民法等の一部を改正する法律(民法の一部改正)第一条民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。第八百十七条の五中「に六歳」を「に十五歳」に改め、ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。第八百十七条の五に次の二項を加える。2前項前段の規定は、養子となる者が十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、十五歳に達するまでに第八百十七条の二に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。3養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。(家事事件手続法の一部改正) 第二条家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。第三条の五中「第百六十四条第一項及び第二項において同じ」を「第百六十四条において同じ。)(特別養子適格の確認の審判事件(同条第二項に規定する特別養子適格の確認についての審判事件をいう。第百六十四条の二第二項及び第四項において同じ。)を含む」に改める。第百六十四条第八項第一号中「の父母、養子となるべき者に対し親権を行う者で養子となるべき者の父母でないもの、養子となるべき者の未成年後見人、養子となるべき者の父母に対し親権を行う者及び養子となるべき者の父母の後見人」を「及び第六項第二号に掲げる者」に改め、同項を同条第十四項とし、同条第六項及び第七項を削り、同条第五項中「第三項第二号及び第三号」を「第六項第二号」に改め、同項を同条第八項とし、同項の次に次の五項を加える。9特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮してその者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。ただし、養子となるべき者が十五歳に達している場合は、この限りでない。特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の父母に告知することを要しない。ただし、住所又10 は居所が知れている父母に対しては、審判をした日及び審判の主文を通知しなければならない。家庭裁判所は、第二項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判を、特別養子適格の確認の審11判と同時にすることができる。この場合においては、特別養子縁組の成立の審判は、特別養子適格の確認の審判が確定するまでは、確定しないものとする。家庭裁判所は、前項前段の場合において、特別養子適格の確認の審判を取り消す裁判が確定したとき12は、職権で、特別養子縁組の成立の審判を取り消さなければならない。特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者が十八歳に達した日以後は、確定しないものとする13。この場合においては、家庭裁判所は、職権で、その審判を取り消さなければならない。第百六十四条第四項を削り、同条第三項後段を削り、同項第一号中「の父母」を「(十五歳以上のものに限る。)」に改め、同項第二号中「前号に掲げる」を「養子となるべき者の父母及び養子となるべき者の親権者に対し親権を行う」に改め、同項第三号を削り、同項を同条第六項とし、同項の次に次の一項を加える。7特別養子適格の確認の審判(児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判を含む。以下こ の項において同じ。)は、特別養子縁組の成立の審判事件の係属する裁判所を拘束する。この場合において、特別養子適格の確認の審判は、特別養子縁組の成立の審判事件との関係においては、特別養子縁組の成立の審判をする時においてしたものとみなす。第百六十四条第二項中「及び養子となるべき者の父母」を「並びに養子となるべき者及び申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方」に改め、同項を同条第五項とし、同条第一項の次に次の三項を加える。2養子となるべき者は、特別養子適格の確認(養子となるべき者について民法第八百十七条の六に定める要件があること及び同法第八百十七条の七に規定する父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合に該当することについての確認をいう。以下この条及び次条において同じ。)の審判(申立人の同条第一項の規定による申立てによりされたものに限る。)を受けた者又は児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判(特別養子縁組の成立の申立ての日の六箇月前の日以後に確定したものに限る。)を受けた者でなければならない。3養子となるべき者の親権者(申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する 他の一方を除く。以下この項において同じ。)及びその親権者に対し親権を行う者は、特別養子縁組の成立の審判事件において養子となるべき者を代理して手続行為をすることができない。4養子となるべき者の父母(申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方を除く。第十項において同じ。)は、第四十二条第一項及び第三項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判事件の手続に参加することができない。第百六十四条に次の一項を加える。養子となるべき者(十五歳未満のものに限る。)による特別養子縁組の成立の審判に対する即時抗告15の期間は、養子となるべき者以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。第百六十四条の次に次の一条を加える。(特別養子適格の確認の審判事件)第百六十四条の二家庭裁判所は、養親となるべき者の申立てにより、その者と養子となるべき者との間における縁組について、特別養子適格の確認の審判をすることができる。ただし、養子となるべき者の 出生の日から二箇月を経過する日まで及び養子となるべき者が十八歳に達した日以後は、この限りでない。2特別養子適格の確認の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。3特別養子適格の確認の申立ては、特別養子縁組の成立の申立てと同時にしなければならない。4第百十八条の規定は、特別養子適格の確認の審判事件における養親となるべき者並びに養子となるべき者及び養子となるべき者の父母について準用する。5民法第八百十七条の六本文の同意は、次の各号のいずれにも該当する場合には、撤回することができない。ただし、その同意をした日から二週間を経過する日までは、この限りでない。一養子となるべき者の出生の日から二箇月を経過した後にされたものであること。二次のいずれかに該当するものであること。イ家庭裁判所調査官による事実の調査を経た上で家庭裁判所に書面を提出してされたものであること。ロ審問の期日においてされたものであること。 6家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。この場合において、第二号に掲げる者の同意がないにもかかわらずその審判をするときは、その者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。一養子となるべき者(十五歳以上のものに限る。)二養子となるべき者の父母三養子となるべき者に対し親権を行う者(前号に掲げる者を除く。)及び養子となるべき者の未成年後見人四養子となるべき者の父母に対し親権を行う者及び養子となるべき者の父母の後見人7家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てに係る特別養子適格の確認の申立てを却下しなければならない。8家庭裁判所は、特別養子適格の確認の申立てを却下する審判をする場合には、第六項第二号及び第三号に掲げる者の陳述を聴かなければならない。 9特別養子適格の確認の審判は、第七十四条第一項に規定する者のほか、第六項第三号及び第四号に掲げる者に告知しなければならない。特別養子適格の確認の審判は、養子となるべき者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して10その者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合において、第六項第二号に掲げる者を特定する11ことができないときは、同号及び同項第四号に掲げる者の陳述を聴くこと並びにこれらの者にその審判を告知することを要しない。次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。12一特別養子適格の確認の審判養子となるべき者及び第六項第二号から第四号までに掲げる者二特別養子適格の確認の申立てを却下する審判申立人養子となるべき者による特別養子適格の確認の審判に対する即時抗告の期間は、養子となるべき者以13外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取14 り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てによる特別養子適格の確認の審判は、その効力を失う。第二百三十四条中「及び児童相談所長」を「、児童相談所長」に、「は、」を「及び児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件(同表の百二十八の三の項の事項についての審判事件をいう。以下この節において同じ。)は、」に改める。第二百三十五条中「未成年後見人及び児童」の下に「並びに児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件における児童及びその父母」を加える。第二百三十六条に次の一項を加える。3第百六十四条の二第六項及び第八項の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。第二百三十七条に次の一項を加える。2第百六十四条の二第九項から第十一項までの規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。 第二百三十八条に次の一項を加える。2第百六十四条の二第十二項及び第十三項の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。第二百三十九条を次のように改める。(児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判の特則)第二百三十九条家庭裁判所は、児童の出生の日から二箇月を経過する日まで及び児童が十八歳に達した日以後は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判をすることができない。2第百六十四条の二第五項の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。別表第一の百二十八の二の項の次に次のように加える。百二十八の三児童相談所長の申立てによる児童福祉法第三十三条の六の二第一項特別養子適格の確認(児童福祉法の一部改正) 第三条児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。第十一条第一項第二号ト中「特別養子縁組」の下に「(第三十三条の六の二において「特別養子縁組」という。)」を加える。第三十三条の六の次に次の二条を加える。第三十三条の六の二児童相談所長は、児童について、家庭裁判所に対し、養親としての適格性を有する者との間における特別養子縁組について、家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第百六十四条第二項に規定する特別養子適格の確認を請求することができる。児童相談所長は、前項の規定による請求に係る児童について、特別養子縁組によつて養親となることを希望する者が現に存しないときは、養子縁組里親その他の適当な者に対し、当該児童に係る民法第八百十七条の二第一項に規定する請求を行うことを勧奨するよう努めるものとする。第三十三条の六の三児童相談所長は、児童に係る特別養子適格の確認の審判事件(家事事件手続法第三条の五に規定する特別養子適格の確認の審判事件をいう。)の手続に参加することができる。前項の規定により手続に参加する児童相談所長は、家事事件手続法第四十二条第七項に規定する利害 関係参加人とみなす。附則(施行期日)1この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三項の規定は、公布の日から施行する。(経過措置)2この法律の施行の際現に係属している特別養子縁組の成立の審判事件に関する養子となる者の年齢についての要件及び当該審判事件の手続については、なお従前の例による。(政令への委任)3前項に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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