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法務省PPP/PFI手法導入優先的検討規程
第1 総則
1 目的
本規程は,法務省が自ら実施する公共施設整備事業について優先的検討を
行うに当たって必要な手続を定めることにより,新たな事業機会の創出や民
間投資の喚起を図り,効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに,国
民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保し,もって国民経済及び地
域経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
2 定義
本規程において,次に掲げる用語の意義は,それぞれ次に定めるところに
よる。
(1) PFI法 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法
律(平成11年法律第117号)
(2) 公共施設等 PFI法第2条第1項に規定する公共施設等
(3) 公共施設整備事業 PFI法第2条第2項に規定する公共施設等の整備等
に関する事業
(4) 利用料金 PFI法第2条第6項に規定する利用料金
(5) 運営等 PFI法第2条第6項に規定する運営等
(6) 公共施設等運営権 PFI法第2条第7項に規定する公共施設等運営権
(7) 整備等 建設,製造,改修,維持管理若しくは運営又はこれらに関す
る企画をいい,国民に対するサービスの提供を含む。
(8) 優先的検討 本規程に基づき,公共施設等の整備等の方針を検討する
に当たって,多様なPPP/PFI手法の導入が適切かどうかを,自ら公共施設
等の整備等を行う従来型手法に優先して検討すること
3 対象とするPPP/PFI手法
本規程の対象とするPPP/PFI手法は次に掲げるものとする。
(1) 民間事業者が公共施設等の運営 公共施設等運営権方式
等を担う手法 包括的民間委託
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O(運営等Operate)方式
(2) 民間事業者が公共施設等の設計, BTO(建設Build-移転Transfer-運営
建設又は製造及び運営等を担う手法 等Operate)方式
BOT(建設Build-運営等Operate-移
転Transfer)方式
BOO(建設Build-所有Own-運営等Ope
rate)方式
DBO(設計Design-建設Build-運営等
Operate)方式RO(改修Rehabilitate-運営等Operate)
方式
(3) 民間事業者が公共施設等の設計 BT(建設Build-移転Transfer)方式
及び建設又は製造を担う手法 民間建設借上方式
第2 優先的検討の対象とする事業及び検討開始時期
1 優先的検討の対象とする事業
建築物の整備等に関する事業,利用料金の徴収を行う公共施設整備事業そ
の他の民間事業者の資金,経営能力及び技術的能力を活用する効果が認めら
れる公共施設整備事業(競争の導入による公共サービスの改革に関する法律
(平成18年法律第51号)に基づく市場化テストの導入が前提とされてい
る公共施設整備事業及び民間事業者が実施することが法的に制限されている
公共施設整備事業を除く。
)のうち,次に掲げる基準(PPP/PFI手法の実績が
あるものについては,別に基準を定めることができるものとし,別に基準を
定めた場合には当該基準)
を満たすものを優先的検討の対象とする。
ただし,
現にPPP/PFI手法の導入を前提とした検討がされている場合及び災害復旧事
業その他の緊急に実施する必要がある場合については,この限りでない。
(1) 建設,製造又は改修を含む公共施設整備事業にあっては,事業費総額
10億円以上
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(2) 運営等のみを行う公共施設整備事業にあっては,単年度の事業費1億
円以上
2 優先的検討の開始時期
新たに公共施設等の整備等を行う場合は基本構想等を策定する以前に,公
共施設等の運営等の見直しを行う場合はそれに併せて,優先的検討を行うも
のとする。
第3 適切なPPP/PFI手法の選択
1 採用手法の選択
優先的検討の対象となる公共施設整備事業について,次の第4の簡易な検
討又は第5の詳細な検討に先立って,当該事業の期間,特性,規模等を踏ま
え,当該事業の品質確保に留意しつつ,最も適切なPPP/PFI手法(以下「採
用手法」という。
)を選択するものとする。この場合において,唯一の手法
を選択することが困難であるときは,複数の手法を選択できるものとする。
2 簡易な検討の省略
採用手法が次に掲げるものに該当する場合には,それぞれ次に定めるとこ
ろにより,当該採用手法の導入を決定することができるものとする。
(1) 当該事業が施設整備業務の比重の大きいもの又は運営等の業務内容が
定型的なものに該当する場合におけるBTO方式 次の第4の簡易な検討を
省略し,第5の詳細な検討を実施
(2) 民間事業者からPPP/PFIに関する提案がある場合であって,当該提案に
おいて,従来型手法による場合と採用手法を導入した場合との間での費
用総額の比較等の客観的な評価により,当該採用手法の導入が適切であ
るとされている場合における当該採用手法 次の第4の簡易な検討を省
略し,第5の詳細な検討を実施
第4 簡易な検討
1 費用総額の比較による評価
別紙のPPP/PFI手法簡易定量評価調書により,自ら公共施設等の整備等を
行う従来型手法による場合と,採用手法を導入した場合との間で,次に掲げ
る費用等の総額(以下「費用総額」という。
)を比較し,採用手法の導入の
適否を評価するものとする。第3において複数の手法を選択した場合におい
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ては,各々の手法について費用総額を算定し,その最も低いものと,従来型
手法による場合の費用総額との間で同様の比較を行うものとする。
(1) 公共施設等の整備等(運営等を除く。
)の費用
(2) 公共施設等の運営等の費用
(3) 民間事業者の適正な利益及び配当
(4) 調査に要する費用
(5) 資金調達に要する費用
(6) 利用料金収入
2 その他の方法による評価
採用手法の過去の実績が乏しいこと等により費用総額の比較が困難と認め
るときは,1にかかわらず,次に掲げる評価その他公的負担の抑制につなが
ることを客観的に評価することができる方法により採用手法の導入の適否を
評価することができるものとする。
(1) 民間事業者への意見聴取を踏まえた評価
(2) 類似事例の調査を踏まえた評価
第5 詳細な検討
第4の簡易な検討において採用手法の導入に適しないと評価された公共施
設整備事業以外の公共施設整備事業を対象として,専門的な外部コンサルタ
ントを活用するなどにより,要求水準,リスク分担等の検討を行った上で,
詳細な費用等の比較を行い,自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法によ
る場合と,採用手法を導入した場合との間で,費用総額を比較し,採用手法
の導入の適否を評価するものとする。
第6 評価結果の公表
1 簡易な検討の結果の公表
(1) 費用総額の比較による評価の結果の公表
第4の1の費用総額の比較による評価の結果,PPP/PFI手法の導入に適
しないと評価した場合には,次に掲げる事項を,入札手続の終了後等適切
な時期にインターネット上で公表するものとする。
ア PPP/PFI手法を導入しないこととした旨
イ 別紙の内容
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(2) その他の方法による評価の結果の公表
第4の2の方法による評価の結果,PPP/PFI手法の導入に適しないと評
価した場合には,次に掲げる事項を,入札手続の終了後等適切な時期にイ
ンターネット上で公表するものとする。
ア PPP/PFI手法を導入しないこととした旨
イ 客観的な評価結果の内容
2 詳細な検討の結果の公表
第5の詳細な検討の結果,PPP/PFI手法の導入に適しないと評価した場合
には,次に掲げる事項を,入札手続の終了後等適切な時期にインターネット
上で公表するものとする。
(1) PPP/PFI手法を導入しないこととした旨
(2) 別紙の内容
第7 規程の見直し
規程の運用状況等を踏まえ,必要な見直しを行うものとする。
附 則
この規程は,平成29年4月1日から施行する。
従来型手法
(公共施設等の管理者等が自ら整備等
を行う手法)
採用手法
(候補となるPPP/PFI手法)
候補となるPPP/PFI手法
整備等(運営等を除く。)費用
〈算出根拠〉
運営等費用
〈算出根拠〉
利用料金収入
〈算出根拠〉
資金調達費用
〈算出根拠〉
調査等費用
〈算出根拠〉
税金
〈算出根拠〉
税引後損益
〈算出根拠〉
合計
〈算出根拠〉
合計(現在価値)
財政支出削減率
その他
PPP/PFI手法簡易定量評価調書
別紙

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