委員会の提出意見及び刑事施設の長が講じた措置等の概要について
委員会から提出された意見の総数は469件であり,それを受けて刑事施設の長が講じた
措置などの概要は次のとおりである。
平成30年度は「保健衛生及び医療に関する意見」,
「組織・職員に関する意見」及び「物
品の貸与等及び自弁に関する意見」について特に意見が多かったことから,意見と講じた措
置の例を掲載している。
【各項目に係る意見の件数の5年間の推移】
【意見と講じた措置の例】
○しろまる(意見)今後も適切な熱中症対策を継続されたい。
(措置)平成30年度は,アイスノンの貸与,スポットクーラーの設置,扇風機の使用,居
室衣上衣の脱衣,拭身,スポーツドリンクの給与,冷茶の給与等を行ったところ,今
後においても熱中症対策を講じていきたい。
○しろまる(意見)職員に対する受刑者の人権に配慮した啓蒙教育を更に充実させることを求める。
(措置)アンガーマネージメントやコーチングなど被収容者の人権に配慮した啓蒙教育を実
施しており,今後も継続していく。
○しろまる(意見)平成30年度も,受刑者へのアンケートを実施し,アンケート結果を確認した献立
を検討されている点は評価する。今後も可能な限り工夫に努められたい。
(措置)平成30年6月19日から21日までの3日間,全受刑者にアンケートを実施し,
献立の参考にした。また,他施設の献立を参考として,献立表の改善を行った。
別紙
【各項目に係る意見の件数等】
1 組織・職員に関する意見 74件
職員の勤務姿勢,職員に対する教育研修の充実,
職員の待遇,
執務環境に関する意見が多
く見られた。
※(注記) 意見の主な内容
1 職員の勤務姿勢に関するもの 20件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 20件
2 職員の教育研修に関するもの 18件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 18件
3 職員の待遇,執務環境に関するもの 18件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 16件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 2件
2 施設の建物・設備に関する意見 51件
建物の修繕,設備の設置などに関する意見が多く見られた。
※(注記) 意見の主な内容
施設の設備に関するもの 44件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 21件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 18件
さらに協議・検討が必要なもの 5件
103 件 113 件 104 件 74 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
109 件
3 刑事施設視察委員会に関する意見 54件
被収容者が委員会宛てに書面を提出する際の手続,被収容者への委員会活動の周知など
に関する意見が多く見られた。
※(注記) 意見の主な内容
1 被害者との面接,被収容者との書面に関するもの 21件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 14件
さらに協議・検討が必要なもの 7件
2 委員会に対する情報の提供 20件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 18件
さらに協議・検討が必要なもの 2件
4 物品の貸与等及び自弁に関する意見 67件
被収容者に給与する食事,被収容者が所内で使用できる物品などに関する意見が多く見
られた。
※(注記) 意見の主な内容
1 物品の貸与・支給に関するもの 31件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 21件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 1件
さらに協議・検討が必要なもの 9件
2 自弁の物品の使用に関するもの 29件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 16件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 8件
さらに協議・検討が必要なもの 5件
51 件
38 件 31 件
46 件
35 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
41 件 35 件 54 件
48 件 38 件
5 保健衛生及び医療に関する意見 88件
被収容者の医療の充実,衛生面の改善などに関する意見が多く見られた。
※(注記) 意見の主な内容
1 診療に関するもの 23件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 21件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 1件
さらに協議・検討が必要なもの 1件
2 保健衛生及び医療全般に関するもの 16件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 10件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 2件
さらに協議・検討が必要なもの 4件
6 書籍等の閲覧に関する意見 11件
被収容者が時事の報道に接する機会の増大などに関する意見が見られた。
※(注記) 意見の主な内容
時事の報道に接する機会の付与 6件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 4件
さらに協議・検討が必要なもの 2件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
65 件 83 件 55 件 67 件
103 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
101 件 95 件 73 件 88 件
92 件
7 規律及び秩序の維持に関する意見 17件
被収容者の動作規制などに関する意見が見られた。
※(注記) 意見の主な内容
被収容者の動作規制全般に関するもの 17件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 10件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 1件
さらに協議・検討が必要なもの 6件
8 矯正処遇の実施等に関する意見 53件
被収容者の作業,優遇措置,改善指導に関する意見が多く見られた。
※(注記) 意見の主な内容
1 作業に関するもの 9件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 5件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 2件
さらに協議・検討が必要なもの 2件
2 優遇措置に関するもの 8件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 3件
施設限りで対応できず,本省に伝達したもの 3件
さらに協議・検討が必要なもの 2件
26 件 15 件 11 件
15 件 16 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
18 件 17 件 15 件 17 件
24 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
3 改善指導に関するもの 8件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 8件
9 外部交通に関する意見 18件
面会の機会などに関する意見が見られた。
※(注記) 意見の主な内容
面会に関するもの 11件
措置を講じた(又は講じる予定の)もの 4件
さらに協議・検討が必要なもの 7件
10 その他
性的少数者に対する配慮に関する意見,被収容者のテレビ視聴に関する意見などが見ら
れた。
(注)1 それぞれの意見に対して複数の措置を講じた場合については,
「措置を講じた(又
は講じる予定の)もの」,「施設限りで対応できず,本省に伝達したもの」又は「さ
らに協議・検討が必要なもの」のいずれかに計上した。
2 講じた措置の内訳については,平成31年4月末日までに,各刑事施設から法務
本省に報告された時点で集計したものであり,施設における以後の検討により変更
されることもある。
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
66 件 85 件 78 件 53 件
49 件
21 件 18 件 15 件 18 件
24 件
※(注記) 意見を受けて講じた措置などの内訳の5年間の推移
3 「施設限りで対応できず,本省に伝達したもの」については,法務本省において
予算要求の参考にするなどしている。
4 委員会の提出意見及び刑事施設の長が講じた措置などの内容は,別添資料「各刑
事施設視察委員会の意見に対する措置等報告一覧表」を参照。