平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験
(記述式問題)の出題の趣旨
本年度の司法書士試験筆記試験の記述式問題は,以下の事項に関する知識及
び能力を試すための出題です。
【第36問】
問1について
問題文に記載された事実関係及び別紙として示された資料から,
登記済証を紛失して
いる場合における登記の申請に係る事前通知の方法及びこれに代わる方法についての
理解を問い,その正確な記載を求めるもの
問2について
問題文に記載された事実関係及び別紙として示された資料から,
数次にわたり発生し
ている相続について,第一の相続を登記原因とする所有権の移転の登記,第二の相続を
登記原因とする共有持分の全部移転の登記を申請すべきことを読み取った上で,
登記を
申請する順序,
申請情報及び添付情報の内容並びに登録免許税額の計算方法についての
理解を問い,その正確な記載を求めるもの
さらに,
事前通知の手続を要する場合の抵当権の抹消の登記の申請情報及び添付情報
の内容についての理解を問い,その正確な記載を求めるもの
問3について
問題文に記載された事実関係及び別紙として示された資料から,
敷地権付き区分建物
についてされた所有権の移転の登記が,
敷地権である旨の登記をした土地に及ぼす効力に
ついての理解を問い,その正確な記載を求めるもの
問4について
問題文に記載された事実関係及び別紙として示された資料から,
根抵当権の変更の登
記及び所有権の移転の登記,
並びにその前提として必要となる根抵当権登記名義人の住
所の変更の登記を申請すべきことを読み取った上で,登記を申請する順序,登記原因に
ついての第三者の許可,同意又は承諾の要否を検討し,申請情報及び添付情報の内容並
びに登録免許税額の計算方法についての理解を問い,その正確な記載を求めるもの
【第37問】
問1について
株式の分割,発行可能株式総数の変更,吸収合併による変更並びに代表取締
役及び取締役の変更につき,提示された資料から読み取り,条件付で選任され
た役員の就任,法定数を欠く取締役会の決議に基づく代表取締役の選定の可否,
吸収合併の効力が生ずるために必要な手続,吸収合併に際して吸収合併消滅会
社の株主に交付する吸収合併存続会社の株式の数の算定等に留意しながら,登
記の申請書を正確に記載した上,当該申請書の添付書面を特定し,納付すべき
登録免許税の額を正確に計算することを求めるもの
問2について
相互保有株式の議決権の行使の制限及びいわゆる「株主リスト」に記載すべ
き株主の範囲についての正確な理解を問うもの
問3について
取締役,代表取締役,監査役及び会計監査人の変更,会計監査人設置会社の
定めの設定並びに監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款
の定めの廃止につき,提示された資料から読み取り,取締役が補助開始の審判
を受けた場合の効果,事業年度の変更に伴う役員の任期の短縮,会社法上の「大
会社」に該当する場合の効果等に留意しながら,登記の申請書を正確に記載し
た上,当該申請書の添付書面を特定し,納付すべき登録免許税の額を正確に計
算することを求めるもの
問4について
会社法上の「大会社」に該当する場合の効果として会計監査人の設置が義務
付けられることに加え,会計監査人設置会社は監査役の監査の範囲を会計に関
するものに限定する旨を定款で定めることはできないことについての正確な理
解を問うもの

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