法を所管する内閣人事局から,
「国家公
務員の定年の引上げに係る国家公務員法等の改正の概要」について説明
がなされた上で,所管法律の改正の必要性及び改正する場合の方向性に
ついて検討を依頼され,これを受けて,同月中旬以降,所管法律である
検察庁法の改正の必要性等の検討を開始した。
そして,本法律案のうち検察庁法改正部分等について内閣法制局の審
査を受け,令和元年10月末頃には,内閣法制局第二部長の審査を終了
した。
なお,2の文書は,内閣人事局から「国家公務員の定年の引上げに係
る国家公務員法等の改正の概要」について説明がなされた際に交付を受
けたものである。
3,6,9,11及び12の文書は,内閣人事局から共有された,本法律
案についての内閣法制局審査に用いられた文書である。
4,5,7,8及び10の文書は,本法律案のうち検察庁法改正部分等
についての内閣法制局審査に用いられたものである。2:「国家公務員の定年の引上げに係る国家公務員法等の改正の概
要」と題する文書
3:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
平成30年12月19日)
4:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:令
和元年5月7日)
5:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月10日)
6:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同年7月23日)
7:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
年8月20日)
8:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月22日)
9:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同年10月9日)
10:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月31日)
11:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同年11月29日)
12:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同年12月20日)
3 本法律案は第200回国会(臨時会)には提出されなかったところ,同
年12月頃から,現行の国家公務員法と検察庁法との関係を改めて検討
し,その結果,検察官の勤務延長については,一般法である国家公務員
法の規定が適用されると解釈でき,従前の解釈を変更するのが至当との
結論に至った。
この検討の過程において,令和2年1月16日,同日時点の担当者の
検討結果を取りまとめて作成した書面が,
「検察官の勤務延長について
(200116 メモ)
」と題する文書である。
そして,同文書について法務事務次官まで示した上で,その内容につ
いて当省内で更に検討し,その結果を取りまとめたものが,
「勤務延長制
度(国公法第81条の3)の検察官への適用について」と題する文書(以
下「協議文書」という。
)であり,これについても法務事務次官まで示し
て,その内容について了解を得た。13:「検察官の勤務延長について(200116 メモ)
」と題する文書14:「勤務延長制度(国公法第81条の3)の検察官への適用につい
て」と題する文書
4 そこで,協議文書をもって,同月17日から同月24日にかけて,内閣
法制局等の関係省庁と協議を行い,同日までに,異論はない旨の回答を
得て,最終的な結論を得た。
具体的には,同月17日から同月21日までの間,協議文書の内容に
ついて内閣法制局の審査を受け,意見がない旨の回答を口頭で受けた。
なお,同協議に関しては,内閣法制局において「応接録」と題する文書
が作成され,同文書には,相談年月日として「令和2年1月17日〜令
和2年1月21日」と記載されている。
人事院との間では,同月22日,協議文書の内容について検討を依頼
して協議を行い,同月24日,協議文書の勤務延長に関する部分につい
て異論はない旨が記載された「勤務延長に関する規定(国公法第 81 条の
3)の検察官への適用について」と題する文書の交付を受けた。
内閣人事局との間では,同月23日,協議文書の内容について検討を
依頼して協議を行い,同日,意見がない旨の回答を口頭で受けた。15:「応接録」と題する文書の写し16:「勤務延長に関する規定(国公法第 81 条の3)の検察官への適
用について」と題する文書
5 その後,この解釈を踏まえ,本法律案のうち検察庁法改正部分等につい
て必要な変更を加える作業を行った。
具体的には,現行の国家公務員法の勤務延長制度を検察官に適用する
に当たり,読替規定は必要ではなかったが,本法律案は,国家公務員法
上の勤務延長の規定(改正後の国家公務員法第81条の7)について,
検察官には観念できない管理監督職を前提とした同条第1項ただし書の
規定を加える内容を含むものであったため,検察官については,検察庁
法に読替規定がなければ,同ただし書の規定を適用することが困難にな
ったことから,所要の規定を整備することとした。
また,特定の職員の定年による退職により,公務の運営に著しい支障
が生ずる場合があるのであれば,検察官役降り制度についても,同様に,
役降りにより公務の運営に著しい支障が生ずる場合があると考えられた
こと等から,同制度についての特例を設けることとした。
6 同月24日以降,検察官に国家公務員法上の勤務延長制度が適用される
との解釈を前提とした本法律案のうち検察庁法改正部分の条文の規定ぶ
り等について内閣法制局の審査を受け,同年2月17日,同部分につい
て,内閣法制局第二部長の審査が終了した。
そして,同月28日,同部分を含む本法律案について内閣法制局審査
が終了した。
なお,17,18,20及び21の文書は,本法律案のうち検察庁法改正部分
等についての内閣法制局審査に用いられたものである。
19の文書は,内閣人事局から共有された,同局による本法律案につい
ての内閣法制局審査に用いられた文書である。
22の文書は,内閣人事局から共有された,本法律案についての内閣法
制局審査が終了した文書である。
17:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:令
和2年2月6日)
18:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月7日)
19:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同月14日)
20:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月17日)
21:内閣法制局審査に用いられた文書(内閣法制局への提出日:同
月27日)
22:内閣人事局から共有を受けた文書(内閣人事局からの共有日:
同月28日)
7 こうして本法律案について内閣法制局の審査を終えたことから,同年3
月2日から同月5日にかけて,本法律案の閣議請議を行うことについて
所要の決裁を得た。
その上で,同月11日,本法律案について閣議請議を行い(内閣総理
大臣,法務大臣,財務大臣及び防衛大臣の共同請議)
,同月13日,本法
律案について閣議決定され,成案を得るに至った。
23:電子決裁文書
24:国家公務員法等の一部を改正する法律案関係資料

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