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平成26年8月28日
林 幹 殿
法務省入国管理局参事官
法令適用事前確認手続回答通知書
平成26年7月24日付け法令適用事前確認手続照会書をもって照会のあった件
について,下記のとおり回答します。
なお,本回答は,照会対象法令の条項を所管する立場から,照会者から提示され
た事実のみを前提に,照会対象法令の条項との関係のみについて,現時点における
見解を示すものであり,もとより,捜査機関の判断や罰則の適用を含めた司法判断
を拘束するものではありません。記1 ジャッキアップ船に乗り込んで本邦に入国した外国人船員が,下船して本邦, ,に上陸することなく そのまま洋上で大型洋上風車の設置作業に従事する場合
出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という )第9条第1項の上陸許。可の適用対象となるか。
(回答)対象とならない。
(理由)入管法第9条第1項は,出入国港において外国人から上陸の申請(入
管法第6条第1項)があった場合の手続を定める規定であるところ,設例
は,そもそも出入国港における上陸の申請がない場合であるため,入管法
第9条第1項の適用の前提を欠く。
2 外国人が本邦において,ジャッキアップ船に乗り込み,大型洋上風車の設置
作業に従事する目的で本邦に上陸しようとする場合,在留資格「技能」の活動
に該当し,入管法第9条第1項の対象となるか。
(回答)当該大型洋上風車の設置作業が,本邦の公私の機関との契約に基づく
ものであり,かつ 「外国に特有の建築又は土木に係る技能」等を要する,業務といえる場合には 「技能」の在留資格で入管法第9条第1項の上陸,許可がされ得る。
(理由 「技能」の在留資格をもって在留する者として,出入国管理及び難民)認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の表の法別表第1の2の表
の技能の項の下欄に掲げる活動の項の下欄第2号において 「外国に特有,」 。
の建築又は土木に係る技能 を要する業務に従事する者が掲げられている
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3 本邦に在留する外国人が,ジャッキアップ船に乗り込み,大型洋上風車の設
置作業に従事することを目的とする在留資格「技能」への在留資格変更許可申
請は,入管法第20条3項の対象となるか。
(回答)当該大型洋上風車の設置作業が本邦の公私の機関との契約に基づくも
のであり,かつ 「外国に特有の建築又は土木に係る技能」等を要する業,務といえる場合には,原則として 「技能」の在留資格への入管法第20,条第3項の変更許可がされ得る。
(理由)入管法第20条第3項は 「在留資格の変更を適当と認めるに足りる,相当の理由があるときに限り,これを許可することができる」と規定して
いるところ 「相当の理由」の判断においては,当該在留資格の上陸審査,基準も勘案されることとなる。
4 ジャッキアップ船で大型洋上風車の設置作業に従事する外国人船員で,査証
免除国の者又は短期滞在査証を所持している者が,休養や買い物目的で短期間
上陸しようとする場合,在留資格「短期滞在」の活動に該当し,入管法第9条
第1項の対象となるか。
(回答)対象となる。
(理由)観光,保養,通過の目的での一時的な滞在は 「短期滞在」の在留資,格で行うことができる活動に該当する。
5 ジャッキアップ船で大型洋上風車の設置作業に従事する外国人船員で,査証
免除国の者又は短期滞在査証を所持している者が,本国への帰省や工事途中で, ,の交代のため 本邦に上陸後出国することを目的として上陸しようとする場合
在留資格「短期滞在」の活動に該当し,入管法第9条第1項の対象となるか。
(回答)対象となる。
(理由)観光,保養,通過の目的での一時的な滞在は 「短期滞在」の在留資,格で行うことができる活動に該当する。
6 外国人が本邦において,ジャッキアップ船に乗り込み,大型洋上風車の設置
作業に従事する目的で本邦に上陸しようとする場合,在留資格「短期滞在」の
活動に該当し,入管法第9条第1項の対象となるか。
(回答)原則として対象とならない。
(理由 「短期滞在」の在留資格をもって在留する者は,収入を伴う事業を運)営する活動又は報酬を受ける活動を行ってはならない(入管法第19条第
1項第2号 。役務提供が本邦内で行われ,その対価として給付を受ける)場合は,対価を支給する機関が本邦内にあるか否か,また,本邦内で支給
するか否かにかかわらず 「報酬を受ける活動」となるところ,本邦での,大型洋上風車設置作業により報酬が発生するのであれば 「短期滞在」の,在留資格には該当しない。
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ただし,当該設置作業が本邦外の主たる業務に関する従たる業務である
場合には 「報酬を受ける活動」に該当せず 「短期滞在」の在留資格に, ,該当し得る。
以 上

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