弁護士職務基本規程


- 1 -弁護士職務基本規程(平成十六年十一月十日会規第七十号)平成二六年一二月五日改正目次第一章基本倫理(第一条―第八条)第二章一般規律(第九条―第十九条)第三章依頼者との関係における規律第一節通則(第二十条―第二十六条)第二節職務を行い得ない事件の規律(第二十七条・第二十八条)第三節事件の受任時における規律(第二十九条―第三十四条)第四節事件の処理における規律(第三十五条―第四十三条)第五節事件の終了時における規律(第四十四条・第四十五条)第四章刑事弁護における規律(第四十六条―第四十九条)第五章組織内弁護士における規律(第五十条・第五十- 2 -一条)第六章事件の相手方との関係における規律(第五十二条―第五十四条)第七章共同事務所における規律(第五十五条―第六十条)第八章弁護士法人等における規律(第六十一条―第六十九条)第九章他の弁護士等との関係における規律(第七十条―第七十三条)第十章裁判の関係における規律(第七十四条―第七十七条)第十一章弁護士会との関係における規律(第七十八条・第七十九条)第十二章官公署との関係における規律(第八十条・第八十一条)第十三章解釈適用指針(第八十二条)附則弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。その使命達成のために、弁護士には職務の自由と独立が - 3 -要請され、高度の自治が保障されている。弁護士は、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。よって、ここに弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、弁護士職務基本規程を制定する。第一章基本倫理(使命の自覚)第一条弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。(自由と独立)第二条弁護士は、職務の自由と独立を重んじる。(弁護士自治)第三条弁護士は、弁護士自治の意義を自覚し、その維持発展に努める。(司法独立の擁護)第四条弁護士は、司法の独立を擁護し、司法制度の健全な発展に寄与するように努める。(信義誠実)- 4 -第五条弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする。(名誉と信用)第六条弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める。(研鑽)第七条弁護士は、教養を深め、法令及び法律事務に精通するため、研鑽に努める。(公益活動の実践)第八条弁護士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努める。第二章一般規律(広告及び宣伝)第九条弁護士は、広告又は宣伝をするときは、虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならない。2弁護士は、品位を損なう広告又は宣伝をしてはならない。(依頼の勧誘等)第十条弁護士は、不当な目的のため、又は品位を損なう
- 5 -方法により、事件の依頼を勧誘し、又は事件を誘発してはならない。(非弁護士との提携)第十一条弁護士は、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。(報酬分配の制限)第十二条弁護士は、その職務に関する報酬を弁護士又は弁護士法人でない者との間で分配してはならない。ただし、法令又は本会若しくは所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。(依頼者紹介の対価)第十三条弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。2弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。(違法行為の助長)- 6 -第十四条弁護士は、詐欺的取引、暴力その他の違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。(品位を損なう事業への参加)第十五条弁護士は、公序良俗に反する事業その他の品位を損なう事業を営み、若しくはこれに加わり、又はこれらの事業に自己の名義を利用させてはならない。(営利業務従事における品位保持)第十六条弁護士は、自ら営利を目的とする業務を営むとき、又は営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員若しくは使用人となったときは、営利を求めることにとらわれて、品位を損なう行為をしてはならない。(係争目的物の譲受け)第十七条弁護士は、係争の目的物を譲り受けてはならない。(事件記録の保管等)第十八条弁護士は、事件記録を保管し、又は廃棄するに際しては、秘密及びプライバシーに関する情報が漏れないように注意しなければならない。(事務職員等の指導監督)
- 7 -第十九条弁護士は、事務職員、司法修習生その他の自らの職務に関与させた者が、その者の業務に関し違法若しくは不当な行為に及び、又はその法律事務所の業務に関して知り得た秘密を漏らし、若しくは利用することのないように指導及び監督をしなければならない。第三章依頼者との関係における規律第一節通則(依頼者との関係における自由と独立)第二十条弁護士は、事件の受任及び処理に当たり、自由かつ独立の立場を保持するように努める。(正当な利益の実現)第二十一条弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。(依頼者の意思の尊重)第二十二条弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うものとする。2弁護士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼- 8 -者の意思の確認に努める。(秘密の保持)第二十三条弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。(弁護士報酬)第二十四条弁護士は、経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして、適正かつ妥当な弁護士報酬を提示しなければならない。(依頼者との金銭貸借等)第二十五条弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。(依頼者との紛議)第二十六条弁護士は、依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め、紛議が生じたときは、所属弁護士会の紛議調停で解決するように努める。第二節職務を行い得ない事件の規律
- 9 -(職務を行い得ない事件)第二十七条弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。一相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件二相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの三受任している事件の相手方からの依頼による他の事件四公務員として職務上取り扱った事件五仲裁、調停、和解斡旋その他の裁判外紛争解決手続機関の手続実施者として取り扱った事件(同前)第二十八条弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依- 10 -頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。一相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件二受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件三依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件四依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件第三節事件の受任時における規律(受任の際の説明等)第二十九条弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなければならない。2弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。3弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任してはならない。(委任契約書の作成) - 11 -第三十条弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由がやんだ後、これを作成する。、、、2前項の規定にかかわらず受任する事件が法律相談簡易な書面の作成又は顧問契約その他継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しない。(不当な事件の受任)第三十一条弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。(不利益事項の説明)第三十二条弁護士は、同一の事件について複数の依頼者があってその相互間に利害の対立が生じるおそれがあるときは、事件を受任するに当たり、依頼者それぞれに対し、辞任の可能性その他の不利益を及ぼすおそれのあることを説明しなければならない。(法律扶助制度等の説明)第三十三条弁護士は、依頼者に対し、事案に応じ、法律扶助制度、訴訟救助制度その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、裁判を受ける権利が保障さ- 12 -れるように努める。(受任の諾否の通知)第三十四条弁護士は、事件の依頼があったときは、速やかに、その諾否を依頼者に通知しなければならない。第四節事件の処理における規律(事件の処理)第三十五条弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。(事件処理の報告及び協議)第三十六条弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。(法令等の調査)第三十七条弁護士は、事件の処理に当たり、必要な法令の調査を怠ってはならない。2弁護士は、事件の処理に当たり、必要かつ可能な事実関係の調査を行うように努める。(預り金の保管)
- 13 -第三十八条弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から金員を預かったときは、自己の金員と区別し、預り金であることを明確にする方法で保管し、その状況を記録しなければならない。(預り品の保管)第三十九条弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から書類その他の物品を預かったときは、善良な管理者の注意をもって保管しなければならない。(他の弁護士の参加)第四十条弁護士は、受任している事件について、依頼者が他の弁護士又は弁護士法人に依頼をしようとするときは、正当な理由なく、これを妨げてはならない。(受任弁護士間の意見不一致)第四十一条弁護士は、同一の事件を受任している他の弁護士又は弁護士法人との間に事件の処理について意見が一致せず、これにより、依頼者に不利益を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対し、その事情を説明しなければならない。(受任後の利害対立)第四十二条弁護士は、複数の依頼者があって、その相互間に利害の対立が生じるおそれのある事件を受任した
- 14 -後、依頼者相互間に現実に利害の対立が生じたときは、依頼者それぞれに対し、速やかに、その事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。(信頼関係の喪失)第四十三条弁護士は、受任した事件について、依頼者との間に信頼関係が失われ、かつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。第五節事件の終了時における規律(処理結果の説明)第四十四条弁護士は、委任の終了に当たり、事件処理の、、状況又はその結果に関し必要に応じ法的助言を付して依頼者に説明しなければならない。(預り金等の返還)第四十五条弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算した上、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。 - 15 -第四章刑事弁護における規律(刑事弁護の心構え)第四十六条弁護士は、被疑者及び被告人の防御権が保障されていることに鑑み、その権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努める。(接見の確保と身体拘束からの解放)第四十七条弁護士は、身体の拘束を受けている被疑者及び被告人について、必要な接見の機会の確保及び身体拘束からの解放に努める。(防御権の説明等)第四十八条弁護士は、被疑者及び被告人に対し、黙秘権その他の防御権について適切な説明及び助言を行い、防御権及び弁護権に対する違法又は不当な制限に対し、必要な対抗措置を採るように努める。(国選弁護における対価受領等)第四十九条弁護士は、国選弁護人に選任された事件について、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない。2弁護士は、前項の事件について、被告人その他の関係者に対し、その事件の私選弁護人に選任するように働き
- 16 -かけてはならない。ただし、本会又は所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合は、この限りでない。第五章組織内弁護士における規律(自由と独立)第五十条官公署又は公私の団体(弁護士法人及び外国法事務弁護士法人を除く。以下これらを合わせて「組織」という)において職員若しくは使用人となり、又は取。締役、理事その他の役員となっている弁護士(以下「組織内弁護士」という)は、弁護士の使命及び弁護士の。本質である自由と独立を自覚し、良心に従って職務を行うように努める。(違法行為に対する措置)第五十一条組織内弁護士は、その担当する職務に関し、その組織に属する者が業務上法令に違反する行為を行、、、い又は行おうとしていることを知ったときはその者自らが所属する部署の長又はその組織の長、取締役会若しくは理事会その他の上級機関に対する説明又は勧告その他のその組織内における適切な措置を採らなければならない。
- 17 -第六章事件の相手方との関係における規律(相手方本人との直接交渉)第五十二条弁護士は、相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは、正当な理由なく、その代理人の承諾を得ないで直接相手方と交渉してはならない。(相手方からの利益の供与)第五十三条弁護士は、受任している事件に関し、相手方、、から利益の供与若しくは供応を受け又はこれを要求し若しくは約束をしてはならない。(相手方に対する利益の供与)第五十四条弁護士は、受任している事件に関し、相手方に対し、利益の供与若しくは供応をし、又は申込みをしてはならない。第七章共同事務所における規律(遵守のための措置)第五十五条複数の弁護士が法律事務所(弁護士法人の法律事務所である場合を除く)を共にする場合(以下こ。
- 18 -の法律事務所を「共同事務所」という)において、そ。の共同事務所に所属する弁護士(以下「所属弁護士」という)を監督する権限のある弁護士は、所属弁護士が。この規程を遵守するための必要な措置を採るように努める。(秘密の保持)第五十六条所属弁護士は、他の所属弁護士の依頼者について執務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らし、又は利用してはならない。その共同事務所の所属弁護士でなくなった後も、同様とする。(職務を行い得ない事件)第五十七条所属弁護士は、他の所属弁護士(所属弁護士であった場合を含む)が、第二十七条又は第二十八条。の規定により職務を行い得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。(同前―受任後)第五十八条所属弁護士は、事件を受任した後に前条に該当する事由があることを知ったときは、速やかに、依頼者にその事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。
- 19 -(事件情報の記録等)第五十九条所属弁護士は、職務を行い得ない事件の受任を防止するため、他の所属弁護士と共同して、取扱い事件の依頼者、相手方及び事件名の記録その他の措置を採るように努める。(準用)第六十条この章の規定は、弁護士が外国法事務弁護士と事務所を共にする場合について準用する。この場合において、第五十五条中「複数の弁護士が」とあるのは「弁護士及び外国法事務弁護士が」と「以下この法律事、(務所を「共同事務所」という」とあるのは「以下こ。)(の事務所を「共同事務所」といい、外国法事務弁護士と事務所を共にする弁護士を「所属弁護士」という」。)、「(「」と共同事務所に所属する弁護士以下所属弁護士という」とあるのは「共同事務所に所属する外国法。)事務弁護士(以下「所属外国法事務弁護士」という」。)と「所属弁護士が」とあるのは「所属外国法事務弁護、士がと第五十六条第五十七条及び前条の規定中他」、、「」「」、の所属弁護士とあるのは所属外国法事務弁護士と第五十七条中「所属弁護士であった」とあるのは「所属外国法事務弁護士であった」と「第二十七条又は第二、- 20 -十八条とあるのは外国法事務弁護士職務基本規程会」「(規第百号)第二十七条又は第二十八条」と、それぞれ読み替えるものとする。第八章弁護士法人等における規律(遵守のための措置)第六十一条弁護士法人の社員である弁護士は、その弁護士法人の社員又は使用人である弁護士(以下「社員等」という)がこの規程を、使用人である外国法事務弁護士。が外国法事務弁護士職務基本規程を遵守するための必要な措置を採るように努める。(秘密の保持)第六十二条社員等は、その弁護士法人、他の社員等又は使用人である外国法事務弁護士の依頼者について執務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らし、又は利用してはならない。社員等でなくなった後も、同様とする。(職務を行い得ない事件)(、第六十三条社員等第一号及び第二号の場合においては社員等であった者を含む)は、次に掲げる事件につい。ては、職務を行ってはならない。ただし、第四号に掲げ - 21 -る事件については、その弁護士法人が受任している事件の依頼者の同意がある場合は、この限りでない。一社員等であった期間内に、その弁護士法人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であって、自らこれに関与したもの二社員等であった期間内に、その弁護士法人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであって、自らこれに関与したもの三その弁護士法人が相手方から受任している事件四その弁護士法人が受任している事件(当該社員等が自ら関与しているものに限る)の相手方からの依頼。による他の事件(他の社員等との関係で職務を行い得ない事件)第六十四条社員等は、他の社員等が第二十七条、第二十八条又は前条第一号若しくは第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。2社員等は、使用人である外国法事務弁護士が外国法事務弁護士職務基本規程第二十七条、第二十八条又は第五
- 22 -十九条第一号若しくは第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。(業務を行い得ない事件)第六十五条弁護士法人は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。ただし、第三号に規定する事件については受任している事件の依頼者の同意がある場合及び第五号に規定する事件についてはその職務を行い得ない社員がその弁護士法人の社員の総数の半数未満であり、かつ、その弁護士法人に業務の公正を保ち得る事由がある場合は、この限りでない。一相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件二相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの三受任している事件の相手方からの依頼による他の事件四社員等又は使用人である外国法事務弁護士が相手方から受任している事件
- 23 -五社員が第二十七条、第二十八条又は第六十三条第一号若しくは第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件(同前)第六十六条弁護士法人は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。ただし、第一号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合は、この限りでない。一受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件二依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件三依頼者の利益とその弁護士法人の経済的利益が相反する事件(同前―受任後)第六十七条社員等は、事件を受任した後に第六十三条第三号の規定に該当する事由があることを知ったときは、速やかに、依頼者にその事情を告げ、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。- 24 -2弁護士法人は、事件を受任した後に第六十五条第四号又は第五号の規定に該当する事由があることを知ったときは、速やかに、依頼者にその事情を告げ、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。(事件情報の記録等)第六十八条弁護士法人は、その業務が制限されている事件を受任すること及びその社員等若しくは使用人である外国法事務弁護士が職務を行い得ない事件を受任することを防止するため、その弁護士法人、社員等及び使用人である外国法事務弁護士の取扱い事件の依頼者、相手方及び事件名の記録その他の措置を採るように努める。()外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士への準用第六十八条の二第六十二条から第六十四条まで及び第六十七条第一項の規定は、外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。第六十二社員等は外国法事務弁護士法人の使用条人である弁護士は - 25 -その弁護士法人その外国法事務弁護士法人他の社員等その外国法事務弁護士法人の社員若しくは使用人である外国法事務弁護士(以下「外国法事務弁護士法人の社員等」という)。使用人である外使用人である他の弁護士国法事務弁護士社員等でなくな外国法事務弁護士法人の使用った後人である弁護士でなくなった後第六十三社員等外国法事務弁護士法人の使用条人である弁護士その弁護士法人その外国法事務弁護士法人第六十四社員等は外国法事務弁護士法人の使用- 26 -条第一項人である弁護士は他の社員等その外国法事務弁護士法人の社員等第二十七条、第外国法事務弁護士職務基本規二十八条又は前程第二十七条、第二十八条又条第一号若しくは第五十九条第一号若しくはは第二号第二号第六十四社員等は外国法事務弁護士法人の使用条第二項人である弁護士は使用人である外使用人である他の弁護士国法事務弁護士外国法事務弁護第二十七条、第二十八条又は士職務基本規程前条第一号若しくは第二号第二十七条、第二十八条又は第五十九条第一号
- 27 -若しくは第二号第六十七社員等は外国法事務弁護士法人の使用条第一項人である弁護士は第六十三条第三第六十八条の二において準用号する第六十三条第三号(準用)(、、第六十九条第一章から第三章まで第十六条第十九条第二十三条及び第三章第二節を除く、第六章及び第。)九章から第十二章までの規定は、弁護士法人について準用する。第九章他の弁護士等との関係における規律(名誉の尊重)第七十条弁護士は、他の弁護士、弁護士法人、外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人(以下「他の弁護士等」という)との関係において、相互に名誉と信義を。重んじる。- 28 -(他の弁護士等に対する不利益行為)第七十一条弁護士は、信義に反して他の弁護士等を不利益に陥れてはならない。(他の事件への不当介入)第七十二条弁護士は、他の弁護士等が受任している事件に不当に介入してはならない。(他の弁護士等との間の紛議)第七十三条弁護士は、他の弁護士等との間の紛議については、協議又は弁護士会の紛議調停による円満な解決に努める。第十章裁判の関係における規律(裁判の公正と適正手続)第七十四条弁護士は、裁判の公正及び適正手続の実現に努める。(偽証のそそのかし)第七十五条弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。(裁判手続の遅延) - 29 -第七十六条弁護士は、怠慢により、又は不当な目的のため、裁判手続を遅延させてはならない。(裁判官等との私的関係の不当利用)、、、第七十七条弁護士はその職務を行うに当たり裁判官検察官その他裁判手続に関わる公職にある者との縁故その他の私的関係があることを不当に利用してはならない。第十一章弁護士会との関係における規律(弁護士法等の遵守)第七十八条弁護士は、弁護士法並びに本会及び所属弁護士会の会則を遵守しなければならない。(委嘱事項の不当拒絶)第七十九条弁護士は、正当な理由なく、会則の定めるところにより、本会、所属弁護士会及び所属弁護士会が弁護士法第四十四条の規定により設けた弁護士会連合会から委嘱された事項を行うことを拒絶してはならない。第十二章官公署との関係における規律- 30 -(委嘱事項の不当拒絶)第八十条弁護士は、正当な理由なく、法令により官公署から委嘱された事項を行うことを拒絶してはならない。(受託の制限)第八十一条弁護士は、法令により官公署から委嘱された事項について、職務の公正を保ち得ない事由があるときは、その委嘱を受けてはならない。第十三章解釈適用指針(解釈適用指針)第八十二条この規程は、弁護士の職務の多様性と個別性に鑑み、その自由と独立を不当に侵すことのないよう、実質的に解釈し適用しなければならない。第五条の解釈適用に当たって、刑事弁護においては、被疑者及び被告人の防御権並びに弁護人の弁護権を侵害することのないように留意しなければならない。2第一章並びに第二十条から第二十二条まで、第二十六条、第三十三条、第三十七条第二項、第四十六条から第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第五十九条、第六十一条、第六十八条、第七十条、第七十三条及び第七
- 31 -十四条の規定は、弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めたものとして解釈し適用しなければならない。附則この規程は、平成十七年四月一日から施行する。附則(平成二六年一二月五日会規第一〇二号外国法事務弁護士法人制度創設に係る外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部改正に伴う会規(外国特別会員関係を除く)の整備に関する規程。目次、第一一条、第一四条、第一五条、第一八条、第三〇条、第四二条、第四三条、、、、、第四五条第四六条第四八条第五〇条、、、、第五一条第五五条第五八条第五九条第六〇条、第八章の章名、第六一条、第六、、、、四条第六七条第六八条第六八条の二第六九条、第九章の章名、第七〇条、第七、、、)一条第七三条第七六条第八二条改正抄第一条この規程は、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第二十九号)の施行の日から施行する。
- 32 -(平成二七年政令第四一四号で平成二八年三月一日から施行)

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