- 1 -民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(民法の一部改正)第一条民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。目次中「第八百九十九条」を「第八百九十九条の二」に、「第千二十七条」を「第千四十一条」に、「「第八章遺留分(第千四十二条―第千四十九条)第八章遺留分(第千二十八条―第千四十四条)」を第九章特別の寄与(第千五十条)に改める。」第八百八十五条第二項を削る。第五編第三章第一節中第八百九十九条の次に次の一条を加える。(共同相続における権利の承継の対抗要件)第八百九十九条の二相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備え - 2 -なければ、第三者に対抗することができない。2前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。第九百二条第一項ただし書を削り、同条の次に次の一条を加える。(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使)第九百二条の二被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。第九百三条第一項中「前三条」を「第九百条から第九百二条まで」に改め、同条第三項中「その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する」を「その意思に従う」に改め、同
- 3 -条に次の一項を加える。4婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。第九百六条の次に次の一条を加える。(遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)第九百六条の二遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。2前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。第九百七条第一項中「遺産の」の下に「全部又は一部の」を加え、同条第二項中「その」の下に「全部又は一部の」を加え、同項に次のただし書を加える。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合における - 4 -その一部の分割については、この限りでない。第九百七条第三項中「前項」を「前項本文」に改める。第九百九条の次に次の一条を加える。(遺産の分割前における預貯金債権の行使)第九百九条の二各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。第九百六十四条ただし書を削る。第九百六十八条第二項中「自筆証書」の下に「(前項の目録を含む。)」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
- 5 -2前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。第九百七十条第二項及び第九百八十二条中「第九百六十八条第二項」を「第九百六十八条第三項」に改める。第九百九十八条を次のように改める。(遺贈義務者の引渡義務)第九百九十八条遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。第千条を次のように改める。第千条削除
- 6 -第千七条に次の一項を加える。2遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。第千十二条第一項中「遺言執行者は」の下に「、遺言の内容を実現するため」を加え、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。2遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。第千十三条に次の二項を加える。2前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。3前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。第千十四条に次の三項を加える。2遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨 - 7 -の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第八百九十九条の二第一項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。3前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。4前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。第千十五条及び第千十六条を次のように改める。(遺言執行者の行為の効果)第千十五条遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。(遺言執行者の復任権)第千十六条遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 - 8 -2前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。第千二十五条ただし書中「その行為が」の下に「錯誤、」を加える。第五編第八章中第千四十四条を削り、第千四十三条を第千四十九条とする。第千四十二条の見出し中「減殺請求権」を「遺留分侵害額請求権」に改め、同条中「減殺の」を「遺留分侵害額の」に、「減殺すべき」を「遺留分を侵害する」に改め、同条を第千四十八条とする。第千四十条及び第千四十一条を削る。第千三十九条の見出しを削り、同条中「これを贈与」を「当該対価を負担の価額とする負担付贈与」に改め、同条後段を削り、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。負担付贈与がされた場合における第千四十三条第一項に規定する贈与した財産の価額は、その目的の価額から負担の価額を控除した額とする。第千三十九条を第千四十五条とし、同条の次に次の二条を加える。(遺留分侵害額の請求)
- 9 -第千四十六条遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。2遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。一遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額二第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額三被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額(受遺者又は受贈者の負担額)第千四十七条受遺者又は受贈者は、次の各号の定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産の取得を含む。以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を
- 10 -算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第千四十二条の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。一受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。二受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。三受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。2第九百四条、第千四十三条第二項及び第千四十五条の規定は、前項に規定する遺贈又は贈与の目的の価額について準用する。3前条第一項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額の限度において、遺留分権利者に対する意思表示によ
- 11 -って第一項の規定により負担する債務を消滅させることができる。この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。4受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。5裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第一項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。第千三十一条から第千三十八条までを削る。第千三十条に次の二項を加える。2第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。3相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。第千三十条を第千四十四条とする。第千二十九条の前の見出しを削り、同条第一項中「遺留分」を「遺留分を算定するための財産の価額」 - 12 -に、「控除して、これを算定する」を「控除した額とする」に改め、同条を第千四十三条とし、同条の前に見出しとして「(遺留分を算定するための財産の価額)」を付する。第千二十八条中「として」の下に「、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に」を加え、「に相当する」を「を乗じた」に改め、同条各号中「被相続人の財産の」を削り、同条に次の一項を加える。2相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。第千二十八条を第千四十二条とし、第五編第七章第五節中第千二十七条の次に次の十四条を加える。第千二十八条から第千四十一条まで削除本則に次の一章を加える。第九章特別の寄与第千五十条被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一 - 13 -条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。2前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。3前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。4特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。5相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。 - 14 -第二条民法の一部を次のように改正する。「第八章遺留分(第千四十二条―第千四十九条)目次中「第千四十一条」を「第千二十七条」に、第九章特別の寄与(第千五十条)」「第八章配偶者の居住の権利第一節配偶者居住権(第千二十八条―第千三十六条)を第二節配偶者短期居住権(第千三十七条―第千四十一条)に改める。第九章遺留分(第千四十二条―第千四十九条)第十章特別の寄与(第千五十条)」第千二十八条から第千四十一条までを削り、第五編中第九章を第十章とし、第八章を第九章とし、第七章の次に次の一章を加える。第八章配偶者の居住の権利第一節配偶者居住権(配偶者居住権) - 15 -第千二十八条被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。一遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。二配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。2居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。3第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。(審判による配偶者居住権の取得)第千二十九条遺産の分割の請求を受けた家庭裁判所は、次に掲げる場合に限り、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができる。 - 16 -一共同相続人間に配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき。二配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めるとき(前号に掲げる場合を除く。)。(配偶者居住権の存続期間)第千三十条配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。(配偶者居住権の登記等)第千三十一条居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。2第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。 - 17 -(配偶者による使用及び収益)第千三十二条配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。2配偶者居住権は、譲渡することができない。3配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。4配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。(居住建物の修繕等)第千三十三条配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができる。2居住建物の修繕が必要である場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、居 - 18 -住建物の所有者は、その修繕をすることができる。3居住建物が修繕を要するとき(第一項の規定により配偶者が自らその修繕をするときを除く。)、又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、居住建物の所有者が既にこれを知っているときは、この限りでない。(居住建物の費用の負担)第千三十四条配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。2第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。(居住建物の返還等)第千三十五条配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物の所有者は、配偶者居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。2第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相
- 19 -続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。(使用貸借及び賃貸借の規定の準用)第千三十六条第五百九十七条第一項及び第三項、第六百条、第六百十三条並びに第六百十六条の二の規定は、配偶者居住権について準用する。第二節配偶者短期居住権(配偶者短期居住権)第千三十七条配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶 - 20 -者居住権を取得したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。一居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日二前号に掲げる場合以外の場合第三項の申入れの日から六箇月を経過する日2前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。3居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。(配偶者による使用)第千三十八条配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。2配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。 - 21 -3配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。(配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅)第千三十九条配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。(居住建物の返還等)第千四十条配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。2第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。(使用貸借等の規定の準用)第千四十一条第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三
- 22 -条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。(家事事件手続法の一部改正)第三条家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。「第十八節遺留分に関する審判事目次中「第十八節遺留分に関する審判事件(第二百十六条)」を第十八節の二特別の寄与に関す件(第二百十六条)に改める。る審判事件(第二百十六条の二―第二百十六条の五)」第三条の十一第一項中「十四の項」を「十五の項」に改め、同条第四項中「同じ。)」の下に「及び特別の寄与に関する処分の審判事件(同表の十五の項の事項についての審判事件をいう。第三条の十四及び第二百十六条の二において同じ。)」を加える。第三条の十四中「審判事件」の下に「又は特別の寄与に関する処分の審判事件」を加える。第二百条第一項中「次項」の下に「及び第三項」を加え、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
- 23 -3前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。第二百十五条第一項中「相続人の利益」を「遺言の内容の実現」に改める。第二百十六条第一項第一号中「算定する」の下に「ための財産の価額を定める」を加える。第二編第二章第十八節の次に次の一節を加える。第十八節の二特別の寄与に関する審判事件(管轄)第二百十六条の二特別の寄与に関する処分の審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
- 24 -(給付命令)第二百十六条の三家庭裁判所は、特別の寄与に関する処分の審判において、当事者に対し、金銭の支払を命ずることができる。(即時抗告)第二百十六条の四次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。一特別の寄与に関する処分の審判申立人及び相手方二特別の寄与に関する処分の申立てを却下する審判申立人(特別の寄与に関する審判事件を本案とする保全処分)第二百十六条の五家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所)は、特別の寄与に関する処分についての審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は申立人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、特別の寄与に関する処分の審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
- 25 -第二百三十三条第一項中「別表第二の十五の項」を「別表第二の十六の項」に改める。第二百四十条第二項中「別表第二の十六の項」を「別表第二の十七の項」に改める。別表第一の百九の項中「算定する」の下に「ための財産の価額を定める」を加え、「第千二十九条第二項」を「第千四十三条第二項」に改める。別表第一の百十の項中「第千四十三条第一項」を「第千四十九条第一項」に改める。別表第二の生活保護法等の部中十六の項を十七の項とし、同表の厚生年金保険法の部中十五の項を十六の項とし、同表の遺産の分割の部の次に次の一部を加える。特別の寄与十五特別の寄与に関する処分民法第千五十条第二項附則(施行期日)第一条この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 26 -一附則第三十条及び第三十一条の規定公布の日二第一条中民法第九百六十八条、第九百七十条第二項及び第九百八十二条の改正規定並びに附則第六条の規定公布の日から起算して六月を経過した日三第一条中民法第九百九十八条、第千条及び第千二十五条ただし書の改正規定並びに附則第七条及び第九条の規定民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行の日四第二条並びに附則第十条、第十三条、第十四条、第十七条、第十八条及び第二十三条から第二十六条までの規定公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日五第三条中家事事件手続法第三条の十一及び第三条の十四の改正規定並びに附則第十一条第一項の規定人事訴訟法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日(民法の一部改正に伴う経過措置の原則)第二条この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 - 27 -(共同相続における権利の承継の対抗要件に関する経過措置)第三条第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による債権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。(夫婦間における居住用不動産の遺贈又は贈与に関する経過措置)第四条新民法第九百三条第四項の規定は、施行日前にされた遺贈又は贈与については、適用しない。(遺産の分割前における預貯金債権の行使に関する経過措置)第五条新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。2施行日から附則第一条第三号に定める日の前日までの間における新民法第九百九条の二の規定の適用については、同条中「預貯金債権のうち」とあるのは、「預貯金債権(預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権をいう。以下同じ。)のうち」とする。(自筆証書遺言の方式に関する経過措置)
- 28 -第六条附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前にされた自筆証書遺言については、新民法第九百六十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。(遺贈義務者の引渡義務等に関する経過措置)第七条附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(以下「第三号施行日」という。)前にされた遺贈に係る遺贈義務者の引渡義務については、新民法第九百九十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。2第一条の規定による改正前の民法第千条の規定は、第三号施行日前にされた第三者の権利の目的である財産の遺贈については、なおその効力を有する。(遺言執行者の権利義務等に関する経過措置)第八条新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。2新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。3施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、新民法第千十六条の規定にかかわらず、
- 29 -なお従前の例による。(撤回された遺言の効力に関する経過措置)第九条第三号施行日前に撤回された遺言の効力については、新民法第千二十五条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。(配偶者の居住の権利に関する経過措置)第十条第二条の規定による改正後の民法(次項において「第四号新民法」という。)第千二十八条から第千四十一条までの規定は、次項に定めるものを除き、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)以後に開始した相続について適用し、第四号施行日前に開始した相続については、なお従前の例による。2第四号新民法第千二十八条から第千三十六条までの規定は、第四号施行日前にされた遺贈については、適用しない。(家事事件手続法の一部改正に伴う経過措置)第十一条第三条の規定による改正後の家事事件手続法(以下「新家事事件手続法」という。)第三条の十
- 30 -一第四項の規定は、附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日前にした特定の国の裁判所に特別の寄与に関する処分の審判事件(新家事事件手続法別表第二の十五の項の事項についての審判事件をいう。)の申立てをすることができる旨の合意については、適用しない。2施行日から第三号施行日の前日までの間における新家事事件手続法第二百条第三項の規定の適用については、同項中「民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権」とあるのは、「預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権」とする。(家事事件手続法の一部改正に伴う調整規定)第十二条施行日が人事訴訟法等の一部を改正する法律の施行の日前となる場合には、同日の前日までの間における新家事事件手続法第二百十六条の二及び別表第二の規定の適用については、同条中「審判事件」とあるのは「審判事件(別表第二の十五の項の事項についての審判事件をいう。)」と、同表中「第百九十七条」とあるのは「第百九十七条、第二百十六条の二」とする。(刑法の一部改正)第十三条刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。 - 31 -第百十五条及び第百二十条第二項中「賃貸し」の下に「、配偶者居住権が設定され」を加える。第二百六十二条中「又は賃貸した」を「賃貸し、又は配偶者居住権が設定された」に改める。(抵当証券法の一部改正)第十四条抵当証券法(昭和六年法律第十五号)の一部を次のように改正する。第四条第九号中「又ハ賃借権」を「、賃借権又ハ配偶者居住権」に改める。第四十一条中「第百五十七条第一項乃至第三項」を「第百五十七条(第四項ヲ除ク)」に改める。(農業協同組合法及び農地中間管理事業の推進に関する法律の一部改正)第十五条次に掲げる法律の規定中「第九十三条」の下に「、第九十五条、第九十六条」を加える。一農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の四十七二農地中間管理事業の推進に関する法律(平成二十五年法律第百一号)第二十九条(農業協同組合法及び農地中間管理事業の推進に関する法律の一部改正に伴う経過措置)第十六条前条の規定による改正後の同条各号に掲げる法律の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による受益権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用
- 32 -する。(公共用地の取得に関する特別措置法の一部改正)第十七条公共用地の取得に関する特別措置法(昭和三十六年法律第百五十号)の一部を次のように改正する。第三十八条第二項中「除く。)」の下に「又は配偶者居住権を有する者」を、「その建物の賃借権」の下に「又は配偶者居住権」を加える。(都市再開発法の一部改正)第十八条都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。第二条第十三号中「賃借権」の下に「(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下同じ。)及び配偶者居住権」を加え、同号ただし書を削る。第七十三条第一項第十二号中「借家権」を「賃借権」に改め、「者)」の下に「又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けた者」を加え、「権利」を「賃借権」に改め、同項第十三号中「借家権」を「賃借権」に改め、同項中第二十三号
- 33 -を第二十五号とし、第十四号から第二十二号までを二号ずつ繰り下げ、第十三号の次に次の二号を加える。十四施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、施設建築物の一部について配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間十五前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる施設建築物の一部第七十七条第五項中「借家権」を「賃借権」に改め、「者)」の下に「又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けている者」を、「第一項の規定により」の下に「それぞれ」を加え、同条に次の二項を加える。6権利変換計画においては、第七十一条第三項の申出をした者を除き、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)に対しては、第一項の規定により当該建築物の所有者に与えられることとなる施設建築物の一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。ただし、当該建築物の所有者が同条第一項の申出をしたときは、第四項の規定により施行者に帰属することとなる施設建築物の - 34 -一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。7前項の場合においては、権利変換計画は、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者に対し与えられることとなる施設建築物の一部についての配偶者居住権の存続期間が当該土地に存する建築物の配偶者居住権の存続期間と同一の期間となるように定めなければならない。第八十条第一項中「第十六号又は第十七号」を「第十八号又は第十九号」に改める。第八十一条中「第十四号又は第十五号」を「第十六号又は第十七号」に改める。第八十五条第一項中「第十六号又は第十七号」を「第十八号又は第十九号」に改める。第百二条第一項及び第二項第三号並びに第百三条第一項中「借家権」を「賃借権」に改める。第百十条第五項の表第四十条第一項、第七十三条第一項第十八号及び第十九号の項中「第七十三条第一項第十八号及び第十九号」を「第七十三条第一項第二十号及び第二十一号」に改め、同表第七十三条第一項第十七号の項中「第七十三条第一項第十七号」を「第七十三条第一項第十九号」に改め、同表第七十三条第一項第二十号の項中「第七十三条第一項第二十号」を「第七十三条第一項第二十二号」に改め、同表
- 35 -第七十三条第一項第二十三号の項中「第七十三条第一項第二十三号」を「第七十三条第一項第二十五号」に改める。第百十条の二第六項の表第四十条第一項、第七十三条第一項第十八号及び第十九号、第百三条の見出しの項中「第七十三条第一項第十八号及び第十九号」を「第七十三条第一項第二十号及び第二十一号」に改め、同表第七十三条第一項第十七号、第九十一条第一項の項中「第七十三条第一項第十七号」を「第七十三条第一項第十九号」に改め、同表第七十三条第一項第二十号の項中「第七十三条第一項第二十号」を「第七十三条第一項第二十二号」に改め、同表第七十三条第一項第二十三号の項中「第七十三条第一項第二十三号」を「第七十三条第一項第二十五号」に改め、同表第八十五条第一項の項中「第十六号又は第十七号」を「第十八号又は第十九号」に改め、同表第百三条第一項の項中「借家権」を「賃借権」に改める。第百十一条の表第四十条第一項、第七十三条第一項第十八号及び第十九号並びに第四項ただし書、第七十七条の見出し、同条第一項、第二項前段及び第四項、第七十九条第三項、第八十八条第三項、第百二条第一項、第百三条の見出し、第百八条の見出し、同条第一項の項中「第七十三条第一項第十八号及び第十九号」を「第七十三条第一項第二十号及び第二十一号」に改め、同表第七十三条第一項第十七号、第九十 - 36 -一条第一項、第百三条第一項、第百四条第一項の項中「第七十三条第一項第十七号」を「第七十三条第一項第十九号」に改め、同表第七十三条第一項第二十号の項中「第七十三条第一項第二十号」を「第七十三条第一項第二十二号」に改め、同表第八十一条の項中「第十四号」を「第十六号」に、「第十五号」を「第十七号」に改める。(著作権法の一部改正)第十九条著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。第七十七条第一号及び第八十八条第一項第一号中「(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)」を削る。(著作権法の一部改正に伴う経過措置)第二十条前条の規定による改正後の著作権法第七十七条(同法第百四条において準用する場合を含む。)及び第八十八条第一項の規定は、施行日以後の著作権、出版権若しくは著作隣接権又はこれらの権利を目的とする質権(以下この条において「著作権等」という。)の移転について適用し、施行日前の著作権等の移転については、なお従前の例による。 - 37 -(半導体集積回路の回路配置に関する法律の一部改正)第二十一条半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)の一部を次のように改正する。第二十一条第一項各号中「(相続その他の一般承継によるものを除く。)」を削る。(半導体集積回路の回路配置に関する法律の一部改正に伴う経過措置)第二十二条前条の規定による改正後の半導体集積回路の回路配置に関する法律第二十一条第一項の規定は、施行日以後の回路配置利用権、専用利用権若しくは通常利用権又はこれらの権利を目的とする質権(以下この条において「回路配置利用権等」という。)の移転について適用し、施行日前の回路配置利用権等の移転については、なお従前の例による。(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正)第二十三条密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。第二条第十五号中「賃借権」の下に「(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。第十三 - 38 -条第三項及び第五章を除き、以下同じ。)及び配偶者居住権」を加え、同号ただし書を削る。第二百五条第一項第十二号中「の借家権者」を「について賃借権を有する者」に、「借家権を」を「賃借権を」に、「借家権の」を「賃借権の」に改め、「者)」の下に「又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けた者」を加え、「借家権に」を「賃借権に」に改め、同項第十三号中「借家権」を「賃借権」に改め、同項中第二十三号を第二十五号とし、第十四号から第二十二号までを二号ずつ繰り下げ、第十三号の次に次の二号を加える。十四施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、防災施設建築物の一部について配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間十五前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる防災施設建築物の一部第二百九条第五項中「借家権」を「賃借権」に改め、「者)」の下に「又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けている者」を、「
- 39 -第一項の規定により」の下に「それぞれ」を加え、同条に次の二項を加える。6権利変換計画においては、第二百三条第三項の申出をした者を除き、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)に対しては、第一項の規定により当該建築物の所有者に与えられることとなる防災施設建築物の一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。ただし、当該建築物の所有者が同条第一項の申出をしたときは、第四項の規定により施行者に帰属することとなる防災施設建築物の一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。7前項の場合においては、権利変換計画は、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者に対し与えられることとなる防災施設建築物の一部についての配偶者居住権の存続期間が当該土地に存する建築物の配偶者居住権の存続期間と同一の期間となるように定めなければならない。第二百十三条第一項中「第十六号又は第十七号」を「第十八号又は第十九号」に改める。第二百十四条中「第十四号又は第十五号」を「第十六号又は第十七号」に改める。
- 40 -第二百十八条第一項中「第十六号又は第十七号」を「第十八号又は第十九号」に改める。第二百四十六条第一項及び第二項第三号並びに第二百四十七条第一項中「借家権」を「賃借権」に改める。(マンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部改正)第二十四条マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。目次中「賃借人等」を「借家権者等」に改める。第二条第一項第十八号中「賃借権」の下に「(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下同じ。)及び配偶者居住権」を加え、同号ただし書を削る。第四条第二項第五号中「賃借人(一時使用のための賃借をする者を除く」を「借家権者(借家権を有する者をいう」に改め、同項第八号中「賃借人」を「借家権者」に改める。第五十八条第一項第七号中「借家権」を「賃借権」に改め、「者)」の下に「又は施行マンションについて配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けた者」を加え、「権利」を「賃借権」に改め、同項 - 41 -第八号中「借家権」を「賃借権」に改め、同項中第十七号を第十九号とし、第九号から第十六号までを二号ずつ繰り下げ、第八号の次に次の二号を加える。九施行マンションについて配偶者居住権を有する者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、施行再建マンションについて配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間十前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる施行再建マンションの部分第五十八条第三項中「第一項第十六号」を「第一項第十八号」に改める。第六十条第四項本文中「から」の下に「当該」を加え、「借家権」を「賃借権」に改め、「者)」の下に「又は施行マンションについて配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けている者」を、「より」の下に「それぞれ」を加え、同項ただし書中「第五十六条第一項」を「同条第一項」に、「借家権」を「賃借権」に改め、同条に次の二項を加える。5権利変換計画においては、第五十六条第三項の申出をした者を除き、施行マンションについて配偶者居住権の設定を受けている者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)に対しては、第一項の規
- 42 -定により当該施行マンションの区分所有者に与えられることとなる施行再建マンションの部分について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。ただし、施行マンションの区分所有者が同条第一項の申出をしたときは、第三項の規定により施行者に帰属することとなる施行再建マンションの部分について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。6前項の場合においては、権利変換計画は、施行マンションについて配偶者居住権の設定を受けている者に対し与えられることとなる施行再建マンションの部分についての配偶者居住権の存続期間が当該施行マンションの配偶者居住権の存続期間と同一の期間となるように定めなければならない。第六十二条中「第十号又は第十一号」を「第十二号又は第十三号」に改める。第六十三条中「第九号」を「第十一号」に改める。第八十三条第一項及び第二項第三号中「借家権」を「賃借権」に改め、同条第三項中「賃借人」を「賃借権を有する者」に改める。第二章第二節第二款の款名中「賃借人等」を「借家権者等」に改める。第九十条中「賃借人」を「借家権者」に改める。 - 43 -第百十条第三号中「借家人」を「借家権者」に改める。第百十五条中「賃借人」を「借家権者」に改める。(独立行政法人都市再生機構法の一部改正)第二十五条独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。第十一条第一項第四号中「第七十三条第一項第十九号」を「第七十三条第一項第二十一号」に、「第二百五条第一項第十八号」を「第二百五条第一項第二十号」に改める。(不動産登記法の一部改正)第二十六条不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。第三条中第九号を第十号とし、第八号の次に次の一号を加える。九配偶者居住権第八十一条の次に次の一条を加える。(配偶者居住権の登記の登記事項)第八十一条の二配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりと - 44 -する。一存続期間二第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め(信託法の一部改正)第二十七条信託法(平成十八年法律第百八号)の一部を次のように改正する。第九十五条の次に次の一条を加える。(共同相続における受益権の承継の対抗要件)第九十五条の二相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。
- 45 -(信託法の一部改正に伴う経過措置)第二十八条前条の規定による改正後の信託法第九十五条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による受益権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部改正)第二十九条中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成二十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。第九条第一項中「第千二十九条第一項の規定及び同法第千四十四条において準用する同法第九百三条第一項」を「第千四十三条第一項の規定及び同法第千四十四条第三項において読み替えて適用される同条第一項」に改め、同条第三項中「減殺」を「遺留分侵害額の請求」に改める。(民法の一部を改正する法律の一部改正)第三十条民法の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。第千十二条第二項の改正規定中「第千十二条第二項」を「第千十二条第三項」に改める。 - 46 -第千十六条第二項を削る改正規定を削る。附則第三十六条の見出し中「復任権及び」を削り、同条第一項を削り、同条第二項を同条とする。(政令への委任)第三十一条この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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