Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
令和5年度の渇水状況について
(注記)令和6年3月末時点
令和5年度の渇水状況について 目次
• 令和5年の気象概要
• 気候変動による降水や積雪への影響
• 令和5年度の渇水状況
• 全国の渇水状況
• トピックス1 利根川水系における渇水と対応
• トピックス2 新潟県における高温・渇水被害と対応
• トピックス3 新潟県南魚沼市における渇水対策と支援事業
• トピックス4 琵琶湖における水位低下
• トピックス5 山口県周南地区における応援給水
• トピックス6 中国地方整備局の対応(灰塚ダム、佐波川ダム・島地川ダム、八田原ダム)
• トピックス7 鹿野川ダムの底水活用
• トピックス8 筑後川における渇水対応
• トピックス9 沖縄における渇水対応
• 渇水対応タイムライン
• 渇水の広報〜渇水情報総合ポータル〜2 令和5年の気象概要
しろまる東・西日本太平洋側と沖縄・奄美では、秋雨前線や低気圧、台風の影響を受けにくく、高気
圧に覆われて晴れた日が多かったため、秋の降水量はかなり少なく、秋の日照時間はかな
り多かった。特に西日本太平洋側では、秋の降水量平年比が48%、秋の日照時間平年比が
120%となり、1946年の統計開始以降、秋として1位の少雨及び多照となった。
西日本太平洋側:
秋の日照時間平年比120%
出典:気象庁資料を一部加工し水資源部作成
西日本太平洋側:
秋の降水量平年比48%
降水量と日照時間の平年比、2023 年秋(2023 年 9 月〜11 月) 3
気候変動による降水や積雪への影響
(注) 20 世紀末(1980〜1999 年平均)を基準とした21 世紀末(2076〜2095 年平均)における将来変化量(バイアス補正
済)。
青:2°C上昇シナリオ (RCP2.6)
赤:4°C上昇シナリオ (RCP8.5)
棒グラフ:20世紀末の変動幅
しろまる「日本の気候変動2020(文部科学省、気象庁)」によると、将来の気候変動の影響により、
年間の無降水日の日数が増加するとともに、北海道の一部地域を除き、降雪・積雪は減少
すると予測されている。
しろまるそのため、降水の減少や融雪水の減少により、将来の渇水リスクが高まる懸念がある。
しろまるまた、融雪時期の早期化により需要期の河川流量の減少、これに伴う需要と供給のミス
マッチが生じる可能性がある。
将来の年最深積雪(%)
将来の年無降水日(日)
(注) 現在(灰色、1980〜1999年平均)を100%としたときの、21世紀末(2076〜2095年平均)に
おける年最深積雪量。
青:2°C上昇シナリオ (RCP2.6)
赤:4°C上昇シナリオ (RCP8.5)
出典: 文部科学省 気象庁
「日本の気候変動2020」
無降水日(日降水量1.0mm未満の年間日数)が
4°C上昇で約8.2日増加(全国)
積雪深の年最大値及び降雪量が
2度上昇で約30%、4°C上昇で約70%減少(全国)約8.2日
約 約
30% 70%4 令和5年度の渇水状況(1)
【利根川水系】 (8月〜9月)
【新潟県】 (8月〜9月)
・高温、渇水に伴い、稲の枯死等の農作物被害が発生
【淀川水系 琵琶湖】 (12月〜3月)
同時期の平均水位(H4〜R4)
より約10m低下
【沖縄本島11ダム】 (1月〜)
・貯水率42.7%(3/28時点)となり、過去10年の最低
貯水率(44.3%)を更新
・海水淡水化設備全稼働
(5,000m3/日→37,000m3/日)(1/13〜)
大保ダム
貯水率100%時
大保ダム
2/22時点(貯水率33%)
出典:沖縄渇水対策連絡協議会 会議資料(R6.2.27)を一部加工し水資源
部作成
出典:関東地方整備局 記者発表資料(8/3)を
一部加工し水資源部作成
・平成28年以来7年
ぶりの夏渇水。
・節水の呼びかけ
を実施
・18年ぶりに水位が
-75cm以下となる
・長浜市にある島
「奥の州」が陸続きに
関東地方整備局ポスター
【愛媛県 肱川水系】 (11月〜2月)
しろまる鹿野川ダム
・貯水率が0%となり、最低水位以下
の水を活用(11/1〜2/6)
しろまる野村ダム
・管理開始後の最低貯水率33%を記録
し、管理開始後初となる取水制限を実施
出典:令和5年度 肱川渇水情報連絡会(第4回)会議資料を一部加工し水資源部作成
河辺川(鹿野川橋)
【山口県 周南地区】 (11月〜2月)
・「周南地区工業用水の応援給水に関する協定」
締結後初となる、下松市から5,000m3/日の応援
給水を実施(11/29〜2/21)
(農水:10%取水制限(11/22〜2/27))
しろまる夏期は関東北部、北陸地方で、秋以降は西日本で、ダムの貯水率が低下するなど渇水傾
向が続いた。
一部地域においては、渇水対策本部を設置し、取水制限を実施。5 関東地方整備局管内
・以下の河川で渇水対策会議等を開催し、取水制限等を実施。
神流川[群馬県] :上水10%、農水10%、工水-%(3/1〜)
・久慈川、那珂川、利根川水系:渇水対策会議等開催(取水制限なし)
四国地方整備局管内
・以下の河川で渇水対策会議等を開催し、取水制限等を実施。
吉野川[徳島県、高知県] :上水20%、農水20%、工水20%(2/8〜3/13)
銅山川[愛媛県] :上水10%、農水-%、工水30%(11/10〜)
石手川[愛媛県] :上水3%、農水50%、灌漑10%(11/16〜)
肱川[愛媛県] :上水-%、農水10%(11/22〜2/27)
物部川[高知県] :農水20%(10/21〜11/13)
仁淀川[高知県] :上水30%、農水50%(10/20〜2/14)
足谷川[愛媛県] :工水30%(1/22〜2/29)
・渡川、岩松川、須賀川水系:渇水対策会議等開催(取水制限なし)
東北、北陸地方整備局管内
・北上川、鳴瀬川、名取川、子吉川、最上川、荒川、阿賀野川、信濃川、
手取川、犀川水系で渇水対策会議等を開催(取水制限なし)
近畿地方整備局管内
・以下の河川で渇水対策会議等を開催し、取水制限等を実施。
桂川[京都府]:上水35%、農水35%(11/4〜2/22)
猪名川[兵庫県]:上水30%、農水30%(11/7〜)
石川[大阪府]:上水40%、農水-%(1/19〜3/28)
加古川[兵庫県]:上水10%、農水-%(1/15〜2/26)
(注記)琵琶湖の水位が1/16時点で-79cmに低下。
中国地方整備局管内
・以下の河川で渇水対策会議等を開催し、取水制限等を実施。
江の川[島根県、広島県] :上水1〜15%、農水30〜80%(9/4〜1/26)
高梁川[岡山県] :上水2%、農水20%、工水5%(11/14〜2/27)
芦田川[広島県] :農水20%、工水20%(12/31〜3/27)
小瀬川[広島県、山口県] :上水5%、農水10%、工水10% (12/27〜3/8)
佐波川[山口県] :上水10%、農水10%、工水10%(11/13〜2/20)
錦川[山口県] :上水30%、工水70%(8/29〜)
厚東川[山口県] :上水-%、農水-%、工水30%(11/14〜2/5)
令和5年度の渇水状況(2)
九州地方整備局管内
・以下の河川で筑後川水系渇水調整連絡会を開催し、取水制限等を実施。
筑後川[福岡県、佐賀県] :上水3〜10%、農水-%、工水-%(2/17〜)
中部地方整備局管内
・以下の河川で天竜川水利調整協議会を開催し、取水制限等を実施。
天竜川[長野県、静岡県] :上水5%、農水10%、工水10%(1/10〜2/28)
沖縄総合事務局・沖縄県
・沖縄県渇水対策連絡協議会を
開催(取水制限なし)
(注記)取水制限率は、期間中の最大値を記載
(注記)[ ]は河川の流域がまたがる主な都道府県名を記載
しろまる渇水対策会議等を開催し、河川管理者と利水者が情報交換を行うとともに、渇水業務を迅
速かつ適確に実施するため、地方整備局に渇水対策本部を設置。
(渇水対策本部の設置状況)
四国地方整備局(10月20日〜)、近畿地方整備局(10月25日〜3月7日)、中国地方整備局 (11月13日〜3月8日)、九州地方整備局 (12月20日〜)、
関東地方整備局(令和6年2月22日〜)、東北地方整備局(注記) (令和6年3月14日〜) (注記)東北地方では、今年の冬は少雪傾向が続いており、今後の水利用や河川環境への影響が懸念されることから渇水対策本部を設置
令和6年3月末時点6 水道 工業 農業
北上川 江合川 - - -
最上川 最上川 - - -
名取川 名取川 - - -
鳴瀬川 吉田川 - - -
子吉川 子吉川 - - -
利根川 - - -
神流川 3/1 〜 10% - 10%
那珂川 那珂川 - - -
久慈川 久慈川 - - -
荒川 荒川 - - -
信濃川 - - -
高瀬川 - - -
阿賀野川 阿賀川 - - -
手取川 手取川 - - -
犀川 犀川 - - -
中部 天竜川 天竜川 1/10 〜 2/28 5% 10% 10%
猪名川 11/7 〜 20% - 20%
桂川 11/4 〜 2/22 35% - 35%
加古川 加古川 1/15 〜 2/26 10% - -
大和川 石川 1/19 〜 3/28 40% - -
高梁川 高梁川 11/14 〜 2/28 2% 5% 20%
〜 4/10 - 20% 20%
12/31 〜 3/27 - 20% 20%
江の川 江の川 9/4 〜 1/26 15% - 80%
小瀬川 小瀬川 12/27 〜 3/8 5% 10% 10%
佐波川 佐波川 11/13 〜 2/20 10% 10% 10%
錦川 錦川 8/29 〜 30% 65% -
厚東川 厚東川 11/6 〜 2/5 - 30% -
仁淀川 仁淀川 10/20 〜 2/14 30% - 50%
吉野川 2/8 〜 3/13 20% 20% 20%
12/23 〜 5/11 10% 30% -
11/10 〜 10% 30% -
物部川 物部川 10/21 〜 11/13 - 20%
12/13 〜 4/20 3% - 50%
11/16 〜 3% - 50%
肱川 肱川 11/22 〜 2/27 - - 10%
渡川 四万十川 - - -
岩松川 御代ノ川 - - -
国領川 足谷川 1/22 〜 2/29 - - -
九州 筑後川 筑後川 2/17 〜 10% - -
重信川 石手川
吉野川
四国
近畿
芦田川 芦田川
淀川
中国
銅山川
取水制限期間
最大取水制限率
東北
関東
北陸
信濃川
利根川
10 11 12 1 2 3
4 5 6 7 8 9
地域 水系 河川v全国の渇水状況
渇水対策協議会等
取水制限
自主節水
しろまる7〜9月に東北、北陸地方で渇水対策協議会等を多くの河川で開催。
しろまる8月に利根川水系で利根川水系渇水対策連絡協議会幹事会を開催。
しろまる11〜2月に西日本で取水制限を多く実施。
利根川では、30%の取水制限を実施した
平成8年(2016年)以来となる切迫した状
況となった7くろまる
利根川上流9ダム合計貯水量
利根川流域の降雨量
出典:令和5年度 利根川水系渇水対策連絡協議会
幹事会資料を一部加工し水資源部作成
栗橋地点(埼玉県久喜市栗橋地先)上流域における7 月の
降水量は、平均値203mm(昭和23 年〜令和4年の75 年間
の平均)の半分に満たない約44%(90mm)であった。
利根川栗橋地点上流域平均降水量
(令和5年9月29日0時まで)
関東地方整備局ポスター
トピックス1 利根川水系における渇水と対応(1)
しろまる栗橋地点(久喜市)上流域の7月の降水量は、過去平均値の約44%程度となり、8月7日
に利根川上流ダム群の貯水率が63%に低下。
しろまる8月7日に「利根川水系渇水対策連絡協議会幹事会」を臨時に開催し、取水制限の実施に
ついて協議会で協議することを確認するとともに節水の呼びかけを実施。
矢木沢ダムの貯水状況(令和5年8月2日撮影) 8
8月初旬から利根川上流ダム群の貯水量
が平成8年の貯水量と同程度で推移し始
め、このまま水位が低下した場合は取水
制限をとなるおそれがあったが、その後の
降雨により貯水量が回復し、取水制限に
は至らなかった。
北千葉導水路、三郷放水路の活用
出典:令和5年度 利根川水系渇水対策連絡協議会幹事会資料をもとに水資源部作成
八ッ場ダムの効果
出典:関東地方整備局HP資料を加工し水資源部作成
令和5年度
利根川9ダムの貯水量
令和5年度
八ッ場ダムがない場合の貯水量
三郷放水路→
←北千葉導水路9しろまる令和5年8月の利根川上流9ダムの最低貯水量
は約2億2千万m3(貯水率60%)であり、八ッ場
ダムが無かった場合は約2億m3(貯水率54%)
に低下していたと試算。
しろまる八ッ場ダムが無ければ、取水制限検討の目安
である貯水率50%に近づいていたと推定。
しろまる江戸川は、東京、埼玉県、千葉県の水道水源を
担っているが、利根川上流9ダムの貯水率が約
70%となり渇水傾向となった8月4日から8月9
日までの間、北千葉導水路、三郷放水路を用い
て合計約630 万m3の水を江戸川に導水。
(北千葉導水路約420 万m3、三郷放水路約210 万m3)
トピックス1 利根川水系における渇水と対応(2)
しろまる新潟県では、令和5年7月21日以降まとまった降雨がなく、高温・干ばつにより、水稲の枯死
や葉の枯れ上がりなど、農作物等への影響が発生。
しろまる番水の強化、消雪パイプ用井戸の活用、応急対策支援など様々な渇水対応を実施。
用水の現状と渇水対応
農作物等の状況
渇水被害応急対策支援
(令和5年7月21日新潟県がHPで公表)
1かん水用機械等整備対策
農業者等が農作物及び錦鯉への干ばつ
被害を軽減させるために行う対策(ポンプ車
やポンプ等の借り上げ、ポンプやタンク等の
購入)に要する経費に対して、市町村が補助
するのに要する経費
2干ばつ応急対策(県単農業農村整備事業
〔拡充〕)
土地改良区等が行う水路の造成、揚水
施設(井戸、揚水機等)の設置、送水管の配
置、揚水機の購入及び借り上げ等に要する
経費
1 7月21日以降まとまった降雨がない影響
により、天水田や小・中河川流域等の水
田を中心に、枯死、葉の枯れ上がりや
巻き上がりなど、高温・干ばつの影響が
広がった。
2 園芸品目では、主にえだまめで莢の黄
化や肥大不足、アスパラガスで焼けや
奇形茎による品質低下が見られた。
出典:第3回 新潟県渇水情報連絡会資料(令和5年9月5日)
水道水で渇水による減断水の発生はなく、工業用水道で給水支障は出ていない。
新潟県の気象状況
(少雨と長期間の高温に関する新潟県気象情報 第2号
2023年8月31日 新潟地方気象台発表 抜粋)
出典:第3回新潟県渇水情報連絡会を一部加工し
水資源部作成
新潟県では、7月下旬から高気圧に覆われて晴れる
日が多かったため、降水量の少ない所が多くなって
いました(7/21〜8/30の降水量:平年比0〜65%)。
出典:新潟県
トピックス2 新潟県における高温・渇水被害と対応10 トピックス3 新潟県南魚沼市における渇水対策と支援事業
(消雪パイプ用井戸の活用事例)
冬季の市道消雪用の消雪パイプ用井戸を活用し、用水路に補水した。
また、新潟県からも協力を得て県管理道路の消雪パイプ用井戸も併せて稼働
した。
1消雪用井戸に仮設ホースを接続して用水路に補水
課題
・仮設ホースの設置に時間を要して費用も掛かる。
・井戸業者への依頼が集中して対応が遅れた。
2消雪パイプから散水して用水路に補水
課題
・高熱となったアスファルトで水が蒸発した。
・水を意図した用水路に流せない。11(防災井戸用バルブベントの活用事例)
令和5年の消雪パイプ用井戸活用の課題を解決するために、令和6年に防災井
戸用バルブベントを市内8箇所に試験設置する。
防災井戸用バルブベントを予め設置することで、地元住民でも井戸業者に頼ること
なく速やかに仮設ホースの接続が可能となる。
また、貴重な水をロスなく用水路に流せることや、必要に応じてホースを延長する
ことである程度遠方にも送水できることから、地元から大変期待されている。
防災井戸用バルブベント 用水路への補水状況
(南魚沼市の渇水支援事業)
・南魚沼市農業用水渇水支援対策事業
消雪パイプ用井戸の電力契約は冬季
間限定であるため、井戸の水中ポンプ
を稼働するには発電機が必要となり、
それに関わる発電機のリース料、燃料
代等を全額補助した。(補助額:15百万円)発電機の設置状況
しろまる新潟県南魚沼市では、消雪パイプ用井戸の活用や発電機のリース料、燃料代等に対する支援など、独自の取
組を実施。
しろまるまた、令和5年度の課題を踏まえ、令和6年度に防災井戸用バルブベントの試験設置を実施。
トピックス4 琵琶湖における水位低下
滋賀県長浜市「奥の洲」 1月撮影
滋賀県長浜市「奥の洲」 3月撮影
しろまる滋賀県では、琵琶湖の水位がマイナス75cm以下となったため、18年ぶりに渇水対策本部
(令和6年1月4日)を設置。長浜市にある島「奥の州」が陸続きに。
しろまるこの水位低下により、観光用船舶の運行や水産業への影響が発生。
(水位:-13〜-16cm)
(水位:-77〜-78cm)
出典:近畿地整(琵琶湖河川事務所)の情報をもとに水資源部作成 12
水面から桟橋面まで約2.5mの差が生じ、船の
接岸が困難となった状況
プロペラが漁場内で湖底と接触し破損した状況
出典:山口県企業局 令和5年度企業局概要を一部加工し水資源部作成
応援給水
応援給水協定の経緯
(注記)協定締結以前は、平成17〜19 年度、平成22 年度に応
援給水を実施。
菅野ダム
温見ダム
末武川ダム13しろまる周南工業水道は錦川水系の菅野ダムを水源として工業用水利用を行っているが、渇水のため、令和5
年11月29日から菅野系工業用水の自主節水を65%に強化することを決定。(菅野ダム貯水率32.1%)
しろまるまた、山口県企業局では、「周南地区工業用水の応援給水に関する協定」に基づき、末武川工業水道
が利用している末武川水系の温水ダム、末武川ダムからの応援給水を実施(令和5年11月29日〜令和6年
2月21日 5,000m3/日)
温見ダムを水源とする下松市工業水道事
業用水の給水量を5,000m3/日増やし、末
武川工業用水道を経由して周南工業用水
道へ給水
給水期間
令和5年11月29日〜令和6年 2 月21日
・平成26年度に、渇水時の迅速かつ計画的な
給水の実施を図るため、下松市と協定を締
結して制度化。
・給水の開始は、周南工業用水道事業(菅野
系)の自主節水65%時を目安。
・今回の応援給水は協定締結後、初の実施
下松市からの応援給水
下松市
周南市
トピックス5 山口県周南地区における応援給水
トピックス6(1) 灰塚ダム及び渇水調整の効果14出典:中国地方整備局HP
https://www.cgr.mlit.go.jp/kisya/pdf/240411_1top.pdf
トピックス6(2) 佐波川ダム・島地川ダム及び渇水調整の効果
出典:中国地方整備局HP資料を一部加工して水資源部で作成15(水道10%・工業用水10%・灌漑用水10%)
トピックス6(3) 渇水対応における八田原ダムの効果
出典:中国地方整備局HP
https://www.cgr.mlit.go.jp/kisya/pdf/240411_1top.pdf16 しろまる肱川水系の鹿野川ダムでは、11月1日に貯水率0%に到達したが、利水者の大洲市からの要
望により、最低水位以下の底水(通常は使わないダムの「堆砂容量」の水)を98日間補給。
しろまるダムの貯留水は、11月2日に発生した山火事の消火対応にも使用。
トピックス7 鹿野川ダムの底水活用
洪水調節容量
650万m3
河川環境容量
2,970万m3
(注記)堆砂容量
1,200万m3
放水バルブ
利水貯水率0%
EL.66.50
最低水位以下の水の活用 約370万m3
EL.61.50
クレストゲート
最低水位以下の水を活用
山火事箇所(大洲市戎川)
鹿野川ダム
野村ダム
←最低水位 (貯水率0%)
鹿野川ダム湖 写真(貯水率0%)
山火事消火対応(11月2日)への活用
出典:四国地方整備局資料を一部加工し水資源部作成 17
出典:筑後川水系渇水調整連絡会の会議資料を
一部加工して水資源部で作成
しろまる通常時、水道用水を供給する水道企業団は、利水者毎に決められたダムの貯留水を放流し、筑後大堰
上流から水道用水を取水。
しろまる令和5年度の渇水では、第1次渇水調整として、ダムの貯水量を長持ちさせるため、ダムからの放流を
抑えて筑後大堰の貯留水を優先して使用(注記)1。水道企業団では海水淡水化施設をフル稼働。
しろまる更に、第2次渇水調整として、取水制限を実施するとともに、山口調整池(注記)2の貯留水を使用し、筑後川
からの取水を低減。
トピックス7 筑後川における渇水対応
(注記)1
筑後大堰は、筑後川下流
部に位置し、集水面積が
他の施設と比較して広く、
降雨後の貯水容量の回
復が早期に行えるために
優先して使用。
(注記)2
山口調整池は、取水制限
や施設トラブル等が発生
した場合に導水路へ利水
補給することで、安定供
給を図るための貯水量
400万m3の施設。
今渇水では、
約11万m3使用(2/17〜
2/19)
【第2次渇水調整】、
福岡地区水道企業団で10%、福岡県南広域
水道企業団及び佐賀東部水道企業団で3%
の取水制限を実施
山口調整池の貯留水を使用し、筑後川から
の取水を低減
【第1次渇水調整】
ダムからの放流を抑えて筑後大堰の貯留水を
優先的に使用
【通常時】
水道用水を供給する水道企業団は、利水者毎に決
められたダムの貯留水を放流し、筑後大堰上流から
水道用水を取水18ダムの貯留水を
統合して使用
ダムの貯留水を
統合して使用
10,000m3/日 → 50,000m3/日(12/12〜3/31)
しろまる沖縄地方では、9月以降の少雨により、本島11ダムの貯水率が低下、過去10年間の最低貯
水率の記録を更新。
しろまる1月13日から「海水淡水化設備」がフル稼働。
トピックス9 沖縄における渇水対応
出典:沖縄統合事務局HP
海水淡水化設備(逆浸透設備)が全稼働
(5,000m3/日→37,000m3/日)(1/13から稼働中)
出典:沖縄県企業局HP
https://www.eb.pref.okinawa.jp/water/73/79
貯水率33%となった大保ダム
令和6年2月22日撮影
沖縄本島では、国管理ダム・
県管理ダム・、企業局管理ダム
の計11ダムを主な水源として
おり、これらのダムで連携した
運用を行っています。
渇水タイムラインとダム貯水率の推移
(令和6年3月31日時点)19 しろまる国管理河川において、渇水による影響が大きい水系から「渇水対応タイムライン」を
作成。
しろまる令和6年3月27日現在、30水系32河川で渇水対応タイムラインを公表。
渇水対応タイムラインの策定状況20 「渇水対応タイムライン」による渇水調整の効果
しろまる小瀬川では、「小瀬川管理協議会渇水対応タイムライン」を活用し、市民への節水の呼びかけや、早期の自主節水、一
時取水制限を実施。
しろまる計画的な渇水調整の結果、小瀬川3ダム(弥栄ダム、小瀬川ダム、渡ノ瀬ダム)の貯水量(約400万m3)を確保し、市民
生活や企業活動への影響が発生する取水制限の強化を回避。21小瀬川管理協議会渇水対応タイムライン(令和4年4月1日運用開始)
しろまる小瀬川3ダム(弥栄ダム、小瀬川ダム、渡ノ瀬ダム)の合計貯水容量が4,300万m3を下回り、
減少傾向にある場合に自主節水を実施。
しろまる小瀬川3ダムの合計貯水容量が2,500万m3(40%相当)、1,900万m3(30%相当)、
1,300万m3(20%相当)になった場合に管理協議会を開催し、取水制限実施の協議を実施。
しろまる自主的な節水及び、弥栄ダムからの放流量の調整を実施
しろまる小瀬川3ダムの合計貯水量が2,500万m3を下回る見込みとなったため、令和5年12月
21日に小瀬川管理協議会 第1回渇水調整会議を開催。
令和5年12月27日午前9時より、第1次取水制限(上水5%、工水10%、農水10%)
の実施を決定。(取水制限は令和6年3月8日15時解除)
出典:中国地方整備局HP資料を一部加工して水資源部で作成
全国の渇水状況を更新
(都度更新)
節水チラシを掲載
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizukokudo_mizsei_kassui_portal.html
しろまる国土交通省HP「渇水情報総合ポータル」に、各全国の渇水状況や過去の渇水、渇水時の
影響等を掲載
10%取水制限時
くろまる東京都で一部多摩川水系から補給(H6) 【上水】
くろまる配水圧の調整、給水バルブ調整【上水】
くろまる農業用水ポンプの時間運転、ゲート操作による調整【農水】 等
20%取水制限時
10%取水制限時の対策に加え以下の対策を実施。
くろまる公園の水道停止【上水】
くろまる番水の実施【農水】 等
30%取水制限時
20%取水制限時の対策に加え以下の対策を実施。
くろまる小中学校等プール中止【上水】
くろまる生産ラインの制限【工水】 等
過去の渇水について(平成6年、8年利根川の例)
各地整の状況、各ダムの貯水率、
会議資料、対応を更新
(会議終了後都度更新)
渇水の広報〜渇水情報総合ポータル〜
首都圏渇水時の影響例

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