鵜瀞委員発言補助資料


法務・検察行政刷新会議 具体的検討事項に関する意見(鵜瀞惠子)
2020年8月6日
1 制約条件について
具体的検討事項を協議するに当たり、制約条件を確認しておきたいと思います。
例えば、検討期間としてどれくらい使えるのか、検討手法として、新規にヒアリング、アンケート等
による情報収集等を行えるのか、そのための予算や人的リソースは利用可能なのか、現時点で想
定されていることがあるのでしょうか。それとも、この会議で必要とされれば、調整いただけるのでし
ょうか。
何か提言を行うためには、根拠が必要であり、今後事務局でご準備いただけるもの以外に資料
収集手段があるのか、そのようなことをする時間があるのかにより、検討事項の範囲・深度が違って
くると思います。
2 問題の所在について
検討事項として、大きく3項目が提示されています。本日、それぞれの項目において、個別の論点
を絞り込むことが予定されているのかもしれませんが、私は、いずれの項目も、国民あるいは社会が、
法務省・検察庁のやっていることに納得できない(ところがある)という問題であると考えます。細か
く分けていかずに、法務・検察行政のどこが国民・社会の期待値とずれているのか、国民・社会の納
得を得るにはどうしたらいいか、という問題設定で議論を進めることを提案します。仮に、ある程度
項目を分けて議論する場合であっても、共通するものとして、国民・社会との認識ギャップやコミュニ
ケーション不全の問題を念頭に置く必要があると思います。
そのためには、国民が期待する検察官像とは何か、というように、国民の要望を把握する手段が
あった方がいいですが、先般の国会での質疑を分析して、ずれを解明するというような方法でも検
討の材料は集められると思います。また、これまで、法務・検察行政について、対外的にどのような広
報活動をされてきたのか、その際、どのような質問・要望を寄せられているか、それにどのように応え
てきているか、というようなことも素材にできると思います。
3 結論の方向性について
先走るようですが、私は、上記の問題設定の下で、今後、法務省・検察庁が国民・社会とのコミュ
ニケーションを改善していくことが、この会議の提言の一つになり得ると考えています。コミュニケー
ションとは双方向のものであって、「よく説明すればわかるはず」とか「要望はすべて実現すべき」と
いうものではありません。
提言の実行に関しては、法務省・検察庁において、具体的方法を検討していただければよろしい
かと思います。中には、国民との対話の回数を増やすなど、すぐできるものもあるでしょうし、刑事手
続の見直しのように、現状把握や国際比較など広範な情報収集をして緻密な議論を経ないと、結
論を出すのが難しい分野もあると思います。

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