ナホトカ号油流出事故における油濁損害賠償等請求事件に係る訴訟の和解について

[画像:国土交通省]
ナホトカ号油流出事故における油濁損害賠償等
請求事件に係る訴訟の和解について
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平成14年8月30日
国土交通省
海上保安庁
<問い合わせ先>
河川局水政課

(内線35233)

海事局総務課

(内線43172)

港湾局環境・技術課

(内線46662)

TEL:03-5253-8111(代表)

  1. 国等の訴訟の和解
    ナホトカ号油流出事故(平成9年1月2日日本海で発生)に関し、国及び海上災害防止センターがその油防除に伴い生じた損害の賠償等の支払をナホトカ号の船舶所有者等に対して請求した訴訟について、平成14年8月30日、原告と被告とが和解に到達し、訴訟が終了することとなった。

    (参考)ナホトカ号油流出事故に関し、国及び海上災害防止センターは、以下の訴訟を平成11年12月17日に東京地方裁判所に提起。

    原告 : 国(海上保安庁、防衛庁、国土交通省)、海上災害防止センター
    被告 : 船舶所有者(プリスコ・トラフィック・リミテッド(ロシア))、船主責任保険組合(UKクラブ(英国))
    請求額 : 国 約15.2億円
    (海上保安庁約6.8億円、防衛庁約6.6億円、国土交通省約1.9億円(港湾 約1.5億円、河川 約0.4億円)
    海上災害防止センター 約53.9億円
    (訴訟提起時の請求額は、約75.2億円)

  2. 和解の概要
    1被告及び国際油濁補償基金は原告に対し、以下の金額を平成14年9月10日に支払う。
    国 約18.9億円(遅延損害金を含む)
    海上災害防止センター 約41.6億円

    2原告、被告及び国際油濁補償基金との間には、?@以外に何らの債権債務のないことを確認する。

  3. 和解の意義
    今回の裁判上の和解によってナホトカ号油流出事故に係る損害の総額が確定したため、各被害者にそれぞれ認められた損害額の全額について9月10日以降可及的速やかに補償金が支払われることとなったことから、本件補償問題は全面的かつ最終的に解決することとなった。

ナホトカ号事故の概要について
ナホトカ号事故の被害者ごとの補償額


ナホトカ号事故の概要について

  1. 事故概要
    • 1997年(平成9年)1月、ロシア船籍タンカー「ナホトカ」号(13,159総トン。19.000トンの燃料油を積載。上海からペトロハバロフスクに向け航行中)が島根県沖航行中船体破断。
    • 船尾部が沈没。船首部が福井県沖に漂着、重油流出(6.200?d)。島根県から秋田県にかけての海岸に甚大な油濁被害が発生。
    • 事故は、老朽化による船体の強度の低下等が原因と考えられる。

  2. 油濁損害補償の仕組み(油濁損害賠償保障法及び関連条約)
    • 流出油による被害(油濁損害)について、船主(保険会社)がまず一定限度まで賠償。残った被害額を一定限度まで国際油濁補償基金(石油会社等の民間拠出金により運営される国際機関)が補償。
    • 本件での被害者は、漁業者、観光業者、電力会社、地方自治体、国、海上災害防止センター等。

  3. 補償手続
    • 個々の被害者と船主(保険会社)・基金が被害額について査定/示談交渉を実施。
    • 油濁損害賠償保障法では、既に示談が成立した者も含め、被害者は損害賠償請求権保全のため、被害発生から3年以内(本件では00年1月まで)に訴訟を提起することが必要。ナホトカ号事故に係る訴訟は以下のとおり。
      1国・センターが船主(プリスコ)・保険会社(UKクラブ)を提訴。
      2漁業関係者、観光業者、電力会社、地方自治体等が船主・保険会社等を提訴(全8件)

  4. 和解及び最終的解決 国・センターの提起していた3.?@の訴訟については、平成14年8月30日(金)に和解が成立。
    これを契機に、漁業関係者等国・センター以外の被害者が提起していた訴訟も和解に到達する見込みであり、平成14年9月10日(火)以降可及的速やかに被害者に対する支払がなされる予定。
    なお、確定した損害額総額(=補償額)は下記のとおり。


ナホトカ号事故の被害者ごとの補償額

国及び海上災害防止センターに係る補償額(1)

請求者 請求額 補償額
国 15億19百万円 18億87百万円((注記))
海上災害防止センター 154億21百万円 124億50百万円((注記)(注記))

((注記)) 債権管理法上必要とされる遅延損害金を含む。
((注記)(注記))仮設道路に係る補償額20億48百万円を含む。

(参考)その他の被害者の補償額(2)

(国際油濁補償基金資料による)

請求者 請求額 補償額
漁業者 50億13百万円 17億69百万円
観光業者 28億41百万円 13億44百万円
地方自治体 71億43百万円 56億38百万円
船主 11億29百万円 7億74百万円
その他 27億48百万円 22億65百万円

補償額合計(1+2) 約261億円

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