法 務 省 民 総 第 1 9 0 号
令 和 元 年 6 月 2 4 日
法 務 局 長 殿
地方法務局長 殿
法 務 省 民 事 局 長
( 公 印 省 略 )
民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 の 施 行 に 伴 う 公 証 事 務 の 取 扱 い に つ
い て ( 通 達 )
民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ( 平 成 2 9 年 法 律 第 4 4 号 。 以 下 「 改 正
法 」 と い う 。
) は , 一 部 を 除 い て 令 和 2 年 4 月 1 日 か ら 施 行 さ れ ま す 。
ま た ,
改 正 法 に よ る 改 正 後 の 民 法
( 明 治 2 9 年 法 律 第 8 9 号 。
以 下
「 法 」
と い う 。
)第 4 6 5 条 の 6 第 1 項( 法 第 4 6 5 条 の 8 第 1 項 に お い て 準
用 す る 場 合 を 含 む 。
) の 公 正 証 書 ( 以 下 「 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 」 と い
う 。)の 作 成 は ,
令 和 2 年 3 月 1 日 か ら 嘱 託 す る こ と が で き ,
公 証 人 も ,
同 日 か ら 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 を す る こ と が で き る こ と と さ れ
て い ま す 。
こ れ に 伴 う , 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に 関 す る 公 証 事 務 の 取 扱
い を 別 添 の と お り 定 め ま し た の で , 事 務 処 理 上 遺 憾 の な い よ う , 貴 管
下 公 証 人 及 び 公 証 事 務 を 取 り 扱 う 法 務 事 務 官 に 周 知 方 お 取 り 計 ら い 願
い ま す 。
別 添
民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 の 施 行 に 伴 う 公 証 事 務 の 取 扱 い に つ い て
第 1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に 関 す る 改 正 の 趣 旨 及 び 概 要 ......... 1
第 2 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 が 作 成 さ れ て い な け れ ば 効 力 を 生 じ
な い 保 証 契 約 ........................................................................... 2
1 事 業 貸 金 等 債 務 を 主 債 務 と す る 保 証 契 約 等 ............................... 2
2 適 用 除 外 ............................................................................... 2
第 3 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 法 的 性 質 ............................................ 3
第 4 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 .................................................. 4
1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 要 否 に つ い て の 判 断 ............................ 4
2 保 証 意 思 の 確 認 ..................................................................... 4
3 保 証 予 定 者 に よ る 口 授 及 び そ の 筆 記 ......................................... 7
4 法 律 上 の 口 授 ・ 筆 記 事 項 以 外 の 事 項 に つ い て ...........................16
5 読 み 聞 か せ 等 及 び 署 名 ・ 押 印 .................................................17
6 手 続 の 明 確 化 及 び 証 拠 化 ........................................................18
7 そ の 他 の 留 意 事 項 .................................................................19
第 5 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 様 式 等 ..............................................20
1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 様 式 .................................................20
2 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 通 数 .................................................20
3 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 手 数 料 ........................................20
4 提 出 を 受 け た 書 面 等 の 保 存 ....................................................21 1民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 の 施 行 に 伴 う 公 証 事 務 の 取 扱 い に つ い て
第 1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に 関 す る 改 正 の 趣 旨 及 び 概 要
法 は , 事 業 の た め に 負 担 し た 金 銭 の 貸 渡 し 又 は 手 形 の 割 引 を 受 け
る こ と に よ っ て 負 担 す る 債 務 ( 以 下 「 事 業 貸 金 等 債 務 」 と い う 。 )
を 主 債 務 と す る 保 証 契 約 等 ( 後 記 第 2 , 1 参 照 ) に つ い て , 保 証 人
に な ろ う と す る 者 ( 以 下 「 保 証 予 定 者 」 と い う 。 ) が 法 人 で あ る と
き ( 後 記 第 2 , 2 (1) 参 照 ) 及 び 保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 と 一 定 の 関 係
に あ る と き ( 後 記 第 2 , 2 (2) 参 照 ) を 除 き , そ の 締 結 の 日 前 1 箇 月
以 内 に 作 成 さ れ た 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 で 保 証 予 定 者 が 保 証 債 務 を
履 行 す る 意 思 を 表 示 し て い な け れ ば , そ の 効 力 を 生 じ な い と 規 定 す
る ( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 1 項 , 第 3 項 , 第 4 6 5 条 の 9 ) 。
こ の よ う な 規 律 が 新 た に 設 け ら れ た 趣 旨 は , 次 の と お り で あ る 。
事 業 貸 金 等 債 務 を 主 債 務 と す る 保 証 契 約 等 に お い て は , 保 証 債 務 の
額 が 多 額 に な り が ち で あ り , 保 証 人 の 生 活 が 破 綻 す る 例 も 相 当 数 存
在 す る と い わ れ て い る 。 し か し , 保 証 契 約 は 個 人 的 情 義 等 に 基 づ い
て 締 結 さ れ る こ と が 多 い こ と や , 保 証 契 約 の 締 結 の 際 に は 保 証 人 が
現 実 に 履 行 を 求 め ら れ る こ と に な る か ど う か が 不 確 定 で あ る こ と も
あ っ て , 保 証 人 の 中 に は , そ の リ ス ク を 十 分 に 自 覚 し な い ま ま 安 易
に 保 証 契 約 を 締 結 し て し ま っ た 者 が 少 な く な い と 指 摘 さ れ て い る 。
そ こ で , 個 人 が 保 証 契 約 を 締 結 す る リ ス ク を 十 分 に 自 覚 せ ず 安 易 に
保 証 人 に な る こ と を 防 止 す る た め , 公 的 機 関 で あ る 公 証 人 が 保 証 予
定 者 と 直 接 面 接 し , 保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 を 締 結 す る リ ス ク を 十 分
に 理 解 し た 上 で 保 証 債 務 を 履 行 す る 意 思 を 有 し て い る こ と を 確 認 す
る こ と と し , こ の 意 思 確 認 の 手 続 を 経 て い な い 保 証 契 約 を 無 効 と す
る こ と と し た も の で あ る 。
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に つ い て は , こ の よ う な 法 の 趣 旨 に
鑑 み , 従 来 に も 増 し て 慎 重 な 証 書 作 成 が 求 め ら れ る 。 2第 2 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 が 作 成 さ れ て い な け れ ば 効 力 を 生 じ な い
保 証 契 約
1 事 業 貸 金 等 債 務 を 主 債 務 と す る 保 証 契 約 等
次 の (1) か ら (4) ま で に 掲 げ る 保 証 契 約 は , 事 前 に 保 証 意 思 宣 明 公
正 証 書 が 作 成 さ れ て い な け れ ば , 後 記 2 に 記 載 す る 場 合 を 除 い て ,
効 力 を 生 じ な い 。
(1) 事 業 貸 金 等 債 務 を 主 債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約
( 根 保 証 契 約
以 外 の 保 証 契 約 を い う 。 以 下 同 じ 。)( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 1 項 )
(2) 主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約
( 法 第 4
6 5 条 の 6 第 1 項 )
(3) 上 記 (1) 又 は (2) の 保 証 契 約 の 保 証 人 の 主 債 務 者 に 対 す る 求 償 権
に 係 る 債 務
( 以 下
「 事 業 貸 金 等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 」
と い う 。)を 主 債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約
( 法 第 4 6 5 条 の 8 第 1 項 前 段 )
(4) 主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 が 含 ま れ
る 根 保 証 契 約 ( 法 第 4 6 5 条 の 8 第 1 項 後 段 )
2 適 用 除 外
次 の (1) 又 は (2) の 保 証 契 約 は , 前 記 1 の 保 証 契 約 に 該 当 し て も ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 が 作 成 さ れ て い な い こ と を 理 由 に 無 効 と な
ら な い 。
(1) 保 証 人 が 法 人 で あ る 保 証 契 約( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 3 項 ,第 4
6 5 条 の 8 第 2 項 )
(2) 保 証 人 が 次 の ア か ら ウ ま で に 掲 げ る 者 で あ る 保 証 契 約
( 法 第 4
6 5 条 の 9 )
ア 主 債 務 者 が 法 人 で あ る 場 合 の そ の 理 事 ,取 締 役 ,執 行 役 又 は
こ れ ら に 準 ず る 者
イ 主 債 務 者 が 法 人 で あ る 場 合 の 次 に 掲 げ る 者
(ア) 主 債 務 者 の 総 株 主 の 議 決 権 ( 株 主 総 会 に お い て 決 議 を す
る こ と が で き る 事 項 の 全 部 に つ き 議 決 権 を 行 使 す る こ と が
で き な い 株 式 に つ い て の 議 決 権 を 除 く 。以 下 こ の イ に お い て
同 じ 。 ) の 過 半 数 を 有 す る 者 3(イ) 主 債 務 者 の 総 株 主 の 議 決 権 の 過 半 数 を 他 の 株 式 会 社 が 有
す る 場 合 に お け る 当 該 他 の 株 式 会 社 の 総 株 主 の 議 決 権 の 過
半 数 を 有 す る 者
(ウ) 主 債 務 者 の 総 株 主 の 議 決 権 の 過 半 数 を 他 の 株 式 会 社 及 び
当 該 他 の 株 式 会 社 の 総 株 主 の 議 決 権 の 過 半 数 を 有 す る 者 が
有 す る 場 合 に お け る 当 該 他 の 株 式 会 社 の 総 株 主 の 議 決 権 の
過 半 数 を 有 す る 者
(エ) 株 式 会 社 以 外 の 法 人 が 主 債 務 者 で あ る 場 合 に お け る (ア),
(イ)又 は (ウ)に 掲 げ る 者 に 準 ず る 者
ウ 主 債 務 者
( 法 人 で あ る も の を 除 く 。
以 下 こ の ウ に お い て 同 じ 。)と 共 同 し て 事 業 を 行 う 者 又 は 主 債 務 者 が 行 う 事 業 に 現 に 従 事
し て い る 主 債 務 者 の 配 偶 者
第 3 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 法 的 性 質
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は , 保 証 契 約 の 締 結 と い う 法 律 行 為 そ の も
の に つ い て 作 成 さ れ る も の で は な く , そ の 準 備 的 行 為 と し て 作 成 さ
れ る も の で あ る た め ,法 律 行 為 に 関 す る 公 正 証 書 そ の も の で は な い 。
し か し , そ の 作 成 が そ の 後 に 締 結 さ れ る 保 証 契 約 の 有 効 要 件 と な っ
て い る た め , 法 律 行 為 に 関 す る 公 正 証 書 に 準 ず る も の と し て 扱 う の
が 相 当 で あ る 。 し た が っ て , 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に は , 公
証 人 法( 明 治 4 1 年 法 律 第 5 3 号 )第 2 6 条 や 公 証 人 法 施 行 規 則( 昭
和 2 4 年 法 務 府 令 第 9 号 ) 第 1 3 条 な ど 法 律 行 為 に 関 す る 公 正 証 書
に 関 す る 規 定 が 適 用 又 は 類 推 適 用 さ れ る こ と に な る 。
そ の た め , 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は , 保 証 予 定 者 が 口 授 し た と い
う 事 実 を 公 証 人 が 五 感 の 作 用 に よ り 認 識 し た 結 果 と し て そ の ま ま 記
載 す れ ば 足 り る も の で は な く , 公 証 人 は , 保 証 予 定 者 が 真 に 保 証 の
リ ス ク を 十 分 に 理 解 し た 上 で そ の 保 証 契 約 を 締 結 し , 保 証 債 務 を 履
行 す る 意 思 を 有 し て い る こ と を 確 認 す る こ と が で き な け れ ば , 作 成
を 拒 絶 し な け れ ば な ら な い 。
な お , 仮 に , 保 証 予 定 者 が 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 1 号 に 掲 げ
る 事 項 を 口 授 し , 公 証 人 が そ の 事 実 を 実 験 し た 上 で 録 取 し た 事 実 実
験 公 正 証 書 を 作 成 し て も ,そ れ は 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に 該 当 せ ず , 4こ れ を 代 替 す る こ と も で き な い ( 例 え ば , 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を
作 成 す る 必 要 が な い と 誤 信 し , 事 実 実 験 公 正 証 書 を 作 成 し た が , そ
の 後 に 締 結 さ れ た 保 証 契 約 が 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 が 作 成 さ れ て い
な け れ ば 有 効 に 成 立 し な い も の で あ っ た 場 合 に は , 当 該 保 証 契 約 は
効 力 を 生 じ な い 。)。
第 4 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成
1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 要 否 に つ い て の 判 断
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 が 作 成 さ れ て い な け れ ば 効 力 を 生 じ な い
保 証 契 約 は 前 記 第 2 記 載 の と お り で あ る が , 保 証 予 定 者 が 締 結 し
よ う と す る 保 証 契 約 が こ れ ら に 該 当 す る こ と は , 保 証 意 思 宣 明 公
正 証 書 を 作 成 す る 要 件 で は な く , 保 証 予 定 者 が こ れ ら 以 外 の 保 証
契 約 を 締 結 し よ う と し て い る 場 合 で あ っ て も , 保 証 意 思 宣 明 公 正
証 書 を 作 成 す る こ と が で き る 。 し た が っ て , 保 証 予 定 者 が 保 証 意
思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 を 求 め た と き は , 公 証 人 は , 当 該 保 証 契 約
が 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 し な け れ ば 有 効 に 成 立 し な い も の
で あ る か ど う か に つ い て 判 断 す べ き で は な く , 仮 に 当 該 保 証 契 約
が 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 せ ず と も 有 効 に 成 立 し 得 る と し て
も , そ の こ と を 理 由 に , そ の 作 成 を 拒 絶 す る こ と は で き な い 。
2 保 証 意 思 の 確 認
(1) 保 証 意 思 の 意 義 等
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は ,
保 証 予 定 者 に 保 証 意 思 が あ る こ と を
確 認 し た 上 で ,口 授・筆 記 等 の 法 定 の 手 続 を 踏 ま な け れ ば ,作 成
す る こ と が で き な い 。保 証 意 思 と は ,真 に 保 証 の リ ス ク を 十 分 に
理 解 し た 上 で そ の 保 証 契 約 を 締 結 し ,
保 証 債 務 を 履 行 す る 意 思 を
い う 。
保 証 予 定 者 に 保 証 意 思 が な い に も か か わ ら ず 公 証 人 が 保 証
意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 す る こ と は , 民 法 上 予 定 さ れ て い な い 。
仮 に ,
保 証 予 定 者 に 保 証 意 思 が な い の に 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 と
し て 書 面 が 形 式 上 作 成 さ れ る こ と が あ っ た と し て も ,
そ の 公 正 証
書 は 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に 該 当 せ ず ,し た が っ て ,そ の 後 に 保
証 予 定 者 が 保 証 契 約 を 締 結 し て も ,
法 第 4 6 5 条 の 6 第 1 項 所 定
の 要 件 を 欠 き , そ の 保 証 契 約 は 効 力 を 生 じ な い 。 5 公 証 人 は ,保 証 意 思 を 確 認 す る 際 に は ,保 証 予 定 者 が 保 証 し よ
う と し て い る 主 債 務 の 具 体 的 内 容 を 認 識 し て い る か ど う か や ,保証 契 約 を 締 結 す れ ば 保 証 人 は 保 証 債 務 を 負 担 し ,
主 債 務 が 履 行 さ
れ な け れ ば 自 ら が 保 証 債 務 を 履 行 し な け れ ば な ら な く な る こ と
を 理 解 し て い る か ど う か を 検 証 し ,
保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の リ ス
ク を 十 分 に 理 解 し た 上 で ,
相 当 の 考 慮 を し て 保 証 契 約 を 締 結 し よ
う と し て い る か 否 か を 見 極 め な け れ ば な ら な い 。
公 証 人 は ,
保 証 予 定 者 が 保 証 意 思 を 有 し て い る こ と を 確 認 す る
こ と が で き な い 場 合 に は ,
無 効 な 法 律 行 為 等 に つ い て は 証 書 を 作
成 す る こ と が で き な い と す る 公 証 人 法 第 2 6 条 の 規 定 に 基 づ き ,
公 正 証 書 の 作 成 を 拒 絶 し な け れ ば な ら な い 。
(2) 保 証 意 思 を 確 認 す る 際 の 留 意 事 項
ア 法 は ,保 証 予 定 者 本 人 が 口 授 す べ き 旨 を 定 め て お り ,保 証 意
思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に 当 た っ て 口 授 す べ き 事 項 を 代 理 人 が
口 授 す る こ と は で き な い ( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 ) 。
保 証 予 定 者 が 成 年 被 後 見 人 そ の 他 の 制 限 行 為 能 力 者 で あ る
場 合 で あ っ て も ,必 要 事 項 を 口 授 し て 保 証 意 思 を 表 示 す る の は
保 証 人 本 人 で な け れ ば な ら ず ,後 見 人 等 の 法 定 代 理 人 が 本 人 に
代 わ っ て 必 要 事 項 を 口 授 す る こ と は で き な い 。な お ,保 証 予 定
者 の 事 理 弁 識 能 力 が 不 十 分 で あ る こ と が 疑 わ れ る 場 合 に は ,保
証 契 約 の リ ス ク を 十 分 に 理 解 し て い る か 等 を よ り 丁 寧 に 確 認
す る も の と す る 。
イ 保 証 債 務 は ,主 債 務 の 範 囲 を 限 定 す る 特 約 が あ る 場 合 を 除 き ,
主 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 に 従 た
る 全 て の も の を 包 含 す る ( 法 第 4 4 7 条 第 1 項 ) 。 公 証 人 は ,
必 要 に 応 じ て こ の 点 を 説 明 し ,保 証 予 定 者 が こ れ を 理 解 し た 上
で 保 証 契 約 を 締 結 す る 意 思 を 有 し て い る か ど う か を 確 認 す る
も の と す る 。
ウ 公 証 人 は ,保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の リ ス ク を 十 分 に 理 解 し た
上 で ,相 当 な 考 慮 を し て 保 証 契 約 を 締 結 し よ う と し て い る か 否
か を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。
具 体 的 に は ,保 証 予 定 者 が 主 債 務 の 具 体 的 な 内 容 を 理 解 し て 6い る か ど う か に 疑 問 が あ る 場 合 に は ,主 債 務 の 内 容 を 確 認 す る
よ う に 促 す な ど し て ,そ の 理 解 を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。ま
た ,保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の 法 的 意 味 を 理 解 し て い る か ど う か
に 疑 問 が あ る 場 合 に は ,主 債 務 が 履 行 さ れ な か っ た と き は 自 ら
が 保 証 債 務 を 履 行 し な け れ ば な ら な く な る こ と や ,保 証 の 範 囲
に は 主 債 務 の 元 本 の ほ か ,利 息 ,違 約 金 ,遅 延 損 害 金 そ の 他 主
債 務 に 従 た る 全 て の も の が 含 ま れ る こ と な ど に つ い て 保 証 予
定 者 が 理 解 し て い る か ど う か を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。さ ら
に ,保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と し て い る 契 約 が 連 帯 保 証 契 約 で
あ る 場 合 に は ,催 告 の 抗 弁 及 び 検 索 の 抗 弁 を 主 張 す る こ と が で
き な い こ と ,分 別 の 利 益 が な い こ と に つ い て も ,保 証 予 定 者 が
理 解 し て い る か ど う か を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。
こ こ で い う 保 証 契 約 の リ ス ク と は ,保 証 契 約 の 法 的 意 味 に と
ど ま ら ず ,保 証 予 定 者 自 身 が ,当 該 保 証 債 務 を 負 う こ と に よ っ
て 直 面 す る こ と が 有 り 得 る 具 体 的 な 不 利 益 を 意 味 し て い る 。し
た が っ て ,公 証 人 は ,例 え ば ,保 証 債 務 を 履 行 す る こ と が で き
な い 場 合 に は ,所 有 す る 不 動 産 や 給 与 債 権 が 差 し 押 さ え ら れ る
な ど の リ ス ク が あ る こ と を 保 証 予 定 者 が 理 解 し て い る か ど う
か を 確 認 し ,そ の 理 解 が 不 十 分 で あ る 場 合 に は こ の よ う な リ ス
ク に つ い て も 説 明 す る も の と す る 。
エ 保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の リ ス ク を 十 分 に 理 解 し て い る こ と
を 確 認 す る に 当 た っ て は ,保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 の 財 産 状 況 等
に つ い て 把 握 し て い る か を 確 認 す る こ と も 必 要 で あ る 。 法 は ,
事 業 の た め に 負 担 す る 債 務 を 主 債 務 と す る 保 証 又 は 主 債 務 の
範 囲 に 事 業 の た め に 負 担 す る 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 の 保 証 予
定 者 が 保 証 契 約 の 締 結 に 当 た っ て そ の リ ス ク を よ り 慎 重 か つ
適 切 に 判 断 す る こ と が で き る よ う ,主 債 務 者 は ,こ れ ら の 保 証
の 委 託 を す る と き は ,保 証 予 定 者 に 対 し て 主 債 務 者 の 財 産 及 び
収 支 の 状 況 等 に 関 す る 情 報 を 提 供 し な け れ ば な ら な い こ と と
し て い る ( 法 第 4 6 5 条 の 1 0 第 1 項 ) 。
保 証 意 思 を 確 認 す る 際 に は ,こ の 情 報 提 供 義 務 に 基 づ く 情 報
提 供 の 有 無 及 び 提 供 さ れ た 情 報 の 内 容 を 確 認 し ,保 証 予 定 者 が 7そ の 情 報 も 踏 ま え て 保 証 人 に な ろ う と し て い る か ど う か を 見
極 め な け れ ば な ら な い 。仮 に ,保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 か ら 情 報
の 提 供 を 受 け て い な い こ と が 判 明 し た 場 合 に は ,公 証 人 は ,主
債 務 者 か ら 情 報 の 提 供 を 受 け る よ う に 促 す も の と す る 。
オ 保 証 意 思 の 有 無 を 確 認 す る に 当 た っ て は ,保 証 予 定 者 が 保 証
契 約 を 締 結 し よ う と す る に 至 っ た 経 緯( 主 債 務 者 と 保 証 予 定 者
と の 関 係 ,借 入 金 の 使 途 等 を 含 む 。)に つ い て 聴 取 し ,保 証 予
定 者 が 保 証 契 約 の リ ス ク を 十 分 に 理 解 せ ず 安 易 に 保 証 人 に な
っ て は い な い か を 検 証 す る こ と も 必 要 で あ る 。仮 に ,債 権 者 や
主 債 務 者 か ら 保 証 人 と な る こ と を 強 く 求 め ら れ た と い っ た 事
情 が 判 明 し た 場 合 に は ,保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の リ ス ク を 十 分
に 理 解 し て い る か ど う か を よ り 丁 寧 に 確 認 す る も の と す る 。
(3) 第 三 者 の 立 会 い
保 証 予 定 者 が 口 授 を す る 際 に ,債 権 者 ,主 債 務 者 そ の 他 の 第 三
者 が 立 ち 会 う と ,
保 証 予 定 者 が そ の 者 か ら 不 当 な 干 渉 を 受 け る お
そ れ が あ る 。こ の た め ,公 証 人 が 保 証 予 定 者 か ら 口 授 を 受 け る 際
に は ,
介 助 者 を 同 席 さ せ る 必 要 が あ る な ど の 合 理 的 な 理 由 が あ る
場 合 を 除 き ,第 三 者 を 立 ち 会 わ せ る べ き で は な く ,特 に ,債 権 者
や 主 債 務 者
( こ れ ら が 法 人 そ の 他 の 団 体 で あ る 場 合 の 従 業 員 等 の
関 係 者 を 含 む 。 ) は , 立 ち 会 わ せ な い も の と す る 。
3 保 証 予 定 者 に よ る 口 授 及 び そ の 筆 記
(1) 法 律 上 口 授 ・ 筆 記 す る こ と が 求 め ら れ る 事 項
保 証 予 定 者 が 口 授 し ,
公 証 人 が 筆 記 し な け れ ば な ら な い 事 項 は ,
次 の と お り で あ る( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 。な お ,事 業 貸 金 等
債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 の 保 証 契 約 に つ い て は , 後 記 (4) 参 照 ) 。
ア 保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と す る 保 証 契 約 が 事 業 貸 金 等 債 務
を 主 債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約 で あ る 場 合
(ア) 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者
(イ) 主 債 務 の 元 本
(ウ) 主 債 務 に 関 す る 利 息 , 違 約 金 , 損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務
に 従 た る 全 て の も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容
(エ) 主 債 務 者 が そ の 債 務 を 履 行 し な い と き に は , そ の 債 務 の 8全 額 に つ い て 履 行 す る 意 思 を 有 し て い る こ と( 保 証 予 定 者 が
連 帯 保 証 債 務 を 負 担 し よ う と す る も の で あ る 場 合 に は ,債 権
者 が 主 債 務 者 に 対 し て 催 告 を し た か ど う か ,主 債 務 者 が そ の
債 務 を 履 行 す る こ と が で き る か ど う か ,又 は 他 に 保 証 人 が あ
る か ど う か に か か わ ら ず ,そ の 全 額 に つ い て 履 行 す る 意 思 を
有 し て い る こ と )
イ 保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と す る 保 証 契 約 が 主 債 務 の 範 囲 に
事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約 で あ る 場 合
(ア) 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者
(イ) 主 債 務 の 範 囲
(ウ) 根 保 証 契 約 に お け る 極 度 額
(エ) 元 本 確 定 期 日 の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容
(オ) 主 債 務 者 が そ の 債 務 を 履 行 し な い と き に は , 極 度 額 の 限
度 に お い て ,元 本 確 定 期 日 又 は 法 第 4 6 5 条 の 4 第 1 項 各 号
若 し く は 第 2 項 各 号 に 掲 げ る 事 由 そ の 他 の 元 本 を 確 定 す べ
き 事 由 が 生 ず る 時 ま で に 生 ず べ き 主 債 務 の 元 本 及 び 主 債 務
に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 に 従 た る 全
て の も の の 全 額 に つ い て 履 行 す る 意 思 を 有 し て い る こ と( 保
証 予 定 者 が 連 帯 根 保 証 債 務 を 負 担 し よ う と す る も の で あ る
場 合 に は ,債 権 者 が 主 債 務 者 に 対 し て 催 告 し た か ど う か ,主
債 務 者 が そ の 債 務 を 履 行 す る こ と が で き る か ど う か ,又 は 他
に 保 証 人 が あ る か ど う か に か か わ ら ず ,そ の 全 額 に つ い て 履
行 す る 意 思 を 有 し て い る こ と )
(2) 保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と す る 保 証 契 約 が 事 業 貸 金 等 債 務 を
主 債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約 で あ る 場 合( 前 記 (1) ア の 場 合 )の
留 意 事 項
ア 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 に つ い て
主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 を 口 授 ・ 筆 記 す る に 当 た っ て は ,
後 に 作 成 さ れ る 保 証 契 約 書 に お け る 当 事 者 の 記 載 と の 間 で 同
一 性 に 疑 問 が 生 じ な い よ う ,氏 名 又 は 名 称 の み で は な く ,債 権
者 又 は 主 債 務 者 が 個 人 で あ る 場 合 に は 住 所 ,
職 業 ,
生 年 月 日 等 ,
法 人 で あ る 場 合 に は 代 表 者 名 ,本 店 所 在 地 等 ,特 定 に 必 要 な 事 9項 を 併 せ て 口 授 さ せ , 筆 記 す る も の と す る 。
イ 主 債 務 の 元 本 に つ い て
主 債 務 の 元 本 は ,保 証 人 の 責 任 の 基 本 的 範 囲 を 画 す る も の で
あ る か ら ,保 証 予 定 者 に そ の 具 体 的 な 額 を 明 確 に 口 授 さ せ ,具
体 的 な 認 識 を 有 し て い る か ど う か を 確 認 す る も の と す る 。
主 債 務 の 元 本 の 額 が 確 定 し て お ら ず ,主 債 務 の 元 本 の 額 が 最
終 的 に ど の 程 度 の 額 に な る か が 全 く 見 通 せ な い よ う な 場 合 に
は ,保 証 人 が 保 証 契 約 の リ ス ク を 理 解 す る こ と も で き な い か ら ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 す る こ と は で き な い 。 も っ と も ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 時 点 で は 主 債 務 の 元 本 の 額 が 正
確 に は 確 定 し て い な い が お お よ そ の 範 囲 は 決 ま っ て お り ,か つ ,
諸 事 情 に よ り ,そ の 時 点 で 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 せ ざ る
を 得 な い 場 合 に は ,元 本 が こ の 金 額 を 上 回 る こ と は な い と い う
上 限 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る こ と に よ り ,保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書
を 作 成 す る こ と も 許 さ れ る 。こ の 場 合 に は ,例 え ば ,「 甲 が 乙
に 金 しろまる しろまる 円 以 内 で 貸 し 付 け る 金 員 の 貸 金 債 務 に つ い て 保 証 す
る 」と 口 授 さ せ ,筆 記 す る 。た だ し ,保 証 契 約 の リ ス ク を 具 体
的 に 把 握 す る た め に は ,主 債 務 の 内 容 が で き る 限 り 特 定 さ れ て
い る こ と が 望 ま し い か ら ,合 理 的 な 理 由 が な い の に 漠 然 と し た
記 載 が さ れ る こ と の な い よ う ,ど の よ う な 事 情 が あ る た め に 確
定 し た 額 を 口 授 す る こ と が で き な い か を 確 認 す る も の と す る 。
ウ 主 債 務 に 関 す る 利 息 , 違 約 金 , 損 害 賠 償 等 に つ い て
主 債 務 に 従 た る 全 て の も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 は ,保
証 債 務 の 範 囲 を 画 す る 事 項 で あ る か ら ,そ の 定 め の 具 体 的 内 容
を 明 確 に 口 授 さ せ ,具 体 的 な 認 識 を 有 し て い る か ど う か を 確 認
す る も の と す る 。 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 1 号 イ 及 び ロ の
「 そ の 債 務 に 従 た る 全 て の も の 」
は ,
法 第 4 4 7 条 第 1 項 の
「 そ
の 債 務 に 従 た る す べ て の も の 」 と 同 旨 で あ り , そ の 定 め と は ,
契 約 締 結 費 用 等 の 保 証 の 対 象 と な る 債 務 に つ い て の 定 め の こ
と で あ る 。
利 息 に つ い て ,単 に「 法 定 利 率 に よ る 」と 合 意 さ れ て い た 場
合 に は ,民 法 に 従 っ て 利 息 が 生 じ た 最 初 の 時 点 で の 法 定 利 率 を 10意 味 す る こ と に な る と 考 え ら れ る ( 法 第 4 0 4 条 第 1 項 ) が ,
そ の 場 合 に も ,そ の 旨 を 口 授 さ せ ,「 利 息 が 生 じ た 最 初 の 時 点
で の 法 定 利 率 」と 公 正 証 書 に 筆 記 す る も の と す る 。こ れ と 異 な
り ,保 証 契 約 締 結 時 点 の 法 定 利 率 に 固 定 す る 趣 旨 で あ る 場 合 や ,
法 定 利 率 が 変 動 す れ ば そ れ に 応 じ て 利 率 が 変 動 す る 趣 旨 で あ
る 場 合 に は ,そ の 旨 を 明 示 す る も の と す る 。例 え ば ,前 者 の 場
合 に は「 保 証 契 約 締 結 時 に お け る 法 定 利 率 に よ る 」な ど と 筆 記
し , 後 者 の 場 合 に は 「 法 定 利 率 ( 完 済 ま で に 変 動 し た 場 合 は ,
そ の 後 生 ず べ き 利 息 に つ い て は 変 動 後 の 法 定 利 率 ) に よ る 。 」
な ど と 筆 記 す る も の と す る 。
ま た ,例 え ば ,利 息 又 は 遅 延 損 害 金 の 算 定 に 用 い る 割 合 が 一
定 の 計 算 式 に よ っ て 変 動 す る こ と が 合 意 さ れ て お り ,特 定 の 数
値 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る こ と が で き な い 場 合 に は ,そ の 計 算 式
を そ の ま ま 口 授 さ せ , 筆 記 す る も の と す る 。
利 息 又 は 遅 延 損 害 金 の 算 定 に 用 い る 割 合 に つ い て ,保 証 契 約
締 結 時 に は 特 定 の 数 値 を 定 め る 予 定 で は あ る が ,保 証 意 思 宣 明
公 正 証 書 を 作 成 す る 段 階 で は 具 体 的 な 数 値 が 決 ま っ て い な い
場 合 に ,「 年 しろまる % 以 内 で 定 め る 利 率 」な ど と 上 限 を 示 し て 利 率
等 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る こ と が 許 さ れ る こ と ,そ の 際 に ど の よ
う な 事 情 が あ る た め に 確 定 し て い な い か を 確 認 す る 必 要 が あ
る こ と は , 主 債 務 の 元 本 ( 前 記 イ ) と 同 様 で あ る 。
エ 保 証 債 務 を 履 行 す る 意 思 に つ い て
保 証 意 思 の 確 認 に つ い て は 前 記 2 記 載 の と お り で あ り ,こ の
確 認 を す る こ と が で き た と き は ,保 証 の 対 象 と な る 債 務 の 範 囲
や 連 帯 保 証 か ど う か 等 を 明 確 に し て ,例 え ば「 主 た る 債 務 の 元
本 及 び 主 た る 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の
債 務 に 従 た る 全 て の も の に つ い て ,( 主 債 務 者 と 連 帯 し て )履
行 す る 意 思 を 有 し て い る 」 な ど と 筆 記 す る 。
(3) 保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と す る 保 証 契 約 が 主 債 務 の 範 囲 に 事
業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約 で あ る 場 合
( 前 記 (1) イ の 場 合 )
の 留 意 事 項
ア 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 に つ い て 11「 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 」に つ い て は ,前 記 (2) ア と 同 様
で あ る 。
イ 主 債 務 の 範 囲 に つ い て
根 保 証 契 約 に よ る 責 任 が 及 ぶ 主 債 務 の 範 囲 は ,疑 義 の な い よ
う に 契 約 類 型 等 で そ の 外 延 が 明 確 に 定 め ら れ て い る 必 要 が あ
る( 例 え ば ,「 貸 主 甲 と 借 主 乙 間 の 令 和 しろまるしろまるしろまる 日 付 け 貸 金
取 引 約 定 書 に 基 づ く 債 務 」な ど )か ら ,公 証 人 は ,保 証 予 定 者
に そ の 具 体 的 内 容 を 明 確 に 口 授 さ せ ,具 体 的 な 認 識 を 有 し て い
る か ど う か を 確 認 す る も の と す る 。
ウ 根 保 証 契 約 に お け る 極 度 額 に つ い て
主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約( 前 記
第 2 ,1 (2) )は ,保 証 人 が 法 人 で な い 場 合 は ,い ず れ も 個 人 根
保 証 契 約( 法 第 4 6 5 条 の 2 第 1 項 )に 該 当 す る 。個 人 根 保 証
契 約 に お け る 保 証 人 は ,主 債 務 の 元 本 ,利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠
償 等 及 び そ の 保 証 債 務 に つ い て 約 定 さ れ た 違 約 金 ,損 害 賠 償 に
つ き ,そ の 全 部 に 係 る 極 度 額 を 限 度 と し て ,そ の 履 行 を す る 責
任 を 負 い ,極 度 額 の 定 め の な い 個 人 根 保 証 契 約 は 効 力 を 生 じ な
い( 法 第 4 6 5 条 の 2 第 1 項 及 び 第 2 項 )。極 度 額 は ,保 証 人
の 責 任 の 上 限 を 画 す る 重 大 な 意 義 を 有 す る た め ,そ の 具 体 的 な
額 に つ い て 明 確 に 口 授 さ せ ,具 体 的 な 認 識 を 有 し て い る か ど う
か を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。
極 度 額 が 確 定 し て お ら ず ,最 終 的 に ど の 程 度 の 額 に な る か が
全 く 見 通 せ な い よ う な 場 合 に は ,保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 の リ ス
ク を 理 解 す る こ と も で き な い か ら ,原 則 と し て ,保 証 意 思 宣 明
公 正 証 書 を 作 成 す る こ と は で き な い が ,極 度 額 の お お よ そ の 範
囲 は 決 ま っ て お り ,か つ ,諸 事 情 に よ り ,そ の 時 点 で 保 証 意 思
宣 明 公 正 証 書 を 作 成 せ ざ る を 得 な い 場 合 に は「 しろまる 〇 円 以 内 で 定
め る 金 額 」な ど と 上 限 を 示 し て 極 度 額 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る こ
と が 許 さ れ る こ と ,そ の 際 に ど の よ う な 事 情 が あ る た め に 確 定
し て い な い か を 確 認 す る 必 要 が あ る こ と は ,特 定 債 務 保 証 契 約
に お け る 主 債 務 の 元 本 ( 前 記 (2) イ ) と 同 様 で あ る 。
エ 元 本 確 定 期 日 の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 に つ い て 12 主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約( 前 記
第 2 ,1 (2) )は ,保 証 人 が 法 人 で な い 場 合 は ,個 人 貸 金 等 根 保
証 契 約( 法 第 4 6 5 条 の 3 第 1 項 )に 該 当 す る 。個 人 貸 金 等 根
保 証 契 約 に お い て は ,元 本 確 定 期 日 の 定 め( た だ し ,締 結 の 日
か ら 5 年 を 経 過 す る 日 よ り も 後 の 日 を 定 め る こ と は で き な い 。)
が あ る 場 合 は そ の 日 に ,そ の 定 め が な い 場 合 は 締 結 の 日 か ら 3
年 を 経 過 す る 日 に ,主 債 務 の 元 本 が 確 定 す る( 法 第 4 6 5 条 の
3 第 1 項 及 び 第 2 項 )。元 本 確 定 期 日 は ,保 証 人 の 責 任 を 画 す
る 重 大 な 意 義 を 有 す る も の で あ る た め ,元 本 確 定 期 日 に 関 す る
合 意 が あ る 場 合 に は そ の 定 め の 内 容 を ,な い 場 合 に は そ の 旨 を
保 証 予 定 者 に 口 授 さ せ ,具 体 的 な 認 識 を 有 し て い る か ど う か を
確 認 し な け れ ば な ら な い 。保 証 予 定 者 が ,元 本 確 定 期 日 に 関 す
る 合 意 が な い 旨 を 口 授 し た 場 合 に は ,個 人 貸 金 等 根 保 証 契 約 の
締 結 の 日 か ら 3 年 を 経 過 す る 日 に 元 本 が 確 定 す る こ と を 理 解
し て い る こ と を 確 認 す る も の と す る 。
な お ,法 第 4 6 5 条 の 4 第 1 項 及 び 第 2 項 に 掲 げ る 事 由 そ の
他 の 元 本 確 定 事 由 に つ い て は , 口 授 の 対 象 と は さ れ て い な い 。
オ 保 証 債 務 を 履 行 す る 意 思 に つ い て
保 証 意 思 の 確 認 に つ い て は ,前 記 2 記 載 の と お り で あ り ,こ
の 確 認 を す る こ と が で き た と き は ,保 証 の 対 象 と な る 債 務 の 範
囲 や 連 帯 保 証 か ど う か 等 を 明 確 に し て ,例 え ば ,「 極 度 額 の 限
度 に お い て 元 本 確 定 期 日 又 は 元 本 確 定 事 由 が 生 ず る 時 ま で に
生 ず べ き 主 た る 債 務 の 元 本 及 び 主 た る 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約
金 ,
損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 に 従 た る 全 て の も の に つ い て ,
( 主
債 務 者 と 連 帯 し て )履 行 す る 意 思 を 有 し て い る 」な ど と 筆 記 す
る 。
カ そ の 他 に つ い て
保 証 予 定 者 が ,保 証 の 対 象 と な る 範 囲 に 含 ま れ る 債 務 に つ い
て は 債 務 発 生 ご と の 通 知 等 が さ れ る こ と な く 当 然 に 保 証 債 務
が 生 ず る と い う 根 保 証 契 約 の 基 本 的 仕 組 み に つ い て 理 解 し て
い る か ど う か に 疑 問 が あ る 場 合 に は ,公 証 人 は ,こ の よ う な 根
保 証 の 仕 組 み を 保 証 予 定 者 に 説 明 し ,こ れ を 踏 ま え て 根 保 証 契 13約 を 締 結 す る 意 思 が あ る か ど う か を 確 認 す る も の と す る 。
(4) 事 業 貸 金 等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 の 保 証 契 約
1 事 業 貸 金 等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 を 主 債 務 と す る 特 定 債
務 保 証 契 約( 前 記 第 2 ,1 (3) )及 び 2 主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等
債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約
( 前 記 第 2 ,
1 (4) )
に つ い て も ,前 記 第 2 ,2 に 記 載 す る 場 合 を 除 い て ,あ ら か じ め
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 す る こ と が 必 要 で あ る( 法 第 4 6 5
条 の 8 ,第 4 6 5 条 の 9 )。こ れ ら の 場 合 の 口 授 ・筆 記 事 項 に つ
い て も ,保 証 契 約 の 性 質 に 応 じ て ,前 記 (1) ア 又 は イ の 記 載 が 当 て
は ま る 。そ の 口 授・筆 記 に 当 た っ て の 留 意 事 項 は ,次 の ア か ら ウ
ま で に 記 載 し た ほ か ,次 の ア 及 び イ の 保 証 契 約 に つ い て は 前 記 (2)
の ,次 の ウ の 保 証 契 約 に つ い て は 前 記 (3) の 記 述 が そ れ ぞ れ 当 て は
ま る 。
ア 事 業 貸 金 等 債 務 を 主 債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約( 甲 保 証 契
約 )の 保 証 人 の 主 債 務 者 に 対 す る 求 償 権 に 係 る 債 務 を 主 債 務 と
す る 特 定 債 務 保 証 契 約 ( 乙 保 証 契 約 )
(ア) 「 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 」と し て ,乙 保 証 契 約 の 債 権
者( 甲 保 証 契 約 の 保 証 人 )及 び 主 債 務 者( 甲 保 証 契 約 の 主 債
務 者 ) を 口 授 さ せ , 筆 記 す る 。
(イ) 「 主 債 務 の 元 本 」に い う「 主 債 務 」は ,甲 保 証 契 約 の 保 証
人 が 甲 保 証 契 約 に 従 い 弁 済 し た こ と に よ っ て 生 ず る 求 償 債
務 で あ る 。そ の 元 本 の 口 授 ・ 筆 記 に 当 た っ て は ,求 償 債 務 の
具 体 的 な 内 容 を 明 ら か に し な け れ ば な ら な い の で ,そ の 発 生
の 原 因 で あ る 甲 保 証 契 約 の 主 債 務 の 元 本 及 び 主 債 務 に 関 す
る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 に 従 た る 全 て の も
の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容( さ ら に ,保 証 債 務 に つ い て の
み 違 約 金 又 は 損 害 賠 償 の 額 の 約 定 が あ る と き( 法 第 4 4 7 条
第 2 項 参 照 ) は , そ の 内 容 を 含 む 。
) を 口 授 さ せ , 筆 記 し た
上 で ,
「 乙 保 証 契 約 の 債 権 者 ( 甲 保 証 契 約 の 保 証 人 ) が 甲 保
証 契 約 に 従 い 弁 済 し た こ と に よ っ て 生 ず る 求 償 債 務 」な ど と
筆 記 す る 。
(ウ) 「 主 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 14に 従 た る 全 て の も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 」と し て ,乙
保 証 契 約 の 主 債 務( 甲 保 証 契 約 の 主 債 務 者 の 求 償 債 務 )に 関
す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務 に 従 た る 全 て の
も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 を 口 授 さ せ , 筆 記 す る 。
イ 主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約
( 甲 根
保 証 契 約 )
の 保 証 人 の 主 債 務 者 に 対 す る 求 償 権 に 係 る 債 務 を 主
債 務 と す る 特 定 債 務 保 証 契 約 ( 乙 保 証 契 約 )
(ア) 「 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 」 に つ い て は , 前 記 ア (ア)と
同 様 で あ る 。
(イ) 「 主 債 務 の 元 本 」に い う「 主 債 務 」は ,甲 根 保 証 契 約 の 保
証 人 が 甲 根 保 証 契 約 に 従 い 弁 済 し た こ と に よ っ て 生 ず る 求
償 債 務 で あ る 。そ の 元 本 の 口 授 ・ 筆 記 に 当 た っ て は ,求 償 債
務 の 具 体 的 な 内 容 を 明 ら か に し な け れ ば な ら な い の で ,甲 根
保 証 契 約 の 主 債 務 の 範 囲 ,極 度 額 並 び に 元 本 確 定 期 日 の 定 め
の 有 無 及 び そ の 内 容 を 口 授 さ せ , 筆 記 し た 上 で ,
「 乙 保 証 契
約 の 債 権 者( 甲 根 保 証 契 約 の 保 証 人 )が 甲 根 保 証 契 約 に 従 い
弁 済 し た こ と に よ っ て 生 ず る 求 償 債 務 」 な ど と 筆 記 す る 。
(ウ) 「 主 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債 務
に 従 た る 全 て の も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 」は ,前 記 ア
(ウ)と 同 様 で あ る 。
ウ 事 業 貸 金 等 債 務 に つ い て の 特 定 債 務 保 証 契 約 又 は 主 債 務 の
範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約( 甲 保 証 契 約 )に
係 る 求 償 債 務 が 主 債 務 の 範 囲 に 含 ま れ る 根 保 証 契 約( 乙 根 保 証
契 約 )
(ア) 「 主 債 務 の 債 権 者 及 び 債 務 者 」 に つ い て は , 前 記 ア (ア)と
同 様 で あ る 。
(イ) 「 主 債 務 の 範 囲 」と し て ,乙 根 保 証 契 約 に お け る 主 債 務 の
範 囲 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る 。な お ,甲 保 証 契 約 の 主 債 務 の 元
本 及 び 主 債 務 に 関 す る 利 息 ,違 約 金 ,損 害 賠 償 そ の 他 そ の 債
務 に 従 た る 全 て の も の の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容( 甲 保 証 契
約 が 特 定 債 務 保 証 契 約 で あ る 場 合 )や ,甲 保 証 契 約 の 主 債 務
の 範 囲 ,極 度 額 ,元 本 確 定 期 日 の 定 め の 有 無( 甲 保 証 契 約 が 15根 保 証 契 約 で あ る 場 合 ) を 口 授 さ せ る 必 要 は な い 。
(ウ) 「 根 保 証 契 約 に お け る 極 度 額 」と し て ,乙 根 保 証 契 約 に お
け る 極 度 額 を 口 授 さ せ ,筆 記 す る 。主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金
等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務 が 含 ま れ る 根 保 証 契 約 は ,保 証 人
が 法 人 で な い 場 合 は ,個 人 根 保 証 契 約 に 該 当 す る か ら ,極 度
額 の 定 め が さ れ て い な け れ ば ,そ の 効 力 を 生 じ な い( 法 第 4
6 5 条 の 2 第 2 項 )。(エ) 「 元 本 確 定 期 日 の 定 め の 有 無 及 び そ の 内 容 」と し て ,乙 根
保 証 契 約 に お け る 元 本 確 定 期 日 の 定 め の 有 無 及 び 定 め が あ
る と き は そ の 内 容 を 筆 記 す る 。
な お ,主 債 務 の 範 囲 に 事 業 貸 金 等 債 務 保 証 に 係 る 求 償 債 務
が 含 ま れ る 根 保 証 契 約 は ,当 然 に 貸 金 等 根 保 証 契 約 に 該 当 す
る わ け で は な く ,乙 根 保 証 契 約 の 主 債 務 の 範 囲 に 貸 金 等 債 務
が 含 ま れ な い 場 合 に は ,元 本 確 定 期 日 に 関 す る 法 第 4 6 5 条
の 3 が 適 用 さ れ な い の で ,元 本 確 定 期 日 の 定 め が な い と ,元
本 の 確 定 に 期 限 が な い こ と に な る 。そ こ で ,こ の よ う な 場 合
に は ,保 証 予 定 者 が こ の 点 を 理 解 し て い る こ と を 確 認 す る も
の と す る 。乙 根 保 証 契 約 の 主 債 務 の 範 囲 に 貸 金 等 債 務 が 含 ま
れ る( 貸 金 等 根 保 証 契 約 で あ る )場 合 は ,法 第 4 6 5 条 の 3
が 適 用 さ れ る こ と と な る が ,こ の 場 合 の 留 意 事 項 等 に つ い て
は , 前 記 (3) エ と 同 様 で あ る 。
(5) 保 証 予 定 者 に よ る 口 授 の 際 の 書 面 の 利 用
保 証 予 定 者 が 口 授 す る 際 に ,
そ の 内 容 の 正 確 性 を 担 保 す る た め
や 記 憶 を 喚 起 す る た め に ,
あ ら か じ め 準 備 し て い た 契 約 書 の 草 案
等 の 書 類 や メ モ 等 を 補 充 的 に 参 照 す る こ と 自 体 は ,
直 ち に 禁 止 さ
れ る も の で は な い 。ま た ,保 証 予 定 者 の 事 実 誤 認 な ど が う か が わ
れ る 場 合 に ,
公 証 人 が 保 証 予 定 者 か ら 提 出 さ れ た 手 元 の 資 料 を 見
て ,
事 実 誤 認 を 指 摘 す る こ と も ,
直 ち に 禁 止 さ れ る も の で は な い 。
も っ と も ,
法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 1 号 に 掲 げ る 方 式 に 従 っ
た も の と い え る た め に は ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 が 要 求 さ
れ た 趣 旨 か ら し て も ,
同 号 イ 及 び ロ に 定 め た 事 項 を 保 証 予 定 者 が
個 別 に 口 授 す る こ と が 必 要 で あ り ,例 え ば ,保 証 予 定 者 が「 契 約 16書 に 記 載 し た と お り 。」な ど と 述 べ る に と ど ま り ,公 証 人 も 各 口
授 事 項 に つ い て 保 証 予 定 者 の 理 解 を 確 認 し な か っ た と い う 場 合
に は , 同 号 の 口 授 が さ れ た と は い え な い 。
保 証 予 定 者 が 個 別 に 口 授 す る 場 合 で あ っ て も ,
メ モ 等 の 参 照 や
公 証 人 の 指 摘 は 飽 く ま で も 正 確 性 を 担 保 す る た め に 補 助 的 に 用
い る べ き も の で あ る 。し た が っ て ,公 証 人 は ,保 証 予 定 者 に メ モ
等 を 参 照 さ せ た り 事 実 誤 認 を 指 摘 し た り し た 場 合 に は ,
慎 重 に そ
の 保 証 意 思 を 確 認 し な け れ ば な ら な い 。例 え ば ,定 額 で 定 め ら れ
た 主 債 務 の 額 な ど の 基 本 的 か つ 単 純 な 事 項 に つ い て も メ モ 等 を
参 照 し な け れ ば 口 授 す る こ と が で き な い 場 合 や ,
保 証 予 定 者 が メ
モ 等 を 読 み 上 げ る の み で ,
そ の 具 体 的 な 意 味 を 質 問 し て も 十 分 な
説 明 を す る こ と が で き な い 場 合 な ど に は ,
保 証 予 定 者 が 口 授 す べ
き 事 項 の 内 容 を 十 分 理 解 し て い る と は 認 め ら れ ず ,
保 証 意 思 宣 明
公 正 証 書 を 作 成 す る こ と は 許 さ れ な い 。
4 法 律 上 の 口 授 ・ 筆 記 事 項 以 外 の 事 項 に つ い て
(1) 主 債 務 者 の 財 産 状 況 等 の 情 報 提 供 に 関 す る 事 項
公 証 人 は ,保 証 意 思 を 確 認 す る 際 に は ,法 第 4 6 5 条 の 1 0 が
規 定 す る 主 債 務 者 の 財 産 状 況 等 に つ い て の 情 報 提 供 義 務 に 基 づ
く 保 証 予 定 者 に 対 す る 情 報 提 供 の 有 無 及 び 提 供 さ れ た 情 報 の 内
容 を 確 認 し ,
保 証 予 定 者 が そ の 情 報 も 踏 ま え て 保 証 人 に な ろ う と
し て い る か ど う か を 見 極 め る も の と す る 。
情 報 提 供 義 務 が 履 行 さ れ た こ と 及 び そ の 提 供 さ れ た 情 報 の 内
容 は ,
そ の 後 に 締 結 さ れ る 保 証 契 約 を 取 り 消 す こ と が で き る か ど
う か に 関 わ り ,
保 証 予 定 者 だ け で な く 債 権 者 に と っ て も 重 要 な 意
味 を 有 す る も の で あ る た め ,
主 債 務 者 の 財 産 状 況 等 の 情 報 提 供 に
つ い て 公 証 人 が 確 認 し た 事 項 は ,
記 録 に 残 す も の と す る 。
例 え ば ,
保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 か ら 書 面 で 情 報 の 提 供 を 受 け て い た 場 合
に は , 公 証 人 は , 保 証 予 定 者 か ら そ の 書 面 の 写 し の 提 供 を 受 け ,
附 属 書 類 と し て 連 綴 す る 。ま た ,保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 か ら 口 頭
で 情 報 の 提 供 を 受 け た 場 合 に は ,公 証 人 は ,そ の 内 容 を 保 証 予 定
者 か ら 確 認 し た 上 で そ の 要 領 を 録 取 し た 書 面 を 作 成 し ,
同 書 面 を
附 属 書 類 と し て 連 綴 す る ( 後 記 6 参 照 ) 。 17(2) 保 証 意 思 の 有 無 に 関 連 す る 事 情 の 記 載 等
保 証 予 定 者 が 保 証 契 約 を 締 結 す る か 否 か を 判 断 す る に 当 た っ
て 通 常 考 慮 す る と 考 え ら れ る 事 項 と し て ,法 律 上 の 口 授・筆 記 事
項 の ほ か ,1 借 入 金 の 使 途 ,2 債 務 の 弁 済 期 及 び 弁 済 方 法 ,3 保
証 契 約 締 結 予 定 日 ,
4 主 債 務 者 と 保 証 予 定 者 と の 関 係 等 が 考 え ら
れ る 。し か し ,保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 す る に 当 た っ て ,保
証 予 定 者 が 口 授 し ,
公 証 人 が 筆 記 す る こ と と さ れ て い る 事 項 は 法
定 さ れ て い る ( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 1 号 , 第 2 号 ) か ら ,
公 正 証 書 上 に 口 授 さ れ た 事 項 と し て 筆 記 す る の も , 原 則 と し て ,
こ れ ら の 事 項 に 限 定 す べ き で あ る と 考 え ら れ ,
上 記 1 か ら 4 ま で
の 事 項 な ど ,
保 証 予 定 者 が 通 常 考 慮 す る と 考 え ら れ る 事 項 が 常 に
筆 記 の 対 象 と な る わ け で は な い 。
も っ と も ,公 証 人 は ,上 記 1 か ら 4 ま で の 事 項 な ど ,法 律 上 の
口 授・筆 記 事 項 に は 含 ま れ な い が 保 証 意 思 の 有 無 に 関 連 す る 事 情
に つ い て ,
万 が 一 そ の 後 に 紛 争 が 生 じ た 場 合 に 備 え て 記 録 に 残 し
て お く 必 要 が あ る と 認 め た 場 合 に は ,
こ れ ら の 事 項 に つ い て の 保
証 予 定 者 の 説 明 の 要 領 を 書 面 に 録 取 し ,
そ れ を 附 属 書 類 と し て 連
綴 す る も の と す る ( 後 記 6 (2) 参 照 ) 。
5 読 み 聞 か せ 等 及 び 署 名 ・ 押 印
公 証 人 は , 保 証 予 定 者 の 口 述 を 筆 記 し , こ れ を 保 証 予 定 者 に 読
み 聞 か せ , 又 は 閲 覧 さ せ , そ の 正 確 な こ と の 承 認 を 得 た 後 , 署 名
押 印 さ せ , 自 ら が 署 名 押 印 す る ( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 2 号
か ら 第 4 号 ま で ) 。 こ の 方 式 は , 公 正 証 書 遺 言 の 作 成 手 続 ( 民 法
第 9 6 9 条 等 ) と 同 様 の も の で あ る 。
な お , 口 授 や 読 み 聞 か せ が 終 了 し た 後 で あ っ て も , 公 正 証 書 の
作 成 が 完 了 す る ま で の 間 に 保 証 人 が 保 証 意 思 を 翻 意 し た 場 合 に は ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 を 作 成 す る こ と は で き な い 。
法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 項 第 2 号 は , 作 成 し た 公 正 証 書 の 記 載 内
容 の 確 認 方 法 と し て , 読 み 聞 か せ 又 は 閲 覧 を 規 定 し て い る が , 読
み 聞 か せ と 閲 覧 の 双 方 を 行 っ て も 差 し 支 え な い 。
保 証 予 定 者 が 署 名 す る こ と が で き な い と き は , 公 証 人 が そ の 事
由 を 付 記 し て 署 名 に 代 え る こ と が で き る ( 法 第 4 6 5 条 の 6 第 2 18項 第 3 号 た だ し 書 ) 。 事 由 の 記 載 は , 「 病 気 」 「 無 筆 」 等 と 記 載
す れ ば 足 り , 病 名 等 を 具 体 的 に 記 載 す る こ と は 要 求 さ れ て い な い 。
法 令 上 , 保 証 予 定 者 に 代 わ っ て 公 証 人 が 代 署 す る こ と は 要 求 さ れ
て い な い が , 遺 言 公 正 証 書 と 同 様 に , 行 政 先 例 に 準 じ て 公 証 人 が
代 署 し て も 差 し 支 え な い 。
保 証 予 定 者 が 外 国 人 で あ る 場 合 は , 署 名 の み で 足 り , 押 印 は 必
要 で な い ( 明 治 3 2 年 法 律 第 5 0 号 ( 外 国 人 ノ 署 名 捺 印 及 無 資 力
証 明 ニ 関 ス ル 法 律 ) 第 1 条 ) 。 逆 に , 保 証 予 定 者 が 日 本 人 で あ る
限 り , 押 印 は 必 須 の 要 件 で あ る 。
保 証 予 定 者 が 口 が き け な い 者 で あ る 場 合 は , 公 正 証 書 遺 言 の 場
合 と 同 様 , 申 述 す べ き 各 事 項 を 通 訳 人 の 通 訳 に よ り 申 述 し , 又 は
自 書 し て 口 授 に 代 え な け れ ば な ら な い( 法 第 4 6 5 条 の 7 第 1 項 )。
あ る 程 度 の 発 話 は で き る が , 聴 覚 障 害 等 の た め に 発 音 が 不 明 瞭 で ,
公 証 人 に お い て そ の 聴 取 が 困 難 な 者 も 「 口 が き け な い 者 」 に 当 た
る の で ,留 意 す る 。保 証 予 定 者 が 耳 が 聞 こ え な い 者 で あ る 場 合 は ,
公 正 証 書 遺 言 の 場 合 と 同 様 , 筆 記 し た 内 容 を 通 訳 人 の 通 訳 に よ り
伝 え て , 読 み 聞 か せ に 代 え る こ と が で き る ( 同 条 第 2 項 ) 。 こ れ
ら の 場 合 に は , 公 正 証 書 に そ の 旨 を 記 載 し な け れ ば な ら な い ( 同
条 第 3 項 ) 。
手 話 通 訳 等 の 通 訳 人 は , 保 証 予 定 者 に お い て 確 保 す る 必 要 が あ
る が ( 公 証 人 法 第 3 9 条 ) , 必 要 に 応 じ て , 各 都 道 府 県 の 手 話 通
訳 派 遣 協 会 等 を 通 じ て 一 定 の 水 準 の 能 力 を 有 す る 手 話 通 訳 者 を 確
保 す る こ と が 可 能 で あ る 旨 を 教 示 す る も の と す る 。
6 手 続 の 明 確 化 及 び 証 拠 化
(1) 公 正 証 書 作 成 の 際 の 書 面 の 引 用
公 証 人 が 公 正 証 書 を 作 成 す る 際 に は ,
保 証 予 定 者 が 口 授 し た 内
容 を 公 正 証 書 に 記 載 す る こ と に な る が ,
口 授 し た 内 容 の う ち 細 目
的 事 項 に つ い て は 書 面 を 引 用 す る 方 法 で 記 載 す る こ と も 許 さ れ
る 。
一 般 に ,公 正 証 書 に は 他 の 書 面 を 引 用 す る こ と が で き る( 公 証
人 法 第 4 0 条 )が ,そ れ は ,他 の 書 面 を 補 充 的・補 完 的 に 利 用 す
る こ と を 前 提 と し て い る も の で あ る か ら ,
公 正 証 書 に 本 旨 と す べ 19き 法 律 行 為 の 要 綱 を 記 載 せ ず に ,
契 約 書 等 の 書 面 の 全 部 を 引 用 す
る の は 相 当 で な く ,許 さ れ な い 。し た が っ て ,保 証 意 思 宣 明 公 正
証 書 を 作 成 す る 際 に 契 約 書 等 の 書 面 を 引 用 す る こ と が 許 さ れ る
の は ,細 目 的 な 事 項 に つ い て の み で あ り ,少 な く と も 主 債 務 者 や
債 権 者 ,
主 債 務 の 元 本 の 額 や 極 度 額 に つ い て 書 面 を 引 用 す る こ と
は 許 さ れ な い 。
な お ,書 面 を 引 用 す る 場 合 で あ っ て も ,保 証 予 定 者 に よ る 口 授
を 省 略 す る こ と が で き な い こ と は 当 然 で あ る 。
(2) 保 証 予 定 者 に よ る 説 明 の 記 録 等
前 記 4 (2) 記 載 の と お り ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に 記 載 す べ き 事
項 は , 原 則 と し て 法 定 さ れ た 事 項 に 限 定 さ れ る 。
も っ と も ,
保 証 予 定 者 が 主 債 務 の 内 容 や 保 証 契 約 の リ ス ク に つ
い て 十 分 な 理 解 を し て い る か ど う か が 一 見 疑 わ し く ,
公 証 人 が 注
意 を し た り 説 明 を 求 め た り し た 結 果 ,
最 終 的 に 保 証 意 思 宣 明 公 正
証 書 を 作 成 す る こ と と し た 場 合 な ど ,
そ の 後 に 締 結 さ れ る 保 証 契
約 の 有 効 性 を め ぐ る 紛 争 が 生 ず る 可 能 性 が 高 い と 考 え ら れ る 場
合 に は ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 が 適 切 に 作 成 さ れ た こ と を 示 す た
め ,公 証 人 が し た 注 意 の 内 容 や ,公 証 人 に よ る 説 明 の 求 め に 応 じ
て 保 証 予 定 者 が し た 説 明 の 内 容 ,
公 証 人 が 保 証 予 定 者 に 保 証 契 約
の リ ス ク を 理 解 さ せ る た め に し た 説 明 の 内 容 等 の 要 領 を 録 取 し
た 書 面 を 作 成 し ,
証 書 の 原 本 と と も に 附 属 書 類 と し て 連 綴 す る も
の と す る 。
7 そ の 他 の 留 意 事 項
(1) 執 行 認 諾 文 言
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は ,保 証 契 約 の 締 結 に 先 立 ち ,保 証 契 約
書 と は 別 に 作 成 さ れ な け れ ば な ら な い も の で あ り , 民 事 執 行 法
( 昭 和 5 4 年 法 律 第 4 号 )
第 2 2 条 第 5 号 に 規 定 す る 執 行 証 書 と
な る こ と は な い 。そ の た め ,保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に は ,債 務 者
が 直 ち に 強 制 執 行 に 服 す る 旨 の 陳 述( 執 行 認 諾 文 言 )を 付 す る こ
と は で き な い 。
(2) 保 証 契 約 公 正 証 書 の 作 成
法 第 4 6 5 条 の 6 第 1 項 は ,保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は ,保 証 契 20約 の 締 結 に 先 立 ち 作 成 さ れ な け れ ば な ら な い と し て い る が ,
手 続
上 こ れ ら の 先 後 を 明 確 に し た 上 で ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 と 保 証
契 約 公 正 証 書 を 同 じ 日 に 作 成 す る こ と は 可 能 で あ る 。
も っ と も ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 に 係 る 保 証 予 定 者 の 意
思 と ,保 証 契 約 公 正 証 書 の 作 成 に 係 る 保 証 予 定 者 の 意 思 は ,そ の
時 期 及 び 内 容 の 点 に お い て 別 個 の も の で あ る か ら ,
保 証 契 約 公 正
証 書 作 成 の 際 に は 改 め て 意 思 確 認 を 行 わ な け れ ば な ら な い 。
特 に ,
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 作 成 後 ,
直 ち に 執 行 認 諾 文 言 付 き の 保 証 契
約 公 正 証 書 の 作 成 が 嘱 託 さ れ る よ う な 場 合 に は ,
当 該 保 証 契 約 公
正 証 書 を 作 成 す る に 当 た っ て ,
保 証 予 定 者 が 執 行 認 諾 文 言 を 付 す
意 味 を 真 に 理 解 し て い る か ど う か の 確 認 を 慎 重 に 行 わ な け れ ば
な ら な い 。公 証 人 は ,保 証 予 定 者 に 対 し ,執 行 認 諾 文 言 付 き の 保
証 契 約 公 正 証 書 を 作 成 す る こ と の 意 味 を ,
将 来 保 証 予 定 者 に 生 じ
得 る 不 利 益 を 含 め ,よ り 丁 寧 に 説 明 し ,保 証 予 定 者 が そ の 意 味 を
真 に 理 解 を し て い な い こ と が 疑 わ れ る と き に は ,
日 を 改 め て 再 度
意 思 確 認 を 行 う 等 の 配 慮 を す る も の と す る 。
第 5 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 様 式 等
1 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 様 式
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 様 式 に つ い て は ,
通 常 の 公 正 証 書 の 様 式
に よ る も の と す る 。
2 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 通 数
保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 は , 保 証 予 定 者 ご と に , 別 個 に 作 成 す る
も の と す る 。
保 証 予 定 者 が 締 結 し よ う と す る 保 証 契 約 が 複 数 あ る 場 合 ( 異 な
る 債 権 者 と の 間 に 保 証 契 約 が 複 数 あ る 場 合 を 含 む 。 ) に は , 公 証
人 は , 嘱 託 人 の 選 択 に 従 い , 保 証 契 約 ご と に 各 一 通 の , 又 は 一 括
し て 1 通 の 公 正 証 書 を 作 成 す る も の と す る 。
3 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 の 作 成 手 数 料
手 数 料 の 額 は , 保 証 予 定 者 に よ る 保 証 意 思 の 表 示 1 件 に つ き 1
万 1 , 0 0 0 円 で あ る ( 公 証 人 手 数 料 令 ( 平 成 5 年 政 令 第 2 2 4
号 ) 第 9 条 , 第 1 6 条 及 び 別 表 参 照 ) 。 な お , 保 証 意 思 の 表 示 の 21件 数 は , 保 証 契 約 ご と に , 1 件 と す る も の と す る 。
4 提 出 を 受 け た 書 面 等 の 保 存
公 証 人 は , 保 証 予 定 者 か ら , 保 証 契 約 に つ い て の 保 証 予 定 者 の
認 識 を 記 載 し た 書 面 , 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に 記 載 す べ き 事 項 を
裏 付 け る 資 料 , 保 証 予 定 者 が 主 債 務 者 か ら 法 第 4 6 5 条 の 1 0 に
基 づ く 情 報 の 提 供 を 受 け た こ と を 裏 付 け る 資 料 そ の 他 の 保 証 意 思
の 確 認 が 適 切 に 行 わ れ た こ と を 明 ら か に す る 重 要 な 書 面 が 提 出 さ
れ た 場 合 に は , 当 該 書 面 を 附 属 書 類 ( 公 証 人 法 第 4 1 条 第 1 項 )
と し て 保 証 意 思 宣 明 公 正 証 書 に 連 綴 す る も の と す る 。 ま た , 公 証
人 が 保 証 予 定 者 の 口 授 又 は 質 問 に 対 す る 回 答 の 要 領 を 録 取 し た 書
面 を 作 成 し た 場 合 に は , 当 該 書 面 も , 上 記 提 出 さ れ た 書 面 と 同 様
に , 附 属 書 類 と し て 連 綴 す る も の と す る 。
以 上

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