経過措置について
1 原則
相続開始時を基準とする旧法主義を採用(改正法は施行日後に開始した相続につ
いて適用され,施行日前に開始した相続については,旧法が適用される)。
2 例外
以下の規律については,原則と異なる経過措置が置かれている。
1権利の承継の対抗要件,2夫婦間における居住用不動産の贈与等,3遺産の分
割前における預貯金債権の行使,4自筆証書遺言の方式緩和,5配偶者の居住の権
利に関する規律など
例外について
1 権利の承継の対抗要件(法附則第3条)
受益相続人による通知を認める特例(第899条の2)については,施行
日前に開始した相続について遺産分割により承継が行われる場合につい
て,適用する。
2 夫婦間における居住用不動産の贈与等(法附則第4条)
新法の規定(第903条第4項)については,施行日後に行われた贈与等
について適用する(相続開始が施行日以後であっても,施行日前にされた
贈与等については適用されない。)。
3 遺産分割前の預貯金の払戻し制度(法附則第5条)
新法主義を採用(相続開始が施行日前であっても適用)
* なお,家事事件手続法第200条第3項の規律については,明文の
規定はないが,当然に新法適用(法附則第2条の適用はない。)
4 自筆証書遺言の方式緩和(法附則第6条)
新法の規定(第968条)については,施行日後に作成された遺言につい
て適用する(相続開始が施行日以後であっても,施行日前に作成された
遺言については適用されない。)。
5 配偶者の居住の権利(法附則第10条)
施行日前にされた配偶者居住権の遺贈は無効とする。

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