12 0 1 9 年 6 月 1 4 日
若年者への消費者教育の推進に関する
4省庁関係局長連絡会議申合せ
「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」進捗状況
(2018 年度【平成 30 年度】末時点)
1 高等学校等における消費者教育の推進
(1)学習指導要領の徹底【文部科学省】
現行学習指導要領の趣旨の周知・徹底を図り、社会科や家庭科を中心に
各教科等において充実した消費者教育を推進するほか、法教育、金融経済
教育等も充実を図った。
新学習指導要領においても消費者教育の内容の更なる充実が図られてお
り、全国の都道府県教育委員会の指導主事等を対象とする会議において、
新しい小・中・高等学校学習指導要領の趣旨の徹底を図った。
2019 年度以降においても引き続き学習指導要領の趣旨の徹底を図って
いく。
民法の成年年齢引下げを踏まえ、2020 年度以降の高等学校入学生が、
成年となる第3学年よりも前の第1学年及び第2学年のうちに家庭科の消
費生活に関わる内容を学習することになるよう高等学校学習指導要領にお
ける家庭科の履修学年に関する改正を行ったことから、このことについて
も併せて引き続き周知を図る。【文部科学省】
(2)消費者教育教材の開発、手法の高度化【消費者庁・金融庁・法務省・
文部科学省】
消費者庁で 2016 年度に高校生向け消費者教育教材「社会への扉」を作
成した。2017 年度は、徳島県の全高等学校等(56 校、6,900 人)で「社
会への扉」を活用した授業を実施し、活用事例集を作成・公表した。
2018 年度は、全国で同様の授業を実施することを目指して、全都道府
県への働き掛けを行った。2018 年度における「社会への扉」等の活用実
績は下記表のとおりである。
2019 年度は、44 都道府県で「社会への扉」などの消費者教育教材の活
用の意向を示している。【消費者庁】
(表1)2018 年度における「社会への扉」の活用実績
消費者教育教材活用校/域内の高等学校等数 都道府県の数
90%以上 2
80%以上〜90%未満 2
70%以上〜80%未満 2
60%以上〜70%未満 6
50%以上〜60%未満 6
50%未満 28
合計(注) 46
(注)東京都について、2018 年度においては、消費者教育教材活用校の取りま
とめを行っていないため、不明である。
資料4 2(表2)学校種別における活用実績 【単位:都道府県の数】
消費者教育教材活用校
/域内の高等学校等数
国公立
高等学校等
私立
高等学校等
特別支援学校 高等専門学校
90%以上 8 1 2 12
80%以上〜90%未満 4 3 3 ―
70%以上〜80%未満 1 2 1 ―
60%以上〜70%未満 4 ― 2 ―
50%以上〜60%未満 7 2 1 3
50%未満 22 38 37 25
合計(注1) 46 46 46 40(注2)
(注1)東京都について、2018 年度においては、消費者教育教材活用校の取り
まとめを行っていないため、不明である。
(注2)6県については高等専門学校がないため集計対象としていない。
全国の教育委員会関係者や校長、教員等が集まる会議、研修等におい
て、「社会への扉」を周知し、活用の推進を図った。【文部科学省】
法務省では、教育関係者、法曹関係者等で構成する法教育推進協議会及
び教材作成部会において、発達段階に応じた法教育教材を作成している。
法教育教材では、消費活動の前提となる私法の基本的な考え方についても
取り上げており、例えば、高校生向け法教育教材においては、「私法と契
約」の項目を設け、消費者保護にも触れるなど、消費者教育の観点をも踏
まえた内容としている。そのほかにも小学生向け、中学生向けの法教育教
材をそれぞれ作成しており、これらの教材を 2018 年度から順次、全国の
小中学校、高等学校、教育委員会、社会科・公民科の教職課程を有する大
学の学部、教員研修施設、都道府県の消費者行政担当課等に配布してい
る。
また、これらの教材を利用した法教育の実施について教員研修での講義
を行っているほか、2019 年度は、教員向けの法教育セミナーの実施や、
法教育授業の実践内容をモデル授業例として公開することも予定してい
る。
これらの取組等を通じて、学校現場における実践的な消費者教育の推進
を図っている。【法務省】
(3)実務経験者の学校教育現場での活用【消費者庁・金融庁・文部科学
省】
「学校における消費者教育の充実について」(平成 28 年4月 28 日消費
者教育推進会議提案)等を踏まえ、消費者教育の推進に関する基本方針の
変更において、消費者教育コーディネーターの育成・配置に向けた支援を
行うことを記載した。
「若年者の消費者教育分科会」取りまとめ(2018 年6月)において、
消費者教育コーディネーターの役割等が提示された。
平成 30 年度地方消費者行政の現況調査の結果によれば、19 府県におい
て、消費者教育コーディネーターが配置されている。 3また、地域における消費者教育の充実に向けた多様な主体の連携体制の
構築のため、2019 年1月の消費者教育推進会議において「地域における
消費者教育の充実に向けた連携に関する分科会」の立上げを決定し、同年
2月から同分科会を開催している。この中で、消費者教育コーディネータ
ーの役割や、育成・配置の促進の方策について、実際の地方公共団体にお
ける事例を踏まえつつ検討を実施している。同分科会は、2019 年7月に
取りまとめることを予定している。【消費者庁】
外部の専門家等を活用した授業モデルの成果普及による実務経験者の学
校教育現場での活用の推進を図っている。【文部科学省】
(4)教員の養成・研修【消費者庁・文部科学省】
若年者の消費者教育分科会において、大学の教員養成課程、現職教員研
修、教員免許更新講習等における消費者教育に関する取組について検討を
行い(2018 年6月取りまとめ)、消費者教育推進会議での報告・意見聴
取を踏まえ、今後の取組方針を決定した(「若年者への消費者教育の推進
に関するアクションプログラム」(2018 年2月 20 日若年者への消費者教
育の推進に関する4省庁関係局長連絡会議決定。同年7月 12 日改定。)
別紙)。
これを踏まえ、独立行政法人国民生活センターにおいて、2019 年度に
教員の免許状更新講習を実施する大学への協力を行うことを決定した(講
習のカリキュラム作成や講師の選定、講習の実施における協力や、講義へ
の講師としての出講)。また文部科学省において、免許状更新講習の申請
要領を示した大学等の講習開設者に向けた通知の中で、消費者教育を含む
成年年齢引下げに関する事項を取り上げた講習を必修領域や選択領域にお
いて開設できることを示した上で、開設を推進している。【消費者庁、文
部科学省】
消費者庁が 2016 年度に作成した高校生向け消費者教育教材「社会への
扉」の積極的な活用を促すため、独立行政法人教職員支援機構において、
同教材を活用した消費者教育についての教員用研修動画を作成しウェブサ
イト上で公開するとともに、文部科学省において、全国の研修担当者等に
対し研修動画の活用等を促した。
また、教職員研修実施に関する主な提言等をまとめた事務連絡を新たに
発出し、「消費者教育の推進に関する基本的な方針」等を踏まえた研修の
充実を全国の教育委員会に依頼した。
さらに、「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラ
ム」の改定を踏まえた通知を発出し、全国の教育委員会や教職課程を置く
大学等に対して、教員の養成・研修等における消費者教育に関する内容の
充実等を促した。【文部科学省】
2 大学等における消費者教育の推進
(1)大学、専門学校等と消費生活センターとの連携、消費者被害防止に関
する情報提供、取組の普及啓発等を行う。【消費者庁・文部科学省】
大学、専門学校等と地元の消費生活センターとの連携の支援を含め、地
域における消費者教育の充実に向けた多様な主体の連携体制の構築のた 4め、2019 年1月の消費者教育推進会議において「地域における消費者教
育の充実に向けた連携に関する分科会」の立上げを決定し、同年2月から
同分科会を開催している。
また、この推進会議においては、平成 28 年度消費者教育に関する取組
状況調査(文部科学省実施)を基に作成した、消費生活センター等の他機
関との連携により実施している大学等における講義・ゼミでの消費者教育
の事例に関する資料を提示し、その後、消費者庁ウェブサイトにて公表す
ることにより、情報を提供している。【消費者庁】
大学、専門学校等と地元の消費生活センターとの連携を支援し、被害事
例に関する情報共有を実施しており、全ての大学の学生に対するガイダン
ス等での指導・啓発の推進を図っている。【文部科学省】
(2)大学、専門学校等と地元の消費生活センターとの連携を支援し、出前
講座等を実施する。【消費者庁】
大学、専門学校等と地元の消費生活センターとの連携の支援を含め、地
域における消費者教育の充実に向けた多様な主体の連携体制の構築のた
め、2019 年1月の消費者教育推進会議において「地域における消費者教
育の充実に向けた連携に関する分科会」の立上げを決定し、同年2月から
同分科会を開催している。【消費者庁】
(3)大学における講義実施等を通じた正しい金融知識の普及【金融庁】
金融庁・財務局職員による、大学を含む学校向けの出張授業を抜本的に
拡充し、金融リテラシーに係る講義を実施した。
金融庁や、金融広報中央委員会等の関係団体から構成される金融経済教
育推進会議において、大学生・社会人等を対象とした金融リテラシーに係
る教材である「コアコンテンツ」を策定した。【金融庁】
3 その他
(1)消費者教育推進計画・消費者教育推進地域協議会の策定・設置【消費
者庁】
「消費者教育推進計画」は 47 都道府県、18 政令市で策定済み。「消費
者教育推進地域協議会」は 47 都道府県、19 政令市で設置済み。【消費者
庁】
(2)大学等及び社会教育における消費者教育の指針の見直し【文部科学
省】
2010 年度作成の「大学等及び社会教育における消費者教育の指針」に
ついて、文部科学省の消費者教育推進委員会において、同指針を改訂し
(2018 年7月公表)、全国の大学等及び教育委員会へ周知を図ってお
り、全ての大学の学生に対するガイダンス等での指導・啓発を図ってい
る。【文部科学省】

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